森重専務の「経営の湧き水」

NEW!2025.10月-2,報酬は“額”ではなく、“流れ”で考える

―湧き水を濁らせないための報酬設計の視点―

役員報酬を考えるとき、つい「いくらが適正か」に意識が向きがちだ。 でも本当に大切なのは、「どう流すか」。 つまり、報酬が会社の中でどう循環し、どんな影響を与えるかという視点だ。

報酬は、湧き水のようなもの。 澄んだ流れであれば、組織を潤し、信頼を育てる。 でも、流れが急すぎたり、滞ったり、濁ったりすれば、 スタッフの不信感や税務リスク、資金繰りの不調につながる。

たとえば、毎月の固定報酬が高すぎれば、 社会保険料が膨らみ、会社の体温が下がる。 逆に低すぎれば、経営者自身の保障が薄くなり、 将来の退職金や年金設計に影響する。また、報酬の流れは、スタッフにも見えている。 「社長はどんな基準で報酬を受け取っているのか」 その透明性が、組織の信頼を育てる“水質”になる。

だからこそ、報酬は「額」ではなく「流れ」で考える。 どこから湧き、どこへ流れ、どんな温度で循環するか。 それを設計することが、経営者にしかできない“水源管理”なのだ。この秋、報酬の流れを見直してみませんか? 湧き水のように、澄んだ報酬設計が、会社の命を支えるのです。

●今月のアクション5選

  1. 役員報酬の金額と根拠を“見える化”する
    ・報酬設計シートを作成し、利益・責任・生活設計・他社比較などの根拠を整理する。
  2. 社会保険料とのバランスを再確認する
    ・月額報酬を一時的に抑える場合は、保障との連動を意識し、代替制度(退職金・DC)も検討する。
  3. 税理士と“報酬設計”の面談を設定する
    ・税・社保・損金・資金繰り・退職金まで含めた総合的な報酬戦略を確認する。
  4. 報酬変更のタイミングと手続き方法を整理する
    ・株主総会・取締役会・社保・税務届出のフローを明文化し、年間カレンダー化する。
  5. 退職金制度との連動を検討する
    ・現行の退職金規程を確認し、功績倍率法・定額法・DC併用などの設計を見直する。
    ・報酬と退職金の“水路のつながり”を整えることで、将来の安心と税務の最適化を両立させる。

専務の森重が、お客様と今月のアクション5選について一緒に検討することも承っています。
ご希望の方はぜひお問い合わせください!!