目次

3大チェーン以外のコンビニの現状は?

最近のコンビニ業界は、セブンイレブンの一人勝ち状態が続き、ファミリーマートやローソンといった大手チェーンでさえ苦境が続いていることは、当連載で何度もお伝えしていますが、それでは3大チェーンに続く中堅チェーンの状況はどうなっているのでしょうか。
そこで今回は、北海道を中心に埼玉や茨城にも出店しているセイコーマート、山崎製パンが運営するデイリーヤマザキの現状を紹介していきたいと思います。

北海道民にダントツで支持されているセイコーマートの秘密

北海道に1000件以上の店舗を抱えるセイコーマート(以下、セコマ)。道内ではTVCMも放映されるなどすっかり定着していますが、逆にそれ以外の地域の方にはあまり馴染みがないかもしれません。実はこのセコマ、1971年に1号店がオープンし、日本で現存する最も古いコンビニエンスストアのひとつなのです。現在セコマは、北海道のほか、埼玉と茨城にのみに出店しています。
セコマの他チェーンにないサービスといえば、なんといっても店内調理されたお弁当やホットスナックが並ぶ「HOT CHEF(ホットシェフ)」でしょう。コンビニ店舗という限られたスペースに最適化された厨房設備と製造オペレーションを整え、「時間帯ごとにどの商品を何個製造するのか」「それに伴い人時生産性が目標を達成できるのか」を厳しく管理しつつ、各店舗でお弁当などを製造。その出来立てを店内に並べているのです。
例えば夕方の時間にセコマ行くと、おつまみ系のホット商材が多数陳列されているなど、時間帯に応じてフレキシブルな商品展開ができるところが、店内調理の大きな強み。セブンイレブンをはじめとした大手3チェーンでも成功できていないシステムです。
いっぽうで、100円ちょっとで買えるパスタや焼きそばなどの麺類も存在するなど、格安商品を多く揃えているところもセコマが支持を集める所以。PB商品も、大手コンビニチェーンではありえない価格帯のものが数多くあります。

直営店への切り替えを進める理由

そんなセコマですが、経営面ではFC契約の解約を進め、直営店での運営を実現している点が、大きな特徴として挙げられます。
ホットシェフはもちろんのこと、PB食品も自社(関連)企業で製造するなど、SPA(製造小売)としての一面も持つセコマ。その効果を最大化するためには、店頭での最適な販売に加えて、配送効率や製造効率を検討してフレキシブルに商品製造を行う必要があります。
そこで通常のコンビニチェーンのような店舗(オーナー店)主体での商品発注だけでなく、本部からの一括発注(計画生産の実現)も実行すべく、直営店への切り替えを進めているのです。

赤字が続くデイリーヤマザキ

このようにセコマが独自の店舗つくりで局所にはですが支持を集めるいっぽうで、デイリーヤマザキのほうは苦戦が続いています。
山崎製パンの決算短信情報を確認すると、前々年度が約8.5億円の赤字。前年度も同じく約8.5億円の赤字となっています。また店舗数は1,553店舗(前々年度と比較すると▲18店舗)となっています。
デイリーヤマザキの出店戦略は、山崎製パンの工場近隣に出店していき、工場で生産された商品を効率的に配送・店舗販売するというもの。業界の中ではよく「山パンの商品を販売するチャネルがデイリーヤマザキだよね」と言われています。小売事業が赤字であろうと、山崎製パン全体のパン出荷量が増え、グループ全体で収益が上がれば良いと考えられている節もあります。
とは言え、毎年約8.5億円の赤字を垂れ流したままというのは、企業経営として許されるものではありません。そこで既存店舗をリニューアルし、店内での焼きたてパンを含め店内調理を強化しています。また山崎製パンでは2013年頃から、深夜営業を行わない小型新店舗フォーマットの「ニューヤマザキデイリーストア」の展開を進めており、全体の店舗数は減るなかで同形態の店舗は増えています。
とはいえ、この取組みだけでは根本的な業績回復にはなかなか繋がらないのではないでしょうか。そこで今後の方向性としては、以下のような形が想定されます。
①従来通り基本的な「工場⇒店舗」の販売チャネルを維持しながら、業態変更などの努力を続ける
②従来通り基本的な「工場⇒店舗」の販売チャネルを維持しながら、業態変更などの努力を続ける。加えて、ローコストオペレーションに繋がるスマートストアに変更する
③抜本的な対策として不採算店舗を閉店する。関連する工場の規模を縮小する
④大手3社と提携して業態変更するが、山崎製パンの商品棚は大きく維持することで、山崎製パンの販売チャネルの役割は続ける
あくまで私案ですが、今後どうなっていくのか大いに気になるところです。
関東にあるセコマはどうなる?
デイリーヤマザキが山崎製パンの工場のある地域に店舗出店を行っていることがよくわかります。そのため、業績回復のための施策を講じる際には、不採算の商品供給を行っている山崎製パンの工場ごとスクラップする案などを検討する戦略オプションも取れます。
いっぽうでセコマで気になるのは、なぜかポツンと存在する茨城県・埼玉県の店舗です。自社(関連企業)の工場が茨城県にありますが、約100店舗弱の規模ではとても大手コンビニの攻勢に立ち向かうことはできません。
FC加盟店から直営店に切り替えているので、加盟店オーナーの不満は発生していないでしょうが、100店舗規模では効率的な物流網を構築することもできませんし、想像するに関東地区では業績が苦しいのでしょう。恐らく関東にあるこの約100店舗は、大手3チェーンのどこかとコラボ、あるいは買収されるのではと注目しています。

image by: MAG2 NEWS 日比谷 新太(コンビニ業界ジャーナリスト)

目次に戻る

東京海上、コンビニで自動車保険 ローソンなど販売

2018/5/29 20:00

東京海上日動火災保険は29日、1日単位で加入できる自動車保険「ちょいのり保険」をローソンとミニストップで30日から取り扱いを始めると発表した。親や友人らの車を借りて運転する際の事故に備え、若者の需要を取り込む。必要な時に必要な日数分を契約できる。保険料は1日500円から。対人・対物事故の賠償や運転手のけがなどを補償する。

目次に戻る

セブンのネットコンビニ拡大

セブン―イレブン・ジャパンはスマートフォン(スマホ)で注文した商品を宅配するサービスを9月までに北海道内の全店で展開する。高齢化で増加が見込まれる宅配需要や、働く女性による夕食の注文に対応する。訪日客向けに免税対応の店舗も大幅に増やす。
同社は2017年に道内で「ネットコンビニ」と呼ぶ宅配サービスを全国に先駆けて始めた。スマホで商品を注文すると最短2時間で商品が届く。小樽市と札幌市の店舗で実施して好評だったため、道内の全1000店に増やす。全国にも順次広げていく。
免税対応店は現在、道内に280店ある。18年度中に札幌市内をはじめ観光地周辺などで500店に増やす。北海道命名150周年記念で、道産食材をふんだんに使った弁当を7月に発売する予定だ。
セブンは1日、北海道と包括連携事業の拡充に関する覚書を交わした。

目次に戻る

コンビニ業界でユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)の株価上昇が目立っている。

出店よりも採算を重視する戦略が評価されているが、まだ統合効果は薄く、期待が先行している。
「ユニー・ファミマHDの株価は大幅に上がっているのに、どうして自社の株価は低迷しているのか」
2018年5月下旬に相次いで開催されたローソンとセブン&アイ・ホールディングスの株主総会。両社の株主からは、ユニー・ファミマHDを引き合いに、それぞれの会社の株価に対する不満を訴える声が目立った。
ユニー・ファミマHDの株価は、5月25日の終値が1年前から70%上昇。4月19日の伊藤忠商事による子会社化の発表も押し上げ要因になったが、それより前から、横ばいが続くローソンやセブン&アイを尻目に上昇していた。
何が違うのか。「主力のコンビニエンスストアで不採算店を減らして、“量”より“質”を追求するユニー・ファミマHDの戦略を評価している」(国内証券アナリスト)。同社は2016年9月に旧ファミマが旧ユニー・グループHDを吸収合併して発足した。コンビニは一気に約6000店増え、17年2月末の合計で1万8125店になった。
そこからは不採算店の整理を加速。18年2月末で1万7232店と1年で893店を削減した。同じ期間にセブン-イレブン・ジャパンが838店増の2万260店、ローソンが881店増の1万3992店へと拡大したのとは対照的だ。
■出店よりも採算性を重視
コンビニ大手各社が激しい出店競争を続けてきた結果、店舗の飽和感は強まった。ならば自前で新規出店を拡大するよりも、多数の店舗を買収して優良店だけを選んで残した方がいいというのがユニー・ファミマHDの発想だ。
「新規出店を増やしても、1店舗当たりの来店客数は減ってしまう。むしろ既存店の投資に力を入れ、より多くのお客様に来てもらう方が効率はいい」。ユニー・ファミマHDの高柳浩二社長はこう強調する。
サンクスからファミマに転換した店舗は好調
同社は新規出店を絞り込む一方で、既存店を中心に年間1250億~1400億円の大型投資を実行。旧サークルKサンクス店のファミマ店への転換も計画よりも前倒しで進めている。ブランドを転換した店舗では売上高が平均11%伸びているという。
19年2月期にユニー・ファミマHDのコンビニの事業利益は前期比19%増の510億円を見込む。経営統合でぜい肉もついたが、合理化による“削り代”も大きいと言える。同期に、セブンの国内コンビニ事業の営業利益は1%増、ローソンの営業利益は9%減を見込むのとは対照的だ。
“成熟市場”でのM&A(合併・買収)による生き残り策に期待が集まるが、本当に実力は伴っているのか。ファミマの既存店売上高は18年2月期に前年同月比でマイナスが続き、足元もプラスとマイナスが交錯。5カ月連続プラスのセブンに見劣りする。「日販」といわれる店舗の平均売上高の差も約13万円と今も大きい。株価だけは一人勝ちのユニー・ファミマHDだが、先行する期待を“結果”で証明することが求められている。

(日経ビジネス 山崎良兵、浅松和海)

目次に戻る

Tポイントからファミマ離脱か 乱戦、共通ポイント

2018/6/7 6:30 [日経] 共通ポイントの先駆け「Tポイント」が転機を迎えている。ファミリーマートで使えなくなる可能性が出てきたからだ。伊藤忠商事がユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)を子会社にするのを機に独自ポイントの模索に乗り出した。顧客データを巡り、共通ポイントの大再編時代が始まる。
「Tポイントカードはお持ちですか」 との合い言葉が聞かれなくなるのか
■伊藤忠が主導 小売り事業立て直し
「大きなテーマの1つ。色々な選択肢がある」。2018年4月19日、都内で記者会見した伊藤忠商事の鈴木善久社長兼最高執行責任者(COO)は独自ポイントを始める可能性を問われこう答えた。さらに「年内をめどに方向付けをしていきたい」と踏み込んだ。
伊藤忠は18年8月ごろに、約1200億円を投じてTOB(株式公開買い付け)を実施し、ユニー・ファミマHDへの出資比率を41.45%から50.1%に引き上げる。4月に社長に就いたばかりの鈴木氏にとって、ユニー・ファミマHDの子会社化は社長として初の大きな経営判断といえる。狙いはセブン&アイ・ホールディングスの後じんを拝するユニー・ファミマHDの小売り事業を、伊藤忠主導で立て直すことだ。特に中核のコンビニエンスストア事業で首位のセブン―イレブン・ジャパンの背中は遠く、てこ入れは急務だった。
■「Tポイントの利用料に不満」
ユニー・ファミマHDの子会社化へと伊藤忠を突き動かした、隠れた狙いがある。ポイントを中心にしたデータベースマーケティングの戦略を見直すことだ。ユニー・ファミマHDはファミリーマート時代の07年から、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が手掛ける「Tポイント」を採用してきた。ファミマとCCCはTポイントを通じて集めた顧客の属性や利用履歴を分析し、二人三脚で商品開発やマーケティングに生かしてきた。ファミマを中核に提携先も182社に広がり、会員数は6500万人を超える。
Tポイントのライバルの共通ポイント「楽天スーパーポイント」を採用していたサークルKサンクスとファミマが16年に経営統合した際も、結局はTポイントに一本化した。楽天は楽天スーパーポイントとTポイントの併用を提案していたが、CCCがTポイントへの統合で押し切った経緯がある。
蜜月の関係に見えていたが、実は伊藤忠は「成長への足かせになりかねない」と危機感を抱いていた。ファミマがTポイントの会員属性や利用履歴といった顧客データを使うには、CCCに原則として利用料を払う必要がある。ファミマもマーケティングに利用できるとはいえ、主導権はあくまでCCCにある。CCCに顧客データを抑えられたままでは、グループの小売り事業を強化するため商品開発やマーケティングに生かそうにもコストと時間がかかりすぎると判断したようだ。
伊藤忠の関係者は「CCCにとってファミマを通じて得られる利用履歴は競争力の源泉だったはず。にもかかわらず、データの利用料がかさむことが我々としては不満だった」と明かす。
既に伊藤忠はデータベースマーケティング戦略の再構築に向けて動き出している。17年9月には独自ポイントや電子マネーなどの開発を視野に、ユニー・ファミマHDと共同出資会社を設立。セブン&アイなどをFinTech(フィンテック)事業で追い上げる狙いだ。
■ファミマ、Tポイント離脱も
伊藤忠が独自ポイントを始めるとなると、ファミマにおけるTポイントの扱いはどうなるのか。大きく2つのシナリオが考えられる。
1つはTポイントの扱いを取りやめるシナリオ。同陣営からの離脱である。独自ポイントに一本化すれば顧客データを扱いやすくなり、商品開発やマーケティングの機動力は格段に増す。
一方でCCCと二人三脚で築き上げた顧客基盤を失うことになりかねない。ファミマだけでなく、ユニーや資本・業務提携するドンキホーテホールディングスなどに独自ポイントを広げたとしても、Tポイントの顧客基盤を失うデメリットは小さくない。
もう1つのシナリオは独自ポイントとTポイントの相乗りだ。Tポイントの顧客基盤を引き継げる半面、顧客のデータが独自ポイントとTポイントに分散する欠点がある。「相乗りはデータベースマーケティングにおける共通ポイントの最大の魅力を弱める」(業界関係者)。
ファミマとCCCのTポイントに関する契約更新のタイミングは18年末とされ、ここが大きな節目になる。他の共通ポイント事業者も秋波を送っており、3つ以上のポイントが相乗りする可能性もある。
■「ソフトバンク・ヤフーポイント」になる恐れ
ファミマが独自ポイントを始めたとしたら、Tポイントから離脱するにせよ、残るにせよ、CCCの戦略見直しは避けられない。
小売り企業にとって共通ポイントに加盟する魅力は、加盟企業が顧客を融通し合う「相互送客」にある。国内に約1万7000店とTポイント加盟企業で最大規模の店舗網を誇るファミマがTポイントから抜ければ、他の加盟企業がTポイント陣営にとどまる利点は薄れる。
Tポイント陣営の不安材料はファミマ以外にもある。ファミマと並ぶ中核企業群であるソフトバンク・ヤフー連合の動向だ。
Tポイントの運営会社であるTポイント・ジャパン(TPJ)には、CCC傘下のCCCマーケティングのほか、ファミマとソフトバンク、ヤフーが出資する。ファミマがTポイントから抜けるとなれば、同社が保有するTPJの持ち株も処分する公算が大きい。もしソフトバンク・ヤフー連合に持ち分を売却することになれば「ソフトバンク・ヤフーポイント」の色彩が色濃くなり、他の加盟企業の不満が増す可能性がある。

目次に戻る

5月のコンビニ売上高、1.2%減 大型連休中の気温低下が響く

2018/6/20 16:00 〔日経QUICKニュース(NQN)〕

日本フランチャイズチェーン協会(東京・港)が20日発表した5月のコンビニエンスストアの既存店売上高(速報値)は、前年同月比1.2%減の8053億円だった。5カ月ぶりに前年を下回った。ゴールデンウイーク期間中に気温が低下した影響で飲料やアイスクリームの販売が振るわず、客数も減少したことが響いた。
客数は2.5%減と27カ月連続でマイナスとなった。品目別では飲料やアイスクリームを含む「加工食品」は1.6%減少した。売上高の3割を占める書籍や文具、化粧品など「非食品」も1.5%減った。コーヒーや揚げ物などのカウンター商品や弁当などの「日配食品」は0.5%増加した。客単価は1.3%増と38カ月連続でプラスだった。

目次に戻る

セブン燃料電池トラック、19年首都圏で トヨタ公開

自動車・機械 環境エネ・素材 小売り・外食 2018/6/6 16:41

セブン―イレブン・ジャパンとトヨタ自動車は6日、セブンの店舗に商品を運ぶ配送車両としてトヨタが開発した燃料電池(FC)トラックを公開した。2019年春に首都圏で2台導入する。このほか19年秋からセブンの店舗に燃料電池の発電機などを設ける。水素の活用を進め、コンビニエンスストアでの二酸化炭素(CO2)排出量削減に共同で取り組む。
両社は17年8月、物流と店舗の省エネやCO2排出削減に向けて協力していくことで基本合意した。
まず19年春、セブンは配送車両としてトヨタのFC小型トラックを導入する。走行時のCO2排出量がゼロの冷蔵温度帯3トントラックで、燃料電池で発電した電力は商品の冷蔵でも活用する。19年秋にはセブンの店舗にトヨタのハイブリッド車の中古蓄電池やFC発電機を設置し、コンビニの電力源としても活用する。
配送トラック導入の拡大計画やFC発電機を設ける店舗数については、いずれも未定。今後両社で検討する。
6日開いた記者会見でトヨタの友山茂樹副社長は「FCの技術とセブンの店舗の運営の技術を組み合わせれば水素社会の実現に一歩近づく」と話した。店舗と配送センターを高い頻度で行き来するセブンイレブンの物流網にFCトラックを導入することで水素を活用する量を増やし、将来は水素ステーションなどインフラ整備の拡大にもつなげたい考えだ。
セブン側は店舗の省力化に弾みをつける。環境などに配慮した企業を選別するESG投資が広がるなか、24時間営業のコンビニでは環境負荷を減らす仕組み作りが欠かせない。グループ全体で30年度までに店舗で使用する電力のうち、再生可能エネルギーの占める比率を現在の数%から2割に引き上げ、30年度までにCO2排出量(物流を含まない店舗運営)を13年度比で27%減らす計画だ。

目次に戻る

安い、面白い ファミマが「ドンキ流」コンビニ開業

2018/6/1 12:20

ファミリーマートは1日、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」の商品や売り場づくりのノウハウを取り入れた店舗を開いた。屋外で飲料や日用品を安売りし、店内では大人が隠れるほどの高さの陳列棚を採用。「ドンキ流」をいたるところで取り入れ、若者を中心に集客する。
東京都立川市のJR立川駅から徒歩10分。マンションや飲食店が並ぶ通り沿いに「ファミリーマート立川南通り店」はある。ファミマとドンキの共同実験店として1日、改装オープンした。
敷地に足を踏み入れるとまず目に飛び込むのが、コンビニエンスストアでは珍しい屋外陳列だ。トイレ紙やティッシュ箱、飲料に菓子など雑多な商品が並び、「ドンキとコンビに お買得プライス」と書かれた店頭販促(POP)が掲げられていた。
定価販売が原則のコンビニにあって、目を引くのは安さだ。たとえば屋外陳列の2リットルのペットボトルリットル入りの水は税別68円。一方、店内で売られている同容量の別商品は同99円と、3割も安い水準だ。ドンキがメーカーや卸の抱える過剰在庫を安く買い付けた商品などが並ぶ。
いざ店内へ。すると陳列棚の高さに圧倒される。ファミマの通常の棚よりも20センチメートル高い180センチメートルの高さで、入り口から店内全体を見通せない。その棚に所狭しと菓子や雑貨が並ぶ。店舗の奥にある飲料や弁当を売る冷蔵ケースの付近でも、天井から「一億円焼きかま」という特大珍味をつるすなど来店客の目を引く仕掛けをちりばめられている。
コンビニではみかけない商品も。ファミマのおにぎりや弁当を売る商品ケースのすぐ横には「パーティーゲーム」という看板が掲げられ、人生ゲームや将棋やカードマージャンが並ぶ。
同店の商品数は5千点で、改装前に比べ5割増やした。このうち6割弱の2800点がドンキの商品だ。改装前にあった雑誌売り場やイートインコーナーを撤去し、陳列棚は62台と1.8倍に。菓子は珍味など増やして商品数を3倍に、酒類は540点を扱い1.9倍に増やした。
この店舗の狙いは若者の取り込みだ。同店では改装前のメインの客層が40~50代の女性だったという。一方、店舗付近は学生向けマンションも多い。酒や珍味、パーティーグッズを充実し、大学生などを店舗に呼び込む。まさに立地に合わせて店舗ごとに商品や売り場を決めるドンキ流コンビニだ。
ファミマとドンキは6月中に立川南通り店を含む都内3店を共同実験店として開業する。まずこの3店で客数や収益を検証。効果の見られた商品や売り場づくりのノウハウはファミマの全1万7千店超での導入を検討する考えだ。既存店の客数が伸び悩むコンビニにあって、シェア自転車や民泊の拠点などに続く新たな集客の取り組みが動き出した。

(今井拓也 池下祐磨)

目次に戻る

セブン、サラダ・総菜の賞味期限長く
容器や製法を改良

2018/6/12 2:00 朝刊 [日経] セブン―イレブン・ジャパンはサラダや総菜の容器や製法を改善し、賞味期限を長くする。サラダは容器の蓋を密封しやすいシール式に替え、賞味期限をこれまでより6割延長する。レバニラなどの総菜3品も製造ラインを自動化し、賞味期限を8割延ばした。食品の廃棄を減らしながら、店頭で品切れする機会も少なくすることで、売り上げを増やす狙いだ。
「豚しゃぶサラダ」や「ねぎ塩チキンのサラダ」など具材をのせたサラダ3品で刷新する。容器の蓋をプラスチック製のものから、「トップシール」と呼ぶシールに替える。密封の度合いを高め、容器内に窒素を充填することで出荷後に鮮度が落ちるのを防ぐ。
製法も改め、製造ラインの温度をセ氏4度以下にし、製造中の野菜の鮮度劣化を防ぐ。具材を容器につめるラインで、従業員の手元の温度のみを下げることで、作業しやすくした。容器と製法の改善により、従来は40時間だった販売期間を64時間に延ばせるという。
5月に首都圏の一部地域で発売した。7月までに首都圏と静岡県の6千店に広げる。19年2月までに全国2万店超で販売する。容器や製法を改善する商品を増やすことも検討する。先行して新製品を販売した地域では、サラダの廃棄が1割減り、夜間の品切れが減ったことでサラダ全体の売り上げは2割伸びた。
総菜も賞味期限を延長した。5月、レバニラや麻婆豆腐など3品の製造ラインの一部を自動化した。加熱から冷却までの工程で、外気に触れないようにした。従来40時間だった販売期間が72時間へと8割伸びた。製造メーカーがサラダと総菜の製造ラインの刷新に約30億円を投じる。
セブンが賞味期限の延長を進めるのは、食品廃棄の削減と売り上げの拡大を両立させるため。廃棄を減らすことを優先すると、店頭では品切れが多くなり、販売機会の損失と来店客数の減少につながる。一方、商品を売り場に多く並べることを優先すると、売れ残りのリスクが高まり、廃棄につながりやすい。
フランチャイズチェーンで展開するコンビニは経営を担う加盟店オーナーが食品廃棄のコストの一部を負担している。セブンは賞味期限の延長を売り上げの拡大と廃棄の減少につなげ、加盟店の経営を支える考えだ。

目次に戻る

セブン、国内2万店突破 鈴木敏文氏「自分たちで考え続けよ」

小売り・外食 2018/6/14 18:24
セブン―イレブン・ジャパンは14日、1月末に国内のコンビニエンスストア店舗数が2万店を突破したことを記念する式典を東京都内で開いた。セブンイレブンの生みの親、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文名誉顧問は「セブンイレブンのモットーは自分たちで考え自分たちでやること。これを続けてもらいたい」とあいさつした。
1月末に2万店を突破した。式典にはイトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊名誉会長や、食品・日用品メーカー幹部ら約1500人が出席した。
セブンイレブンは1974年5月、東京・豊洲に1号店を出店した。19年度から沖縄で出店し、47都道府県の店舗網ができあがる。17年度のチェーン全体の売上高は4兆6千億円におよび、営業利益は2441億円とファミリーマートの370億円、ローソンの510億円を大きく上回る。
消費者の変化をとらえ商品を磨いてきた。1979年、メーカーなどを組織し日本デリカフーズ協同組合(NDF)を設立した。現在、味の素など大手食品メーカーが運営企業として参画し、地場企業なども含め65社が商品を開発する。専用商品を生み出す力はいまもセブンの競争力だ。
サービスではコピー機設置や電気料金の収納代行に続き、2001年にアイワイバンク銀行(現セブン銀行)を設けた。周囲から無理だと受け止められたが、17年度末でセブンイレブン中心に2万4千台を設置するまでになった。1台あたり1日平均94件使われ、集客の有力な仕掛けだ。
いま、米アマゾン・ドット・コムなどインターネット通販やドラッグストアとの競合に直面する。17年秋、コンビニ商品をスマートフォンから注文して自宅で受け取れるサービスの実験を北海道で始めた。セブン―イレブン・ジャパンの古屋一樹社長は「リアルの店舗とお客様の接点を生かすことが(ネット勢との)最大の差別化戦略」と話している。

目次に戻る

ドラッグ店独走 大手4社、最高益更新
ツルハ、79店改装17%増収 医薬・化粧品、利幅大きく

ビジネスTODAY 2018/6/19 2:00 朝刊 [日経]

小売業のなかでドラッグストアの一人勝ちが際立ってきた。18日に2018年5月期の連結決算を発表したツルハホールディングス(HD)を含め、大手4社がそろって前期に最高益を更新した。医薬品や日用品に加え、スーパーやコンビニエンスストアが得意とする食品販売にも手を広げて利用客を奪っている。
ドラッグ店は割安な食品を目玉に医薬品販売につなげている(札幌市内のツルハドラッグ店舗)
「改装して食品売り場を広げると半年~1年で1店舗当たりの売上高は平均約350万円増える」。業界2位、ツルハHDの堀川政司社長は18日、決算発表の場で具体的な数字をあげて説明した。17年度中に79店舗を改装。食品の売上高は前年同期比39%増と商品別で最も伸び率が高く、構成比は20%に達した。
ドラッグストアの主力販売品である医薬品や化粧品は食品に比べ粗利益率が高い。値引き余力が大きいのを武器に「客寄せ」の食品は安売りし、スーパーなどの顧客取り込みに成功している。客数が増え医薬品などの販売量も増えれば収益は確保できるという計算だ。
ツルハHDの連結売上高は6732億円と、過去最高だった17年5月期(5770億円)からさらに17%増えた。首位ウエルシアホールディングス(HD、18年2月期の連結売上高6952億円)の背中ももう目の前だ。
17年9月に同業の杏林堂グループ・ホールディングス(浜松市)を子会社化したことも全社売上高と食品比率の底上げにつながった。18年度も食品売り場を広げる改装を約80店舗で実施する。
食品シフトはドラッグストア大手に共通の戦略だ。日本チェーンドラッグストア協会(横浜市)によると、17年度のドラッグストア全店売上高は6兆8504億円と前年度比5.5%増えた。食品の売上高が同8.5%増と大きく伸びている。コンビニの17年の全店売上高は前年比1.8%増(暦年)、食品スーパーは1%増(同)だった。
「ネット通販とドラッグストアが成長し、ほかの小売業が落ちていくという構図になるのではないか」。ウエルシアHDの池野隆光会長は豪語する。調剤や医薬品の販売には有資格者が必要で参入ハードルが高い。病気が突発的だったり、対面で説明を聞きたかったりするため、消費者は医薬品の購入では実店舗を選ぶ傾向にある。「リアル」の強さを生かしたインターネット通販への抵抗力も抜群だ。
ウエルシアHDは健康を軸としたプライベートブランド(PB)食品にも力を入れ、山崎製パンなどと商品を共同開発している。

目次に戻る

超高齢社会で増えるアクティブシニア

超高齢社会が進行している現在の日本ですが、そんななか『アクティブシニア』と呼ばれるシニア層をより活用しようとする動きが活発になっています。
このアクティブシニアとは、定年後の65歳~75歳の人々を指すもの。高度経済成長やバブルを経験した団塊の世代が中心で、定年後も趣味や仕事などにお金や時間を積極的に投資していきたいと考えている方が多いのが特徴とされています。
今後高齢者がさらに増加するとされている日本ですが、以下のグラフを見てもわかるように、2030年時点ではその約8割は介護不要で自立的に暮らしているとの予測もあります。社会参画を積極的に行う活発なシニア層の数が、今後もどんどん増えていくのは間違いなさそうです。
0001
(出典)総務省「ICT超高齢社会構想会議報告書」(みずほコーポレート銀行産業調査部「みずほ産業調査vol.39 日本産業の中期展望」(平成24年5月)より)
高齢者雇用でコンビニの人手不足を解消?
さて、コンビニ業界を含めた飲食・サービス業などのB2Cサービス企業全般では、このところ慢性的な人手不足に悩まされています。コンビニでは外国人アルバイトの雇用も進んでいますが、ビザの問題やコミュニケーションの面で難があったりと、問題の根本的解消には至ってないのが実情です。
そんな人手不足問題の解決策として、最近各コンビニが進めているのがアクティブシニア層の活用です。セブンイレブンにおいては55歳以上向けにコンビニ就職支援講習を実施するほか、ローソンやファミリーマートでも、ウェブサイトでシニアアルバイトの仕事ぶりをご本人の写真付きで紹介するなどし、積極的なシニア層の雇用を図っています。
確かにスマホアプリやマルチメディア端末の扱いなど、日々登場する新サービスをその都度覚えなければならない点に関しては、シニア層にとっては少々大変なところかもしれません。ただ、それ以上にシニアの店員が店にいることのメリットは大きいと語るオーナーはたくさんいます。
アクティブシニアの意外な活躍ぶり
とある開業15年を超えた老舗オーナーの店舗には、コンビニに業態変更する前の酒屋さん時代から務めていたアクティブシニアの女性店員さんがいらっしゃいました。彼女はレジなどの現金管理と、新人アルバイトへの指導を主な業務として担っておられ、彼女がいることでオーナー夫妻は安心して店舗を任せることができ、休みも取ることができていました。
彼女の新人アルバイト教育は「商売」「お客様第一主義」といった商売人マインドが中心でした。その指導は相当厳しいものでしたが、最初にきっちりと教える事で、その後の離職率が低くなるという傾向が出ていました。また、長年勤めているだけに地元のお客様に顔見知りが多く、「お中元・お歳暮」といった予約商材の予約については無敵の強さを誇っていたそうです。
余談ですが、コンビニでの予約商材の獲得は「お客様との信頼関係が命」といっても過言ではありません。コンビニの予約商品は「高い」「割引がない」「カタログだけで実物が確認できない」というイメージがありますが、普段来店しているなかで、顔見知りの従業員から頼まれると「じゃぁ、予約しよう」となることが結構多いのです。
そういった面でも、アクティブシニアの方がコンビニで勤務し、主にシニア層が来店する午前・午後の時間帯で勤務してもらえると、近い年齢同士で仲良くなってもらい来店頻度アップ(固定客化)や予約商品の獲得に大いに活躍できるはずです。

日比谷 新太(コンビニ業界ジャーナリスト)

目次に戻る

ローソン、ネット宅配撤退
物流費高騰 採算合わず 店頭受け渡しに一本化

宅配クライシス 2018/6/28 2:00 朝刊 [日経]

ローソンは8月末、インターネットで注文した生鮮品などを自宅に届けるサービスから撤退する。物流費が上がったうえ、利用者が年6万人と伸び悩んでいるためで、ネット通販は店頭で商品を手渡すサービスに絞る。ヤマト運輸など物流会社は値上げ交渉を続けており、小売業のネット事業見直しが相次ぎそうだ。
ローソンは2013年に始めた会員制のネット宅配「ローソン フレッシュ」を閉鎖する。野菜や肉などの生鮮品や加工食品など約8千点を扱うが、直近1年の利用者は6万人にとどまり、利用が伸び悩んでいた。
配送はヤマト運輸や日本郵便などに委託しているが、物流費の高騰でローソン側の負担も増えていた。首都圏では5千円以上の購入で配送を無料とするなど送料の一部をローソンが負担していたが、採算が合わないためサービスを打ち切る。
一方、スマートフォン(スマホ)から野菜などの生鮮品を注文し、最短で当日の夕方に店頭で受け取ることができるネット通販「ローソン フレッシュ ピック」は続ける。現在は東京都や神奈川県の200店超で展開し、18年度中に首都圏の約2千店に広げる。今後のネット通販は店頭受け取り型に一本化する。
宅配型のネット通販はローソン本社の売り上げとなるが、店頭受け取りの「フレッシュ ピック」は商品を引き渡す加盟店の売り上げとなる。伸び悩む加盟店への集客手段の一つとして店頭受け取り型を前面に押し出していく。
コンビニのネット通販では、ファミリーマートが2月末に「ファミマ・ドットコム」のサイトを閉鎖した。
一方、セブン―イレブン・ジャパンは17年10月に店舗にある商品をスマホから注文して自宅で受け取れる「ネットコンビニ」を展開している。19年8月までに北海道の全店に拡大、その後全国に広げる計画だ。
セブンは17年にセイノーホールディングス(HD)と業務提携した。セイノーHDがセブンの宅配を代行する全額出資子会社を設立するなど、専用の宅配網を整備することで物流費高騰の影響を受けにくくしている。
コンビニ以外の小売りでも、配送費の上昇を受けてネット通販を見直している。イトーヨーカ堂は29日、配送センターから出荷する飲料の一部を対象に追加送料を設ける。イオンやニトリホールディングスも一部地域や商品を対象に配送料を引き上げた。
日本経済新聞社がまとめた17年度の小売業調査によると、ネットを含む通販事業の総売上高は前年度比で8.4%増と13年度以降の調査で最も伸びた。通販部門の売上高で1位のアマゾンジャパン(東京・目黒)は13.6%増え、全体の伸び率を大きく上回る。実店舗を持つ小売り各社もネット通販を強化しているが、物流費の上昇を補うだけの魅力ある商品やサービスを展開できるかが今後の事業展開のカギを握りそうだ。

目次に戻る