目次

セブンーイレブン国内2万店に、社長「積極的な出店続ける」

[東京 28日 ロイター]

– セブンーイレブン・ジャパンの古屋一樹社長は28日、「マーケットのあるところには積極的な出店はまだ続けられる」として、国内でも店舗数を増加させる余地はあるとの考えを示した。
セブンーイレブンの国内店舗数2万店到達に伴う記者説明会の席上で語った。
コンビニエンスストア業界では以前から国内店舗数が飽和状態に達したとの見方もあり、「コンビニ限界説」もささやかれている。セブンーイレブン以外の大手は買収や資本提携など再編の動きを進める。古屋社長は「業態としては厳しい時代」と認めつつも、差別化を図れば「もっと成長できるチャンス」と強調した。
1974年に東京・豊洲で1号店をオープンして以来、セブンーイレブンは商品やサービスで独自のものを開発し、コンビニ市場の成長をけん引した。国内店舗数では、 ファミリーマートの約1万7400店(サークルK・サンクスを含む)、ローソンの約1万3100店を圧倒する規模だ。
収益力でも1日当たりの1店舗の売上高である平均日販が約66万円と、50万円台の大手ライバルチェーンを大きく引き離す。 コンビニ業界の売り上げシェアでもセブンーイレブンは4割を超える。
ただ、昨年は63カ月ぶりに既存店売上高が前年を下回るなど、成長には力強さを欠く。店舗の現場では人手不足による人件費の高騰が課題になっており、セブンーイレブンは加盟店に課すチャージ(経営指導料)を昨年9月から1%減額している。
これまで何度かささやかれたコンビニ限界説を打ち破ってきたセブンーイレブンだが、海外ではアマゾン(AMZN.O)などのネット企業が伝統的な小売業の存在を脅かしている。記者説明会では、古屋社長から10年後、20年後のセブンーイレブンの姿をどう描くかは聞かれなかった。
「小売業には奇手奇策はない。立地と商品とサービスをブラッシュアップし続けることが最大の戦略になる」と古屋社長は強調するが、テクノロジーの活用などはこれからの課題になりそうだ。
流通業界の動向に詳しいプリモリサーチジャパン代表の鈴木孝之氏は「セブンーイレブンはこれまでもっとも進化した小売業態だったが、アマゾンなどのテクノロジー企業の脅威に対して、どのように対抗していくのか、今のところはっきりと見えてこない」と指摘する。

目次に戻る

セブン―イレブン・ジャパン、従業員の制服を刷新

2018/3/1 2:30 朝刊 [日経]

■セブン―イレブン・ジャパン 28日、従業員が店舗で着用する制服を10月に刷新すると発表した。現行のえんじとピンクの組み合わせから、緑色を基調とするデザインに変更する。一部商品の包装も刷新し、3月中旬から原材料や味の英語表記を加える。4月下旬以降にはパッケージ表面に栄養成分を表示する。

目次に戻る

ローソンが仕掛ける生鮮食品ネット通販モデルの大きな可能性

真壁昭夫 

ローソンが開始するネット通販による生鮮食品の店舗受け取り

 今年3月にも、コンビニ大手のローソンが、ネット通販で注文した生鮮食品を店舗で受け取るサービスを開始するという。こうしたサービスは、既に世界的な潮流の一つになっており、現在、小売業界は大変革期を迎えているといっても過言ではない。有力ネット企業であるアマゾンやアリババ・ドットコムなどは、生鮮食品の取り扱いを強化し、新しいビジネスモデルの実用化に向けてかなりのエネルギーを注力している。先進企業の動きは早く、変革のスピードは日に日に加速している。
 従来、品質管理などを理由に、インターネットを経由した生鮮食品の販売は難しいとの見方があった。しかし、首都圏でのアマゾン・フレッシュの導入のように、インターネットを活用して物流のあり方を変える取り組みが進んでいる。
 インターネットでモノの売買契約を成立させ、消費者が望む場所で、希望する時間帯に品物を受け取るサービスが提供できると、EC業界、物流業界、コンビニをはじめとする小売業界の境界はほとんどなくなってしまう。
 インターネットが店舗の役割を担い、店舗には支払い、物流の起点などの機能も備わるようになる。ユーザーの好みに応じて宅配を行う、あるいは、店舗での受け取りが可能になれば、文字通り、いつでもどこでも、生鮮食品を手に入れることができる。そうした消費の発想が受け入れられれば、企業は付加価値を創造し、経済は成長できるだろう。
 インターネットを通した消費の拡大は、店舗での販売をベースに事業を展開してきた小売業界にとって脅威と映るだろう。それが、競争を促進し、さらなるサービスの向上と付加価値の創造を支える。その結果、新しい行動様式が社会に受け入れられる可能性がある。その意味でも、ローソンの取り組みが定着するか否かは重要だ。

物流に大きな革命をもたらすインターネット

 野菜や魚、肉類などの生鮮食品を買おうとする場合、実際に目で見て、手に取り、鮮度や形、保存されている条件などを確認しないと気が済まないという人は多い。調理して自分たちの口に入れるものである以上、できるだけ鮮度の良いものを選びたい。有機農法、オーガニックなど作物などの育成方法にまでこだわる人も増えている。
 近年、インターネット技術を用いて、品質面はもちろん、個々人のライフスタイルに合った消費行動を実現し、満足度を高めようとする取り組みが進んできた。先行しているのが、中国のアリババだ。同社は盒馬鮮生(ヘマーセンシェン)というブランドの下で、ECと店舗運営の融合を進めている。 その店舗では、バーコードを読み取り、モバイル決済のアプリ(アリペイ)を使って代金を支払う。レジは必要ない。アリババの無人小売店舗は、平日は業務に勤しむビジネスマンの買い物を支え、週末には家族連れでにぎわう一般の食品スーパーとして運営されている。
 インターネット業界が小売業界を圧迫するという発想よりも、ハイテク技術を通して人々の利便性や満足度の向上が実現されている。もはや、それが小売りのメインになりつつあるように見える。
 アリババの取り組みを受け、米アマゾンも同様のビジネスを強化している。わが国でも導入されている生鮮食品のインターネット販売事業に加え、同社は“無人コンビニ”であるアマゾン・ゴーも開始した。アマゾンの場合、品物をとって店舗から出れば、自動的に課金が成立する仕組みが用いられている。 事実上、営業時間や買い物をする時間帯にかかわらず、生鮮食品などが手に入る環境が、世界に普及し始めている。

新しい小売のビジネスモデルを目指すローソン

 ローソンはインターネット技術と店舗をつなぎ、新しいビジネスモデルの確立を目指している。それは、わが国の小売業界の常識に変革をもたらし、新しい消費スタイルを形成する可能性を秘めている。
 2013年に同社は食品宅配を手掛ける“大地を守る会”の筆頭株主となった。この時点では、ローソンで通販がメインの有機野菜が買えることが注目されていたが、ある意味、その取り組みはかなり先見的だったといえる。
 ローソンが運営するネットスーパー事業のローソンフレッシュのウェブサイトとみると、“らでぃっしゅぼーや”、“オイシックス”など、品質へのこだわりで知られている食品通販企業が取り扱う品物を購入することができる。
 つまり、ローソンは通販食品企業との提携を進めることで、インターネットを経由して生鮮食品の物流を支えるプラットフォーム(ビジネスなどの基盤)を整備してきたといえる。それは、アマゾンや、アリババの発想と共通する部分がある。
 このプラットフォームを、ローソンはコンビニ店舗にも当てはめようとしている。従来、ローソンの通販事業は宅配がメインだった。それに加えて、スマホアプリなどを通して購入した商品を店舗で受け取るシステムを整備し、消費者のライフスタイルに合った利便性の高い小売りサービスを提供していくことが目指されている。
 この取り組みに、無人レジのシステムなどが加われば、ローソンはインターネットと店舗の融合による新しい物流システムの確立だけでなく、省人化を通した人件費の圧縮、店舗網の拡大などを追求することができるだろう。社会が成熟化する中で人々の働き方は多様化し、深夜でなければ食品を買う時間が確保できない人も少なくはない。
地方では小売店の店舗閉鎖などによって、日常生活に支障が出るケースもある。そうした変化や問題が増える中、ローソンの取り組みが人々の支持を獲得することができれば、同社の成長はこれまでとは違ったフェーズを迎えるだろう。

成長のために不可欠な常に改革するスタンス
 国内の小売業界では、ローソン以外の企業もインターネット通販事業を強化している。西友は楽天と、イオンはソフトバンクと連携して店舗での販売とECを通したビジネスの両面を強化している。小売り大手企業は、傘下の銀行子会社を活用してIT技術と金融サービスを融合させたフィンテックビジネスの強化にも取り組んでいる。そうした取り組みが進むことによって、物流、決済(購入代金の支払い)、店舗の運営など、従来の小売ビジネスの発想が大きく変わるだろう。
 企業が市場のシェアを確保していくためには、ローソンのように新しい取り組みを連続的に進め、消費者の関心を引き付けることを目指すことが欠かせない。新しいサービスを提供して、消費者の満足度を高めることができない企業のシェアは低下し、付加価値を生み出すことが難しくなるだろう。市場原理による淘汰が促進されるということだ。ハイテク技術の開発と普及が進むことによって、経済の競争原理が発揮されやすい環境が整備されていく可能性は高まっている。
 長い目でローソンの取り組みを考えると、さまざまな展開が考えられる。例えば、コネクテッドカーを活用して移動式の無人店舗が普及すれば、過疎化が進む地域での生活は大きく改善されるはずだ。それは地方の活性化に重要な役割を果たすだろう。
 新しい技術、コンセプトを応用することで、これまでの業態にとらわれることなくビジネスモデルを構築することが可能になりつつある。常識や既成概念にとらわれることなく既存のシステムと新しい理論や技術を融合させる企業の取り組み(イノベーション)が、社会の活性化には不可欠だ。
 そのために政府は、規制の緩和や従来にはないビジネスモデルを実証的に検証する環境を整備すべきだ。それが、世界的に進むハイテク技術の開発とその応用によって進む競争環境の中で、わが国の企業の収益確保をサポートすることになるはずだ。

目次に戻る

ローソンが挑む「一物多価」、コンビニ商品の値段はAIが決める

2018/03/05 清嶋 直樹=日経コンピュータ

 定価販売が原則のコンビニ業界でローソンが新たな売り方に挑み始めた。ITを駆使した次世代店舗に動的な価格設定ができる仕組みを導入。固定的だった「値付け」に自動化の波が押し寄せている。
 「一物一価」を基本に人が価格や割引額を決めていた時代が去り、条件に基づいて自動的に価格を上下させる「一物多価」「一物時価」とも言える時代が訪れつつある。変化の象徴とも言える施設が2017年10月に現れた。仕掛けたのはローソン。次世代店舗の実験施設「オープンイノベーションセンター」を都内に開設した。白石卓也執行役員センター長は「将来的にはコンビニエンスストアでもダイナミックプライシング(動的価格設定)を実現したい」と意気込む。定価販売が原則のコンビニで、価格を柔軟に変更する仕組みを導入しようとしているのだ。

電子棚札とICタグで価格を自在にコントロール

 そのための道具がIT。具体的には電子棚札とICタグ(RFIDタグ)である。次世代店舗は原則として全ての棚に電子棚札が付き、商品にはICタグが付く。電子棚札は値引き販売が多いスーパーを中心に普及している。ローソンはこれをコンビニ業態にも取り入れようと画策。天井裏の制御機から無線信号を出せば、棚札の商品名と価格を自在に変更できる。商品の入れ換えなどのたびに数時間程度かかる棚札の付け換え作業を省けるようになる。
 ローソンはさらに一歩進めて、機動的な価格変更を目指す。主に弁当など消費期限が短い商品に適用する。前提として弁当にICタグを付けておく。ICタグは弁当を包むフィルムに埋め込む形態などを想定している。
 ICタグには商品のバーコード情報のほか、消費期限などの情報を書き込める。天井に設置した読み書き機で常時ICタグをスキャンしており、この仕組みを生かせば「消費期限が残り◯時間の弁当がどの棚にいくつ残っているか」という情報を自動的に把握できる。
 消費期限が迫ると現状はコンビニ業態では値下げせずに廃棄、スーパーなどでは「3割引」などのシールを貼って値引き販売(マークダウン)することが多い。いずれも人手がかかる。ローソンの次世代店舗は消費期限が迫った商品が置かれた棚に付いた電子棚札の価格表示を変更。自動的に値下げしようというわけだ。

AIが価格戦略の新潮流に
 POS(販売時点情報管理)レジや電子マネーなど小売業を巡るITの発達は目覚ましい。にもかかわらず、価格設定を取り巻く店の業務だけは昔とあまり変わっていない。コンビニの場合、弁当などの定価を最初に設定する際は市場調査などに注力するが、一旦決めた価格は変更しないのが原則だった。
 一方で、家電やブランド小物などの高額品は「価格.com」などの比較サイトの利用が一般化した。ここに掲載される最安価格は消費者の購買行動を左右する。ここでの相場が下がれば、家電量販店なども対抗して値下げせざるを得ない状況になっている。
 価格戦略の策定に携わってきたEYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの中村裕之エグゼクティブディレクターは「価格比較サイトや大手通販サイトの価格を収集して参照する製造業や小売業は多い。ただし、最安価格に追随するばかりでは、価格破壊の底なし沼にはまってしまう」と話す。
価格決定や価格調整にAIを採用する動きも広がる。中村氏は「AIに全てを委ねるのはやめたほうがいいが、支援には使える」と話す。中村氏によれば、価格は「3C(Customer=顧客、Competitor=競合、Company=自社)」の3要素から決まる。3つ全てを満たす価格設定は理論的に難しい。「顧客にとって割安感があり、競合よりも安く、かつ自社もがっぽりもうかる」という価格設定があり得ないのは当然だろう。ただ、最安かどうかはともかく、顧客が納得する価格を適切なタイミングで提示し、自社ももうかる仕組みは実現されつつある。そこにAIが絡むのが2018年の新潮流だ。
 顧客のニーズを満たし、競合に負けず、自社の売上高を最大化するという3つの変数からなる方程式を解くために企業は工夫を凝らす。カギはAIなどのITと人の判断との組み合わせにある。

目次に戻る

ミニストップ、初の最終赤字
前期11.5億円、内外で販売不振

2018/3/17 2:30 朝刊 [日経]

ミニストップは16日、2018年2月期の連結最終損益が11億5000万円の赤字(前の期は2億1500万円の黒字)になりそうだと発表した。従来予想(1億5000万円の黒字)を13億円下回る。最終赤字は上場した1994年2月期以降で初めて。国内と韓国で売り上げが想定に届かなかった。店舗の減損損失も計上した。
売上高にあたる営業総収入は前の期比5%増の2070億円、営業損益は1億円の赤字(前の期は12億円の黒字)に下方修正した。従来予想比でそれぞれ125億円、18億円下振れした。営業赤字も上場後で初となる。
国内では既存店1店あたりの1日平均売上高が0.2%落ち込み、計画より1.7ポイント下振れした。他店との競争が激化し、看板商品である好採算の総菜や洋菓子の販売が鈍った。
韓国は売上高の半分を占めるたばこの販売がふるわなかった。禁煙区域の拡大など規制強化のあおりを受けた。加盟店に対する運転資金の貸付利息や保有株の配当収入などにより、経常損益は10億円の黒字を保ったものの、前期比では56%減となる。減損損失は国内店舗を中心に18億円計上した。

目次に戻る

2月のコンビニ売上高、2カ月連続増 寒気が販売後押し

2018/3/20 16:00

日本フランチャイズチェーン協会(東京・港)が20日発表した2月のコンビニエンスストアの既存店売上高(速報値)は、前年同月比0.3%増の6940億円だった。前年の実績を上回るのは2カ月連続。強い寒気が温かい商品などの販売を後押しした。
客単価は1.8%上昇し、35カ月連続で前年の実績を上回った。調理麺などに加え、コーヒーや中華まんといったカウンター商品の売り上げが伸びた。野菜の値上がりもあってサラダやカット野菜の販売単価が上昇したのも寄与した。一方で、悪天候に伴い来客数は1.4%減った。
部門別では、弁当やおにぎりなどの「日配食品」が伸びた。だが、たばこ・雑誌など「非食品」や各種チケットなど「サービス」が苦戦した。

〔日経QUICKニュース〕

目次に戻る

小田急の駅売店・コンビニ、約100店「セブン」に両社が提携

2018/3/9 2:30 朝刊 [日経]

セブン&アイ・ホールディングス(HD)は8日、小田急電鉄と業務提携することで合意したと発表した。小田急グループが運営する駅売店やコンビニエンスストアの約100店を今後2年で順次、「セブンイレブン」に切り替える。提携の詳細は今後協議し、8月めどに最終合意を目指す。
小田急グループは駅売店88店、コンビニ13店のほかスーパー26店を運営している。スーパーでは店舗運営のノウハウを共有したり人材交流をしたりする。
8日開いた記者会見でセブン&アイHDの井阪隆一社長は、「(人の往来が多い)駅ナカにある店舗は、販売促進で近隣店舗への波及効果も高い」と話した。同社はすでにJR西日本など電鉄系7社と提携し、駅構内や駅前に約450店を展開する。小田急とも提携することで、多くの来店客が見込める駅周辺の店舗網拡大につなげる。

目次に戻る

ファミマ、ハンバーガー市場にテスト参入。但し、自分で作るハンバーガー

コンビニ「ファミリーマート」が店内でお客様の注文を受けてから商品を提供する新商品「ファミバーガー」の実験販売を5月から首都圏の約50店で開始する。「ファミチキバーガー」260円(以下、税込)、「ファミコロバーガー」160円、「フィッシュバーガー」230円の3種類。
 同店で人気の「ファミチキ」、「ファミコロ(牛肉コロッケ)」、「フィッシュフライ」を活用した新商品で、80円でバーガー専用パンを販売し、お客自身が自分で具材をパンに挟んで完成させる。お客様からの注文を受けると、店員が別売りの冷凍パンをレンジで温め、パン、具材、ソースをお客様に手渡す。お客様は自分自身でパンに具材を挟みソースをかけてバーガーを作る。飲食店の営業許可を取得しなくてもいいように、お客様自身が商品を仕上げるオペレーションを採用した。

目次に戻る

ドラッグ店 際立つ成長
17年度5.5%増収、コンビニしのぐ 食品販売、集客の目玉に

2018/3/15 2:30 朝刊 [日経]

ドラッグストアの成長が続いている。2017年度の売上高は6兆8504億円となる見込みで、2年連続で百貨店を上回った。売上高が前年度比5.5%増になるなど、成長率はコンビニエンスストアなどよりも高い。粗利率の高い医薬品や化粧品で収益を確保し、日用品などを安値で販売するモデルが成長の原動力だ。今後はネット通販との競合や他業態の追い上げをどうかわすかが焦点になる。
ドラッグストア「ゲンキー」を展開する福井地盤のGenky DrugStoresは肉や野菜、果物を取り扱う店舗を現在の約90店から18年12月までに全店に相当する約210店に広げる。生鮮品を取り扱い始めると店舗の1月あたりの売上高が25%増えるなど、成長が見込めると判断した。
日本チェーンドラッグストア協会(横浜市)の調査によると、17年度のドラッグストア全店売上高は17年連続のプラス成長となる見込み。特に食品の売上高が1兆5500億円で前年度比8.5%増と大きく伸びた。
食品は各社が成長分野とみて取り扱いを増やしている。九州地盤のコスモス薬品では既に、食品の売り上げの構成比率が約56%に達している。
ウエルシアホールディングス(HD)は、従来コンビニの業務領域だった公共料金などの支払いを受け付ける収納代行サービスを全店で始める方針。弁当・総菜を販売する店舗も増やしており、早期に現状の約4倍にあたる600店規模に拡大する。24時間営業の店舗も19年度末までに現状の3倍超の400店に増やす。
ドラッグストアは粗利率の高い医薬品や化粧品で収益を確保し、日用品などを安値で販売するモデルで成長してきた。ただ、ロスの多い食品を取り扱うと粗利率が悪化する懸念もある。
市場が成熟してくれば同業間で業態が同質化する恐れもあり、クリエイトSDホールディングスの広瀬泰三社長は「以前は食品の取り扱いが特徴になったが、今はどこでもやっている」と話す。
医薬品は登録販売者といった資格者でないと販売できなかったが、その壁を越えようとする取り組みも増えている。ローソンは従業員の登録販売者の試験対策を支援し、21年度末までに医薬品を扱う店舗を5倍の900店に増やす。
14年には一般用医薬品(大衆薬)のインターネット通販が解禁になり、今後はネット通販との競争激化も予想される。マツモトキヨシホールディングス(HD)はドラッグストアが強みとする分野を強化することで、異業種との差異化を試みる。健康・美容関連のサービスを強化した新型店「マツキヨラボ」の出店を進めており、現在の約10店舗から早期に50店に広げる計画を掲げている。

目次に戻る

コンビニATM 縮む手数料優遇
低金利・キャッシュレス化で利用減 スマホと連携に活路

2018/3/14 2:30 朝刊 [日経]

コンビニATMに逆風が吹いている。マイナス金利政策の余波で収益環境が厳しさを増すなか、金融機関各社は利用者にコスト負担を求め始めた。キャッシュレス化が進めばATMで現金を引き出すニーズも減り、生存競争はゆうちょ銀行を巻き込んで激化する。出店増とともに歩んできたコンビニATMは転機を迎えている。
ファミリーマートのATMでは、ゆうちょ銀の手数料が平日と土曜の日中なら無料に
「無料は月2回までとさせていただきます」。東邦銀行(福島県)は昨年12月、コンビニATMで現金を引き出す際に無料とする回数をそれまでの月3回から2回に減らした。百五銀行(三重県)も昨年9月以降、平日も手数料を有料化した。銀行側は「持ち出しがかさんでおり、手数料を負担してもらわないと事業が成り立たない」(百五銀の担当者)という。
利用者へのコスト転嫁は地方銀行に限らない。三井住友銀行は昨年10月に手数料を無料にする優遇策を月4回から3回までに減らし、三菱東京UFJ銀行も3月に一部の利用客を対象に無料扱いを月3回から2回に減らす。提携先の金融機関が支払う手数料などに頼るセブン銀行やファミリーマート系列のイーネットにとって、各行が優遇を縮めれば実入りもその分減る。
全国銀行協会などのまとめでは、銀行ATMの稼働数はこの10年で緩やかに減る一方、コンビニATMはこの15年間で1万台から約5万5千に増えた。コンビニATMに限れば、競争はむしろ激しくなっている。
セブン銀の1日1台あたりの利用件数は、2月が92.8回と同月としてはこの10年で最低を更新した。1月中旬にイーネットがゆうちょ銀の手数料を夜間と休日を除いて無料にし、「ゆうちょ銀の利用客がファミマを選んだ」(関係者)。年内には三菱東京UFJ銀のサポートを得るローソンも銀行業へ参入する予定で、競争は三つどもえの様相を呈しつつある。
長期でみればコンビニATMは事業モデルの見直しが避けられない。現金へのこだわりが強いとされる日本でもキャッシュレス化は広がり、利用者が現金を引き出す頻度はこれまでより減る公算が大きい。全国に2万4千台と最多のATM網を張り巡らせるセブン銀も利用数の減少は避けられず、ATMの配置場所見直しを進めている。
セブン銀は昨年10月、ATMの画面に示されるQRコードをスマートフォン(スマホ)で読み取る「LINE Pay(ラインペイ)」との連携を開始。急拡大するスマホ決済をにらみ、ATMの利用の幅を広げるねらいだ。買い物でキャッシュレス化が進んでも「入金はまだ現金でという文化」(同行幹部)に商機を見いだす。
イーネットも「日本はなお現金が中心の社会」とみる。ATMにカードを差し込まなくても、スマホで現金を引き出せるATMを開発し、「財布を持たなくてもスマホは肌身離さない」若年層などの獲得を狙う。
「あったら便利」を目指し、この20年ほどの銀行界に新風を吹き込んだコンビニATM。成長に陰りがみえても現金が消えない限り、サービス競争は続く。
(渡辺淳、大島有美子)

目次に戻る

セブン、サンドイッチの賞味期限長く
食品ロス削減へ 10時間伸ばし品薄防ぐ

2018/3/20 2:30 朝刊 [日経] セブン―イレブン・ジャパンは20日、サンドイッチの主力品で賞味期限を3割伸ばす。製法の変更により時間がたっても味や食感が落ちないようにした。イオンやファミリーマートも包装を変えて賞味期限を延長する。無駄な食品廃棄「食品ロス」の問題は国際社会で批判されている。小売り大手の取り組みで過剰な鮮度を求める消費文化が変わる可能性がある。
セブンはサンドイッチの主力2品を刷新する。売り上げがもっとも多い「ミックスサンド」(250円)と3番目に多い「シャキシャキレタスサンド」(250円)が対象。2品の売り上げはサンドイッチ全体の約3割を占める。セブンイレブンのサンドイッチの売上高は年1300億円程度とみられる。
今回刷新する2品はいずれも具材にレタスを使う。パン生地がレタスの水分を吸い込んでしまうため、長時間保存するとパンが湿り味や食感が変わっていた。小麦粉の配合を1割超増やすことで生地のしっとりとした食感を保ちながら賞味期限を伸ばした。店頭での販売期間はこれまで製造から30時間と他のサンドイッチに比べ短かったが、3割長い40時間となる。
賞味期限を伸ばすことで売り上げの拡大につなげる。1月に埼玉県内でテスト販売したところ、2品の売り上げは2割伸び、サンドイッチ全体では1割増えた。朝と昼の売れ行きは変わらず、品薄になりがちな夜間の売り上げが伸びたという。
消費者にとっては欲しい商品がいつでも売り場に並んでいる状態に近づくため、来店頻度の向上が見込める。コンビニエンスストアでは既存店の客数が伸び悩むが、品ぞろえの充実につなげ、店舗の客数を増やす。
賞味期限が伸びると売れ残りによる食品ロスの削減につながる。セブンが今回刷新する2品をテスト販売した際は、1店舗あたりのサンドイッチの食品ロスが5%超減ったという。
イオン傘下の総合スーパーでは17年から順次、酸化や細菌の繁殖を抑える包装を採用して消費期限を伸ばしてきた。全400店で鮮魚や精肉100品目以上を対象に新包装を導入。消費期限は商品の種類によって異なるが、1.5倍程度に伸ばせるという。
ファミリーマートでは17年9月から窒素ガスを充填した容器に入れた総菜を発売し、賞味期限は2日前後から約5日に伸ばした。

目次に戻る

コンビニ客、24カ月連続減
既存店、ドラッグ店に苦戦

2018/3/21 2:30 朝刊 [日経]

コンビニエンスストアの客数の減少が止まらない。日本フランチャイズチェーン協会は20日、開店から1年以上たつ既存店の来店客数が24カ月連続でマイナスになったと発表した。ドラッグストアやインターネット通販の台頭に押され、客数の集計を始めた2004年以降で最も長いマイナスが続く。小売りの勝ち組だったコンビニの成長神話にも陰りがみえてきた。(関連記事企業1面に)
同協会によると、大手7社の2月の既存店客数は前年同月比1.4%減となり、16年3月から24カ月連続で前年を下回った。2月は大手3社もすべてマイナスとなり、最大手のセブン―イレブン・ジャパンとローソンは8カ月連続、ファミリーマートは11カ月連続で前年割れとなった。
売上高は新規出店でプラスを維持している。しかし、ドラッグ店やネット通販の急伸で客足は遠のいている。
ドラッグ店の17年度の市場規模は前年度比5.5%増の6兆8504億円となる見込み。生鮮食品の扱いを増やしたり24時間営業の店舗を増やしたりしてコンビニの客を奪っている。コンビニの17年の市場規模は10兆6975億円あるが、前年比1.8%増と伸び率はここ数年、鈍化している。
ネット通販の伸びも顕著だ。楽天、ヤフー、アマゾンジャパンの国内ネット通販大手3社の17年の販売額は合計で約6兆7000億円に達し、前年から13%増えた。
コンビニの新規出店も続き、客を奪い合っていることも来店者数低迷に拍車をかける。2月末の店舗数は5万5395店と前年同月比1.5%プラスと増え続けている。

目次に戻る

「ローソン銀行」18年秋開業へ 金融庁に予備審査申請
金融機関

2018/3/25 19:46 [日経]

ローソンは参入を予定している銀行の名称を「ローソン銀行」とし、2018年秋にも開業する方針だ。近く金融庁に銀行業の免許取得に向けた予備審査の申請をする。銀行の新規参入は11年に大和証券グループ本社が大和ネクスト銀行を開業して以来、7年ぶり。ローソンは店舗網を生かして顧客を取り込み、地域金融機関との連携も模索する。
準備会社「ローソンバンク設立準備」はローソンが95%、三菱東京UFJ銀行が5%を出資し、16年11月に設立した。新銀行はローソンの子会社が現在運営しているコンビニATM事業を引き継ぐ。ローソンは現在、全国に約1万3千店ある。
小売業による銀行設立は、01年に開業しコンビニATMの先駆けとなったセブン銀行(開業時はアイワイバンク銀行)、07年のイオン銀行に続く3例目。セブン銀行はATMでスマートフォン(スマホ)決済の入金ができるサービスを展開。グループの商業施設に店舗を構えるイオン銀行は買い物ついでに住宅ローンの手続きなどができる利便性を打ち出している。

目次に戻る

セブン、検品にICタグ
店内作業時間を6割短縮

2018/3/27 2:30 朝刊 [日経]

セブン―イレブン・ジャパンはICタグを使い負担が大きかった店舗での検品作業を大幅に効率化する。27日からおにぎりや弁当などの商品でICタグを取り付けた納品ケースを導入。ケース単位で検品できるようにして作業時間を約6割削減する。検品でのICタグ実用化はコンビニエンスストア業界では初めて。人手不足が進む中、従業員の時間を有効活用し店舗の競争力を高める。
まず27日から北海道釧路市の5店で始め、同市内の全約40店をへて道内の全約1000店に拡大する。北海道で検品を効率化する仕組みを構築した上で、全国の約2万店に広げる計画だ。
コンビニの店頭では納入された商品のバーコードを読み取って1品ずつ検品し、1日あたり170分程度を要している。納品があるたびに作業が発生し、手間もかかることから、店舗で働く従業員の負担になっていた。
商品を納入するケースにRFID(無線自動識別)機能を持つICタグを取り付けることで、瞬時に検品をできるようにする。北海道では1日4便ある弁当などの日配品でICタグを活用。1日あたりの検品時間は従来よりも100分減り70分強になる見込みだ。店舗にはICタグを読み取る端末を貸与する。
ICタグは配送センターで取り付け、店舗ごとに商品を仕分ける段階でICタグとケース内の商品を連動させる。現在は手作業だが、今夏めどに自動でひも付けできる仕組みを構築する。
1店舗あたり1日80枚程度のICタグ利用を想定する。ICタグはケースごと回収して再利用するが、納品ケースは一時的に店舗の外に保管されることも多い。釧路市の5店でICタグの耐久性も見極める。
セブンなど大手コンビニ5社は経済産業省と共同で25年までに取り扱う約1000億個の商品すべてにICタグを貼り付ける目標を掲げる。セブンは経産省のICタグ推進とも連携するが、全商品へのICタグ取り付けを待たず独自に店内作業や配送の効率化で活用する。
すでに17年8月から18年2月まで、福島県内の6店で加工食品や雑貨といった常温商品をICタグ付きのカゴに入れて納品する実験を手掛け、検品作業を約3割にあたる50分程度削減した。ただ常温は1日1便で、省力化の効果は限られる。主力商材である日配品を対象に全店で実用化することを優先する。
その後、常温を含めた他の商品にも広げる計画で、商品を納入するすべてのケースやカゴにICタグを取り付けた段階で検品時間は現在の20分の1にあたる1日8分程度になる見込みだ。
コンビニはじめ小売りではパートやアルバイトの人手不足感が強い。セブンでは17年12月、商品の陳列などの店内業務にかかる時間を3割強削減できる設備を東京都内の直営店に導入した。検品でも省力化を進め、従業員の働きやすい環境をつくり定着率を高める。浮いた労働力は接客に振り向けるなどして店舗の販売力底上げにもつなげる。

目次に戻る