森重専務の「経営の湧き水」

NEW!1,最低賃金引き上げは「コスト」か「投資」か?

令和7年10月からの最低賃金引き上げは、経営者にとって避けて通れないテーマだ。全国平均で時給63円アップ(東京都では1,226円に引き上げ)する見込みで、従業員の給与水準を見直す必要がある。だが、これを単なる「コスト増」と捉えるか、「未来への投資」と捉えるかで、企業の成長スピードは大きく変わる。

賃上げによって従業員の定着率が向上すれば、採用・教育コストの削減につながる。また、働く人の満足度が上がれば、サービス品質も向上し、顧客のリピート率や口コミ評価にも好影響を与える。さらに、業務改善助成金などの制度を活用すれば、賃上げに伴う設備投資や生産性向上の取り組みにも支援が得られる。

経営者が今すべきは、「賃上げ=負担」という思考から脱却し、「賃上げ=企業価値向上のチャンス」として捉えること。人に投資する企業こそ、これからの時代に選ばれる存在となる。

 ◆ 具体アクション例

  • 従業員の定着率や離職理由を社内アンケートで把握する
  • 賃上げによるモチベーション変化をヒアリングする場を設ける
  • 顧客満足度やリピート率のデータを定期的に分析する
  • 業務改善助成金の対象設備や取り組みをリストアップする
  • 賃上げを社内報や面談で「感謝と期待」として伝える