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どうなるコンビニの24時間営業…人手不足で成長限界?

日本の社会インフラと言われるまでに成長したコンビニエンスストア業界が人手不足に苦しんでいます。深夜や未明に働く人が集まらず、24時間営業が難しくなっているのです。利用者からは24時間あいていなくてもいいという声が聞かれますが、コンビニ各社は売り上げが落ちることを恐れて、原則24時間営業の旗を降ろそうとしません。しかし、人口減少は今後も続きますし、留学生などの外国人労働力にも限界があります。日本にコンビニ1号店が開店して45年。店舗数はそのうち飽和すると言われながら未だに増えつづけていますが、店舗数の飽和より先に人手不足によって成長の限界が訪れる可能性が出てきました。

店舗数の9割以上が大手3社

 日本のコンビニの店舗数は5万5000店以上に上っています。大手はセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの3社で、店舗数の9割以上を3社で占めています。これにミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマート、ポプラを加えてコンビニ主要7社と呼ばれています。

16時間超の労働時間で限界に

 人手不足が注目されるようになったのは、大阪府東大阪市のセブン-イレブンの店主が人手不足のために24時間営業をやめて本部のセブン-イレブン・ジャパンと対立している問題が2月に明るみに出たからです。店主は働く人が見つからないため連日16時間を超える労働時間になり、やむを得ず営業時間を短縮したところ本部から契約解除と違約金1700万円を求められました。セブン-イレブン・ジャパンには「非人道的だ」などとする批判が寄せられ、セブン-イレブンは脱「24時間営業」の実験を全国各地の10店で始めました。この10店は本部の直営店ですが、大半を占めるフランチャイズ店でも今後実験することになりそうです。
経産省の調査では6割が「人手不足」
 経済産業省はコンビニ加盟店のオーナーにアンケート調査をしました。その結果によると加盟店の6割で人手が足りておらず、4割がコンビニ本部に対して不満を持っていることが分かりました。4年前の同様な調査では「従業員が不足している」と答えたオーナーは2割ちょっとだったので、大幅に増えていることが分かります。
今、日本では人手不足、特に若い人手の不足が深刻になっています。人口減少と少子高齢化のためです。特に深夜や未明に働く人を確保するのは大変で、都会では時給が1000円を大きく超えています。すでにファミリーレストランや牛丼チェーンなどでは24時間営業をやめるところが増えています。

日本最大の課題「少子高齢化・人口減」…企業はどうする?留学生は週28時間までしか働けず

 人手不足解消の切り札に挙げられるのは、外国人労働者です。コンビニは現在でも、外国人にかなり頼っています。大手3社の従業員総数は約78万人で、うち外国人は7%弱です。その大半は留学生のアルバイトで、原則として週28時間までしか働けません。外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法(入管法)が4月1日に施行されます。業界では新たな在留資格の対象業種にコンビニを盛り込むよう要望していましたが、対象になりませんでした。

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ローソン全店 セルフレジ 10月までに1万4000店導入

2019/4/1 2:00 朝刊 [日経]

ローソンは利用客が自ら精算する「セルフレジ」を導入する。4月から始め、10月の消費増税までに全1万4000店で利用できるようにする。店内にあるレジの一部で利用客が専用端末を使って商品のバーコードを読み取り、精算する。24時間営業を見直す声が加盟店から上がるなど人手不足が深刻さを増すなか、店舗運営を省力化して生産性を高める。
レジは簡単な操作だけでセルフレジに変わり、勤務する従業員の人数などに合わせて加盟店の判断で切り替えができる。レジの作業時間は最大で1店舗1日あたりの3割に相当する5時間を減らせると見込んでおり、人手不足に対応できる。支払いには現金は使えず、電子マネーなどキャッシュレス決済に限る。
このほか利用客がスマートフォン(スマホ)の専用アプリで商品のバーコードを読み取って精算する仕組みも10月までに千店で導入する。
ほかのコンビニ大手もセルフレジを導入する計画だ。セブン―イレブン・ジャパンは従業員が商品のバーコードを読み取り、会計は利用客が支払機で済ませるレジの全店展開を目指す。2018年7月から試験導入しており、クレジットカードや電子マネーのほか、現金も利用できる。
ミニストップは6月からセルフレジを導入し、利用客の反応をみて全店への導入を検討する。

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セブン、面積1割広く人気の冷食など充実

2019/4/3 2:00 朝刊 [日経]

セブン―イレブン・ジャパンは店舗面積を1割広げる。4月下旬以降に開店する新店が対象で数百店を展開する。販売が伸びているコーヒーなどのカウンター商材や冷凍食品を充実する。利用客1人当たりの購入額を伸ばすことで、店舗の売上高を増やす。
冷凍食品の販売ケースを増やす(川崎市のセブンイレブン)
標準店舗の面積は199平方メートルだが221平方メートルにする。レジ横のカウンターを広げ、いれたてコーヒーや揚げ物などの商品を増やす。冷蔵商品の売り場も広げるほか、冷凍食品の販売ケースも1台以上増やす。女性の来店増加に対応し、棚の高さも1メートル35センチと15センチ低くした。
店舗は屋根などのパーツを住宅メーカーが組み立て車で輸送していたが、大型化すると輸送できないなどの問題があった。トヨタホームが、工事現場で特別な資格者がなくても簡単に組み立てられる工法を開発。輸送の問題を解消した。コンビニは店舗面積が200平方メートルを超えると申請書類が増え、開店までに時間がかかることから200平方メートル未満が主流だった。セブンイレブンでは申請手続きを前倒しすることで、出店に支障が出ないようにする。

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セブンイレブン社長交代、24時間問題で体制刷新  永松副社長が昇格、古屋氏は会長に

2019/4/3 19:00

セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン―イレブン・ジャパンは古屋一樹社長(69)が退任し、後任に永松文彦副社長(62)が昇格する人事を固めた。古屋社長は代表権のない会長に就く。人手不足を受けフランチャイズチェーン(FC)加盟店から24時間営業の見直しを求める声が上がる。事業環境が変化するなか、経営体制を刷新する。これまで成長を支えてきたコンビニモデルをどこまで見直すかが焦点になる。
4日午前にも取締役会を開き、正式に決定する。新社長の就任日は週明けとすることで最終調整している。セブンイレブンの社長交代は、鈴木敏文セブン&アイ元会長(86)の退任などでグループ全体が大きく揺れた2016年以来、3年ぶりとなる。
セブンイレブンは国内のコンビニの生みの親ともいわれる鈴木元会長の強力なカリスマ性で現在は2万店を超えるチェーン店を束ねてきた。16年に社内人事を巡る混乱の中で鈴木元会長が突然、退任した後、持ち株会社の井阪隆一社長(61)とセブンイレブンの古屋社長などによる集団指導体制に移行した。
ただ、カリスマなき後、チェーン運営の結束のゆるみも目立ってきた。24時間営業の問題を巡っては2月に、大阪府東大阪市のFC加盟店オーナーが、本部の合意のないまま営業時間の短縮に踏み切り、同社が契約違反と指摘して対立する事態となった。一部のFC店オーナーらがこの動きを支持し、終日営業の見直しを求める声を上げた。
こうした動きを受け、同社は3月下旬、直営10店で営業時間を短縮する実験を始めるなど対応に追われている。FC加盟店には古屋社長名の文書を配布。24時間営業の原則を維持するとしながらも営業時間について「一律に判断を下すのではない」として、個別の事情に応じて柔軟に対応する姿勢を示していた。
親会社セブン&アイの井阪社長は鈴木元会長のカリスマ型の統治とは一線を画して、経営陣や現場との対話を重視する姿勢を打ち出した。ただ実際には事業会社の内部や、事業会社と持ち株会社の間で意見交換や意思疎通がスムーズにいかないこともあったようだ。セブンイレブンの取締役も兼ねる井阪氏は24時間営業の問題など現場のトラブル報告が経営陣まで迅速に上がっていない体制を問題視していた。
永松氏は人事畑が長く、社内や加盟店とのコミュニケーションを円滑にするのに適切な人材だと判断したことも登用の理由になったとみられる。3月に配布した加盟店向けの文書も永松氏が策定に中心的な役割を果たしたという。3月にセブンイレブンの取締役から副社長に昇格したばかりで、歴代の社長に比べると商品開発や、加盟店の経営相談を担う部署での経験が浅いが、同じグループの通販大手ニッセンホールディングスなど幅広い分野での経験を生かしてもらいたい狙いもある。会長に就く古屋氏は「鈴木元会長の経営哲学を引き継ぎ、親分肌で社内の統率力が高い」(セブン&アイ幹部)。鈴木元会長が退任した後、チェーン運営の中核を担ってきた。今後は永松氏のサポートにまわる。1974年の国内1号店の出店から今年で45年。全国2万店超にまで店舗網を拡大してきたが、加盟店の経営環境は厳しさを増している。永松氏が中心となって持続可能なコンビニの次世代モデルを構築しなければならないが、これまで24時間営業など長期成長を可能にしてきた効率的な事業モデルを見直す作業は容易でない。

(今井拓也)

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ローソン、2年連続減益、省力化投資が先行

2019/4/4 2:00 [日経]

ローソンの2019年2月期の連結営業利益は前の期に比べて8%減の610億円弱だったようだ。減益は2年連続。店舗の省力化を狙った新型レジの投資負担が先行したうえ、18年10月にサービスを開始した「ローソン銀行」の開業費用も膨らんだ。ただし予算比でみた費用の抑制や独自商品のヒットで、利益水準は従来予想(600億円)を上回った。
売上高にあたる営業総収入は6%増の約7000億円だったとみられる。2月末の国内店舗数は1万4659と1年前に比べて700店弱増えた。通常の新規出店に加え、「セーブオン」や「スリーエフ」といった同業のコンビニとの共同運営店舗も拡大した。
海外では中国などで新規出店を進め、店舗数は2209と600店強増えた。もっとも、ドラッグストアやネット通販との競争激化で客足が伸びず、国内の既存店売上高は約0.5%のマイナスだった。
前期の増収減益は省力化投資の費用を増やした影響が大きい。人手不足に悩む加盟店の作業負担を減らすため、自動的に釣り銭を払い出す機能が付いた新型レジを2月末までの1年強で国内全店に導入した。
自動釣り銭機能によって精算やレジ点検にかかる時間を短くした。経験が浅い人や外国人でも操作しやすいようマニュアル画面を増やし、多言語表示できるようにした。
売れ残って廃棄する食品や光熱費にかかるコストの一部を本部側が負担する加盟店支援に関わる費用も増えた。
ローソン銀行の開業費用も重荷となった。店舗のATMの現金管理を提携銀行に頼らず、自行で手がけるシステムにした。将来的に収益性を高める狙いがある。
従来予想に比べて減益幅を縮小できたのは、当初予算と比べて投資の費用を切り詰められたほか、独自のヒット商品があったためだ。天つゆや青のりを使った「悪魔のおにぎり」は18年10月の発売から5カ月で約2500万個が売れた。調理麺「渾身(こんしん)の一杯」シリーズも売れ行きがよかった。
グループ会社では、映画「ボヘミアン・ラプソディ」のヒットで複合映画館のユナイテッド・シネマが好調だった。高級スーパーの成城石井も総菜やワインの好調で収益を伸ばした。
決算発表は4月11日の予定。20年2月期も国内外で新規出店を拡大して増収を確保する。ただし販売管理システムの刷新といった投資を積極的に進めるため、増益を確保できるかは不透明だ。

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ファミマ、顔認証で決済 省力化と利便性 両立

2019/4/3 2:00 朝刊 [日経]

コンビニエンスストア大手が新型店を展開する。24時間営業を見直す声が加盟店から上がるなど人手不足が深刻さを増している。来店客数も伸び悩む。店舗のスタイルを見直して生産性を高める。
パナソニックとファミリーマートは2日、顔認証による自動決済などを取り入れたコンビニエンスストアを横浜市に開いた。パナソニックがファミマのフランチャイズチェーン(FC)に加盟し、セルフレジなど省力化につながる技術を店内に取り入れた。コンビニ業界で人手不足が深刻化するなか、IT(情報技術)で省力化と利便性を両立する。
2日開業した「ファミリーマート佐江戸店」には、人の顔や店の商品を高精度なカメラで識別し、キャッシュレス決済ができる無人レジを設置した。スマートフォン(スマホ)で注文した出来たての弁当を届けたり、店内のイートインスペースの混雑状況を確認したりできる。無人レジと弁当の配送サービスは、近くのパナソニックの事業所で働く従業員が対象。
一方、一般客も利用する売り場では、店内に80個のカメラやセンサーを設置。店員が身につけたウェアラブル端末に欠品を通知し、補充作業を即座にできるようにして、販売機会のロスを防ぐ。
現時点では、今回開業した店舗以外に具体的なシステム導入の計画はないという。
24時間営業が当たり前のコンビニ業界は、人手不足で機能の見直しを迫られている。同日、記者会見したファミマの沢田貴司社長は「労働力不足が取り沙汰されており、技術革新は待ったなし」と強調した。
ただ、店舗への省人化投資はコンビニチェーン本部の負担が増える可能性がある。効率化の費用対効果を早期に示せるかが、普及のカギとなりそうだ。

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セブン、7月にスマホ使ったバーコード決済

2019/4/4 18:03

セブン&アイ・ホールディングスは4日、スマートフォン(スマホ)のバーコード決済機能を使い簡単に買い物ができるサービスを7月に始めると発表した。自社の電子マネー「nanaco(ナナコ)」のチャージ(入金)ができるほか、支払いに使うと、ナナコのポイントがもらえる。利便性の向上やポイント還元の充実で、収益拡大につなげる。
子会社のセブン・ペイ(東京・千代田)が手掛ける。利用者はスマホの専用アプリで新サービス「セブンペイ」を登録。店舗のレジで会計の際に、バーコード画面を提示するだけで支払いができる。200円の買い物につき、1円相当のポイントを付与する。
今後、新たな機能の追加やセブン&アイグループ外の加盟店でも利用できるようにする予定。スマホを使ったキャッシュレス決済が小売店で広がっていることに対応する。

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店内か持ち帰りか、自己申告で変わるコンビニの消費税率 ポスター掲示で促す

4/8(月) 21:51配信 毎日新聞

イートインがあるコンビニでの会計イメージ
 セブン―イレブン・ジャパンなど大手コンビニエンスストアは10月に予定される消費税率10%への引き上げ時の軽減税率への対応策を固めた。課題となっていた飲食品を持ち帰る場合(税率8%)と、店内の「イートイン」コーナーで飲食する場合(同10%)との区別の仕方について、店内飲食の場合は客が会計時に自己申告するように明記したポスターを掲示。店員が個別の客の意思を確認することはせず、客からの申し出がなければ、「持ち帰り」と見なして、税率8%を適用する方向だ。
 10月からの消費税10%への引き上げ時には、低所得者対策の一環として、酒類を除く飲食料品の税率を8%に据え置く軽減税率が導入される。ただし、コンビニでおにぎりやパン、総菜などを買って店内のイートインコーナーで食べる場合は、「外食」とみなされて税率が10%になる。持ち帰りか、店内飲食かで税率が異なるため、店側がどうやって客の意思を確認し、線引きするかが課題となっていた。
 線引きをめぐっては、国税庁が昨年11月、個別事例を紹介した軽減税率のQ&A集改訂版を公表。この中でコンビニについて「イートインコーナーを利用する場合はお申し出ください」などの掲示があれば、客の個別の意思確認が不要との解釈を示した。
 大手コンビニが今回固めた軽減税率対応はこの国税庁の解釈に沿ったもの。セブン―イレブンやファミリーマート、ローソンなど大手コンビニ8社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会が、具体的な掲示の文言などをめぐって、財務省と調整している。掲示があっても客が申告せずに8%の税率で食品を購入した上、イートインコーナーを利用することも考えられるが、罰則は想定していない。
 協会は今後、掲示に関わるガイドラインを策定する方針で、これを受けて、コンビニ各社は具体的な掲示方法などを決定、加盟店や店員向けのマニュアルを整備していく方針だ。

【藤渕志保】

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セブン、既存店強化に軸足  コンビニ時短「柔軟に対応」 投資、6割を2万店に

2019/4/5 2:00 朝刊 [日経]

セブン&アイ・ホールディングスが傘下のセブン―イレブン・ジャパンのコンビニで既存店強化に軸足を移す。2万店超になった既存店舗への競争力強化に投資を振り向けるだけでなく、24時間営業問題にも柔軟に対応する。人件費の負担増などに苦しむフランチャイズチェーン(FC)加盟店オーナーの支援を強化したい考えだ。
「意志のある踊り場を作る」。4日、都内で開いた決算会見の場でセブン&アイの井阪隆一社長は2019年度(20年2月期)以降の国内コンビニの展開についてこう話した。国内コンビニの設備投資は前年度比3割多い1450億円を振り向けるが、井阪社長は「これまで投資額の6割を新店投資が占めていたが、今後は6割を既存店投資にする」とした。コンビニ各社は自社内競合も辞さずに店舗の密度を高める出店を続け、配送を効率化してきた。本部は出店すればするほど、収益を高められるのが従来のビジネスモデルだ。だがオーナーにとっては同じチェーンの店は最大の競合だ。「近くに店ができると売り上げが落ち込むだけでなく従業員の確保にも苦労する」と京都市のオーナーは話す。セブンイレブンの18年度の1店舗あたりの1日平均売上高(日販)は65万6千円と、前年に比べ0.4%増にとどまった。この5年間はほぼ横ばいの一方で、店舗数は5年で3割も増えている。各店の売り上げが伸び悩む中で人件費負担が増えると加盟店の経営は苦しくなる。コンビニのFC方式では、商品の売上高から原価を引いた粗利益を本部と加盟店が分け合う。その残りでFC店は人件費など店舗運営コストを負担する仕組みのためだ。都内のあるオーナーは「人件費がこの10年で3~4割増えている」という。コンビニオーナーは魅力的な仕事ではなくなってきている。
日本経済新聞社が18年7月に実施した「17年度コンビニ調査」で、コンビニ各社にオーナー確保の状況について尋ねたところ「不足」としたのが約4割で、5年前の2割から大幅に増えた。既存オーナーからもコンビニ本部の対応に不満が高まってきた。2月には大阪府東大阪市の加盟店オーナーが営業時間の短縮を強行。終日営業の是非を問う声が広がってきた。
こうした状況を受け、セブンは3月下旬から直営店で営業時間を短縮する実験も始めたが、24時間営業については「根幹をなしている」として井阪社長は原則を守る方針だ。FC加盟店全体の0.5%の96店が時短営業を希望しているが、井阪社長は「1店ごとに柔軟に対応したい」という。そのためにセブンイレブンの経営体制も刷新。人事畑が長いものの、幅広い分野での経験が豊富な永松文彦副社長を社長に昇格させる。新社長のもとで加盟店との連携強化に乗り出す。
19年度は出店を抑えることで、まずは加盟店の不満を和らげ、1店舗あたりの売上高を伸ばす施策に転換する。売り上げが伸びている冷凍食品などの売り場を広げた店舗を従来目標より9割多い6千店に増やす。4月下旬には面積を1割広げた新たな店舗形態での出店も始める。利用客が専用の支払機に代金を入れて精算する「セミセルフレジ」も全店に導入し、人手不足に悩むオーナーも支援する。
1970年代に誕生したコンビニは公共料金の収納代行やATMの設置など新たな需要を取り込むことで「飽和論」を打ち破り店舗数を増やしてきた。井阪社長は4日も、「飽和しているとは思っていない」と述べた。だが食品を取り込んで急拡大するドラッグストアや、インターネット通販の伸長など、コンビニの競争環境は激しさを増している。出店を抑えても、すぐに既存の2万店の平均売り上げが伸びる保証はなく、成長継続に向けた大きな試練の時を迎えている。

(今井拓也)

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コンビニ経営に政府は介入すべきでない

2019/4/6 2:00 朝刊 [日経]

コンビニエンスストアの24時間営業をめぐる問題で、経済産業省が加盟店の人手不足の解決に向けた行動計画を各社に要請した。消費者向けサービス産業の労働需給のひっ迫は深刻な問題だが、政府が民間企業の経営に口出しするのは見当違いだ。
同省のコンビニ8社を対象にした調査で、加盟店の6割が「従業員が不足している」と答えた。大阪にあるセブンイレブンの加盟店オーナーが契約に反して営業時間を短縮した問題は、同社の社長交代にまで発展した。
世耕弘成経産相は先週の記者会見で「国民にとって、生活のインフラとなっているコンビニの持続性の観点から(深刻な人手不足は)問題である」と述べた。5日にはコンビニ各社の経営トップと会談し、無人レジの導入など具体的な解決策を行動計画に盛り込むように求めている。これは経産省による経営への介入、監視ではないか。経済同友会の小林喜光代表幹事は「国家が企業の行動にあまりに関与するのはいかがなものか」と苦言を呈した。経済界の常識的な意見と考えてよいだろう。政府の介入は自由競争を阻害し、民間の創意工夫の目を摘むなど活力をそぐ恐れがある。
経済状況の変化に即して絶えず制度や法律の改正に取り組み、企業が力を発揮しやすくすることこそが政府の役割だ。経産省内だけで議論せず、省庁を超えて知恵を出し合ってほしい。
たとえば4月に新設した在留資格「特定技能」には人手不足が深刻な14業種が選ばれたが、外食は対象であるのにコンビニを含め小売業は入っていない。
特定技能は一定以上の知識や経験を持っていることを条件としているが、小売業の仕事はこれに当たらないというのが理由だ。だが、発注業務や在庫管理などは経験を要する。コンビニでは、公共料金の支払いから店内での調理までひとりが多様な仕事をこなす。小売業を対象に入れてはどうか。
加盟店が自力で人員を確保できないときは、本部が人材派遣会社と組んで支援するのも手だ。短期の派遣を原則禁止としている労働者派遣法は見直す必要がある。
確かにコンビニは災害時の帰宅支援などインフラとしての公的な機能を担う面がある。その役割を果たしてもらうためにも、規制緩和で健全な競争を促すべきだ。

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ファミマ、24時間営業見直し試行へ 地域、曜日限定の時短営業 6月から実験開始

2019/4/9 18:30 [日経]

ファミリーマートは6月、24時間営業の見直しを視野に入れ、営業時間を短縮した店舗の運営を試行する。地域や曜日を限り、およそ270のフランチャイズチェーン(FC)店を対象に営業時間を短縮する試みへの参加を募る。数十店が試行する見通し。コンビニエンスストア業界は人手不足や人件費の上昇を背景に事業モデルの根本的な見直しが急務となっている。

コンビニ本部とオーナーの交渉に影響を与える可能性も

6月にも東京都文京区や千代田区の一部と長崎県諫早市や雲仙市などで日曜日の深夜時間帯を閉店する実験を始める。東京都豊島区の池袋周辺や秋田県南部の地域を対象とした深夜・早朝の営業時間短縮(時短)の実験も開始する。
両実験の対象エリアにあるFC店は約270店で、今後各店に実験への参加意向を確認し、希望した店すべてが参加できるようにする。期間は3カ月もしくは6カ月とし、営業時間は午前5時~翌午前1時、午前7時~午後11時までなど3種類を用意する考えだ。
これまで全国で数店舗の営業時間の短縮を実験してきたが、地域内の店舗がそろって営業時間を短くすると、加盟店の売り上げや利益にどんな影響や効果があるかを調べる。
地域全体をまとめることで店舗への配送網の見直しにまで踏み込む。実験の結果を経て、特定地域の営業時間を24時間より短くすることや、特定の曜日の深夜や早朝を休業することが可能かを検討する。本部の収益にどの程度響くかも調べる。
背景にあるのは人手不足だ。従業員やパートの確保がままならず、FC店の負担は増大している。ファミマは加盟店の支援も拡充する。24時間営業の店に対して支給している毎月10万円の奨励金を、最低賃金の上昇幅に合わせて今年度から毎年増額する。セルフレジの導入など、省力化に向けた既存店への投資も19年度(20年2月期)は前年度の2倍の1100億円に引き上げる。
24時間営業を巡っては、経済産業省が5日、コンビニ大手各社に対して人手不足を是正する計画づくりを要請した。最大手のセブン―イレブン・ジャパンが3月下旬から直営10店で時短実験を始めるなど各社が対応を急いでいる。

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セブン&アイ、人件費上昇で挑む売り場改革

証券部 佐藤俊簡 2019/4/10 5:30 [日経]

セブン&アイ・ホールディングスが正念場に立たされている。屋台骨の国内コンビニエンスストア事業で人件費の上昇に直面。政府の「任意の要請」もあり、加盟店との共存共栄による成長の持続に不透明感が増している。新たな成長軌道に向けて打ち出したのが既存店の強化だ。
「将来の成長に資する投資に積極的に取り組む」。セブン&アイの井阪隆一社長は4日の決算記者会見で新たな設備投資の方針を明らかにした。従来は国内コンビニを担うセブン―イレブン・ジャパンの設備投資のうち6割を新店投資に充てていたが、2020年2月期からは6割超を既存店への投資に充てる。
なぜセブン&アイは既存店投資の重視へとカジを切ったのか。その背景には加盟店が直面する人件費の上昇がある。セブン&アイの19年2月期の投資家向け決算説明会資料に興味深いグラフが載っている。09年度を100として、既存加盟店の利益と人件費の推移を指数化したものだ。
詳細な数値は示していないが、17年度までは常に加盟店利益の増加率が人件費の上昇率を上回って推移する。ところが、18年度は人件費の上昇率が高まり、ほぼ同じになってしまっている。
セブン&アイはこれまで加盟店の支援に積極的に取り組んできた。09年度からは廃棄ロスの15%を本部が負担。17年度には経営指導料(チャージ)を減額したり、食洗機の導入を進めたり、加盟店の負担軽減や生産性向上への投資を進めた。その結果、加盟店の利益の増加率が上昇する「共存共栄」関係が維持できていたが、人件費の急激な上昇で加盟店の利益が頭打ちになる懸念が強まった。
既存店の店舗面積を広げ冷凍食品の販売ケースを増やす(川崎市のセブンイレブン)
セブン&アイの国内コンビニ事業の平均日販(1店1日あたりの売上高)と人件費をみるとよく分かる。平均日販の直近の底は07年度で59万7000円。18年度は65万6000円で1割増やした。一方、全国の最低賃金(加重平均)は07年度に時給687円だったが、18年度は874円となり、同じ期間に27%も上がった。
しかも政府は最低賃金を年平均3%のペースで引き上げ、1000円を目指す目標を掲げている。そうすると、店舗での売り上げが増えなければ加盟店の利益が削られる事態に陥る。機械化などの効率化で人件費の上昇を和らげることはできても、減らすことまでは難しい。
政府が現在の政策をとる以上、店舗の収益を改善する方法は「煎じ詰めると、日販を伸ばせるかどうかに尽きる」(外資系証券アナリスト)。新店による規模拡大よりも1店当たりの収益性の引き上げが不可欠ということだ。
今期は国内コンビニで前期比32%増の1450億円の設備投資を計画する。このうち6割を回すので、既存店投資は前期(334億円)の約2.6倍となる計算だ。
軸になるのは「新レイアウト店」の増加ペースの加速だ。冷凍食品売り場を拡大したり、冷蔵食品や米飯などのケースを増設したりする。今期はもともと3200店を新レイアウト店に転換する予定だったが、これを6000店に積み増す。新レイアウトでは日販が1万4200円ほど増える効果が確認できたという。当初は21年度末に約1万2000店を新型にする計画だったが、これを20年度中に前倒しする。
20年2月期の連結営業利益は前期比2%増の4200億円を計画。コンビニの既存店売上高の伸び鈍化や総合スーパーの収益改善の遅れなどが響き、今期を最終年度とする中期経営計画で掲げていた4500億円を下回る。だが、井阪社長は今期を「意思ある踊り場」とし、再成長へのきっかけとする考えを強調する。
株価は決算発表翌日から3日続落し、9日終値は3975円と年初来安値を更新した。経済産業省が「任意の要請」として大手コンビニに人手不足を是正する計画づくりを要求。不確実性をリスクと捉える投資家には、なかなか手が出しにくい局面といえる。
セブン&アイはプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」を育て上げたり、売り場改革で女性や高齢者などコンビニの利用者層を広げたりするなど、革新的な取り組みでコンビニ業界をリードし続けてきた。井阪社長は「コンビニ業界はまだ飽和していない」と言い切る。その言葉通り投資を日販の増加につなげることこそが、足元の難局を突破する手段となる

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コンビニ大手、行動計画公表へ25日にも

2019/4/23 2:00 朝刊 [日経]

経済産業省がコンビニエンスストア大手に対し策定を求めていた人手不足などの是正に向けた行動計画について、コンビニ大手は25日にも公表する方針を固めた。各企業は24時間営業への対応や、利用客が自ら精算する「セルフレジ」導入など省力化に向けた取り組みを発表するとみられる。
セブン―イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンなどが公表する。経産省は2018年12月から19年3月にかけて、コンビニのフランチャイズチェーン(FC)加盟店主にアンケート調査を実施。約6割が「従業員が不足している」と答え、FC加盟について「満足していない」という回答が約4割を占めた。世耕弘成経産相が5日、コンビニ大手の経営トップらと意見交換し、策定を求めていた。
コンビニ各社は本部と加盟店でFC契約を結び、粗利益を分け合う仕組みを採っている。人件費は加盟店側が負うため、人手不足に伴う人件費の上昇が加盟店の経営を圧迫している。加盟店への支援が必要とみて大手各社は既に対応を始めている。
セブン―イレブン・ジャパンは19年内に、省力化につながるとされるセルフレジを全約2万900店に導入する計画を掲げる。セルフレジはローソンも全1万4000店で利用できるようにする。

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コンビニ、脱24時間の幸運 しくじり生かすとき

編集委員 中村直文
2019年4月16日 2:00 [日経]
「経営学の父」ともいわれたピーター・ドラッカー氏は1980年代から90年代にかけて何度かイトーヨーカ堂本社を訪れ、当時の伊藤雅俊社長らと交流を深めた。90年の「”新しい現実”の到来」と題した講演ではこんな言葉を贈った。「ヨーカ堂グループに敬服する点は、小売業の主流から落ちこぼれるはずだった個人的な商店に、商売の主流に乗る方法を提示したことです。これは偉大な社会革命といってよいでしょう」
言うまでもなくこれはヨーカ堂の子会社だったコンビニエンスストア「セブン―イレブン・ジャパン」への賛辞の言葉だ。伊藤氏とコンビニの父といわれた鈴木敏文氏はご機嫌だったことだろう。だがあれから30年、過去に例のない逆風に見舞われる。今年2月に起きたセブンイレブン24時間営業の見直し問題だ。
発端はセブンの大阪府東大阪市の加盟店オーナーが人手不足を理由に営業を19時間に短縮し、本部と対立したこと。働き方改革の流れも重なり、過去に例のないコンビニ批判が巻き起こった。出店数を大幅に減らし、24時間営業しない実験を始めるなど大手各社は経営路線の修正まで迫られた。人手不足問題が深刻なのに、なぜコンビニは自主的な解決に踏み出せなかったのか。理由は歯止めなき膨張を官民でアシストしてきたコンビニの成長史にある。
コンビニを生み出したきっかけは大型店の出店規制だ。政府は74年、中小零細の小売店を守るため、大規模小売店舗法(大店法)を施行した。小売り各社は小型店出店に走るが、「政府は米国で訴訟が相次いだ小型店を柱としたフランチャイズビジネスに警戒感を持っていた」(法政大学の矢作敏行名誉教授)という。そこでセブンは「中小小売店の活性化と近代化」「共存共栄」を掲げた。政府の狙いに寄せた理念で74年に1号店をオープンする。
規制強化を逆手にとって誕生したコンビニだが、90年代からは規制緩和が追い風になる。代表的なのが酒類やコメ販売だ。大型店やチェーンストアで売りやすくなると、多くの酒販店や米穀店がコンビニオーナーに転身。コンビニは担い手と買い手を引き寄せた。90年代末には栄養ドリンクが加わり、02年銀行法改正でセブン銀行がスタート。まさにドラッカー氏が「コンビニが商店を生まれ変わらせた」と見た世界の到来だ。
もちろん経済・社会のニーズも後押しした。今ではおなじみの電気やガス代の支払い、そして80年代に一気に広がる24時間営業だ。ニッポン株式会社は絶好調で、栄養ドリンク「リゲイン」のCM通り「24時間、戦えますか」状態。ここでコンビニは弁当、総菜など主力商品を柱とした24時間供給体制を完成させた。
いったん失速したかにみえた00年代も「規制」に救われる。たばこだ。08年に自動販売機用の成人認証カード「タスポ」の導入が始まると、喫煙者は個人情報を登録されることなどを嫌い一気にコンビニへ。売上高に占める比率は15%程度から、5年で25%を超えた。コンビニ4位のサークルKサンクスは30%超と「たばこ屋になった」と皮肉られた。
日本のコンビニ史を振り返ると、規制改革と社会・経済の変化への対応が成長の源泉になっていたことがよくわかる。ただここ数年、社会・経済の変化に機敏に反応できていたか。24時間営業は必ずしも悪ではないが、働き方改革が求められる中、その価値は次第に低下。深夜勤務の減少や高齢化で朝方志向が強まり、成功モデルは転機にさしかかっていたのだ。
セブンで鈴木敏文氏を支え、ファミリーマート専務執行役員を務めた流通コンサルタントの本多利範氏も「24時間営業など便利さだけで伸びたコンビニの価値は変化している」とみる。ローソンとファミマはここ10年、既存店売り上げのマイナスが目立つ。加盟店オーナーの収入は低下していた。
経営者が環境の変化に気付いていなかったわけではない。ローソンの竹増貞信社長は「このままでは回らなくなるとの危機意識をずっと感じていた」と話す。店舗の増加数をゼロにする今期の方針も「いつかやらないといけないと思っていた」という。セブンも同じ。永松文彦・新社長は「社会の変化への認識がそのスピードに追いついていなかった」と反省する。
危機意識を持ちながら軌道修正できなかったのは、官のアシストに甘え、過度に市場ニーズを優先させていたからだ。10年前の廃棄ロス問題もそうだったが、トラブルはいつも加盟店の反乱から発覚する。ドラッカー氏の指摘する「新しい現実」を理解しながらも。今回は皮肉なことに政府からも業務改善を突きつけられた。
人手不足の改善が見込めない以上、コンビニはいったんかがむ必要があった。余力がある今、改革を迫られた24時間問題は、実は次の成長を模索する上で幸運だったのかもしれない。既存の加盟店支援とともに経営のIT化、出遅れ気味の海外市場の開拓などやるべきことは山ほどある。持続的な成長を再考するチャンスだ。
働き方や環境を重視する成熟社会では、収益優先の経済界の常識は時に世間の非常識になる。社会の変化に対応しながら、成長戦略を進める必要があるのは何もコンビニだけではない。過去の成功体験に陥らず、社会の利益を損なう芽を自主的に摘む重要性を24時間問題は投げかけている。

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小売り・外食、「出店=成長」モデル限界

前期は7割で利益率低下/ローソン今期店舗、純増ゼロ
2019/4/12 2:00 朝刊 [日経] コンビニエンスストアやスーパーマーケットなど小売・外食企業の「出店=成長」モデルが崩れ始めた。ローソンは11日、2019年度の店舗数の純増をゼロにすると明らかにした。セブン&アイ・ホールディングスも19年度の国内コンビニの店舗数の増加幅を150店と40年ぶりの低水準に抑える。背景には、大量出店で、加盟店が昔のように稼げなくなり、1店舗当たりの収益力が低下していることがある。

陰る店舗収益力

「徹底して加盟店オーナーを支援していく」。11日、東京都内で19年2月期決算を発表したローソンの竹増貞信社長は拡大戦略の転換を宣言した。19年度は店舗数の純増をゼロとし、人手不足で疲弊する加盟店の競争力強化に力を注ぐ。店舗数が増えないのは、純減となった02年度以来、17年ぶりとなる。
売り上げ増が見込める立地への店舗移転の支援のほか、10月までのセルフレジの全店導入などを通じて加盟店の経営を改善させる。こうした投資が膨らみ19年2月期の営業利益は減益となった。
セブン&アイも新規出店抑制で加盟店強化に軸足を移す。この結果、今期の営業利益予想(4200億円)は中期経営計画で掲げた目標(4500億円)を下回る。
コンビニ大手の成長の原動力は新規出店による売上高の増加だった。各社は加盟店の粗利益の一定割合を経営指導料として受け取る。加盟店のすぐそばに新店をオープンさせた場合、加盟店には打撃となる一方、本部の収益はトータルで増えるケースが少なくない。こうした利益相反関係は、共存共栄のはずの両者にすきま風を吹かせる。関西地方のある加盟店オーナーは「本当に省人化につながるような取り組みをしてもらわないと続けられない」と話す。
大量出店の裏側で、1店舗が生み出す利益は低下している。ローソン、セブン&アイ、ユニー・ファミリーマートホールディングスのコンビニ1店舗当たり営業利益を試算すると、18年度は700万円弱。10年前と比べて約3割減っている。
コンビニ市場が飽和し、コンビニ1店舗当たりの売上高の伸びは10年前に比べて1割に届かない。一方、最低賃金は10年前に比べ2割強上昇。本部は経営難の加盟店への支援費用がかさむ。専門店やネット通販の攻勢にさらされる総合スーパーや食品スーパーの苦境はより鮮明だ。
セブン&アイ傘下のイトーヨーカ堂の18年度の営業利益を総売り場面積で割ると、1平方メートル当たりの営業利益は約1800円。利益率の高かった衣料品が競争力を失ったうえ、直営店の人件費や改装費などコスト上昇を吸収できず、10年前のおよそ半分に減っている。
収益力の低下を要因に、イオンは18年度に、販売不振の店舗などで600億円を超える減損損失を計上した。こうした損失は増加傾向にある。主な小売・外食企業30社の18年度(8月期企業や決算未発表企業は予想ベース)の営業利益率は7割(22社)で低下した。18年度の営業利益合計額の伸びはほぼ横ばいで、前の年度(9.7%)を大きく下回った。

人口減の影響も

人口減少社会では、費用の増加を売り上げの伸びで吸収することも容易ではない。
「不採算店舗は今後も積極的に閉めていく」。11日、19年2月期決算を発表した吉野家ホールディングスの河村泰貴社長はこう話した。人件費の上昇で固定費の負担が高まったところに、既存店売上高の伸びの鈍化が直撃し、最終損益は60億円の赤字に転落した。
小売・外食企業の再成長のカギを握るのは、生産性改革だ。創意工夫でいかに生産性を高めるか、日本経済全体にとっても課題となる。

(佐藤俊簡、矢尾隆行)

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FC利益分配など検討

24時間営業巡りイオンなど 2019/4/24 2:00 朝刊 [日経]

イオンとミニストップは23日、コンビニエンスストアのフランチャイズチェーン(FC)加盟店の24時間営業を巡る問題に関して、「新時代のFCビジネスを求め、新たな方向性を打ち出す」とのコメントを発表した。加盟店と本部の利益分配のあり方を含めて検討するという。
イオンとミニストップはコメントで、24時間営業を巡る問題について触れ、「FCビジネスのあり方が問われている」との危機感を示した。その上で、「社会環境の変化への対応は十分ではなく真摯に反省している」とした。
加盟店の人手不足は深刻化しており、経済産業省がコンビニ大手に対し、是正に向けた計画作りを求めている。

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加盟店は限界「コンビニ」ビジネスモデルは変わるか?

毎日新聞 位川一郎

コンビニエンスストアの24時間営業をめぐるニュースが相次いでいます。人手不足に苦しむフランチャイズチェーン(FC)加盟店を本部が支援する動きが出てきたのは前進ですが、効果はまだ分かりません。加盟店の犠牲で成り立っているように見えるコンビニのビジネスモデルは本当に変わるのか。注視したいと思います。

短縮営業実験やセルフレジ

24時間営業の問題は、東大阪市のセブン-イレブン加盟店が人手不足のため今年2月から短縮営業に切り替えセブン本部と対立したのをきっかけに、表面化しました。店主は8カ月間で3日しか休みが取れず、「24時間営業を続ければ、私が倒れるしかない」と話したと報じられました。
社会的な関心の高まりを受け、セブン本部は3月に短縮営業の実証実験を開始。4月4日には、「コミュニケーションのパイプに目詰まりがあった」としてセブン-イレブン・ジャパン社長の交代が発表されました。
一方、経済産業省は4月5日、コンビニ各社に対して人手不足や店主の不満軽減に向けた行動計画をつくるよう、異例の要請をしました。
ファミリーマートは4月10日、短縮営業の実証実験を約270店で行うと発表。セブンとローソンは、人手不足対策として客が自分で会計するセルフレジを全店に設置するといいます。
ただ、各社の本気度は不明です。セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は、24時間営業は「根幹をなしてきた」として、店側が選べる制度には否定的な考えを示しました(毎日新聞4月5日朝刊など)。
 「コンビニ加盟店ユニオン」のサイトは、短縮営業の実験に参加を希望したところ契約解除をちらつかせられたとする、あるセブン加盟店の「告発文」を公表しています。

経産省調査が物語る「深刻な現状」

新聞各紙は3月27日朝刊で、経産省が発表した店主へのアンケート調査結果を報じました。それによると、店主の39%が「(FC加盟に)満足していない」と答えています。4年前の調査の17%から大幅な増加で、深刻な現状を物語る数字です。
同省のホームページでこの調査結果の資料を見ると、満足していない理由として次のような回答(自由回答)があったとも書かれています。
 「ロイヤルティー(加盟店料)の高さ、手元に残る利益の少なさ」「近隣への同チェーン店舗の開店、店舗数過多」「本部との力関係が不平等」「新しい業務が次々と追加」「廃棄の強要」……。人手不足に加えて、店主の不満が多岐にわたっていることが分かります。
 また、本部に求めることとして「利益配分見直し(ロイヤルティー率、廃棄費用負担、社会保険の算定)」という回答もあったとしています。
FC加盟店は、売上高から商品原価を差し引いた「粗利益」の4~6割程度を加盟店料として本部に支払う契約を結んでいます。この料率の引き下げや、店が負担している売れ残り商品の廃棄費用を本部が負担することを求める声があるということです。

コスト増でも減らない加盟店料

今の加盟店の苦境は、人手不足による人件費増加で深刻化しました。ただし、従業員の低賃金が改善されるのは望ましいことです。
一番の問題は、コストが増加しても本部が得る加盟店料は減らず、負担の大半を加盟店側がかぶってきた構造にありそうです。加盟店と本部の間にある利益配分のアンバランスは「不公正」と呼べるレベルではないでしょうか。
今のところ、コンビニ各社が加盟店の多様な要望に応えているとまでは言えないようです。「支援」が見せかけのものに終わらないか、メディアはさらに丹念に追いかける必要があると思います。

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コンビニ24時間、見直し拒否で独禁法適用検討 公取委

4/24(水) 6:00配信 朝日新聞デジタル

コンビニ24時間、見直し拒否で独禁法適用検討 公取委
公正取引委員会=東京都千代田区
 コンビニの店主が24時間営業の見直しを求め、本部がこれを一方的に拒んで店主に不利益を与えた場合、公正取引委員会は独占禁止法の適用対象とする方向で検討に入った。営業時間を縮めると人件費が減って店の赤字を避けられるのに本部が拒む例などを想定しており、コンビニ各社は対応を迫られそうだ。
 国内に5万5千余りあるコンビニ店のほとんどは、本部とフランチャイズ(FC)契約を結んだ店主が営むFC店だ。
 本部は、店の売上高などに応じて店主から加盟店料を集める仕組み。人手不足を背景にアルバイトの時給は上昇しているが、その負担は、契約に沿って店主にまわっている。
 公取委の複数の幹部によると、バイトらの人件費の上昇で店が赤字になる場合などに店主が営業時間の見直しを求め、本部が一方的に拒んだ場合には、独禁法が禁じている「優越的地位の乱用」にあたり得る、との文書をまとめた。

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セブン、食品ロス削減加速 即席麺でも返品抑制

2019/4/24 1:31 [日経]

セブン―イレブン・ジャパンは即席麺で仕入れルールを緩和する。賞味期限までの期間が少ない商品も受け入れ、店頭に並ばず返品されて捨てる「食品ロス」削減の取り組みを加速する。消費者は賞味期限が近い商品を手にする機会が増える可能性があるが、環境配慮意識の高まりで、ルール緩和に動く他の大手コンビニなども受け入れてもらえると見込む。

セブンイレブンは8月から即席麺で納入ルールを見直す(都内の店舗)

食品ロスの一因とされている商習慣に「3分の1ルール」がある。メーカーが製造日から賞味期限までの最初の3分の1の期間までに小売店に納品しなければならない日本固有の商習慣だ。納品期限を過ぎると商品はメーカーに返品され、大半が廃棄される。鮮度を重視する消費者の需要に対応し、1990年代に小売り各社で導入が広がった。

廃棄400億円超

返品を抑制して廃棄を削減しようと、セブンイレブンは8月から全店で即席麺分野で仕入れを3分の1ルールから「2分の1ルール」に変更する。製造日から賞味期限までの期間の半分まで商品を受け入れるようにする。すでに飲料や菓子では対応していたが、販売割合が多い即席麺が加わることで店舗内で扱うほとんどの加工食品が対象となる。
メーカーや卸売業者は納品期限に余裕が生まれるため、返品を少なくする効果を見込める。セブンイレブンによると、国内のカップ麺の市場における同社の販売額は約15%に上るため「業界に与える影響は大きい」(大手卸売関係者)。2月からはレトルト食品や調味料といった加工食品にも新ルールを適用しようと一部地域でテストしており、全国への拡大も検討する。コンビニ大手ではファミリーマートとローソンも飲料や菓子で2分の1ルールを導入していた。即席麺についてはファミマは3月から導入済みで、ローソンは10月から導入する方針だ。
流通経済研究所(東京・千代田)の推計では3分の1を過ぎ、メーカーに返品される菓子や即席麺などの加工食品は2017年度で562億円に上る。そのうち7割の400億円超は食べられるのに廃棄されているとみられる。

スーパーも対応

スーパーでも対応が進む。大手スーパーのヤオコーは4月、原則として全ての食品で2分の1ルールに変えた。イオン系のマルエツや光洋も2分の1ルールの導入を検討している。流通経済研究所の試算によると小売り全体が2分の1ルールを導入すれば飲料と菓子だけでも約90億円分の廃棄を減らす効果が見込めるという。
今年2月の節分の時期に店頭に並ぶ恵方巻きについて、農林水産省が需要に見合った販売をするよう小売りの業界団体に要請した。多くの売れ残りがあり食品廃棄につながっていたためだ。小売業界では「食品ロスに対応する積極的な姿勢を見せないと客離れにつながりかねない」(都内の中堅スーパー)との警戒感も出ている。環境や社会貢献を重視する「ESG投資」への関心が高まっている影響も大きい。
取り組みが加速するのは、深刻なドライバー不足もある。配送トラックを十分に確保できず、メーカーの計画通りに商品を配送できないケースが増えている。遅配や配送頻度を減らす動きが相次いでおり「納品期限が延びれば、配送はかなり楽になる」(卸関係者)。小売りはメーカーや卸売りの配送の負担を減らすことを間接的に支援することで、商品の価格交渉などを有利に進める狙いもありそうだ。
新たな仕入れルールが広がると、消費者は店頭で賞味期限までの期間が少ない商品を手にする機会が増える可能性がある。調査会社のインターワイヤード(東京・品川)の17年の調べによると、賞味期限が切れた食品でも食べるという消費者は86%だった。消費者の賞味期限に対する意識の変化もあり、小売り各社は受け入れられやすくなっていると見込む。流通経済研究所の石川友博主任研究員は「消費者の環境意識が急速に高まっており、対応する企業が増えている」と指摘している。

賞味期限、年月表示に

食品ロス低減のため、メーカーでは賞味期限表示を「年月日」から「年月」への変更も進んでいる。アサヒグループ食品は5月までに「和光堂」ブランドのベビーフードなど約200品を、キユーピーも野菜などを使った加工食品の一部を今年3月製造分から、年月表示に切り替えた。味の素も2018年までに主要な賞味期間1年以上の調味料や加工食品について、「年月」表示にした。
消費者はより賞味期限の日付が後の商品を店頭で選ぶことが多い。年月日表示だとこうした購買行動を助長しやすい。古い商品が小売店段階で売れ残ってしまうほか、家庭でも保管していた調味料などが消費期限を1日でも過ぎると捨ててしまう可能性もある。年月表示にすることでロスが発生しにくくなる効果を見込める。
農林水産省などによると国内の食品ロスは15年度に646万トン発生しているが、そのうち5割強はメーカーや小売店など、家庭以外の場所で発生している。国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」では30年までに食品廃棄物を半減するよう求められている。メーカーや小売りの取り組みが今後も相次ぎそうだ。
(平嶋健人、矢尾隆行)

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コンビニ各社行動計画発表

コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンは25日、加盟店の人手不足解消に向けた行動計画を公表した。24時間営業の原則は変えないが、加盟店の求めがあれば、店ごとの状況に応じて営業時間の短縮も検討するとした。
セブン―イレブンは、一部の店舗で営業時間を短縮する実証実験を行っている。営業時間は3パターンあり、数か月後に結果を公表する。
 行動計画はこのほか、本部が加盟店に対し経営課題を聞き取るアンケート調査を行うことを盛り込んだ。本部の幹部が加盟店のオーナーと直接、意見交換を行う場も増やす。緊密に接触することで、人手不足をはじめ加盟店の実態を把握する狙いがある。
 経済産業省はコンビニ各社に行動計画の作成を求めていた。コンビニは災害時の物資提供の拠点など、社会基盤としての重要な役割があり、各社と加盟店が共存できる取り組みが欠かせない。
行動計画は人手不足や長時間労働を解消するためのもので、政府として踏み込んで対応を求めるものではない。ただ、公正取引委員会は、加盟店オーナーが短縮営業を要求し、本部が一方的に拒否した場合、独占禁止法違反にあたるとの考えを示している。

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FCモデルのおおきな変革

今まさに40年以上続いたFCモデルが変わるときが来たようです。
加盟店様にとって遅すぎるタイミングかも知れませんが、今まさに経産省や公取委などの
後押しもあり、本部も重い尻を上げざるを得ないようです。
24時間営業問題から始まり、各所に問題点が炙り出されてきました。
これだけ人件費が上がり、社会保険加入追求が厳しくなり、人出不足も重なり、人件費負担が急増している中で、その負担がほとんど加盟店側にあるこのモデルは、まさに実情に合わなくなっています。
是非、ここは思い切ってフランチャイズビジネスの原理原則である、ザーとジー共にwinwinの関係となれるように、思い切った利益分配方式の根本的見直しを期待しています。
なぜなら加盟店あっての本部、本部あっての加盟店なのですから。
各本部はオーナー集めにネット、新聞媒体、フランチャイズショーへのブース出展と、膨大な
コストをかけています。ただ、加盟店になることが魅力的なビジネスであれば、自ずと候補者
は集まってきます。
ここ数ヶ月はとても大切な時期になってくるので、注意深くチェックしていきます。
また皆様には最新情報をお伝えいたします。

㈱さくら経営 コンビニ経営研究所  三橋一公

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