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「1人で店舗運営」模索 アマゾン無人店、変革迫る

2019/2/23 2:00 朝刊 [日経]

日本のコンビニエンスストアに大きな波が迫っている。米アマゾン・ドット・コムが実現した無人コンビニのようなテクノロジーの進化だ。「コンビニにとっては試練の時代」(セブン―イレブン・ジャパン社長の古屋一樹)。これまで働きやすい店作りなどに注力してきたが、次の成長へバージョンアップが迫られている。
ローソンの竹増社長は次世代コンビニの研究を通じて省力化を進める考えだ
セブン―イレブン・ジャパンの取引先が”大橋ショック”と呼ぶ人物がいる。取締役・建築設備本部長の大橋尚司(56)。中途でセブンイレブンに入社、店舗の進出地域を選ぶリクルート部門を経て、5年前に建築設備本部に来た。建築設備部門は多くの設備メーカーや保守会社が出入りする。大橋は徹底して接待を禁止した。「それをやっていては何もできない」
唐揚げやコロッケをつくるフライヤー。ヒート方式と呼ぶ機器を採用し、あるメーカー1社が独占的に導入していた。だが店員が清掃する時の効率を考えるとIH方式のほうが簡単だ。マルゼンというメーカーに変更した。大橋は自らの任務は「あくまでもフランチャイズオーナーから預かったお金を働きやすく、快適な店にするために使う」と割り切っている。リアルの店舗は店員の働きやすさや、いかにレジ待ちを減らすかといった点を追求してきた。だがアマゾンが開発した無人店舗「アマゾン・ゴー」はレジ自体をなくしてしまった。18年1月、米シアトルに開いた無人店舗では、天井や棚に大量に設置したカメラやセンサーで誰が何を買ったかを把握。商品をバッグなどに入れ、専用ゲートから出れば買い物が済む。
現時点でアマゾンは脅威ではなく、作りたての弁当やおにぎり、パンを提供するセブンのめざす世界とは違う。だが人手不足時代にアマゾンが提示した答えは日本のコンビニを動かしている。
ローソンは2017年10月に次世代コンビニの研究施設を立ち上げた。広さは70平方メートル。コンビニの半分に満たない広さだが、売り場を模してレジや商品棚がある。「天井のカメラで商品を手に取った人の客層まで分析できるんです」。センター長をつとめる理事執行役員の牧野国嗣(51)はこう話す。
ローソンは25年までに店員1人で店舗を終日運営できるレベルにまで省力化を進める考えだ。ローソン社長の竹増貞信(49)は人手不足にデジタルで対応するとしながらも「アマゾン・ゴーは膨大なカメラやセンサーが必要で既存店にすべて導入するのは現実的でない」と話す。セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問の鈴木敏文(86)は1970年代にコンビニを日本に持ち込んだ。反対者も多かったが「人は便利さを求める」との信念から家で作るようなおにぎりや弁当の販売を始めた。即席麺を作った日清食品創業者の故・安藤百福も同様、世の中に「ない」生活スタイルを広めた。もうすぐ50歳を迎える日本のコンビニが、再び「ない」を創造できるか。アマゾンやネットの脅威をはね返すかどうかの未来はそこにかかっている。

(敬称略)
(編集委員 中村直文、今井拓也、渡辺夏奈)

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セブン-イレブン・ジャパン
加盟店主「団交」申し入れ 24時間見直し、応じぬ姿勢

毎日新聞2019年2月28日 東京朝刊

 東大阪市のコンビニエンスストア「セブン-イレブン東大阪南上小阪店」が、24時間営業の短縮を巡り、本部と対立している問題で、全国のフランチャイズ(FC)コンビニオーナーらで組織する「コンビニ加盟店ユニオン」は27日、セブン-イレブン・ジャパンに対し、短縮の条件を協議する団体交渉の申し入れを行った。
 セブンのFC契約では加盟店との「特別な合意」があれば営業時間の短縮を認めているが、具体的な条件を明記していない。このためユニオンはセブンに対し、「社会的な人手不足で加盟店は危機的な状況にあり、長時間労働のオーナーの生命に関わる問題だ」との認識を示し、営業時間短縮の要件を取り決める団体交渉を求めた。セブンは「加盟店オーナーは独立事業主であり、本部との労使関係はない」(広報)として団体交渉には応じない姿勢を示した。申し入れ後に東京都内で記者会見したユニオンの酒井孝典執行委員長は「加盟店が(団体で)話しあう窓口を作らないと根本を動かせない。商圏、客層的に24時間営業を必要としないところはオーナーの選択制度にしてほしい」と話した。
 東大阪南上小阪店はアルバイトを確保できず、今月から午前6時~翌午前1時の19時間営業に変更した。だが、FC契約で24時間営業を原則とするセブン本部は契約違反にあたるとして、人員派遣による24時間営業継続を提案している。【藤渕志保】

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セブン、24時間営業見直しも
3月中旬に実験開始

2019/3/1 20:50 ©一般社団法人共同通信社

セブン―イレブンの看板
 コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンは1日、コンビニの24時間営業の見直しに向けた実験を始めると明らかにした。全国の直営店から10店舗を選び、3月中旬から順次、営業時間を午前7時から午後11時までに短縮する。セブン―イレブンは24時間営業を貫いてきたが、人手不足の深刻化で苦しむオーナーの要請を受け対応を迫られた形だ。
24時間営業の象徴的存在であるセブン―イレブンが従来の方針を軌道修正すれば、流通業界などで営業時間短縮の流れが広がる可能性がある。
実験の終了時期は決まっていないという。

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セブン「時短営業」実験 24時間見直し模索

2019/3/2 2:00 朝刊 [日経]

コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンは24時間営業の見直しに向けた実験を始める。売上高や収益、来客数などの変化を検証し、全2万店超の約98%を占めるフランチャイズチェーン(FC)加盟店で時短営業を導入するかを検討する。人手不足を背景に、外食や小売りで24時間営業の見直しが広がっている。
3月中旬から順次、東北から九州まで全国各地にある直営店10店で営業時間を午前7時~午後11時までに短縮する。実験期間は短くとも数カ月間を予定する。
セブンイレブンではオフィス内や駅構内などを除く96%の店舗が24時間営業をしている。消費者の利便性に加え、終日営業を前提とした生産体制や物流網を築いていることから、加盟店の24時間営業を原則としてきた。
大阪府東大阪市の加盟店オーナーが2月に人手不足を理由に営業時間を19時間に短縮し、契約違反を指摘するセブンイレブンと対立している。コンビニ加盟店オーナーらで作る団体は2月末、同社に対して営業時間の見直しなどを求める団体交渉を要求していた。
コンビニ業界ではローソンが加盟店オーナーと個別に合意した約40店舗で時短営業を実施している。ファミリーマートは2017年から数店舗で営業時間を午前6時~翌午前1時までとする実験を展開しているが、本格導入には至っていない。人手不足に伴う営業時間の見直しは、本部の人件費増加に直結する直営店が多い外食業界が先行する。ロイヤルホールディングスは約220店ある「ロイヤルホスト」で17年に24時間営業がなくなった。日本マクドナルドは15年までの3年間で24時間店舗を約800店に半減させた。

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全国初、コンビニ“角打ち” 250種類のお酒提供 博多駅前のポプラ

3/7(木) 8:57配信 西日本新聞

全国初、コンビニ“角打ち” 250種類のお酒提供 博多駅前のポプラ
ポプラ博多駅前店内にオープンした立ち飲みバー「お酒の美術館」=6日、福岡市博多区
 コンビニチェーンのポプラは6日、ポプラ博多駅前店(福岡市博多区)の店内に、立ち飲みバー「お酒の美術館」をオープンした。レトロなたたずまいの中で、一般に流通していない希少なウイスキーなどを楽しめる。同社によると、コンビニ内での“角打ち”は全国初の業態という。
 1杯500~5000円で約250種類のお酒を提供。12人が入る立ち飲みスペースを設け、バーテンダーが接客する。コンビニ店内の総菜や菓子をつまみとして持ち込み、まとめて会計できる。営業時間は午後3時~翌午前0時。
 コンビニ各社は需要の掘り起こしを狙い、夕方以降の時間帯や女性客の取り込み策を強化。イートインコーナーは未成年者の利用も多く、飲酒を禁止する店舗が多いが「集客効果が期待できる」(ポプラ関係者)として手を組んだ。お酒の美術館を手掛ける「のぶちゃんマン」(京都市)は「九州には角打ち文化もある。旅の思い出に立ち寄ってもらいたい」としている。

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コンビニの営業時間は実情に即してコンビニの営業時間は実情に即して

2019/3/5 2:00 朝刊 [日経]

コンビニエンスストアの24時間営業は本当に必要だろうか。深夜から早朝までわずかな来店しかない地域もある。だが、店員は休めない。人手不足のおり、持続可能とは言えまい。実情に即した事業モデルを考えるときだ。
コンビニ最大手のセブン―イレブン・ジャパンは、24時間営業の見直しに向けた実験を10店舗の直営店で始める。かたくなに堅持してきた原則を緩めるのは、大阪にある加盟店オーナーとの対立がきっかけだ。オーナーは2月、人手不足を理由に深夜は店を閉めた。セブンの本部は契約に違反すると指摘している。
契約を結んだ以上、オーナーは守るのが筋だ。しかし人手不足が深刻化するなかで、全店一律で24時間営業を維持するのが難しい現実もある。もっと両者が早くから話し合い、本部が従業員の採用や教育で支援していれば、対立は回避できたのではないか。
セブンは1974年に1号店を出し、その翌年から24時間営業を始めた。その後、ローソンやファミリーマートが追随し、原則、全店で24時間営業をしている。地域の生活インフラとして公共的な役割を担うようになった。
だが、最近では外国人労働者を入れても現場は回らず、地方では深夜にお年寄りのオーナーがやむなく売り場に立つこともある。
そのオーナーも高齢化が進み、新たな担い手が減っている。自動の食洗機やセルフレジの導入などで省力化を進めても、根本的な解決にはならないだろう。
社会インフラを支える自負が重荷となり、加盟店オーナーとの信頼関係が崩れれば、24時間営業は続けられないのではないか。
例えば同じ生活インフラでも、鉄道は24時間は運行していない。店内の清掃や商品の補充などの深夜に発生する作業は、店を閉めても対応できるはずだ。
タクシーやバスには深夜料金がある。飲食店でも導入している店がある。コンビニも24時間営業を守りたいのであれば、説明を十分に尽くしたうえで受益者負担を考えてよい。深夜の来客には人件費の増加分を買い物代金に上乗せするのも一案だ。
営業時間の見直しには、コンビニ経営の要である加盟店契約や製造、配送体制にまでメスを入れなければならない。痛みも伴うが、長期的な視点に立ち、持続可能な成長モデルを築いてほしい。

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24時間 譲れぬセブン
利益分配 人件費は加盟店負担 高収益モデル岐路に

ビジネスTODAY
2019/3/7 2:00 朝刊 [日経] 人手不足や人件費の上昇によってコンビニエンスストアのビジネスモデルが揺れている。フランチャイズチェーン(FC)加盟店から要請が強まる中、セブン―イレブン・ジャパンは一部店舗で時短営業の実験を始める方針だが、なお「決して24時間営業の原則を変えるわけではない」と強調する。FCの会計方式や効率的な物流などとともにコンビニの高収益を支えてきたのが24時間営業。簡単には原則を撤回できない事情がある。

24時間を見直すか検討するための実験を始める(セブンの店舗)

セブンイレブンなどFC方式で店舗展開するコンビニは「粗利分配方式」と呼ぶ独自の会計方式を採用する。店舗の売上高から、商品原価を差し引いた粗利益をチェーン本部と加盟店が分け合う。契約によって異なるが、店舗を本部が用意する場合は本部が粗利益の6割程度を徴収するとされる。
加盟店側は徴収後の残りから人件費など店舗運営コストを負担することになる。この仕組みのもとでは、チェーン本部の収益は店舗の売り上げが増えるにつれて拡大し、人件費の高騰の影響を直接は受けない。直営展開のスーパーや外食ならば、会社として負担しているはずの人件費を、コンビニでは「外部化」している構図だ。

オーナーを圧迫

一方、オーナー側は売り上げが伸びずに従業員給与の支払いが増えれば、自らの取り分が減り続ける。加盟店から本部に時短営業を求める声が増えてきたのは、この仕組みが根本にある。「バイトが集まらずに週に3日は夜勤に入っている」と嘆くのは京都市の加盟店オーナー。バイト集めにもオーナーは責任を負うが、募集費用も限られる。深夜に人件費負担で赤字になるなら店を閉めたいというオーナーの思いが強まっている。だが本部から見れば、営業時間の短縮は、店舗の売り上げと徴収する粗利の減少に直結する。現状、コンビニの契約では、個々の加盟店に時短営業を選ぶ権利は原則としてない。
6日記者会見したセブンイレブンの加盟店オーナーであるコンビニ加盟店ユニオンの吉村英二副執行委員長はセブンイレブンの1店舗あたりの1日平均売り上げが横ばいのなか「10年近く前と比べると人件費は1.2~1.3倍になっている。店舗の取り分が上がっている場合はオーナーが働いてカバーしているのだろう」とみる。社会環境の変化に苦しむオーナーの不満の声が徐々にたまっていった。
セブンイレブンも事態を放置できなくなったようだ。先週時点では直営10店で今月中旬から始めるとしていた時短営業の実験店の対象に、全2万店超の98%を占めるFC店の一部も含める方針を5日、明らかにした。地域特性や人口構成など多様な実態に合わせて検証するためだというが、オーナー側からの切実な声が無視できなくなったことも柔軟な姿勢を見せざるを得ない背景にある。
本部側はこれまでも疲弊する加盟店の支援に及び腰だったわけではない。セブンイレブンは17年9月、加盟店が本部に支払うロイヤルティーの料率を創業来初めて1%引き下げた。これが減益要因となりセブン―イレブン・ジャパンの18年3~11月期の営業利益は1.1%減の1854億円となったが「人件費の上昇の方が大きく毎年1%引き下げてもらわないと追いつかない」(埼玉県のオーナー)。
24時間の原則を変えない理由として、「社会インフラ」としての消費者ニーズのほか、コンビニの標準化されたチェーン運営の仕組みが、24時間営業を前提に成り立ってきたという事情もある。朝に販売する弁当などを深夜に配送しており、弁当などを供給する工場も24時間稼働していることが多い。営業時間を短縮する店舗が相次ぐと取引先を巻き込んだ大規模な仕組みのつくり直しが必要で「いきなり全店で見直せば崩壊する」(セブン幹部)。
終夜営業を見直すと人手不足の緩和につながるものの、加盟店の収益が一層悪化する可能性もある。深夜に商品を補充して売り場を充実させることで朝から売り上げ拡大を見込める効果が期待できる。このため時短営業に移行すると想定以上の売り上げ減少に見舞われる恐れがあるのだ。

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セブン、FC店も実験対象に 24時間営業見直し

2019/3/6 2:00 朝刊 [日経]

コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンは3月中旬以降に始める時短営業の実験の対象に直営店のほか、フランチャイズチェーン(FC)加盟店も加える方針を決めた。加盟店からの希望や店舗の立地などの状況を踏まえ、実験の対象とする店舗を決める。コンビニの24時間営業見直しを巡り余波が大きくなってきた。
セブンイレブンでは3月中旬以降に終日営業を見直した場合の影響を検証するため、直営10店での営業時間を午前7時~午後11時までとする時短営業の実験を始めるとしていた。まず直営店に限り始める方針だったが、店舗の多様な実態に合わせた情報を得るために対象を拡大する。実験に参加する加盟店の規模や開始時期、営業時間などの詳細は今後詰める。
同社の約2万店の国内店舗の大半はFC店が占める。今回の実験に直営の10店に加えてFC店が何店参加するかは、現時点では未定という。
24時間営業を巡っては2月、大阪府東大阪市のオーナーが人手不足になったとして時短営業を強行し、本部側が契約違反の状態と指摘して対立する状態となっていた。一部加盟店から実験にFC店を加えるよう要請する声が上がっていた。同業ではファミリーマートが2017年に京都市などFC店数店舗で時短営業の実験を始めた。ローソンでは駅などの特殊立地を除いたFC店の約40店が時短営業をしている。

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ローソン、「今さら銀行」本当の狙い

証券部 野口和弘
2019/3/8 5:30 [日経] ローソンが金融事業に多くの経営資源を投入している。2018年10月に「ローソン銀行」を開業し、懸命の販促活動で2万以上の口座を獲得した。ライバルのセブン銀行と比べ17年遅れとなる参入に小売業界の内外から「なぜ今さら銀行に」(大手小売業)といぶかしむ声も聞こえるが、活用次第ではコンビニエンスストアに次ぐ収益源になる可能性を秘めている。「ローソン銀行開業!」。ローソンに置かれたATMを人気お笑いコンビ「サンドウィッチマン」を起用した販促物が彩っている。時期によってはATMを利用すると商品の割引クーポンがもらえる特典も付け、利用者獲得に躍起だ。

ローソン銀は販促に「サンドウィッチマン」を起用(都内の店舗)

ローソン銀は大がかりな事業だ。初期投資は100億円以上かかった。ATMに使う現金として親会社の三菱商事などから約2600億円を借り入れた。経営資源を費やした理由は2つある。1つ目は全国に約1万3000台あるATMで得られる収益の最大化だ。
ローソン銀行は他の銀行の顧客がATMを利用した際に、その銀行から利用手数料を得る事業モデルだ。セブン銀も同様のモデルで、ローソン銀の前身で01年に設立された「ローソン・エイティエム・ネットワークス」も変わらない。ただし銀行免許の有無でATMが稼ぐ収益は変わる。ローソン銀を始める前はATM内の現金の調達や管理を提携銀行に頼るしかなかった。その分の手数料がコストとしてローソン銀に発生する。
違いは収益性に表れる。前期実績でみた場合、セブン銀単体の経常利益は422億円だった。ローソン銀の前身会社は53億円だ。設置台数も1台あたりの利用件数もローソンはセブンの5割強の規模だ。しかし、利益では8倍もの差となった。
銀行免許を取得したことで、1回の取引で得られる利益はセブン銀に近づくはずだ。台数と利用件数で単純計算すると、ローソン銀の利用件数はセブン銀の4分の1程度とみられる。セブン銀の4分の1の利益なら「100億円強を稼ぐポテンシャルがある」(ローソン銀行の山下雅史社長)。免許取得前より利益は2倍に増える。
もっとも人口減やキャッシュレス決済の普及などにより、ATMの利用は頭打ちだ。セブン銀は前期までの3年で台数増により利用件数は1割伸びたが、1台の1日あたり利用件数は7%減った。そこでローソンがもくろむのが「新たな金融サービスの創出」という2つ目の目標になる。
ローソン銀は銀行になることで口座を持つ顧客を獲得した。その顧客やコンビニの来店客を核としてクレジットカードやキャッシュレス決済サービスの準備を進めている。国内で働く外国人の増加をにらみ、海外送金サービスも準備中だ。これらの事業は19年中に始める見通しだ。さらに地方銀行とのサービス連携や、投資信託を販売する構想も進む。生活に身近なコンビニという強みをいかし「銀行で拾い切れていない金融ニーズはまだあるはず」と山下社長は期待を込める。
ローソンの利益の8割を占める国内コンビニの事業環境は厳しい。競争激化で売り上げを伸ばしづらい上、人手不足に悩む加盟店の支援にも追われる。19年2月期の連結営業利益は前の期比9%減の600億円と2年連続の減益になりそうだ。
コンビニの苦戦を株価も織り込み、足元のローソン株は6600円前後で推移する。16年の上場来高値からすれば4割近く安い水準で、17年に三菱商事が子会社化した際のTOB(株式公開買い付け)価格の8650円よりも安い。
ローソンの日販(1店1日あたりの売上高)は足元で53万円強と、なおセブン―イレブン・ジャパンと10万円以上の差がある。JPモルガン証券の村田大郎氏は「この数年、会社側の施策に対し販売改善の兆しがみられない」と厳しい視線を注ぐ。
本業の苦戦を補う利益成長がローソン銀に託された役割だ。大規模な販促キャンペーンは期待の大きさの裏返し。手数料の増加から金融関連サービスまで、シナリオ通りに事業を拡大できるか。

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ローソン/スマホ決済「We Chat Pay」「メルペイ」導入

2019年3月14日 IT・システム

ローソンは3月26日、全国のローソン店舗(1万4659店、2019年2月末現在)で、スマホを活用したバーコード決済サービス「We Chat Pay(微信支付)」と「メルペイ」を開始する。
両サービスは、スマートフォンなどのモバイル端末に決済用のバーコードを表示させることで、簡単に商品代金を支払うことができるサービス。
ローソンは、コンビニ業界では初めて2017年1月に「Alipay(支付宝)」を、全店に導入した。
今回、訪日外国人観光客の更なる利便性向上のため、中国国内で10億人以上のユーザーがいる「We Chat Pay(微信支付)」を、新たにローソン全店で導入する。
同日からは、国内最大級のフリマアプリ「メルカリ」アプリを使ったスマホ決済サービス「メルペイ」、「PayPay」、「クオ・カードペイ」を導入し、ローソンでは9種類のバーコード決済サービスが利用できるようになる。

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コンビニ店主の団交認めず
独立した事業者と判断 中労委が公表へ 地方委の判断覆す

ビジネスTODAY
2019/3/15 2:00 朝刊 [日経] 厚生労働省の労働紛争処理機関である中央労働委員会は、コンビニエンスストアの加盟店主(オーナー)が労働者ではなく独立した事業者で、本部に対する団体交渉権を認めないとの判断を示す方向で調整に入った。中労委がコンビニオーナーの労使上の立場について判断するのは初めて。24時間営業の見直しを巡るオーナーとコンビニ本部の交渉にも一石を投じそうだ。
コンビニ本部とオーナーの交渉に影響を与える可能性も(東京都千代田区の店舗)
中労委は15日午前までにオーナーが加盟する「労働組合」などに通知を郵送し、同日中にも再審査の判断を公表する。
コンビニの高収益を支えてきた24時間営業を巡り、人手不足や人件費の上昇に苦しむ加盟店から見直しを求める声が増えている。リクルートジョブズによると、2019年2月の三大都市圏のコンビニスタッフの募集時の平均時給は975円。5年前から11%増えた。
コンビニは製造から配送、販売まで24時間営業を前提にしたビジネスモデルで、早朝に販売する弁当やおにぎりは深夜帯に各店に配送する。深夜帯のアルバイトの確保が難しくなり、オーナーが昼夜問わずに働かざるを得ない店もある。
こうした中、東京都や岡山県の労働委員会はオーナーとコンビニ本部に事実上の労使関係があるとして、24時間営業や長時間営業の見直しを巡り、オーナーが求めた団体交渉に応じるようコンビニ本部に命じていた。
中労委が再審査で地方の委員会の判断を覆すのは異例だ。フランチャイズチェーン(FC)方式でコンビニに加盟したオーナーは独立事業者であり、その権利は労働法制ではなく、下請法や独占禁止法など他の法律で一定程度、守られると判断したもようだ。
オーナーらでつくる「労働組合」は10年にセブン―イレブン・ジャパン、12年にはファミリーマートを相手取り、コンビニ本部が団体交渉を拒否したのは不当労働行為にあたるとして労働委員会に救済を申し立てた。14年に岡山県、15年には東京都の労働委員会がオーナーを労働者とみなすとした審査結果を出した。
これにコンビニ本部側はオーナーは労働者にあたらないとして不服を申し立て、中労委が再審査を進めていた。再審査の結果に不服がある場合、東京地裁に取り消し訴訟を起こすことができる。
中労委が本部に対する団体交渉権を認めれば、本部側に柔軟な営業時間を求める声が強まる可能性があった。オーナーは労働者にあたらないと判断することで、交渉でコンビニ本部に有利に働くとの見方もある。

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きしむコンビニFC経営 加盟店の負担軽減急務に

2019/3/15 19:00 [日経] コンビニエンスストアのフランチャイズチェーン(FC)事業モデルが岐路に立っている。深刻な人手不足や人件費高騰で24時間営業の維持に悩む店舗が増え、本部と加盟店オーナーとの対立が鮮明になった。事業モデルの持続性を保つために、加盟店の負担軽減策が急務になっている。

大阪府東大阪市のセブンイレブンは1日から1日19時間の時短営業に変更した

厚生労働省の労働紛争処理機関である中央労働委員会は15日、コンビニの加盟店主は労働者ではなく、本部との団体交渉権を認めないという判断を初めて示した。24時間営業の見直しなどを求めていた加盟店オーナーらでつくる団体「コンビニ加盟店ユニオン」の酒井孝典執行委員長は同日、記者会見で「到底、納得できるものではない」と述べ、5月にも東京地裁に取り消し訴訟を起こす考えを示した。
セブン―イレブン・ジャパンは同日、「当方の主張を認めていただけたことはありがたい」とのコメントを発表した。しかし今回は本部側の主張が認められたものの、加盟店の疲弊という状況は変わらない。
「最低賃金が毎年上がり、人件費はこの10年で3割近く増えた」と都内のコンビニ店主は話す。コンビニでは売上高から商品原価を引いた売上総利益(粗利益)の4~6割程度をロイヤルティーとして、加盟店がチェーン本部に支払う。その残りで店側が人件費などを負担する仕組みで、人件費の上昇は加盟店の利益を圧迫する。人手が不足すればオーナーが働いてカバーする必要もある。コンビニ市場が急成長する時代は双方にメリットがあった契約だが、既存店の売上高が伸びない現在では加盟店の負担は重い。18年の既存店の客数は3年連続で前年を下回った。それでもコンビニ本部は積極的な出店を続けている。埼玉県のオーナーは「店舗の売り上げが平均を上回ってきたと思ったらすぐ近くに店を出され、売り上げが一気に1日あたり10万円以上も落ちた」と不満を明かす。
コンビニ各社は店舗密度を高めて配送を効率化してきた。本部側は一定のエリア内に同一チェーンの店舗が増えれば宣伝効果も高まり、地域全体で売り上げが伸びるという。だがオーナーにとって同チェーンの店は最大の競合。「売り上げと従業員の取り合いが起きる」(京都市のオーナー)本部はこうした加盟店の不満に向き合うことを迫られている。セブンは2月に独自の判断で営業時間を短縮した東大阪市の店舗に対し、契約解除と違約金発生の可能性を伝えた。しかし世論の反発を招き、時短営業を理由に契約解除を直ちに求めないことを決めた。
セブンは近く時短営業の実験を始める。店舗の人件費抑制や人手不足対策のために、顔認証技術を使った無人レジなど省力化店舗を研究する組織も立ち上げた。
外食業界では「モスバーガー」が、繁忙期の人手不足を解消できるまで営業時間短縮を提案するなどしている。加盟店の負担軽減は、FC展開する流通産業の共通の課題になっている。府東大阪市のセブンイレブンは1日から1日19時間の時短営業に変更した
厚生労働省の労働紛争処理機関である中央労働委員会は15日、コンビニの加盟店主は労働者ではなく、本部との団体交渉権を認めないという判断を初めて示した。
24時間営業の見直しなどを求めていた加盟店オーナーらでつくる団体「コンビニ加盟店ユニオン」の酒井孝典執行委員長は同日、記者会見で「到底、納得できるものではない」と述べ、5月にも東京地裁に取り消し訴訟を起こす考えを示した。
セブン―イレブン・ジャパンは同日、「当方の主張を認めていただけたことはありがたい」とのコメントを発表した。しかし今回は本部側の主張が認められたものの、加盟店の疲弊という状況は変わらない。
「最低賃金が毎年上がり、人件費はこの10年で3割近く増えた」と都内のコンビニ店主は話す。コンビニでは売上高から商品原価を引いた売上総利益(粗利益)の4~6割程度をロイヤルティーとして、加盟店がチェーン本部に支払う。その残りで店側が人件費などを負担する仕組みで、人件費の上昇は加盟店の利益を圧迫する。人手が不足すればオーナーが働いてカバーする必要もある。
コンビニ市場が急成長する時代は双方にメリットがあった契約だが、既存店の売上高が伸びない現在では加盟店の負担は重い。18年の既存店の客数は3年連続で前年を下回った。
それでもコンビニ本部は積極的な出店を続けている。埼玉県のオーナーは「店舗の売り上げが平均を上回ってきたと思ったらすぐ近くに店を出され、売り上げが一気に1日あたり10万円以上も落ちた」と不満を明かす。
コンビニ各社は店舗密度を高めて配送を効率化してきた。本部側は一定のエリア内に同一チェーンの店舗が増えれば宣伝効果も高まり、地域全体で売り上げが伸びるという。だがオーナーにとって同チェーンの店は最大の競合。「売り上げと従業員の取り合いが起きる」(京都市のオーナー)
本部はこうした加盟店の不満に向き合うことを迫られている。セブンは2月に独自の判断で営業時間を短縮した東大阪市の店舗に対し、契約解除と違約金発生の可能性を伝えた。しかし世論の反発を招き、時短営業を理由に契約解除を直ちに求めないことを決めた。
セブンは近く時短営業の実験を始める。店舗の人件費抑制や人手不足対策のために、顔認証技術を使った無人レジなど省力化店舗を研究する組織も立ち上げた。
外食業界では「モスバーガー」が、繁忙期の人手不足を解消できるまで営業時間短縮を提案するなどしている。加盟店の負担軽減は、FC展開する流通産業の共通の課題になっている。

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大手コンビニエンスストア4社に対し、店主らの不満解消や人手不足の改善に向けた行動計画の策定を求める方針を表明

世耕弘成経済産業相は26日、セブン―イレブン・ジャパンなど大手コンビニエンスストア4社に対し、フランチャイズチェーン(FC)店主らの不満解消や人手不足の改善に向けた行動計画の策定を求める方針を表明した。経産省のアンケート調査で「(店主の)満足度が著しく低下するなど、いろんな問題が出ている」と指摘した。
 世耕氏が閣議後の記者会見で明らかにした。コンビニの店舗運営を巡っては、大阪府内のセブンのFCが人手不足によって自主的に営業時間を短縮。他のFC店主からも24時間営業の見直しなどを求める声が出ており、セブン本部は一部店舗で営業時間短縮の実験を実施するなど、対応を模索している。
 経産省が昨年12月~3月24日に行った調査によると、店主のうち39%が「(加盟したことに)満足していない」と答え、4年前の前回調査の17%から大幅に増えた。世耕氏は「オーナーの声がかなり厳しいものになっている」として、4月上旬にもコンビニ大手4社の経営トップと会談し、4月中をめどに具体的な対応策を盛り込んだ行動計画の提出を求める。「社会の基盤のひとつであるコンビニ経営者として、どう改善していくかまとめていただく」との意向を示した。
 また、店主や消費者、有識者から意見を聞く検討会を設置し、各社の改善状況をチェックする方針も示した。

【清水憲司】

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セブン、21日から時短営業実験

2019/3/19 2:00 朝刊 [日経] セブン―イレブン・ジャパンは18日、コンビニエンスストアの営業時間を短縮する実験を21日から始めると発表した。まず直営10店で始める。同社が時短の実験をするのは1号店を出した1974年以来初めて。実験を通じて24時間営業を取りやめた場合の売り上げなどへの影響を検証する。

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コンビニ店主「人手不足」6割

経産省調査、是正計画要請へ
2019年3月27日 2:00 [日経]

経済産業省が26日に発表したコンビニのフランチャイズチェーン(FC)加盟店の経営者調査で、深刻な人手不足に陥っている状況が浮き彫りになった。24時間営業が難しくなっている問題を裏付ける結果を受け、経産省は大手4社に是正に向けた行動計画をつくるよう異例の要請に踏み切る。ただ、国の関与を疑問視する声もあるうえ、実効性も不透明だ。
経産省は2018年12月から19年3月にかけて、コンビニ8社のFC加盟店オーナー約3万人を対象にアンケート調査を実施。1万1千人超から回答を得た。オーナーの6割が「従業員が不足している」と回答。FC加盟に満足しているかとの質問には「大変満足」「おおむね満足」が5割程度で、14年度の前回調査の7割から減った。
自由回答では「営業時間に裁量がほしい」との声が目立ったほか、本部に対し「店舗からの相談にきめ細かく対応してほしい」「人員が不足した際に支援がほしい」など多くの不満が出た。
これを受け、世耕弘成経産相は4月にセブン―イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップのトップと会談し、行動計画づくりを要請する。時短営業や無人化、FC加盟店オーナーとの対話のあり方などで自主的な取り組みを促す。有識者らによる検討組織もつくる。企業やオーナー、消費者から意見を聞き、対策強化が必要か検討する。
ただ、コンビニのFC契約は対等な契約で、下請け取引の公正化や下請け業者の利益保護を目的にした下請法の対象にならない。今回は経産省の任意の要請で、計画の内容や結果が不十分であっても、再実施を命じることはできない。同省も過度な介入には慎重だ。
経済同友会の小林喜光代表幹事は26日の記者会見で「国家が企業の行動に対してあまりに関与するのはいかがなものかと思う」と述べ、企業の選択の問題だと指摘した。
一方、セブン―イレブン・ジャパンは「省力化の取り組みを進めていく」としたうえで「加盟店1店1店と緊密にコミュニケーションを取って課題解決に向けて話し合っていきたい」とコメント。ローソンは「加盟店と協力しながら問題点を解決していく」とした。

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