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ファミマ、「セゾン」と決別 無印良品の販売終了

2019/1/31 2:00 朝刊 [日経]

ファミリーマートが良品計画の生活雑貨「無印良品」の販売を終了する。もともと旧セゾングループに属していた両社が、1980年代初頭から約40年にわたって続いた関係を絶つ。売り上げが伸び悩んでいたなか、伊藤忠商事の子会社となるなどファミマ側の経営体制の刷新も判断を後押し。今後はファミマの店舗に提携する「ドンキ」の要素も反映されそうだ。
ファミマはドンキとの共同店舗の成果を全店に広げる
「ファミマに行く理由がなくなる」――。ファミマでの「無印」ブランドの販売終了を受け、SNS(交流サイト)では惜しむ声が広がった。ファミマは28日に店舗からの発注を停止しており、在庫がなくなり次第、全約1万7千店が順次販売を終える。
扱いをやめる理由について良品計画は「ファミマ側の意向」とする。対するファミマ幹部は「売り上げが伸び悩んでおり売り場構成の見直しの一環」と話す。無印良品の店舗が増えたりネット通販でも購入できるようになったりしたことなどが響いたという。
ファミマの判断について競合するコンビニ大手幹部は「売れ行きが悪い商品を見直すのは基本。売れないのなら、これまで販売を続けてきたことの方が不思議だ」と指摘する。
ファミマと良品計画は旧セゾングループから生まれた。ファミマは81年、セゾングループの中核企業の一つであった西友ストアーから、小型店事業として分離して発足。「無印良品」は80年、西友のプライベートブランド(PB)として誕生し、その後良品計画という企業として独立した経緯がある。セゾングループ解体後も、06年には株式の持ち合いを発表するなど商品供給を軸とした連携を続けてきた。
だが、この2~3年でファミマ側の経営体制は大きく変わった。16年、ユニーと経営統合し、ユニー・ファミリーマートホールディングスが発足。18年8月にはユニー・ファミマが伊藤忠商事の子会社となった。
「無印の商品も販売が伸びないなら見直す」。新体制と前後してファミマの経営幹部からは売り場の聖域なき見直しの指示が下された。現場には固定ファンがいるとの反対意見もあったが、幹部の指示により事態が動く。18年から段階的に売り場削減を始め、同年9月までに1店あたり2~3台あった無印の専用棚を1台に減らした。さらに影響が少なかったとみて、全面的に扱いをやめる判断に踏み込んだ。
ファミマは無印をやめた後の売り場について「特定の分野の商品を広げるわけではない」といい、今後は利益率の高い日用品のPBなどを広げるとみられる。提携するドン・キホーテの品ぞろえや陳列手法を導入して昨年6月に開店した実験店3店舗から得られた成果を、全店で展開する考えだ。
良品計画側も扱い縮小に伴い、ファミマとの関係を見直した。18年2月末時点でユニー・ファミマ株を100万株保有していたが、その後段階的に売却したとみられる。ファミマと良品計画の間にわずかばかり残っていたセゾンのつながりは消えた。

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ポイント還元、決済14社が内定=JCBや楽天、ペイペイも-経産省

2018年12月27日22時58分

 経済産業省は27日、来年10月の消費税増税に際し景気対策として実施するキャッシュレス決済のポイント還元制度について、商品・サービス利用額の最大5%が還元対象となる決済事業者を明らかにした。現時点でクレジットカード会社大手のJCBや三菱UFJニコスに加え、楽天やスマートフォンを使うソフトバンク系新興企業「PayPay(ペイペイ)」を含む計14社が内定しており、今後、増える見込み。

コンビニ大手、全店でポイント還元=消費増税対策、直営店分は本部負担

 経産省は年明け以降、対象となる中小小売店などと決済事業者との調整を本格化する。新原浩朗経済産業政策局長は同日、記者団に「(対象店舗には)リストを配布して周知し、(決済手段の)競争を喚起する」と語った。店側が負担する決済手数料を比較し、中小事業者の重荷となっている費用の引き下げを促すことで、キャッシュレス普及に弾みをつけたい考えだ。
 経産省が還元制度の「協力事業者」として示したのは、クレジットカード会社が4社。スマホ画面で2次元コード「QRコード」を組み合わせる決済サービスで、ペイペイなど3社。電子マネーでは、イオングループ「WAON(ワオン)」、セブン&アイ・ホールディングス「nanaco(ナナコ)」、JR東日本「Suica(スイカ)」など4種類で、店側の対応が整えば、利用者には各社が運営するポイントが還元される。今後、大手銀行主導のスマホ決済サービスも加わる見通し。
 政府は消費税率10%への引き上げに伴い、小売店などで現金を使わない利用額のポイント還元に国費を投入する。来年度予算案に2798億円を計上し、来年10月から2020年の東京五輪開催前まで9カ月間実施する。

◇経産省が示した決済事業者
【クレジットカード】
三菱UFJニコス(200万超)、三井住友カード(75万程度)、UCカード(150万程度)、JCB(200万超)
【電子マネー】
WAON(40万程度)、nanaco(35万程度)、Suica(43万程度)、楽天Edy(60万程度)
【汎用サービス】
楽天(120万程度)
【スマートフォン決済サービス】
オリガミPay(2万程度)、Line Pay(10万超)、PayPay( - )
【決済代行】
Coiney(5万程度)、Square(25万程度)
(注)カッコ内は加盟店数。(2018/12/27-22:58)

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コンビニで働く外国人、続々増加のワケと労働者の「本音」

週刊女性PRIME [シュージョプライム]

「いらっしゃいませー!」「コチラは温めますか?」
 都内のローソンでこなれた接客をしているのは、ベトナム出身のニュンさん(21)。
「ハノイの高校を卒業して、従姉妹と一緒に日本に来ました。コンビニでアルバイトを始めて1年半です。将来の夢は通訳になることです」 “AI化”、“省人化”と、もうひとつ、コンビニ業界のキーワードを挙げるなら“多国籍化”だろう。いま、全国のコンビニで外国人スタッフが急増している。「私が働いているお店は、ベトナム人とネパール人とモンゴル人……あと、スリランカの人がいます」(ニュンさん)

コンビニ店員、多国籍化のゆえんは?
 東京、名古屋、大阪、福岡などの都市部では、いまやアルバイトは全員外国人という店舗も珍しくない。かつては一般的だった日本人の学生や、いわゆるフリーターがこの数年で急激に減り、代わりに外国人が増えた。
 なぜなのか──。(筆者の)大学生の甥に聞くと「コンビニは時給が安い」「そのわりに覚えることが多すぎ」「同じ時給ならカラオケ店員のほうがラク」という答えが返ってくる。なるほど。確かにコンビニのアルバイトは薄給(最低賃金に近い金額からのスタートも多い)で、業務は複雑。そのうえ、客からはスピードと正確なおもてなしを要求される。
 外国人が増えている背景には、日本人が敬遠する仕事を彼らが請け負っているという側面もある。
 彼らの多くは日本語学校や専門学校に通う留学生だ。留学ビザを取って来日し、学校へ通いながらアルバイトをしている。
 多国籍スタッフの共通語は日本語である。例えば、ベトナム人の先輩スタッフが、新入りのモンゴル人やミャンマー人に日本語で業務を教える。そんな光景も当たり前になった。
「コンビニではいろんな言葉を覚えます。この前は、シュウニュウインシ(収入印紙)を知りました」
 ニュンさんは、コンビニで触れた言葉をすべてノートに書き込んでいるという。バイト先の店で買った小さなノートには、几帳面な文字で、おでんの具や焼き鳥などの商品名が並んでいる。
「最初は『おでん』が食べ物とわかりませんでした(笑)」
 言葉だけでなく、日本の文化を店で知ることも多い。
「いらっしゃいませ、という言葉もベトナムにはありません。お店の人はお客様には挨拶しないので、最初は恥ずかしくて、大きな声で言えませんでした」「恵方巻とか節分の文化もコンビニで知りました」
 雇う側はどう思っているのだろうか。
「正直に言えば、言葉の面や新人教育にさく時間で比べても、日本人のアルバイトのほうがいい」
 と、あるコンビニオーナーは言う。
「でも、募集をかけても日本人は来ないし、背に腹はかえられない。1度は、“じてんしゃがこわれたから、今日はバイトに行きません”ってメールが来てビックリしたけど、まぁ日本人でもLINEで“今日辞めます”とかあるしね。どこの国でもマジメな子はマジメだし」
シフトは週に4、5回
 コンビニで働いている外国人スタッフは、昨年、大手3社だけで5万5000人を超えた。これは全国のコンビニの店舗数とほぼ同数。つまり、平均すると全店舗に1人は外国人スタッフがいる計算だ。しかし、彼らは、留学生であり、厳密には労働者ではない。
 出入国管理法では、留学生のアルバイトは原則的に週28時間までは認められているが、“就労”はできない。アルバイトはあくまで“資格外活動”として許可されているものだ。
「シフトはだいたい週に4回か5回。学校に行く前の時間です。本当は毎日、夜も働きたいけど、時間がオーバーしちゃうからダメです」(ニュンさん)
 オーバーワークが見つかれば、母国に強制送還されてしまう。ただ、なかにはそれを覚悟で規定時間を超えて働く“出稼ぎ留学生”もいる。
 彼らが熱心に働きたがるのは、借金を背負って日本に来ているからだ。初年度の学費と渡航費、それから、日本行きの準備をする代理人(ブローカー)への手数料などを含めると、日本円で100万〜150万円にもなるという。
 約146万人──。
 これは現在、日本で働いている外国人の数だ。もちろんコンビニバイトの留学生も含まれている。その数は年々増えており、’18年に過去最高を更新した。
 昨年12月、ドタバタの末に国会で改正入管法が成立した直後、海外のメディアはこぞってこう報道した。「日本が移民に門戸を開いた!」と。
 “エッ、日本にも移民がやってくるの!?”と驚いた読者もいるかもしれないが、日本にはもう移民はいる。実際に146万人もの外国人がすでに働いているし、その家族も含めれば250万人以上の外国人が暮らしているのである。
 “移民”と聞くと、なにやら怖いイメージがつきまとうが、国連などの定義では“海外で1年以上、暮らす人”を移民と呼んでいる。つまり、アメリカで暮らしているイチローもYOSHIKIも移民。日本で暮らす外国人なら、英語の先生も、料理人も、コンビニで働く留学生も、農家で働く技能実習生もみんな等しく移民なのである。
 それなのに、安倍首相が「断じて移民政策はとりません!」などと繰り返すものだからややこしくなる。あれは自民党が「入国時点で永住権を持っている人」=「移民」としているので、自民党の移民の定義が国際基準からズレているだけの話だ。
「日本ではこれ以上、外国人は増えないかも」
 私たち日本人の生活は、すでに移民抜きには成り立たない。
 コンビニのおにぎりひとつをとってみても、売っているのはアルバイトの移民であり、工場でおにぎりを作っているのも移民、野菜やお米を育てているのも移民という構図になりつつある。
「でも、日本ではこれ以上外国人は増えないかもしれません」
 と言っていたのは、あるベトナム人留学生だ。彼は東京大学の大学院で経済学を学び、約5年間、都内のコンビニで働いていた。この春、大学院を出て、東京で就職する。将来は「日本とベトナムの懸け橋になりたい」と言う。そんな彼がこんなことを言っていた。
「東京オリンピックのあと、おそらく日本は不況になると思います。そのとき、不況の国で働きたいと思う外国人はいるでしょうか」
 2025年には、国民の3人に1人は65歳以上の高齢者となる計算。そんな現実が迫る国で、もし本当に不況になり、日本を避ける外国人が増えたらどうなるだろうか。
 積極的に外国人を受け入れている市長や担当者に話を聞くと、「日本のファンを作ることが急務だ」と言う。ファンを作るにはどうすれば?
 コンビニで働いている留学生に、どんなときがいちばんうれしいかと聞いたら、「ありがとうと言われたとき」や「日本語を褒められたとき」だという。
「ありがとう」「どこから来たの?」「今日も寒いね」「日本語、上手だねぇ」
 コンビニで交わすそんな何気ない言葉が、彼らの心にしみ込んで、日本を好きになってくれたら、少しは日本の将来に役立つに違いない。
(取材・文/芹澤健介)
《PROFILE》
芹澤健介 ◎ライター。1973年、沖縄県生まれ。著書に『コンビニ外国人』(新潮新書)など。外国人労働者の問題とともに、近年ではがんの最新治療法について取材を続ける

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コンビニは急減速 店舗再編や人手不足で

2019/1/31 1:49 [日経]

小売りの勝ち組とされるコンビニエンスストアにも変化が見られる。経済産業省の商業動態統計によると、2018年12月時点の近畿地方(福井県を含む2府5県)の店舗数は8714店と、調査開始の1998年から20年連続で前年実績を上回った。ただ、増加は4店(0.05%)にとどまり、19年以降に減少する可能性もある。
ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスの経営統合が微増の主因とみられる。発足したユニー・ファミリーマートホールディングスは「サークルK」「サンクス」を「ファミリーマート」に一本化するなかで、重複する店舗を再編。個別企業の動向に加え人件費上昇も影響している。
大阪府のあるコンビニのオーナーは「人手不足で利益が落ちこんだ」と話す。ここ数年の1日あたりの販売額は頭打ちとなる半面、アルバイトを確保するための時給アップが重荷になった。20円上げると1年間で30万~50万円の負担増になるという。「改善は見込めない」と判断し、近く閉店することを決意した。
食品や日用品を増やしているドラッグストアの成長は、スーパーだけでなくコンビニにとっても脅威となっている。業界の垣根が低くなり、競争がさらに激しくなりそうだ。

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ファミマ、24時間ランドリーやジム併設コンビニ出店加速

2019/2/13 16:31

ファミリーマートは13日、24時間営業のコインランドリーやスポーツジムをコンビニエンスストアに併設した複合型店舗の展開を強化すると発表した。トレーニングや洗濯の合間にコンビニで飲み物や食べ物を買うといった相乗効果が期待できると判断した。コインランドリーは2020年2月末、ジムも23年2月末に各300店体制を目指す。ファミリーマートが横浜市で14日開業する店舗のイメージ。24時間営業のスポーツジムを併設した
24時間営業のスポーツジム「Fit&GO(フィット・アンド・ゴー)」の2号店を14日に横浜市に出店する。これに続き、スポーツジムとコインランドリー「ファミマランドリー」の双方を併設した店舗を東京都大田区で28日に開店する。ファミマランドリーは月内に計5店開き7店体制にする。
コインランドリーはコンビニの客足が鈍る雨の日に需要が高まる。健康志向の高まりから、いつでも利用できるスポーツジムは人気だ。24時間営業の2業態を併設し、利便性を高める。

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ファミマ「24時間やめた」オーナーに聞く「時短営業にしてどうなった?」

2/20(水) 9:52配信 弁護士ドットコム
ファミリーマート立命館大学前店
人手不足や人件費の高騰、長時間労働による疲労――。コンビニの24時間営業について、できればやめたいと考えるフランチャイズ(FC)加盟店オーナーは多い。一方で、加盟店は、売上から仕入代を引いた「粗利」の半分以上を上納金として、本部に納めている。人件費などは考慮されないため、本部にとっては販売時間が延びた方が良い。24時間営業をやめられない理由の1つだ。
加えて、客の少ない深夜帯は、商品の陳列や清掃などに適した時間とされる。24時間をやめれば、翌朝の商品が品薄だったり、清掃やメンテナンスが行き届かない可能性もある。配送網も考え直さなくてはならないだろう。現在、大阪府のあるセブンイレブンでは「24時間はもう無理」だとしてオーナーが自主的に営業時間を短縮。24時間は絶対とする本部と対立している。一方、24時間を見直す「実験」をしている大手もある。ファミリーマートだ。申請して認められれば、月10万円の「24時間手当」がなくなるが、店を閉めることができる。
2017年7月から、深夜1時~朝6時の5時間閉店し、19時間営業としている京都府の「ファミリーマート立命館大学前店」のオーナー長谷川淳一さん(59歳)に感触を聞いた。(編集部・園田昌也)

深夜シフトで体調不良、売上データ示して時短交渉

24時間営業のとき、長谷川さんの店でも、深夜はなかなか働き手が集まらなかったという。シフトが埋まっていても、ドタキャンしたり、病気になったりして、長谷川さんがあわてて店に入るということが珍しくなかった。
長谷川さんには昼間、別の事業もあり、睡眠不足から体調不良になったという。そこで、ファミマ本部に時短営業を申請した。
「すんなりオッケーになったわけではないんですよ。エリアの責任者がやってきて、色々とやり取りしました。診断書のほか、時間ごとの売上データも出して、売上が減った分は昼間頑張ってカバーします、という話もしました」(長谷川さん)
長谷川さんは「自分の店は条件がそろっていた」と話す。
店が大学の前にあり、夜はほとんど客がいなかった。時短について、地域住民からのクレームもなし。「働き方改革」の動きも追い風だった。
加えて、長谷川さんのコンビニオーナー歴は30年以上。本部との信頼関係があったのも大きかったと振り返る。

営業終了までに翌朝の準備

実際の時短営業はどんなオペレーションになっているのだろうか。「夜のスタッフは、閉店時間の5分後には店を閉めて、退勤しています。早朝は、開店5分前の5時55分出勤ですね」
長谷川さんの店には、最後の配送が夜0時頃に到着する。スタッフはそこから品出しをしつつ、閉店準備も進める。早朝のスタッフは、カギさえ開ければ営業できる。
この方法だと、売り場が品薄だったり、清掃が行き届かなかったりということもない。
「配送ルート的にうちは調整しやすかったのかも知れません。閉店後に届くようなら、カギを渡してバックヤードに置いてもらおうとも考えていましたが、営業時間内なので助かりました。閉店後に届く雑誌類は、倉庫に入れてもらっています」
なお、大手コンビニでも24時間ではない形態として、病院や企業ビルなど施設内の「サテライト店」がある。閉店後、施設内の大型冷蔵庫などに納品してもらっている店もあるそうで、「受取人なし」には実例がある。

売上は減ったけど、人件費・廃棄も減った

深夜営業は人が集まりづらいだけでなく、深夜割増があるので人件費もかかる。最低賃金が上昇する中、時短営業にすることで、人件費は前年よりも減ったという。
「ただし、5時間分丸々浮いたわけではないんです。これまで深夜のスタッフには、清掃や惣菜用フライヤーのメンテンナンスなどもお願いしていました。その分の作業は、夜を増員してやってもらわないといけない。それでも人件費は前年比10%減りました」
規模にもよるが、コンビニは月間で100万円前後の人件費がかかる。10%減はかなり大きな金額だ。
さらに、深夜をなくしたことで、食品の廃棄も減った。夜食需要を見込んだ仕入れを大幅に減らしたのだ。コンビニ業界では、売れ残りの仕入れ代は店舗負担だから、コスト削減につながった。
一方、売上は5%ほど減った。
「深夜の売上がなくなったのはもちろんですが、早く閉めるようになったことで、終わりと始まり1時間(=0時台・6時台)のお客さんも減りました。やはり店が開いていない可能性を考えるんでしょうね」
時短初年度、月10万円の補助金がなくなった分、自身の報酬は減った。しかし、補助金を除いた収益はむしろ増えたという。

時短成功も、近所に「24時間のセブン」

競合店が出づらいということも時短営業に踏み切った理由だった。京都市の「風致地区」制度の都合で、周囲の開発は難しい。1kmほど西に建設予定だった他チェーンのコンビニが、住民の反対で計画白紙になったこともあったという。
ところが、時短2年目の2018年6月、長谷川さんの店から500メートル圏内に24時間営業のセブンイレブンができた。
「お客さんとしては、真夜中の買い物ならセブンに行きますよね。それが日中にも影響するなら、24時間に戻さないといけないと考えていました」
今のところ、影響は大きくないそうだが、状況は常に注視している。
「営業目標はクリアしているので、時短にしてよかったです。ただ、うちは『実験店』なので、営業時間は1年ごとに見直す契約。今のところ、自発的に戻すことはないと思いますが、状況によってはまた24時間になる可能性はゼロではないですね」
長谷川さんは条件が揃っていたからこそ、時短がうまくいったと考えている。
「24時間をやめたら何でも解決するわけではないと思います。自分も楽、バイトも楽だけど、売上が激減となったら、生活できなくなります。特に繁華街にある店は、24時間をやめたら苦しくなるかもしれません」
とはいえ、90年代や00年代ならともかく、コンビニの飽和が指摘され、人手不足が深刻化する現在においては、24時間を維持するかどうか、店側の「経営判断」に委ねるという考え方はありえるはずだ。
なお、ファミマ広報に時短店舗の数などを尋ねたが、「実験段階のため公表していない」とのことだった。
弁護士ドットコムニュース編集部

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1月のコンビニ売上高、3カ月連続増 客単価も3カ月連続増

2019/2/20 16:00

日本フランチャイズチェーン協会(東京・港)が20日発表した1月のコンビニエンスストアの既存店売上高(速報値)は、前年同月比0.8%増の7924億円だった。3カ月連続で前年を上回った。中華まんやコーヒーなどカウンター商材や、おにぎり、総菜といった商品の販売が好調だった。
客数は1%減と3カ月連続で減少したが、客単価が1.7%増と3カ月連続のプラスになった。
品目別ではコーヒーや揚げ物、弁当などの「日配食品」が微増となった。コンサートチケットやギフト券を含む「サービス」は5.3%増だった。一方で飲料や菓子を含む「加工食品」は1.3%減った。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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24時間営業やめたら違約金 セブン‐イレブンがオーナーに請求

2019年2月20日 19時34分

コンビニ大手「セブン‐イレブン」の店舗のオーナーが、人手不足を理由に24時間営業をやめたところ、「セブン‐イレブン・ジャパン」から、契約違反だとして違約金を請求されるなどしたということです。これに対し会社側は、意思疎通がとれていなかったとして、話し合ってサポートしていくとしていますが、今後、24時間営業の在り方が議論になりそうです。東大阪市にある「セブン‐イレブン東大阪南上小阪店」のオーナー松本実敏さんは、人手不足で従業員の確保が難しくなったとして今月1日から、24時間営業を取りやめ、営業時間を午前6時から深夜1時までにしました。これに対し、「セブン‐イレブン・ジャパン」からは、契約違反だとして、24時間営業に戻さない場合は、フランチャイズ契約を解除するとともに、約1700万円の違約金を求められたということです。
契約では、24時間営業を取りやめた場合の違約金などが盛り込まれていますが、「セブン‐イレブン・ジャパン」は、今回のような場合、オーナーなどと話し合ったうえで、個別の事情に応じた対応をとっているとしています。
これについて、会社側は「適切な意思疎通がとれていなかったことを熟慮し、今後はしっかりと話し合い、24時間営業を継続できるよう本部としてもサポートをしてまいります」とコメントしています。
一方、松本さんは「24時間営業したい店はそうすればいいし、できない店はやめることができるようにしてほしい」と話していて、人手不足が深刻化する中、今後、24時間営業の在り方が議論になりそうです。
セブン‐イレブン「サポートしていく」
「セブン‐イレブン・ジャパン」によりますと、加盟店は駅やオフィスビルなど施設内にある店舗を除いて、原則24時間営業としています。ただ、営業の継続が難しい場合は、店舗のオーナーなどと話し合ったうえで、本部から応援の社員を派遣したり、営業時間を短縮したりするなど個別の事情に応じた対応を取っているとしています。
そのうえで、今回の件について会社は、「オーナー様とは、適切な意思疎通が取れていなかったことを熟慮し、今後はしっかりと話し合い、地域社会に必要な店舗として24時間営業を継続できるよう、本部としても店内態勢を整えるためのサポートをしてまいります。改めて皆様にお騒がせしたことをおわび申し上げます」とコメントしています。コンビニ大手では、ローソンやファミリーマートも、原則24時間営業としていますが、ローソンでは個別の事情に応じて営業時間を短縮しているケースがあるほか、ファミリーマートは、一部の店舗で営業時間を短縮する実験を行っているとしています。
また、コンビニ各社は、人手の確保に向けて専用の採用ホームページを設けたり、本部でコールセンターを設置したりするなどして、加盟店をサポートしているとしています。
利用客は…この店舗の隣にある会社で働く30代男性は「オーナーは以前から、『しんどい』などと話していた。夜間に店を閉める考えを応援したい」と話していました。また、近くに職場がある20代男性は「この周辺はトラックが多い地域なので、24時間営業をやめるとドライバーや夜勤の人は困るかもしれない。ただ、人が足りなければやむをえないのではないか」と話していました。

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国際通りにセブンイレブン、オープンへ 沖縄旅行大手がコンビニ初参入

2019年2月22日 07:30 セブンイレブン沖縄ツーリスト

 沖縄ツーリスト(OTS、東良和会長)は21日、県内初出店を目指すセブン-イレブン沖縄(那覇市、久鍋研二社長)とフランチャイズ(FC)契約を結びコンビニ事業に初参入すると発表した。新店舗は那覇市松尾の国際通りにあるOTS本社1階で、今年7月の開店を目指す。
 免税品販売や、旅行情報の提供などOTSが培ってきたノウハウを生かし、インバウンド(外国人観光客)を取り込んだ独自のコンビニ経営を目指す。
 コンビニ開店に伴う改装工事があるため、現在の1階の窓口業務は4月から本社3階に移転する。
 OTSがコンビニ事業に参入する背景には、沖縄を訪れるインバウンドの多くがコンビニを利用する傾向にあることだ。インバウンド向けの物販で、売り上げ向上を図る。初年度の日販目標は120万円。
 OTSは本社2階の「OTSメンバーズラウンジ」をコンビニ利用者に開放し、くつろげるスペースを提供。観光情報の提供や、アクティビティーの手配など旅行社の強みを生かしたサービスを展開する。
 県内では金秀グループがセブンとFC契約を結び、糸満市兼城への出店を発表している。

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「アマゾン」「24時間」 コンビニは耐えられるのか

2019/2/15 2:04 (2019/2/22 2:00 更新) [日経}

ゴミやチリがふき込む

風の強く吹く2月中旬、東京都千代田区の幹線道路沿いのセブンイレブン。昼時で3人がレジ打ちしても行列ができる混雑ぶりだが、リノリウムの床はぴかぴかに磨かれていた。
来店客が多いコンビニでは入り口からチリやゴミが入り込みやすい
「一日に2~3回は掃いたりモップをかけたりしますね」と若い男性店員。同店は片側3車線の国道沿いにあるため、ゴミやチリがふき込んでくるのだという。「レジ打ちや棚の補充の作業の合間に掃除をしていますが、重労働です」と語る。店舗の掃除の問題は、セブン―イレブン・ジャパンの取締役会で5年前から話題に上がっていた。取締役・建築設備本部長の大橋尚司(56)は頭をひねった。電動モップやロボット掃除機を使っても結局運用するのは人間だ。

ヒントは東京ドーム

あるときひらめいた。きっかけは手術室と東京ドームだ。双方とも入るときに「フワッ」と風を感じる。ゴミが入らないように気圧をコントロールしている。空気は圧力が高いところから低いところへ流れるが、内部の気圧を高めて外気をなるべく入らないようにしているのだ。
セブン―イレブン・ジャパンの大橋取締役
「これだ」。大橋は焦点を変えた。「掃除するのではなく、そもそもゴミを入らないようにすれば」。こんな空調が可能なのか、東芝キヤリアや富士電機に持ちかけると、店内の吸気と排気をコントロールできるシステムの開発が始まった。店内圧力を制御すれば電気代も3%安くなることがわかった。全店に入れれば、年間15億円も削減できる計算だ。
この空調システムは現在、静岡県などにある5店舗で最終実験中で、将来的に2万店に導入する計画という。

「1人で28時間働いた」

2月19日、セブン―イレブン東大阪南上小阪店(東大阪市)が「24時間営業はもう限界」として午前6時から翌午前1時までに短縮し本部と対立するトラブルが伝わった。日本経済新聞の取材にオーナーの松本実敏は「本部から違約金は1700万円と言われた」と話した。昨年6月以来13人の従業員が辞めたといい「1人で28時間働いたこともあった。24時間営業が基本というが現状を見てほしい」と語った。
セブン―イレブン東大阪南上小阪店のオーナー、松本実敏さん
セブン―イレブン・ジャパンは「適切な意思疎通を取れていなかった。24時間営業を継続できるよう本部としてサポートする」とコメントしたが、人手不足は現場にマグマのようにたまっている。

接待を一切禁止に

大橋は中途でセブンイレブンに入社、店舗の進出地域を選ぶリクルート部門を経て、5年前に建築設備本部に来た。
「ご指導をいただきたいのでまずは一献」。取引先からこう誘われて驚いた。建築設備部門はたくさんの設備メーカーや保守会社が出入りする。大橋は徹底して接待を禁止した。「それをやっていては何もできない」と言う。
取引先は”大橋ショック”と呼ぶ。現在数千社の取引先があるが、「毎週1.5社ぐらい取引内容を変更している」(大橋)。仕入れ先の変更のほか、既存の取引先に仕様変更を依頼することを含めた数字だ。

食洗機などで4時間短縮

唐揚げやコロッケをつくるフライヤー。それまでヒート方式と呼ぶ機器を採用し、あるメーカー1社が独占的に導入していた。だが店員が清掃する時の効率を考えるとIH方式のほうが簡単だ。マルゼンというメーカーに変更した。マルゼンはこの分野ではトップで、プライドも高い。
フライヤーではIH式への切り替えを始めた(東京都千代田区のセブン―イレブン)
マルゼンは既製のフライヤーの納入を進めたが大橋は「いや、もっと安全な仕様に変更してほしい」と迫る。マルゼンの技術者は「ここまで言われるのは初めて」とショックを受けたが、最終的にセブン仕様を受け入れた。
そのフライヤーを洗うために3年前には自動食洗機を導入したが、業界のトップのホシザキにも容赦ない。安全と省エネを考えセブン専用機が開発された。店舗の作業時間は最終的に4時間圧縮できた。

現実のセブン

「どの取引先にも指定席はない」(大橋)。決して堅物でも威圧的な人物でもないが、理詰めで改善を求める。自分の任務は「あくまでもフランチャイズオーナーから預かったお金を働きやすく、快適な店にするために使う」と割り切っている。コンビニのようなリアル店舗は、いかにレジ待ちを減らすかを追求するが、アマゾンが開発した無人店舗「アマゾン・ゴー」はレジ自体をなくしてしまった。
アマゾンの無人店舗「アマゾン・ゴー」でゲートから入店する人々(米シアトル市)
現時点でアマゾンは脅威ではないし、作りたての弁当やおにぎり、パンを提供するセブンのめざす世界とは違う。だがこの人手不足時代にアマゾンが提示した答えはコンビニを動かしている。「現実のセブンイレブン」に対し「理想のローソン」と対比される取り組みだ。

カメラで客の動きを検知

JR品川駅から歩いて10分、東京都港区のオフィスビルの一画に「ローソンイノベーションラボ」がある。2017年10月にローソンが次世代コンビニエンスストアの研究施設として立ち上げた。
ローソンで次世代コンビニの開発に取り組む牧野氏
広さは70平方メートルと、コンビニの半分に満たない広さだが、売り場を模してレジや商品棚が配置されている。
洗剤や整髪料などが並べられた日用品の棚の天井にはカメラがすえつけられている。客がどの商品に手を伸ばしたかを検知し、売り場に設置した電子看板に手にした商品の特徴や広告を流す。客が買う確率を高めようとプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)と共同実験している。
「天井のカメラで商品を手に取った人の客層まで分析できるんです」。こう話すのはセンター長をつとめる理事執行役員の牧野国嗣(51)。これまでは調査員を雇って店内の人の動きをみていたが、カメラで把握できることでより精度が高まる。
店内カメラで顧客の動きを分析して売り場の配置などに役立てる(東京都港区の「ローソンイノベーションラボ」)

ローソンは25年に「ワンオペ」

牧野はローソンの親会社である三菱商事からの出向組で、小売業の経験はない。三菱商事では2002年から6年半にわたって米シリコンバレーに駐在し、IT技術の調査に携わった。ベンチャー企業への投資経験もある。
「このラボは新しい技術を実店舗に落とし込むための場です」(牧野)。イノベーションラボには電機メーカーやスタートアップ企業など数十社が技術を提供。すでにいくつか実用化に向けて動き出した実験もある。
ローソンの竹増貞信社長は「人手不足にデジタルで対応する」と話す
 ローソンは2025年までに店員1人で店舗を終日運営できるレベルにまで省力化を進める考えだ。ローソン社長の竹増貞信(49)は人手不足にデジタルで対応するとしながらも「アマゾン・ゴーは膨大なカメラやセンサーが必要で既存店にすべて導入するのは現実的でない」と話す。

ドンキと組んだファミリーマート

効率化に身を削る大手2社に対し、ファミリーマートは「斜め上」にボールを投げているように見える。だが、これも究極の無人化モデルとネット販売に勝つための取り組みという。ドン・キホーテと組んだ「不思議なコンビニ」だ。「見て下さい。このグミの量を。普通の店の10倍ですよ」。営業本部ライン運営事業部長の今木誠(59)は「ファミリーマート立川南通り店」を案内してくれた。確かに幅2メートルにわたる棚にびっしりとグミが並ぶ。その日来店していた若い女性客はじっと品定めして、4袋も手に取った。
店外にも大量の商品が積み上げられているドン・キホーテとの共同実験店舗
「女性客が少ない店」「夜間の売り上げが弱い」。ファミマの弱点を補完するチャンスが来たのは、2017年にディスカウントストアのドン・キホーテと提携したときだ。今木はコンビニとはやり方が正反対のドンキを組み合わせる実験を始めた。

整然か雑然か

普段気づかないかもしれないが、コンビニのレイアウトにはちゃんと理由がある。売り上げの大きい主力品を四方の壁ぞいに配置しているのだ。特にメインの弁当やおにぎりは店に入って一番奥に置く。
なぜ特等席の入り口付近じゃないのか。奥に置くことで客が店内を回遊する時間を増やし「ついで買い」につなげているわけだ。このほかの配置もほとんどいじらない。リピーター客が分かりやすいようにするためだ。
ところがドンキにはそうした法則性を感じられない。立川南通り店は商品が高く積み込まれたり、天井からつり下がったり、独特の世界だ。品数は改装前より50%近く増えた。
カラーコンタクト、小型加湿器、フィットネス用品――。バラエティーあふれる雑貨があちこちに並ぶ。なぜか店の奥には低価格のスエットまでつり下がっている。「冬休み前になると部屋着用にどっと売れます」と今木は話す。
ユニー・ファミマとドンキホーテホールディングスが共同運営するコンビニ店舗
来店したときのわくわくや驚きを提供する。これまでは「整然」が常識だったが、「これからは地域の事情に応じた店作りも必要」(今木)という。

「ない」を創れるか このほかに都内の2店で実験中だ。すでに各地の店舗オーナーからドンキ型をやってみたいという問い合わせが来ている。だが実現は簡単ではない。コンビニは1日2~3回、定時に商品が運ばれてくる。だがドンキの商品のように多様な商品が増えるとオペレーションは煩雑になる。店員の負担も当然増える。今木は「欠品のない店に仕上げるにはもう少し実験が必要」と語る。
コンビニが変化するには、それが得意としてきたものまで変える必要がある。それは当然だ。
セブン&アイHDの鈴木敏文名誉顧問
セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問の鈴木敏文(86)は大型スーパーが本格出店を始めた1970年代にコンビニを日本に持ち込んだ。反対者も多かったが「人は便利さを求める」との信念から家で作るようなおにぎりや弁当の販売を始めた。即席麺を作った日清食品創業者の故・安藤百福も同様、世の中に「ない」生活スタイルを広めたわけだ。
もうすぐ50歳を迎える日本のコンビニが、再び「ない」を創造できるか。アマゾンやネットの脅威を跳ね返すかどうかの未来はそこにかかっている。

敬称略=おわり(編集委員 中村直文、今井拓也、渡辺夏奈)

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