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セブン銀行、爆発的拡大で公共インフラ化…事実上、行政の一角担う、メガバンク凌駕か

 コンビニ業界では依然としてセブンイレブンが独走状態だが、それに歯止めをかけるべく、ファミリーマートやローソンをはじめとする同業他社は、新商品を開発したり、サービスの拡充に努めたりしている。しかし、セブンの牙城は容易に崩せない。一方、セブンはネット通販やドラッグストアといった新たな敵を迎えて、守勢に回っている。セブンの成長戦略にも鈍化が見え始めているが、新しい収益の柱として期待を込めているのがセブン銀行だ。
 セブン銀行の特徴は、既存の銀行が収益の柱にしていた貸付業務をしない点にある。あくまでも預金や振込といったBtoC業務をメインにしている。2001年に銀行ビジネスに参入したセブン銀行のビジネスモデルには当初、冷ややかな視線が注がれていた。他行は貸付業務をしないセブン銀行を、単なる銀行の下請け的な位置づけで見ていた。そのため、他行がセブン銀行を敵対勢力と認識することはなかった。
しかし、いまやセブン銀行はセブン&アイグループの一角を占める一大事業にまで成長した。2018年2月期の決算では、セブン銀行をはじめとする金融関連事業で497億円もの営業利益をあげている。この数字は国内コンビニエンスストア事業の2452億円には遠く及ばないものの、グループの祖業でもあるスーパーストア事業の212億円を大きく上回っている。このセブン銀行の成功は、他行も刺激。ミニストップはイオン銀行を設立して追随。ローソンも銀行設立を発表して、店舗内に自社グループのATM設置を急いでいる。
 しかし、先行するセブン銀行は、もはやセブンやイトーヨーカドーといった自社グループ店舗外にもATMを設置するなど、営業ネットワークを拡大している。たとえば、東京ビッグサイトなどの大型公共施設内にはセブンが出店しているが、セブン銀行のATMは店舗外の通路にも設置されている。こうした店舗外ATMを増やすことで、セブン利用客以外でも気軽に使えるようにし、利用者の拡大を図ってきた。
 そのほか、セブン銀行は市役所や中央省庁などのATMコーナーにも設置されるようになっている。セブンの店舗内には複数台のATMが設置されている場合もあるが、そうした大型公共施設や役所への進出によって、セブン銀行のATM設置台数はセブンの店舗数を上回っている。ある地方自治体関係者は、こう話す。
「コンビニは住民票や印鑑証明などの公的書類を発行できるようになり、また、電気・ガス・水道といった公共料金、住民税や健康保険といった各種税金、年金なども取り扱っています。他方、行政改革のあおりで職員を減らした役所では、それらの取り扱いは縮小傾向にあります。それを補っているのが、コンビニです。今般のコンビニは、すでに役所みたいなもので、役所側から見てもコンビニがなければ、行政の業務は回りません。完全に公共インフラ化しています」

地銀と対照的

 コンビニの準公共機関化に伴い、セブン銀行の金融機関としての信用も高まった。そして、セブン銀行に追い風となったのがゼロ金利政策だ。超低金利時代に突入したことで、メガバンクをはじめ地銀は収益を急速に悪化させている。
 メガバンクや地銀ではIT化を急ぎ、人員削減の嵐が吹き荒れている。特に高齢化が進み、産業も衰退している地方都市の地銀は経営が苦しい。地銀は経営合理化の下、支店を次々に閉鎖した。支店や出張所を廃止したことで、使い勝手は悪くなった。一方、コストカットと無縁のセブン銀行の主力はATM。しかも、セブン銀行のATMは、銀行のATMよりも人手を必要としないシステムになっている。当然ながら無人のATMでも、現金補充をはじめメンテナンスなどで人手は必要になる。
セブンのATMでは現金の補充はメンテナンスを請け負っている警備会社が担当するほか、店舗内にATMを設置する店のオーナーが売上金を預け入れる仕組みになっている。店の売上金を預けることで、現金を欠品する機会を減らす。
 そうしたシステムにより、現金の補充といった作業でも徹底的な省力化が図られている。このシステムを構築したセブン銀行は、メガバンクや地銀のような人員削減に取り組む必要がない。セブンが店舗を増やせば増やすほど、セブン銀行のネットワークも広がる。同時に利便性も向上する。こうした好循環で、セブン銀行は公共インフラ化した。

指定金融機関に?

 地方自治体関係者の間からは「セブンを指定金融機関にしたほうがいいのでは?」などという声も囁かれ始めている。指定金融機関とは、地方自治体などの公金徴収や支払い事務などを扱う金融機関のことで、おおむね地元の銀行や信用金庫が指定されてきた。公金を取り扱うという性質上、信用性の高い銀行というお墨付きをもらえる。また、地元財界では盟主のように崇められる。そうしたこともあり、これまで銀行業界では地方自治体の指定金融機関になることは、経営上でも大きなメリットがあるとされていた。しかし、いまや指定金融機関になっても恩恵は少ない。逆に面倒な事務が増えることもあり、指定金融機関になることに尻込みする地銀も出てきた。
 地方の隅々まで店舗を展開しているセブン銀行が、地方自治体から信頼が寄せられることは自然な流れといえる。もはや地銀を超えたセブン銀行。このまま快進撃が続けば、セブン銀行がメガバンクを凌駕する金融機関になるのは時間の問題かもしれない。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)

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ファミマ、九州でセルフレジ JR九州系、まず10店

2018年8月2日 20:05

JR九州リテール(福岡市)は、運営するコンビニエンスストア「ファミリーマート」の一部店舗にセルフレジの導入を始める。ファミマは首都圏や関西圏で約120店強でセルフレジを導入しているが、九州では初めてとなる見通し。3日から順次10店に入れる。
既存のレジを残したまま、カウンター外にセルフレジを設置。顧客がバーコードを読み取り、クレジットカードや電子マネーで支払う。現金は使えない。一度に買える金額は4000円未満とし、タバコや酒類、ショーケースの揚げ物といった「カウンター商材」は購入できない。
レジ増設で業務効率化を図る。JR九州リテールは導入店舗で「万引きの増加といった影響は見られない」としている。JR九州リテールは7月末時点で、ファミマ193店を運営。今後セルフレジの効果を検証し、導入拡大を検討する。

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コンビニ節電へLED更新 ローソン5000店に最新型

2018/8/10 2:00 朝刊 [日経]

コンビニエンスストア各社が発光ダイオード(LED)照明の交換を進めている。ローソンでは2018年度に全体の3割超の約5千店で最新型に切り替える。コンビニでは11年の東日本大震災後に節電意識の高まりを受けてLED照明が普及した。初期に導入したLEDを切り替えることで、使用電力や電気料の一段の削減につなげる。
ローソンは3割超の5千店で最新型LED照明に切り替える
ローソンは現在、全国の1万4千店でLED照明を導入している。交換の対象は11年度末までに設置した店舗で、17年度は2千店を切り替えた。LED照明の性能が向上したことで、1店あたりの照明の本数は2割超少ない60本となる。調光機能の付いた照明を導入し、昼夜で店内の明るさを自動で調節するという。店舗の電気使用量を約4%減らし、1店あたりの電気料は月1万2千円程度の削減を見込む。
ファミリーマートでも18年度にLED照明を設置している8500店のうち5千店を順次、最新型に切り替える計画だ。先行して切り替えた店舗では使用電力を1割削減できたという。
セブン―イレブン・ジャパンも18年度に17年度比で6割超多い約5千店でLED照明を最新型に切り替える。明るさが1.5倍になり、照明の使用電力は6割削減できる。セブンでは約1万9千店でLED照明を導入している。
LED照明の耐久年数は15年程度だが、24時間営業のコンビニでは消耗が早い。各社は11年の東日本大震災前後に導入した店舗を中心に交換を進める。フランチャイズチェーン(FC)方式で展開するコンビニでは店舗を運営する加盟店も電気料を一部負担する。月々の電気料削減につなげて加盟店の経営を支援する狙いもある。

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セーブオン、ブランドに幕   群馬の全店、今月末閉店

2018/8/4 1:49 [日経]

コンビニエンスストアのセーブオン(前橋市)は群馬県内の全159店を今月末で閉店する。2017年にローソンと締結した「メガフランチャイズ契約」に基づいて「ローソン」ブランドに転換し、10月上旬から再営業する。県内店舗の閉店で「セーブオン」ブランドの店舗営業を全て終了する。
31日朝に全店の営業を終了する。約1カ月かけて店舗改装や商品を入れ替え、ローソンとして順次営業を始める。セーブオンで人気だった群馬の名物「焼きまんじゅう」などを継続して販売するかは未定だという。
セーブオンは1984年に設立。安さや量を売りにした品ぞろえで特徴を出し、群馬や新潟を中心に店舗網を広げた。ただ近年は大手コンビニの攻勢にあって売り上げが低迷。17年1月にローソンと契約し、その時点で400を超える店の転換を進めてきた。
同社はこれまで埼玉や栃木、新潟の店舗をローソンに転換してきた。転換した店舗は売り上げが伸びるなど効果が現れている。サラダなど健康志向の商品を増やし、女性客の取り込みも進めている。

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キヨスク」から「ニューデイズ」への変革

JR東日本が運営しているコンビニ「ニューデイズ」。運営企業(企業の出自)は駅の売店キヨスクで、一昔前は「東日本キヨスク」と呼ばれていました。キヨスク売店といえば、おばちゃん(失礼)が小さな箱(約3~5坪)の中で、お客さんの顔を見て欲しい商品をすぐ手渡して、釣銭を暗算であっという間に計算し商品決済を終わらせる……そんなイメージがあると思います。余談ですが、この職人芸とも思える現金暗算決済は、先輩について学ぶより慣れろ方式でOTJにて伝わっていたようです。
また、どの商品がどの位置に陳列されているかも完璧に覚えており、常連のお客さんが購入するものも完璧に覚えていたそうです。余談ついでに、キヨスク売店は複数の職人で運営されており、それぞれの職人がMYルールを持っていたようで、勝手に商品の陳列位置を変更したりすると、社内トラブルになったそうです。
このような職人集団を抱え、JR東日本駅構内という絶好のロケーションで経営していた東日本キヨスクでしたが、2006年にある転機を迎えます。もともと新聞・たばこ・雑誌といった商品が売り上げの大半を占めており、業界特性として成長する可能性が低い事業モデル(MD)とされ、売上も徐々に下がっているところで、JR東日本の100%子会社となったのです。
上場企業の100%子会社となり連結決算対象となったことで、企業としての成長戦略・収益性向上が株主から求められるようになった東日本キヨスク。そのような環境変化のなか、同社はキヨスク売店中心の事業経営ではなく、コンビニ(ニューデイズ)主体の事業経営に変革させることになりました。コンビニですので、取り扱いアイテム数も以前のキヨスクよりも多くなり、おにぎり・パン・飲料といった利益率が比較的安定している商品群が中心の品揃えとなりました。
また、職人軍団の高齢化・後継者不足も大きな問題でした。暗算・暗記のスペシャリスト育成は簡単ではなく、そこでPOSレジの導入が進められたのでした。取扱商品の変化・POSレジの導入・成長戦略・収益性向上などといった経営課題解決に向けて、コンビニ化の促進が進めらました。事業戦略の推進に向けては、社外の経営コンサルティング会社のサポートも得ていたようで(有名な外資系戦略コンサルティングファーム等も)、なかでも船井総合研究所のサポートは業界内でも話題となりました。

客単価の低さをどう克服したのか

もともと駅構内の店舗であるため、客数は平均約2000人/日と他のコンビニと比べて2倍ほど多かったニューデイズ。そこで業績向上のために目指したのは「客単価アップ」でした。
駅利用の消費者は、列車発車時刻などが迫っているなかで急いで買い物をするので、じっくりと時間をかけて商品を選んでもらうのではなく、欲しい商品がすぐ見つかり、素早く会計が終わるような店づくりをしてきました。しかし裏返すと、このような消費行動が主体であるため、客単価は低めだったのです。
そこでニューデイズは、より買いやすい売場作りを進めていきます。売りたい商品の陳列フェイスを拡大(アイテム数を絞り込み)し、見やすくわかりやすいように販促物を整理していきました。例えば消費者が何気なく手に取る商品が発泡酒ではなく、より収益率が高いアサヒスーパードライになるように、陳列の工夫を進めました。
また食品類の強化による売上・収益の更なる向上を狙うために、オリジナル商品の開発にも力を入れました。特にパンについては、オリジナルブランド「パネスト」を作り、オリジナルの販売促進キャンペーンも強化したことで、ヤマザキパンなどのNB商品よりも販売を伸ばすことに成功しました。また店舗運営面においては、スーパーバイザー(SV)の経営指導力強化を行い、売場・接客といった現場の改善を進めました。
このような個店舗の売上アップ(収益性アップ)を地道に続けることで、1店舗あたりの平均日商売上が(セブンイレブンを抑えて)3年間連続で業界ナンバーワンとなったのでした。

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コンビニ7社0.1%増収
7月既存店、猛暑で夏物商材好調

2018/8/21 2:00 朝刊 [日経]

日本フランチャイズチェーン協会(東京・港)が20日発表したコンビニエンスストア大手7社の7月の売上高は既存店ベースで前年同月比0.1%増の8854億円だった。プラスは2カ月連続。西日本の大雨などの影響で客数は伸び悩んだが、全国的に気温が高くアイスや冷たい麺、飲料といった夏物商材の売れ行きが好調だった。
既存店の来店客数は1.8%減で、29カ月連続で前年を下回った。1人当たりの購入金額を示す客単価は1.9%伸び、客数減を補った。既存店の客単価プラスは40カ月連続となる。
出店の拡大で、全店ベースの売り上げも伸びた。
7月の全店売上高は2.0%増え、65カ月連続で前年を上回った。7月末の店舗数は前年同月比1.1%増の5万5431店だった。
大手3社では明暗が分かれた。
セブン―イレブン・ジャパンの7月の既存店売上高は1.6%増だった。「西日本の大雨の最中はマイナスだったが、それ以降はコンビニの使われ方が見直されてプラスになった」としている。
一方、ローソンやファミリーマートでは客数の落ち込みが大きく、マイナスとなった。

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大手コンビニチェーン3社が7月の売上を発表し、豪雨や台風の影響でローソンやファミリーマートでは客数が伸び悩んだ一方、セブンイレブンは客足の減少を小幅に抑えて、好調な売上を続けていることが分かった。

ローソンは既存店売上が再びマイナス

 10日、ローソンが7月の月次情報を発表した。前年同月比で、既存店売上高が2.6%減、客数が2.8%減、客単価が0.3%増、全店売上高が4.3%増だった。6月の既存店売上高は1.3%増と久々に浮上したが、7月に客単価が大きく下がった(6月4.7%増->7月0.3%増)ことで、客数の微回復(6月:3.2%減->7月:2.8%減)も下支えとならず、7月の既存店売上高は再びマイナスになっている。
 西日本を中心とした豪雨や、台風による大雨といった悪天候が響き、客数がマイナスに。好調だった商品としては、おにぎり、「もっと!野菜」シリーズのお弁当やあんかけ焼そば、冷やし麺、「UchiCaféフルーツバー」シリーズなどがあげられている。なお7月の出店は88店、閉店は43店で店舗数は1万4,289店。

ファミリーマートは客数マイナス続く

 10日、ユニーファミリーマートホールディングスが、ファミリーマートの7月の月次営業報告を発表した。前年同月比で、既存店日商が1.1%減、客数が2.4%減、客単価が1.3%増、全店売上高が2.7%減だった。
 今期(2018年3月~19年2月)は、期初となる3月こそ既存店日商が前年同月比1.2%増、全店売上高が増減なしだったものの、4月からどちらも4カ月連続で前期比マイナスだ。
 7月は、西日本での記録的な豪雨や月末の台風等が客足に影響したことに加え、前年同月に大ヒットした「焼きとり」の反動減も影響した。一方で、高温だったことで、調理麺や飲料、アイスクリーム等の夏物商品が前年比プラスとなった。好調だった商品としては、全面刷新して新たな成形機を導入したおむすび、惣菜シリーズ「お母さん食堂」、新商品「ストロベリー&ゼリーフラッペ」を始めとするフラッペなどをあげている。
 なお7月の出店は53店、ブランド転換は141店、閉店は35店で、店舗数は1万5,469店(他にサークルK・サンクスが490店)。

セブンイレブンは既存店・全店ともに好調続く

 10日、セブンアンドアイホールディングスが、セブンイレブンの7月の月次営業情報を発表した。前年同月比で、既存店売上が1.6%増、客数が0.4%減、客単価が2.0%増、全店売上が4.4%増だった。既存店はこれで8カ月連続の前年比プラスとなった。
 他の2チェーンと同様に客数は前年同月比マイナスだったが、そのマイナス幅は小さめで、今期(2018年3月~19年2月)5カ月における客数を振り返ると、3月:0.0%、4月:0.3%減、5月:1.8%減、6月:1.7%減、7月:0.4%減と、5月を底に回復する傾向もある。
 なお7月の店舗数は2万437店で、6月から45店の増加(出店・退店数は未発表)。(県田勢)

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自販機コンビニ」増設 セブン、コカ系と提携
オフィスに提案、おにぎりなど販売

2018/8/14 2:00 朝刊 [日経]

セブン―イレブン・ジャパンはコカ・コーラグループと、「自販機コンビニ」と呼ばれる食品自販機の設置を広げる。飲料の自販機と一緒に、オフィスや工場に設置を提案する。店舗と店舗の間の「隙間」にも、コンビニの需要があると判断。店舗を設けるスペースがないオフィス内などを開拓し、潜在的な需要を売り上げにつなげる。
コカ・コーラグループと提携し、オフィス内の需要を開拓する(福岡市の自販機コンビニ)
セブンはこのほど、大手小売りチェーンへの営業を担うコカ・コーラカスタマーマーケティング(東京・港)と業務提携した。食品を主に扱うセブンの自販機コンビニと、コカ・コーラの飲料自販機をセットにしてオフィスや工場、学校などに設置を提案する。それぞれの営業活動で得た設置場所の候補の情報も、両社で共有する。
自販機コンビニはおにぎりやサンドイッチ、カップ麺や菓子などを販売する自販機。セブンの自販機は冷蔵から常温まで4つの温度帯で管理する。1カ所に2台を置き、計約70品目を販売している。商品は順次入れ替える。毎週店舗で販売している新商品のほか、利用客が好むカテゴリーの商品を増やすことで、繰り返しの利用につなげる。
セブンは17年に自販機の設置を始めた。7月末現在で全国に175台を設置しており、18年度末までに全国で500台以上を設置する計画を掲げる。コカ・コーラとの提携で設置拡大に弾みをつけ、19年度末までに1千台に拡大する。20年度以降も毎年500台以上の設置を進める考えだ。
自販機は1日あたり平均で2万円以上の売り上げが見込める場所に設置を進める。都心部のオフィス街などでは、最寄りの店舗まで数分以上かかる場所に設置すれば売り上げを見込みやすいという。昼食時間帯にビルのエレベーターが混雑する場所などは、店舗への距離が近くても自販機コンビニの需要が見込める。
売り上げは自販機を設置した最寄りの加盟店のものとし、商品の補充や代金の回収も加盟店が担う。自販機の1日当たり売上高は、店舗1店の1日平均売上高(日販)の約3%に相当する。コンビニは既存店の来店客数の減少が続くなど成長に陰りが見える。セブンは自販機設置で既存店の売上高を伸ばす。
コカ・コーラは自販機コンビニと一緒の設置を提案することで、設置台数が伸び悩む飲料自販機の設置をてこ入れする。
サントリー食品インターナショナルは7月、飲食店予約サイトを運営する「ぐるなび」と、清涼飲料の購入とともに弁当も注文できる自販機の展開を始めた。ファミリーマートはオフィスなどに約2300台の自販機を設置している。

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売上高1000億円を目指す新たな成長戦略

計画通り500店舗を達成したニューデイズでしたが、その後また新たな成長戦略を描く必要が出てきました。これまで「1店舗あたり平均日販日本一を3年間達成」「500店舗達成」を立て続けに成し遂げ、売上高は700億円後半から950億円にまで成長。新成長戦略は、次なるステージである売上高1000億円を達成するためのものとなりました。新たに策定された成長戦略では、短期的(1年間)で達成する事業計画レベルではなく、中期的な成長を目指すために、様々な視点から取り組んでいく総力戦とすることになりました。プロジェクトマネージャーには、社長自ら率先して就任し、全社員の巻き込みを図ります。プロジェクトリーダーは引き続き笠井氏が就任しました。
「ニューデイズを日本一のコンビニにしよう」を合言葉に始まった新たなプロジェクトは、商品・店舗設計・デザイン・PR・店舗オペレーションまで踏み込む全方位型のものだったようです当時、ユーザーにニューデイズの印象について調査を行うと、「いまいち」「特徴がない」「食べ物がおいしくなさそう」「商品価格が高い」「キャンペーンが少ない」などの、散々な意見が続出していました。これらの解消とともに、駅ナカコンビニの特徴とも言える「客数は2倍だが、客単価は1/2」という数値上の問題に関しても、解決を図ることとなり、具体的には「客単価400円以上を目指す」をKPIとして、プロジェクトは突き進みました。なお、ターゲットとされた客層は、それまで駅コンビニの顧客の主力であったサラリーマンから働く女性へと移っていきました。「ニューデイズはいまいち」という印象を脱却させるため、店舗デザインの大幅な刷新が始まりました。店舗デザイナー・建築家などのデザインコンペを実施し、当時の赤色×オレンジという「朝日のイメージ」から、JRカラーでもある落ち着いた印象のグリーン×木目調の現在のデザインに変更。従業員のユニフォームも変更しました。
また、店舗オペレーションにおいても改革が行われました。その一例が、大手コンビニとしては初となる自動釣銭機の導入。これは、労働人口の減少による外国人労働者の増加に対応するため、現金取り扱い作業を簡便化させることが目的でした。そして、極めつけがPR活動の開始です。当時はまだ無名に等しかった芳根京子を、イメージキャラクターに抜擢(その後、NHKの連続テレビ小説の主役になりました)。TVCM、ポスターに山手線車内のトレインチャンネル、細かいところでは店内放送の声にまで出演しました。
また、この時期に以下のような新サービス・新事業も同時に開始しました。

1.ギフトカードの導入(POSAカード)
2.カタログギフトの開始(伊勢丹とコラボ)
3.挽きたてコーヒーの開始(ドトールコーヒーとコラボ「EKInaCAFE」)
4.店内にデジタルサイネージを設置し、「広告事業」の開始

特に1のギフトカードに関しては、現在では1日あたり業界トップクラスの販売になっているようです。
このように、店舗全体の底上げの取り組みにくわえて、これらの新事業・新サービスの立ち上げ効果もあって、売上はついに1000億円を突破することに成功したのでした。

by 日比谷新太

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ロイヤルティの算定方法を理解しよう

2018年8月21日  弁護士 近藤 暁

ロイヤルティは、FC契約に基づき継続的に提供されるフランチャイズ・パッケージ(商標使用許諾、経営指導、システム使用料や広告宣伝費など)の対価として、加盟店から本部に支払われるものです。
 このロイヤルティの算定方法について、コンビニ業界では独特な方式が採用されており、これが「ロスチャージ裁判」として一時期問題となったことがあります。コンビニ業界で採用されているロイヤルティの算定方法が適法であること自体は解決済みの問題ではありますが、FC業界を語る上で外すことのできないトピックでもあるため、その問題点に触れておきたいと思います。

コンビニ業界が採用するロイヤルティの算定方法

 ロイヤルティは、本部が提供するサービスの内容やそれを実施するためのコストによって大きく左右されます。そのため、事業の実態に応じてさまざまな算定方法があります。(西口元他『フランチャイズ契約の法律相談〔第3版〕』153頁(2013、青林書院))。コンビニの場合は、「総売上利益方式」がとられています。
ちなみに、この「総売上利益」というネーミングは、業界で統一的に使用されているものではありません。
セブン-イレブン・ジャパンでは「売上総利益」、ファミリーマートでは「営業総利益」、ローソンでは「総荒利益高」などと呼ばれていますので、これらに合わせたネーミングを用いても構わないでしょう。

「総売上利益方式」にはどのような問題があるのか?

 ネーミングのぜひはさておき、「総売上利益方式」のキモは、ロイヤルティの算定の基礎となる「売上原価」から「廃棄商品額や棚卸ロス商品額が控除されること」です。
これがなぜ「キモ」となるのかについては、企業会計原則や純粋粗利益方式と比較することで分かりやすくなります。まず、企業会計原則には「売上総利益」という概念があり(損益計算書などに表示されています)、これは純粋荒利益方式でいう「粗利益」と同じものです。「売上総利益」(荒利益)は営業成績のざっくりとした指標として用いることもあるため、FC業界に限らず、事業者にはなじみのある概念といえるのではないでしょうか。
 この「売上総利益」(粗利益)の算定式は、以下のようになります。

 売上総利益=売上高-売上原価

 これに対して、コンビニにおける「総売上利益」の算定式は、おおむね以下のようになります。

 総売上利益=売上高-{売上原価-(廃棄商品額+棚卸ロス商品額)}

 このように、売上原価から廃棄商品額や棚卸ロス商品額が控除されることが何を意味するかというと、コンビニでのロイヤルティの算定の基礎となる「総売上利益」は、企業会計原則の「売上総利益」(荒利益)と比べて、廃棄商品額と棚卸ロス商品額の分だけ金額が増えるということを意味します。
 そのため、企業会計原則上の「売上総利益(荒利益)」を基準に算定したロイヤルティの額よりも、コンビニの「総売上利益」を基準に算定したロイヤルティの額の方が高額になるという関係にあります。

「総売上利益方式」が採用される理由とは?

 加盟店にしてみれば、「なぜ商品を仕入れるために費用を支払ったのに、その費用が売上原価から控除されなければならないのか?」「なぜ販売による利益を現実に得ていないのに、廃棄商品額や棚卸ロス商品額を売上高に計上しなければならないのか?」と、疑問に思うことでしょう。このような疑問に対する本部からの回答であり、また「総売上利益方式」が採用される理由として、次の2つのことが指摘されています。
 1つ目は、不正なロイヤルティ逃れを防止する必要性です。
 加盟店が商品を横流し(POSレジを通さずに商品を販売するなど)した上で架空の商品廃棄や棚卸ロスを計上し、これによって見せかけの荒利益を減らして、その分のロイヤルティを減額するという不正を行う可能性があるとされています。そのような不正行為を防止するため、商品廃棄や棚卸ロスが発生した場合であってもロイヤルティが減少しないシステムにしておく必要があるというわけです。
 2つ目は、廃棄等を最小限に抑えるための動機づけを加盟店に与える必要性です。
 コンビニでは精度の高い発注と商品管理を実現し、売れ筋商品を売り切る努力を最大化させることが求められます。そこで、商品廃棄や棚卸ロスが減ればロイヤルティの負担が軽くなる(逆に商品廃棄や棚卸ロスが増えればロイヤルティの負担が重くなる)システムにすることで、廃棄等をできる限り抑えようとする動機づけを加盟店に与えているのです。

ロスチャージ裁判と残された課題

 この「総売上利益方式」については、さまざまな観点から訴訟で争われてきました。
まず「総売上利益方式」そのものの適法性が問題とされましたが、多くの裁判例は、先に述べたような理由から、「総売上利益方式」の適法性を認めています(大阪地判平成8年2月19日判タ915号131頁、千葉地判平成13年7月5日判時1778号98頁、名古屋地判平成13年6月28日判時1791号101頁など)。
また、セブン-イレブン・ジャパンの「売上総利益」の解釈が問題となったこともあります(ロスチャージ裁判)。
 これは、セブン-イレブン・ジャパンのフランチャイズ契約書で、「売上総利益」が「売上高から売上商品原価を差し引いたもの」と定められていた一方で、売上商品原価に廃棄商品額や棚卸ロス商品額が含まれるか否かが明記されていなかったことから、「売上総利益」の意味内容をどのように解釈すべきかが争われたものです。
最高裁は、さまざまな事情を考慮した上で、結論として、売上商品原価には廃棄商品額や棚卸ロス商品額が含まれない(つまり、セブン-イレブン・ジャパンの「売上総利益」は、企業会計原則にいう「売上総利益」ではなく、「総売上利益方式」にいう「総売上利益」を意味する)と判断しました(最2小判平成19年6月11日集民事224号521頁)。
さらに、このロスチャージ裁判では、加盟店が「売上総利益」の意味内容を企業会計原則にいう「売上総利益」と同じ意味であると理解していた点について、錯誤(民法95条)も問題となっていましたが、差戻審は、加盟店による錯誤の主張を退けています(東京高判平成19年12月27日FRANJA44-16)。
 このように、「総売上利益方式」そのものの適法性や意味内容については、本部側の主張がほぼ認められる形で一応の解決をみたものの、本部の加盟店に対する説明が適切であったか否かという問題が残りました。
 この問題について、裁判例は、本部が加盟店に対してロイヤルティの算定方法に関する説明義務を負うことを認めており(福岡高判平成25年3月28日判時2209号10頁。ただし、結論としての説明義務違反は否定)、現在では説明の内容、程度や方法が問われるようになっています。
 最近のコンビニ業界では、本部が法定開示書面などで比較的分かりやすく説明をしているため、算定方法に関する説明義務に関するトラブルが表面化することは少ないようですが、説明義務の内容、程度や方法は、加盟店の知識、規模や経験などにより異なり得るので、依然として説明義務を巡る紛争の火種は残されているといえるでしょう。

まずはロイヤルティの正確な理解から

 加盟店は本部とは独立した事業者である以上、自らの判断と責任で情報を収集・検討しなければならないという建前があります。本部の対応に問題があるケースも多々ありますが、やはり自らの身は正確な知識と理解をもって自ら守るという姿勢は非常に重要です。特にロイヤルティはFC契約の核心部分であるため、ロイヤルティの算定方法やこれを巡る法的な問題について、加盟店の皆さまには特に気をつけてもらいたいと思います。

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コンビニ7社0.1%増収

2018/8/21 2:00 朝刊 [有料会員限定]

7月既存店、猛暑で夏物商材好調

日本フランチャイズチェーン協会(東京・港)が20日発表したコンビニエンスストア大手7社の7月の売上高は既存店ベースで前年同月比0.1%増の8854億円だった。プラスは2カ月連続。西日本の大雨などの影響で客数は伸び悩んだが、全国的に気温が高くアイスや冷たい麺、飲料といった夏物商材の売れ行きが好調だった。既存店の来店客数は1.8%減で、29カ月連続で前年を下回った。1人当たりの購入金額を示す客単価は1.9%伸び、客数減を補った。既存店の客単価プラスは40カ月連続となる。
出店の拡大で、全店ベースの売り上げも伸びた。
7月の全店売上高は2.0%増え、65カ月連続で前年を上回った。7月末の店舗数は前年同月比1.1%増の5万5431店だった。大手3社では明暗が分かれた。
セブン―イレブン・ジャパンの7月の既存店売上高は1.6%増だった。「西日本の大雨の最中はマイナスだったが、それ以降はコンビニの使われ方が見直されてプラスになった」としている。
一方、ローソンやファミリーマートでは客数の落ち込みが大きく、マイナスとなった。

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コンビニオーナー労組「この1年で組合員の25%が廃業」の衝撃…業界の厳しさ顕在化

この1年で、組合員の25.8%に相当する29人が廃業ーー。大手コンビニオーナーでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」が組合員の減少に悩んでいる。
同ユニオンは、「コンビニオーナーは労働組合法上の労働者」という立場。チャージ(粗利に応じてオーナーが本部に納めるお金)の引き下げや24時間営業の見直しなどについて団体交渉を求め、セブンイレブンとファミリーマートの本部を相手に中央労働委員会(東京)で争っている。来春にも結果が出る見通しだが、仮にユニオン側が勝っても、舞台を裁判に移し、最高裁まで行くのは必至。ユニオンを結成した2009年に始まった争いは、10年近く経った今も解決されないままだ。コンビニの飽和や人件費の高騰、自らの長時間労働に加え、先が見えない「持久戦」にオーナーたちが疲弊している。(編集部・園田昌也)

組合員は前年比35人減、うち29人が廃業

8月21日、京都市内で開かれた、ユニオンの「第10回定期大会」。最大のテーマは、組合員の減少についてだった。ユニオンによると、大会の時点で前年の112人から約3割減の77人になった。
減った35人のうち、29人が廃業だといい、コンビニ業界の厳しい現状が推察される。残る6人も会員減に伴う組合費の値上げなどに反対してのものだったという。ユニオンは、セブンイレブンについて2014年(岡山県労働委員会)、ファミリーマートについて2015年(東京都労働委員会)に、本部は団体交渉に応じるべきとする初の命令を勝ち取った。しかし、本部は命令を受け入れず、中労委に再審査を請求。この間、いくらかの待遇改善はあったものの、ユニオンが求める抜本的な解決にはつながっていない。中労委の結果は、来春までに出ると見られるが、解決まではまだまだ時間がかかりそうだ。
一方、ユニオン側にとっては、争いが長引くことで、役員の出張や打ち合わせなどの費用がかかる。加えて、多くのオーナーは人件費の削減や人手不足のため、長時間労働をしながらの組合活動を余儀なくされている。少ない人数で実績はあげてきた一方、持久戦になるにつれ、「団結しても保証がない」(ユニオン役員)ことへの疲弊感が組合員の減少を生んでいると見られる。

オーナー間での認知度向上を目指す

ユニオンは今年、米セブンイレブンのオーナー団体(NCASEF)に招かれ、その大会を視察した。団体には、現地セブン店舗の約95%が加盟しているといい、日本との差に驚いたそうだ。
ユニオンでは今後、「自分のおかれている現状を知らないオーナーもいる」などとして、各地でフランチャイズ(FC)契約について学ぶ会合を開き、ユニオンの知名度を高める考え。また、米国など他の先進国には、FCビジネスを規制する法律もあるが、日本にはぴったりと適合する法律がない。国会ではこの点について、十分な議論が進んでおらず、ユニオンはFC規制法の成立を目指し、ロビー活動を続けて行くという。
(弁護士ドットコムニュース)

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コンビニ商戦秋の陣、主戦場“レジ横”に異変

厳しい残暑の中、コンビニ業界では早くも“秋商戦”が始まりました。各社が火花を散らす、レジ横では異変が起きているようです。お盆を過ぎたのに尾を引く暑さ。それでも夕方はいくぶん涼しくなったことで・・・
 「温かいもの食べたいね」(男性)
 こうした需要にいち早く反応するのが、コンビニです。ローソンが開いた秋向け商品の説明会。一押しは・・・
 「こちら中華まんのケースなんですが、一番下の段に入っているのはカレーなんです」(記者)
 なんと、カレー。来月11日から一部店舗で、中華まんのケースに入れて販売します。専用のライスはとんかつと野菜の2種類。上から熱々のカレーをかける仕組みです。温め続けることでコクが深まるということですが、なぜ中華まんのスペースにカレーなのか?
 「中華まんは朝と昼、非常に売れるが、夜は夜で、おかずとして提案できるメニューをやっていきたい」(ローソンデリカ・FF商品部 鷲頭裕子部長)
 朝から昼にかけては中華まんや弁当などがよく売れる一方で、夕方以降はスーパーの惣菜などに客を取られていました。この苦手な時間をカレーで克服しようというのです。ただ気になる臭いは?
 「カレーのにおいは、全くしないです」(記者)
 今や10兆円を超えた惣菜や弁当などの中食市場。コンビニ業界の拡大が鈍る中、レジ横は数少ない成長分野で、各社にとっては負けられない戦いなのです。
 ファミリーマートが力を入れるのは中華まんです。製造のラインを刷新。発酵の回数を増やすことで、もっちりした生地に仕上げました。
 「改良に次ぐ改良で、大変おいしい商品ができた」(ファミリーマート 澤田貴司社長)
 迎え撃つ王者セブン―イレブンは、おでんで勝負。今年初めて、にんじんと玉ねぎを使った野菜ダシを加えました。厚揚げには細かい穴をあけ、味のしみ込みをアップさせました。実は、おでんが1番売れるのは、冬ではなく9月。1日の中で気温差が大きく、体が冷えを感じるためです。発売から2週間、今年は売り上げが好調だといいます。
 「はんぺんや、だいこん買いました。もうすでに食べました」(女性)
 ただ、猛暑の後の秋は、消費が落ち込むとも言われていて、各社は財布の紐を緩めることができるのでしょうか?

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コンビニ加盟店の苦境、人件費高騰のうえ外国人店員確保も不透明化

人手不足を受け、最低賃金が800円を超える都道府県が10月から全国で28となる。中小企業でも、とりわけ人件費の高騰と社会保険料の負担に悩むコンビニエンスストア加盟店にとっては大きな痛手となり、解決策は見出せないままだ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)
 人手不足を受けた当然の結果とはいえ、ただでさえ人件費の高騰に苦しむコンビニエンスストア加盟店経営者の危機感は強い。今年の10月から適用される最低賃金額が8月10日、全都道府県で出そろった。時給800円以上の都道府県は現在より13多い28になる。安倍政権は、最低賃金の年3%の増加を標榜しており、3年連続で実現することになる。来年10月も同様の引き上げ幅となれば、10月から985円となる東京都では1000円を突破する見通しだ。
 無論、雇用者側にとっては大きな負担増になる。とりわけコンビニの従業員の採用は、フランチャイズ契約をしている加盟店の責任とされ、その人件費は、店舗の粗利の過半をロイヤリティーとして本部に支払った残りから負担する。人件費の上昇はすなわち、加盟店の手取りを大きく減少させることになる。
 近年、東京都心のコンビニでは、中国や東南アジア出身とみられる外国人店員の姿が珍しくない。最低賃金ギリギリの低い時給で、深夜勤務もあるなど過酷な仕事であり、多くの日本人労働者から忌避されているからだ。逆に、日本に来ている低賃金国の外国人労働者の間では、現在のところ、ある程度の日本語が話せないと勤まらないコンビニ店員の職は、言葉を使うことがない単純労働に就く外国人に対して「ある種のステータスになっている」(ある加盟店オーナー)。
 とはいえ、そんな時代が今後も続く保証はない。最近では、日本同様に労働力不足に悩む韓国や台湾が、国策として東南アジア諸国での人材獲得に注力している。
 日本政府も7月から外国人労働者の受け入れ拡大に向けた議論を本格化させているが、こうした競争に敗れれば、日本は外国人労働者から選ばれない国となってしまうだろう。また、日本国内で彼らに、他の職種でも門戸を広げれば、待遇の悪いコンビニ店員が「ステータス」であり続けるとは考えられない。
 加えてコンビニ加盟店では、労働時間など一定の条件を満たすと、外国人であっても、使用者、従業員共に社会保険への加入義務が生じる。保険料は、1ヵ月で1人当たり数万円から十数万円に及ぶ。長らく未加入のまま放置されてきたが、日本年金機構はここ4~5年、未加入事業所の補足と加盟促進に力を入れている。保険料ももちろん、本部ではなく加盟店と従業員の折半での負担となり、両者の手取りはますます減る。
 コンビニ大手各社もこうした現状を把握しつつ「社保加入を含めた人材確保は、独立した加盟店の責任」(コンビニ大手幹部)との建前を理由に、安価な労働力で現場を回し続けるという従来型のビジネスモデルから抜け出せない。IT技術を使ったレジや発注作業の無人化も、全面的な普及には程遠いのが現状だ。
 過去の成功体験の延長にあるコンビニというビジネスモデルが、大きな曲がり角を迎えている。

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「温めなくても美味しい!」弁当の狙いとは?

コンビニのお弁当といえば、食べる前に電子レンジでチンして温めるのが当たり前といえば当たり前。また最近ではチルド弁当など、温めないと食べられない商品も多くなっています。
そんななか、その真逆ともいえる“温めなくても美味しい”と謳う一風変わったお弁当が登場し、話題となっているのをご存知でしょうか。
セブンイレブンがこの夏から販売を始めている「温めなくても美味しい!」シリーズ。2018年8月下旬の現時点で一部地域にて発売されているのは『温めなくても美味しい!きのこごはん弁当』のみで、少し前までは『温めなくても美味しい!熟成銀鮭幕の内』『温めなくても美味しい!鶏五目ごはん弁当』といったラインナップも存在していたようです。
この「温めなくても美味しい!」シリーズですが、一体どういった思惑で登場したものなのでしょうか。
その狙いのひとつとして考えられるのが、いわゆる「置き弁需要」です。つまり、職場や学校の近くに飲食店や商店がないため、朝の通勤通学時にコンビニに寄って弁当を買い、ランチタイムまで待って食べるという方。それでいて職場などに電子レンジがないという方にとっては、これらはピッタリの商品といえます。
そのいっぽうで、客層ということで考えると、これは「シニア層」向けの商品であるとも言えます。
これまでコンビニ弁当のメイン客層といえば、ブルーワーカーや学生など圧倒的に男性客でした。ところがこの客層が少しずつ減少しはじめたため、コンビニ業界(特にセブンイレブン)は、シニア層・主婦客層を獲得するためのアクションを行っています。実際「温めなくても美味しい!」シリーズの中身を見てみると、若者向けのガッツリメニューというよりも、色とりどりのおかずが揃ったやや渋好みのメニューです。その点もそういった層を意識したものではないかと考えられます。

コンビニ業界が取り込みを狙う「買い物難民」

ここ最近の動きとして、いわゆる買い物難民対策としてのコンビニの存在が大いに見直されています。
ドラッグストアの伸長なども影響し、スーパーの店舗数が一時期と比べて減っている昨今。歩いて行ける近場のお店がなくなっていくことで、特に困るのがクルマを運転できない高齢者たちです。
変わって店舗数を増やしているドラッグストアですが、そこで購入できる食品類は「必要最低限」かつ「NB商品」です。このため結果として、夕食需要に対応できる買い物場所は減ってきている現状です。
こういった層に着目し、取り込みを図っているのが現在のコンビニ業界。現に、コンビニが40年間培ってきた「中食クオリティ」(添加物なし等)は、次第にシニア層にも認知され、受け入れられて来ています。
具体的な例を挙げるとすれば、セブンイレブンの「セブンプレミアム」などは、まさにそういったシニア層を狙った商品群。例えばレンジでチンしてすぐ食べられる「さばの味噌煮」などの魚の惣菜系は、隠れた売れ筋商品となっています。
by日比谷新太

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ファミマと書店一体、佐賀・小城に店舗
日販子会社と提携

2018/8/24 1:49 [日経]

ファミリーマートは、書店とコンビニが一体になった店舗を佐賀県小城市にオープンした。日本出版販売の子会社で全国のグループ書店を統括するNICリテールズ(東京・千代田)との包括提携契約に基づく1号店。ファミマは他業態の持つ専門性とコンビニ機能を融合させた店舗開発を2012年から本格化しており、今後も地域の需要に対応した一体型店舗を増やしていく。
開店した「ファミリーマート積文館書店三日月店」は売り場面積が約530平方メートル。従来の書店を改装し食料品や無印良品ブランドなどの雑貨を配置した。書店エリアとの間仕切りはなく、レジを1カ所に集約し買い物の利便性を高めた。営業時間も24時間に拡大し、食事ができるイートインスペース(11席)やカフェ(18席)を新設した。

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