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セブンも本気、自転車シェア 勝利のカギは提携相手

自転車シェアリング戦国時代(上) 2017/11/29 6:30 [有料会員限定]

国内で広がる自転車シェアリングサービスをめぐり、駐輪場の獲得競争が加速している。どこでも乗り捨てできる中国とは異なり、規制の厳しい日本ではサービスごとに専用の置き場(ポート)を設ける必要がある。自転車シェアの事業者が自ら多数の土地を借り受けることはコスト的に難しく、駐輪場の土地を持つ提携先をいかに獲得するかが成功の鍵となる。ソフトバンク系はコンビニエンスストアのセブン―イレブン・ジャパンと、中国のモバイクは札幌の地元企業と手を結んだ。ドコモ・バイクシェア(東京・港)は自治体と組み急拡大してきた。自転車シェアは、駐輪場を巡る陣取り合戦の様相となっている。

セブン―イレブン・ジャパンは、ソフトバンク系と組んでコンビニを自転車シェアの拠点にする
「自転車シェアの展開を希望しているところであれば、自治体も企業も関係なく提携していく」。そう話すのは、ソフトバンク系のオープンストリート(東京・港)で最高執行責任者(COO)を務める佐藤壮氏だ。同社は2017年11月21日にセブン―イレブン・ジャパンとの提携を発表した。さいたま市内の9店を皮切りに、18年春をめどにして神奈川県川崎市や横浜市のコンビニにポートを設置する。
オープンストリートの自転車シェアサービス「ハローサイクリング」は16年11月にシステム提供を開始してから、民間企業6社のほか自治体2団体と提携し、東京都、埼玉県、栃木県、愛知県、沖縄県で展開してきた。同社は自転車シェアのシステム開発や改善に注力し、自転車の管理や保守は地元の自治体や企業に任せている。あえて「地域の特性に合わせて自由にシェアインフラを構築できるプラットフォームを提供する」(佐藤氏)ことに特化し、スムーズな導入と普及の加速を目指す。

その方針が「コピー機、ATM、公共料金の支払いなどに続くインフラサービスの延長として自転車シェアを展開したい」(セブン―イレブン・ジャパン)という狙いと一致した。セブンとの取り組みでは自転車販売のシナネンサイクル(東京・港)が自転車シェアの管理や保守を手掛ける。3社で役割分担することで「店内の従業員やオーナーには自転車の管理の負担がかからない」(セブン―イレブン・ジャパン)ようにした。
18年度末までに政令指定都市を中心として1000店で5000台の設置を目指している。オープンストリートは、セブン以外にも「全国展開している企業30社程度の導入が確定しており、順次展開する」(佐藤氏)と意気込む。

「白い恋人」も提携

国内の自転車シェアは10年ごろから徐々に広がり始めた。これまでは自治体が主体となるか、事業者が自治体と提携することで運営するサービスが一般的だったが、その風向きが変わりつつある。店舗や観光施設といった民間企業を提携先として選ぶ新興の自転車シェアのサービスが目立ち始めている。
中国モバイクの日本法人モバイク・ジャパン(福岡市)は、8月から札幌市で一部地域に限定したサービスを始めている。拠点としている福岡市をはじめ、全国で十分なポートを確保できる都市を探したところ、提携先として手が挙がったのは、ドラッグストアのサッポロドラッグストアー、コンビニのセコマ、洋菓子「白い恋人」の石屋製菓など、札幌市を代表する地元企業だった。

モバイクの自転車。壊れにくく頑丈に設計しているという
地元企業からの協力が得られた背景には、店舗の敷地内などに自転車シェアの駐輪場を設置すれば、集客効果やジュースを買うなどの「ついで買い」も期待できることがある。まもなく冬のシーズンに入り、休止期間に入るものの「通勤通学のほか、菓子工場の見学など観光で使われ、ニーズは高い。駐輪場がまだ十分ではないのでどんどん広げたい」(モバイク・ジャパンGM代理の木崎基博氏)と話す。福岡などほかの都市での展開はまだ時期は未定としているが「十分な駐輪スペースを確保できるように準備を進めていく」(木崎氏)という。
提携先として不動産デベロッパーに期待する企業もある。電動アシスト自転車を製造するカイホウジャパン(東京・八王子)が立ち上げたオーシャンブルースマート(東京・板橋)は、17年内の自転車シェアサービス開始を狙う。「自転車は生活に密着した乗り物であるからマンションに設置したら面白い、という引き合いが数多くある」(オーシャンブルースマート代表取締役の小竹海渡氏)ほか、駐輪場やビルのオーナーなどと交渉を進めている。

東京都内を中心に展開するコギコギ(東京・渋谷)は、かつて実証実験で自治体と組んだことはあるが、現在は商業施設、ビル、商店街、ホテルなどと独自に交渉して駐輪場を設置している。最高経営責任者(CEO)の中島幹彰氏は「利用動向や会社としてのブランディングを総合的に判断して駐輪場の場所を決めている」として、経営の自由度や柔軟性が高いことを民間と組むメリットに挙げる。

利用は2年前の5.5倍

その一方で、自治体との提携に主眼を置くサービスも根強く残りそうだ。自治体と組めば、駅前や公園など利便性が高く、人が集まる場所でポートを確保しやすいからだ。

川越市の自転車シェアリングサービス。市内の12カ所にポートを設置している
東京都内を中心に、自治体との提携で自転車シェアを拡大してきた事業者の代表がドコモ・バイクシェアだ。ドコモ・バイクシェアは12年に江東区、14年に千代田区や港区でサービスを開始した。16年2月に複数の区で相互に乗り入れができる広域利用サービスを始めた。東京都内の自転車は4000台を超え、利用回数は「14年度が約33万回で、16年度は約180万回と2年で約5.5倍になった」(ドコモ・バイクシェア)と急拡大している。

自治体と提携しつつ、観光地で運営しているサービスもある。ペダル(川崎市、平尾博代表取締役)は12年に金沢市、13年に埼玉県川越市でサービスを本格実施した。現在では兵庫県姫路市でも展開している。「徐々に認知が広がり、利用回数は右肩上がり。28年度の統計では、2年前と比べると月によっては2倍以上に増えた」(川越市)
これらの自治体が自転車シェアの事業を積極的に取り組んでいる背景には、政府が自転車活用を後押ししていることもある。5月には自転車活用推進法が施行された。渋滞の緩和、健康の促進、環境への配慮などから自転車の利用を促し、自転車シェアの施設を整備することも基本方針の一つに掲げている。20年の東京五輪・パラリンピックでも活用が進みそうだ。「東京・晴海の選手村にはシェアリングできる自転車を多数設置する計画がある」(中央区の環境土木部)という。

自治体との提携に前向きな姿勢を見せる新興勢力も多い。18年初めの開始を目指すフリーマーケット(フリマ)アプリのメルカリ(東京・港)は「理想は目に付く場所ですぐに乗り降りできること。そのためには地方自治体などと交渉を進めたい」(メルカリ新規事業担当マネージャーの井上雅意氏)と話す。モバイクと並び中国の自転車シェア大手として知られ、日本でのサービス展開も予定するofo(オッフォ)も「自治体の協力も仰ぎつつ、普及を目指したい」(アジア太平洋地域統括のローレンス・チャオ氏)という。

■エンジニアが自転車シェアで急行自治体と組めば大量の駐輪場が確保でき、どこでも乗り捨てできる中国に近い使い勝手を実現できる。観光や休日のレジャー用途、通勤通学だけでなく、自転車シェアのまったく新しい使い方が生まれそうだ。実際、ドコモ・バイクシェアが多数の自転車を配備している東京都内では業務での活用を推進する企業も登場してきた。

「早く着いたね、と言ってもらえるようになりました。1日の訪問件数も増えて、以前は1日に5件程度でしたが、調子のいいときには7~8件もまわれます」。富士ゼロックス東京(東京・新宿)で入社2年目のエンジニア亀谷栞里さんは、そう話す。勤務する東京都中央区の営業所では、9月から複写機の保守業務で客先を訪問するためにドコモ・バイクシェアの自転車を使っている。富士ゼロックス東京では、複写機の保守業務に自転車シェアを活用している。
亀谷さんの担当地域は秋葉原周辺。かつては客先から保守の依頼を受けると銀座付近の事業所から部品を詰め込み、自転車で秋葉原に向かっていた。今では秋葉原駅までは電車を利用し、そこから先は自転車シェアを利用する。「従来は30分ほどでしたが、今では15~20分ほどで到着できるようになりました」(亀谷さん)

富士ゼロックス首都圏(東京・新宿)が進める働き方改革の一環で、移動に自転車シェアを取り入れた。エンジニアは電車や自転車シェアで移動し、部品は配送用の車を走らせて別途届ける。駅から離れた事務所などを訪問する際に移動時間を短縮する手段として選んだのが自転車シェアだった。「お客様と対話する時間を長く取ることができるようになり、千代田区地域で再訪問の比率が35%低下した」(同社ソリューション・サービス計画部サービス変革グループの高橋勝美グループ長)という成果が得られた。

これまでは各事業所が持っていた駐輪場を借りるための費用が東京都内で年間1000万円以上かかっていたが、自転車シェアを利用することで「それら駐輪場の費用を削減できる」(高橋グループ長)という効果もあった。事務所の周辺に駐輪場を確保する必要もなくなっため、移転や統廃合の自由度も高まった。

米配車アプリ大手のウーバーテクノロジーズの日本法人、ウーバージャパン(東京・渋谷)は料理配送サービス「ウーバーイーツ」で自転車シェアを利用している。ウーバーイーツはスマホ越しに注文を受けた配送担当者が自転車やバイクで飲食店の料理を運ぶサービス。希望する配送担当者に月額4000円でドコモ・バイクシェアなどの自転車を利用できるようにしている。「自宅に自転車がなくても配達パートナーとして働くことができてうれしいという感想を聞いている」(ウーバージャパン)ほか、電動自転車を利用することで楽に配達ができるという声もあるという。
(コンテンツ編集部 松元英樹)

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コンビニ24時間営業についてはケース・バイ・ケース

2017/11/30 07:00
ファミリーマート 沢田貴司社長

(略)
 そもそも、これまで本部都合の出店が多すぎた。新店が当たるか外れるか分からないのに、そのリスクを加盟店に負ってもらうケースも多かった。もちろん競合チェーンと張り合うための戦略的な出店は今後もあり得るが、そうした場合には直営にする。いずれにしても出店戦略を立てるときには該当地域の加盟店オーナーに参加してもらう。年度内にはその仕組みを整える。
 24時間営業についてはケース・バイ・ケースになるだろう。必要ないところはやめればいい。必要なら続ければいい。すでに一部店舗では、24時間営業をやめた場合どれだけ人件費を削れるのか、その一方で売り上げはどれほど落ちるのかを検証する実験を始めた。
 24時間営業をやめると深夜の品出しや清掃ができなくなるという反論をよく聞くが、これも実験してみないことには分からない。何の影響もないかもしれないし、あるいは本当に店舗が回らなくなるかもしれない。とにかく、何もかも最初から「できない」ありきで結果を決めつけるのは思考停止で、そこからは何も生まれない。例えば「24時間営業」はそのままで、「24時間有人営業」をやめるという選択肢もある。つまり深夜は無人レジなどで自動化する試みだ。何事もまずは研究が大事だ。
(略)

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コンビニ成人誌追放 出版社が恐れる売り場消滅

2017/11/30 14:56 [日経]

イオン傘下のコンビニチェーン、ミニストップが成人向け雑誌の販売中止を決めたことに、出版業界に危機感が広がっている。「表現の自由の侵害」や「検閲につながりかねない」といった問題意識だけではない。これをきっかけにコンビニの雑誌売り場が縮小し、最終的には消滅してしまうのではないかとの危機感だ。
現時点では成人向け雑誌にかなりのスペースが割り当てられているが……

有害の定義、あいまい

ミニストップでは、12月1日に千葉市内の43店で成人誌の販売を中止するのを皮切りに、2018年1月1日からは全2245店で取り扱いをやめる。「不快だ」「子供を連れて店に入りづらい」といった女性客の声に日経耳を傾けた結果で、成人誌の完全追放はコンビニでは初の取り組みとなる。藤本明裕社長は11月21日に千葉市役所内で会見し、「安心して快適に利用できる店舗を実現したい」と語った。
「何が成人誌とされるのか、ふたを開けてみないと分からない。各店舗の判断に委ねられるのか。地方自治体や政府の要請に影響される可能性はないのか」。中堅出版社、竹書房(東京・千代田)の竹村響執行役員・営業局長は不安を隠さない。同社は性表現が含まれる青年コミック誌やレディースコミック誌のほか、パチンコ・パチスロ誌や麻雀劇画誌なども出版している。広く捉えれば、これらは全て成人向けの雑誌で、アウトと判断された場合の打撃は大きい。

ミニストップの発表では、成人誌の定義は日本フランチャイズチェーン協会の自主基準によるとしている。具体的には「各都道府県の青少年保護育成条例で定められた未成年者への販売・閲覧等の禁止に該当する雑誌」と「それらに類似する雑誌類」だ。
後者の内容が曖昧な点を、出版業界は懸念する。日本雑誌協会の担当者は「民間企業の判断についてコメントする立場にないが、どういった内容の雑誌が対象になるのか不明確な点については危惧している」と話す。

ずれる出版と消費者の視線

いわゆる有害図書を巡る出版、流通、行政の主な争点は、これまでも「青少年に有害なもの」の定義が中心だった。例えば、1993年に太田出版(東京・新宿)が出した「完全自殺マニュアル」は100万部を超えるヒットとなったが、その内容が「自殺を誘発する」として97年に群馬県などが有害図書に指定し、特定地域の書店では売り場に置かれなくなった。

雑誌本体ではなく付録が有害とされた事例もある。2000年、宝島社(東京・千代田)のパソコン2誌が東京都から不健全図書指定を受けたが、その理由は「付録のCD―ROMにアダルト映像が含まれている」というものだった。日本書籍出版協会や日本出版取次協会など出版4団体で組織する出版倫理協議会も、この2誌を取次業者では扱わないと決めたため、東京都だけでなく全国の書店、コンビニで置くことができなくなり、最終的には2誌とも休刊(実質的な廃刊)することになった。

一方で、日本では性や暴力に関する表現が野放図に放置されすぎているとの指摘は多い。海外では裸体を描写した書籍が子供の目に触れる場所で販売されるケースは非常に少なく、20年の東京五輪を控え、出版業界は自主的な規制の強化に取り組むべきだとの意見も政府の中にはある。一般消費者の視線も、定義より実態に向いている。ツイッターなどのSNS(交流サイト)では、ミニストップの発表に対して「すばらしい判断だ」「ようやくって感じ」「他のコンビニはなぜ販売をやめないの?」との賛同の声が多い。

写真誌、袋とじは大丈夫?

ある中堅出版社の社長は「男性中心から女性、子供、シニアに利用者層が広がったコンビニの現状を踏まえれば、性表現のある雑誌の撤去はやむを得ない」としながらも、過去の論争を引き合いに「線引きは明確にしてもらわないと困る」と主張する。ギャンブル誌、サブカルチャー、ギャル雑誌、写真誌、雑誌の袋とじ――。こうしたものに不快感を覚える者は一定数おり、行政を動かして自主規制を迫られる構図が怖いという。
さらに、大手出版社の営業部門の幹部は、「成人雑誌が撤去された後のスペースが、アイス冷凍庫や多機能情報端末に取って代わられるのが怖い」と話す。品ぞろえに合わせてスペースが減らされていき、最終的には雑誌コーナーそのものが消滅してしまうのではないかとの懸念だ。「文春など一部しか勢いがない。売り場削減の声を押し返せないほど我々は弱ってきている」
実際、出版不況は深刻だ。出版科学研究所によると、16年の出版物の推定販売額は前年比3.4%減の1兆4709億円と12年連続のマイナス。特に雑誌は5.9%減の7339億円と19年連続のマイナスとなった。

ミニストップの広報に今後の具体的な対応をたずねた。「どんな雑誌が不適切なのか、お客様の声を広く聞いて決めていきたい」「雑誌コーナーのスペースやレイアウトは各店舗の立地に合わせて決めていく」「雑誌コーナーがすぐに消えることはないと思うが、販売は減少しており、遠い将来どうなるかは分からない」――。
今のところ、セブン-イレブン・ジャパンとローソン、ファミリーマートのコンビニ大手3社にミニストップ追随の動きはない。「お客様や加盟店の意見、社会的な動向をみながら、慎重に検討をしていく」(ユニー・ファミリーマートホールディングス)というのが共通のスタンスだ。

出版業界の不安が現実になりそうな雲行きに、クイズからギャンブル、性に関する本まで様々なジャンルの書籍を手掛ける出版社「データハウス」(東京都新宿区)の鵜野義嗣社長は、こう嘆く。「とがったものや新しいものはどんどん弾かれていく。面白くない時代だが、抵抗できるものではない」
(石塚史人、井沢真志)

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フィットネス参入 来年2月、コンビニに併設

毎日新聞 2017年11月30日 東京朝刊

 ファミリーマートがフィットネス事業に参入することが29日、分かった。来年2月をめどに東京都大田区にコンビニ併設型のフィットネスクラブをオープンし、その後郊外にも拡大する方針。大手コンビニのフィットネス事業参入は初めてとみられる。コンビニ店舗の2階で独自ブランドの24時間営業の簡易型フィットネスクラブを運営する。健康志向の高まりとともにフィットネス市場が拡大しており、集客力向上を狙う。
 コンビニは夜間でも来客があるため女性でもフィットネスクラブに通いやすく、相乗効果が見込めるという。ファミリーマートは24日にコインランドリー事業への参入も発表しており、本業のコンビニへの集客増を狙い、事業多角化を加速させている。【今村茜】

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セブン―イレブン・ジャパンと日立製作所 コンビニ省エネ対策で協業

2017/12/6 2:30 朝刊 [日経]

■セブン―イレブン・ジャパンと日立製作所 5日、コンビニエンスストアの省エネルギー対策などで協業すると発表した。店舗の電力使用量や設備の稼働状況などのデータを収集・分析し、エネルギーの削減策をまとめる。二酸化炭素(CO2)の排出量の削減や電力の効率的な利用につなげる。

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フィットネス参入 来年2月、コンビニに併設

毎日新聞 2017年11月30日 東京朝刊

 ファミリーマートがフィットネス事業に参入することが29日、分かった。来年2月をめどに東京都大田区にコンビニ併設型のフィットネスクラブをオープンし、その後郊外にも拡大する方針。大手コンビニのフィットネス事業参入は初めてとみられる。コンビニ店舗の2階で独自ブランドの24時間営業の簡易型フィットネスクラブを運営する。健康志向の高まりとともにフィットネス市場が拡大しており、集客力向上を狙う。
 コンビニは夜間でも来客があるため女性でもフィットネスクラブに通いやすく、相乗効果が見込めるという。ファミリーマートは24日にコインランドリー事業への参入も発表しており、本業のコンビニへの集客増を狙い、事業多角化を加速させている。【今村茜】

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「ファミマTカード(Visaデビット付キャッシュカード)」が30万枚突破(ファミリーマート/ジャパンネット銀行)

2017年12月5日7:00
ファミリーマートとジャパンネット銀行は、両社が発行する「ファミマTカード(Visaデビット付キャッシュカード)」の発行枚数が、30万枚を超えたと発表した。
「ファミマTカード(Visaデビット付キャッシュカード)」(ファミリーマート/ジャパンンネット銀行)
同カードは、ファミリーマートが発行するTカード「ファミマTカード」とジャパンネット銀行の「Visaデビット付キャッシュカード」の機能を一体化したカードとなる。Tポイント・ジャパンが提供する共通ポイントサービス「Tポイント」が利用できる。
コンビニエンスストア業界においては、ポイントカード、電子マネー機能、キャッシュカード、Visaデビット決済機能を併せ持つカードの発行は、同カードが唯一の取り組みとなるそうだ。

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セブン店舗 3割省力化 スライド式棚など全店に導入

2017/12/7 2:30 朝刊 [日経] セブン―イレブン・ジャパンは6日、商品の陳列などの店内業務にかかる時間を3割強削減できる設備を導入すると発表した。陳列棚をスライド式にして商品を並べやすくするなどして、店員の作業負担を軽減する。地面に埋め込むタイプの太陽光パネルを設置するなど、環境負荷の軽減も目指す。
7日に改装開業する直営店「セブン―イレブン千代田二番町店」(東京・千代田)に新設備を導入する。同店で半年間、稼働状況などを検証した後、約2万店の店舗全てに順次導入する計画だ。
省力化につながる設備として冷蔵・冷凍、常温の陳列棚をすべてスライド式にして、商品の陳列や棚の清掃をしやすくする。このほか店員が商品を袋詰めする際のレジ袋の位置を立ったままでも取り出せる場所に変更。レジ袋を取る際のかがむ動作をなくし、シニアの店員も働きやすくする。
新設備の導入により商品の補充や清掃、レジの袋詰めなどの業務時間を1日あたり15.7時間から10.2時間へと5.5時間分短縮する。このほかアジアで初という地面に埋め込む太陽光パネルを採用するなど省エネルギー化も進め、店舗の電力の使用量を約3割減らす計画だ。

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セブン売上高、2カ月連続マイナス 11月既存店

小売り・外食 2017/12/11 15:22

セブン―イレブン・ジャパンが11日発表した11月の国内既存店売上高は前年同月比0.1%減となった。連続増収が62カ月で途絶えた10月に続き、2カ月連続のマイナスとなった。弁当など商品販売はプラスを回復したものの、音楽やゲーム、ネットショッピングに使えるプリペイドカードといったサービスの売り上げが前年を大きく下回った。
セブンの既存店売上高は2カ月連続で前年を下回った
既存店が2カ月連続で前年実績を割り込むのは2012年7月以来。来店客数は0.2%減となり、5カ月連続のマイナスだった。1人あたりの購入金額を示す客単価は0.1%増えた。マイナスの要因となったサービスの売り上げでは16年11月に実施したプリペイドカードの割引キャンペーンの反動による落ち込みが大きかった。
セブンは10月、台風など天候不順の影響で国内既存店の連続増収が62カ月で止まっていた。
11月はローソンとファミリーマートも既存店売上高が前年を下回り、コンビニエンスストア大手3社はそろって減収となった。ローソンは1.6%減で2カ月連続のマイナス。客数が1.6%減少し、客単価も0.1%下がった。ファミマは0.4%の減収で6カ月連続のマイナス。客単価は1.3%伸びたが、客数が1.7%落ち込んだ。

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次世代型店舗は何を目指したのか

セブン-イレブン・ジャパンは新技術や設備を結集した次世代型店舗として「セブン-イレブン千代田二番町店」をこのほど再オープンした。新たなセブン-イレブン店舗はどのようなものなのだろうか。

次世代型店舗の3つのテーマ

次世代型店舗として導入したのは、全58種の技術を活用した設備。直営店となる千代田区二番町店で試用、検証を行い、可能なものから順次、全国約19900店への展開を図っていく。
今回の取組みを開始したのは今年の6月から。次世代型店舗に活用可能な取組みを募り、約半年の期間を経て、実現させた。テーマとなったのは「環境負荷の低減」(22種)、「働きやすさの向上」(26種)、「快適な店内環境づくり」(10種)の3つ。代表的な取組みとして次のようなものが挙げられる。

次世代型店舗は何が違う?

「環境負荷の低減」では、純水素燃料電池の発電利用、路面型太陽光発電設備、高効率太陽光発電システムの活用によって、店舗全体の外部調達電力を約28%削減することが可能となる。店舗の電気代は本部8割、加盟店2割の比率で負担しており、新技術をフル活用した場合、上記の外部調達電力分のコストを下げることができる。
このほかCO2冷媒を試用した冷凍・冷蔵設備の導入。自動調光機能付き店頭看板の導入で使用電力量を削減したり、デジタルサイネージの導入により、店頭横断幕の取替え負担をなくすなどの取組みもある。
「働きやすさの向上」につながる施策も多い。売り場では、商品陳列棚や冷凍・冷蔵ケースの陳列棚をスライド式にすることで作業効率の向上を図った。スライド式の陳列棚によって、商品補充の時間を削減することが可能になる。また、商品を取り出すごとに、棚奥の商品が自動で前に押し出される自動前出し仕切り板を設け、陳列商品を整える手間も省ける。こうした手間の削減によって、接客の向上につなげたいという思いがあるという。カウンター周辺にもいくつかの取組みがある。レジ袋の取り出しを容易にする新機構を作ったり、食器洗浄機を導入し、店内調理の増加機会にも対応した。また、フライヤー設備に給気機能を追加して店内と外気圧の差を少なくし、店舗入り口からの外気の流入を減らした。これにより、店内に埃や花粉などの侵入を減らせるようになる。

働きやすさがコンビニの課題に?

「快適な店内環境」では、パナソニックの「ナノイーX」を使用した空調機、空気清浄機を導入した。店舗スタッフのみならず、コンビニ利用者の買い物環境の改善にもつなげている。トイレには防臭・抗菌作用のある壁材、床材を用い、プレミスト機能・自動便器洗浄機能を装備した便器を採用したほか、脱臭機能付き空気清浄機の設置などを行なった。

「ナノイーX」を使用した空調機、空気清浄機
便座近辺はバリアフリー設計に
トイレにはベビーベッドも完備
ベビーチェアと着替え台

このほか、細かいところでは、折り畳み傘も収納可能な傘立ての設置(快適な店内環境)、アイスクリームケースフィルターのフィルター部にスライド式ブラシを設けた清掃性の向上(働き安さの向上)、トイレの手洗いを泡沫型自動水栓による節水(環境負荷の低減)も可能にする。

アイスクリームケースフィルターはスライド式ブラシで清掃が楽に
日販だけでは語りきれないステージに

今回の取組みを見ると、ひとつひとつはかなり地味だ。AIを活用したレジなど未来感に溢れたものはなく、店舗利用者には、あまり気づかれない取組みともいえる。しかし、加盟店側には大きな意味を持ちそうだ。電気代はコスト削減に直結し、アイデア豊かな一連の取組みによって、対象設備に関連する作業時間を1日あたり約5.5時間も削減できるという。
コンビニの求心力を示す指標として平均日販がよく持ち出されるが、今回はそうした面からではなく、店舗運営コストや働きやすさにクローズアップしたものとして興味深い。

ファミリーマートの新マーケティング戦略では販促物の削減を発表

今年6月、ファミリーマートでは新マーケティング戦略において、人手不足を背景に販促物の削減を打ち出しており、店舗での作業時間を削減する取組みを公表した。セブン-イレブンは今回の取組みと人手不足との関係性について広報部は否定したものの、日販だけでは語りきれないステージにコンビニ業界が来ているように思われる。様々な業界において人手不足が声高に叫ばれているのが現状であり、コンビニにおいても日販だけではなく 働きやすさも加盟店の求心力を高める大きな材料になってもおかしくはなさそうだ。

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ローソン、スマホでセルフ会計 一部店舗に来年中にも

2017/12/25 2:30 朝刊 [日経]

ローソンは早ければ2018年中にも利用客がスマートフォン(スマホ)で商品のバーコードを読み取り決済する仕組みを一部店舗で導入する。レジの混雑を嫌う利用客の利便性を高め、店員の作業負担も減らす。スマホ用アプリの開発などで18年度のIT(情報技術)投資は17年度比で約2割増やす。
竹増貞信社長が日本経済新聞社の取材に対し、明らかにした。ローソンは18年春に都内の数店舗で深夜早朝のレジを無人にする実験を始める。実験店では深夜帯はスマホを使った利用客のセルフ会計をメインとする。
実験終了後には一部店舗で終日、通常のレジに加え、スマホを使ったセルフ会計もできるようにする考え。導入の時期や店舗数は今後詰める。
竹増社長は「レジに並ばずにすませたいというニーズにもこたえたい」と話した。人手不足や人件費の上昇が続くなか、「18年度はデジタル元年にする」としてIT投資を2割程度増やす。スマホによるセルフ会計などITを活用して店舗の運営効率を高め「24時間365日の営業を続けていく」と話した。

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セブン、シェア自転車1000店で5000台、店舗網を活用

2017/11/21 2:30 朝刊 [日経]

セブン―イレブン・ジャパンは自社のコンビニエンスストアを自転車のシェアサービス拠点として活用、全国展開する。ソフトバンクと今月から開始し、2018年度末までに千店に5千台配置する。同サービスは中国勢が先行するが、セブンの立地のよさを生かして巻き返す。ニーズに応じて拠点の増設も検討、シェア自転車(総合2面きょうのことば)の普及が国内で一気に進みそうだ。
ソフトバンクと、その子会社のオープンストリート(東京・港)が共同で手掛けるシェア自転車サービス「ハローサイクリング」と連携する。利用者は会員登録をして、スマートフォン(スマホ)などから利用したい場所に近いコンビニを検索して予約する。
料金は地域や利用時間によって異なるが、15分60円が中心となる。登録したクレジットカードで決済し、店頭での支払いは不要だ。自転車は借りた場所と違う拠点に返却できる。さいたま市内の9店で始め、18年春をめどに川崎市と横浜市に展開。18年度末までに全国千店に設置する。

セブンは現在、NTTドコモ傘下のドコモ・バイクシェア(東京・港)と組んで都内など32店でシェア自転車を約150台設置している。ソフトバンクとの連携後もドコモのサービスは続ける。
自転車のシェアサービスは摩拝単車(モバイク)やofo(オッフォ)など中国勢が市場開拓を主導している。中国では2社で1500万台近くの自転車を扱っているほか、東南アジアや欧州にも相次ぎ進出している。
日本ではモバイクが8月に札幌市でサービスを始めた。自転車のQRコードを読み込んで解錠し契約するコンビニなどに止められる。モバイクと競うオッフォも日本進出を決めた。

セブンは全国に約2万店ものコンビニを抱える。ソフトバンクやドコモのサービスに、コンビニの立地の良さを組み合わせて利用客を取り込む。市場の伸びを見越して、フリーマーケットアプリ大手のメルカリ(東京・港)も18年初めにも参入する計画で、日本でも自転車のシェアサービスが本格的に普及するきっかけになりそうだ。
自転車シェアの拠点が増えれば、駅前などの放置自転車の減少にもつながる効果も期待できる。放置自転車の増加に悩む自治体などとも連携し拠点を拡大する考えだ。

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コンビニでネパール人のバイトが急増しているのはなぜか

そろそろ日本が本気で議論すべきこと   磯山 友幸 

急激な人手不足

コンビニエンスストア各社が加盟する業界団体「日本フランチャイズチェーン協会」が、外国人技能実習制度の対象として「コンビニの運営業務」を加えるよう、国に申し入れを行うという。日本で経験を積んだ実習生に母国に帰ってコンビニ展開を担ってもらうというのが「建前」だが、深刻化するコンビニでの人手不足を解消しようというのが「本音」であることは誰でも想像がつく話だ。最近、都市部のコンビニに外国人店員がどんどん増えているなと感じている読者も多いだろう。彼らの多くは「留学生」という資格で日本にやってきて、勉学の「余暇」に働いている「建前」になっている。セブン・イレブン、ローソン、ファミリーマートの大手3社だけでも4万人を超える外国人が働いているとされ、すでに全店員の約5%に上っているという。

留学生が働くのは「資格外」という扱いで、週に28時間までなら働くことができる。コンビニや居酒屋は、彼らにとって最も簡単に見つかるアルバイト先だったが、最近はなかなかコンビニで働きたがる留学生が減っている。人手不足が深刻化する中で、もっと割のよい仕事がいくらでも見つかるようになったからだ。ひと頃多かった中国人の大学留学生などはコンビニや居酒屋を敬遠し、留学生と言いながら、本音では「出稼ぎ」に来ているベトナム人やネパール人の留学生が増えている。

コンビニでバイトする日本人学生も急速に減っており、コンビニは人手を確保するのに四苦八苦している。
本来ならば、きちんと外国人労働者を雇いたいところだが、安倍晋三首相は「いわゆる移民政策は取らない」というのが基本方針で、政府も「単純労働」とみなされる分野には、外国人は受け入れない姿勢を崩さずにいる。

技能実習生という「奴隷労働」

そこで「活用」されているのが「技能実習生」制度。建設や縫製、農業など77の職種について、一定期間、日本国内で働くことを認めている。ただし、建設技術者の実習生として日本に来た場合、他の業種などに移ることは許されない。しかも、実習なので、寮費や食費などが引かれ、最低賃金以下で働いているのが実態。技能実習生の集団脱走などが相次いだのは、逃げて、より稼げるところへ移るのが目的だ。何せ、斡旋業者などに渡航資金を前借りしてきているケースも少なくなく、いわば「奴隷状態」で働いている実習生も少なくない。
そんな世界的にも評判がよくない技能実習制度にコンビニ業界が手を挙げるのは、他に外国人を安定的に雇う方法がないからだ。「単純労働」とされるサービス産業の現場には、もはや日本人の若者は就職したがらず、慢性的な人手不足が続いている。にもかかわらず、外国人は「高度人材」しか受け入れない建前になっているため、正規に雇うことができない。さらに留学生もなかなか雇えないとなると、安定的に外国人を雇えるのは「技能実習」しかない、というのが今の日本の現状なのだ。

学生アルバイトの時給は毎年最低賃金が引き上げられていることもあり、年々人件費が上がっている。東京都の最低賃金は2017年の10月から時給で958円に引き上げられた。留学生といえども、最低賃金以下で雇うのはもちろん違法だ。一方で、技能実習生となれば、労働時間も長くできるうえ、場合によっては実質的に最低賃金以下で働かせることもできる。コンビニの場合、コストよりも人手の確保が喫緊の課題になっているが、農業や工場の現場では「低コスト」の働き手として使われているケースが少なくない。

自らの首を絞める結果に

現在、「単純作業」と言われてきた現場を抱える様々な業種から、外国人労働者を受け入れたいという声が挙がっている。ところが政府の方針は一向に変わらない。ここへきて打ち出されている方針は、あくまで「技能実習」という便法を拡大することだ。政府は2017年11月1日から、「介護」職を技能実習の対象に加えた。介護業界は慢性的な人手不足に悩んでおり、外国人を正規の労働者として受け入れる必要性などが叫ばれてきたが、結局、「技能実習」の対象とすることでお茶を濁した。介護職は団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、需要が253万人に達するとする試算もある一方で、供給は215万人と見込まれており、38万人が不足するとされている。技能実習制度でやってくる外国人は、3年の満期が来れば本国に帰るのが建前だ。深刻な人手不足で更新も可能な制度が導入されたが、働く側からみれば、将来にわたってずっと日本に住めるわけではない。短期的な労働力不足を賄うための便利な存在としてしか扱われないわけだ。
だが、母国であるアジア諸国も急速に経済発展する中で、いつまでも日本に働きにやってくる外国人を確保し続けられる保証はない。技能実習の対象職種を広げれば問題が解決出来る、という話ではなくなっている。

長期にわたって日本に住むことができず、短期的な「出稼ぎ」となれば、優秀な外国人人材がやって来なくなる、という問題もある。質の高くない外国人が増えれば、それこそ犯罪が増えたり、様々な社会問題が発生することにつながりかねないのだ。そろそろ本気で外国人労働者の受け入れ体制を真正面から議論すべき時だろう。政府の腰が重いのは、外国人受け入れに強く反対する勢力に、過度に反応しているためだが、実習生などを便法として使うことで、なし崩し的に質の高くない外国人がどんどん国内に入って来れば、むしろ問題を引き起こすことになりかねない。正規で労働者として受け入れる一方で、その資格をきちんと決め、質の悪い外国人は排除することこそ、国の治安を守ることになるのではないか。

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セブン、深刻な客数減サイクル突入…ファミマ、経営統合失敗で客数減地獄

コンビニエンスストアの成長を支えてきたのは、絶え間ない機能やサービスの追加だった。公共料金の収納代行やATM(現金自動預け払い機)設置など、コンビニは新たな魅力を付加し、境界線にある市場や企業を侵食して、利用者を広げた。だが、ここ2年、来客数は伸び悩んでいる。集客力を高めるために、新しい「ネタ」を付け加える必要に迫られている。セブン-イレブン・ジャパンはソフトバンクと組み、コンビニの店舗をシェア自転車の貸し出しや返却の拠点にする。2018年度末までに首都圏や地方都市の1000店で5000台を設置する計画だ。

 ファミリーマートは、コインランドリー事業に参入する。駐車場がある店舗を中心に、コインランドリー併設店舗を19年度末までに500店展開する。両社の背中を押したのは、上述したように来店客数の低迷だ。日本フランチャイズチェーン協会が発表した10月のコンビニの既存店売上高(速報値)は、前年同月比1.8%減でマイナスは5カ月連続。来店客数は4.9%減で20カ月続けて前年同月を下回った。

 業界関係者に衝撃を与えたのは、コンビニの王者・セブンの減収だろう。セブンの10月の既存店売上高は前年同月比で0.5%の減収となった。12年7月以来、63カ月ぶりに前年実績を下回り、客数も4.5%減少した。大型台風や長雨の影響で客足が鈍った。だが、実は天候不順だけではない。セブンの変調は夏から起きていた。客数は7月に前年同月比で1.2%減に転じた後、8月1.6%減、9月1.2%減となっており、10月で4カ月連続の前年実績割れとなった。

「コンビニ事業でシェア50%に向けて邁進する」

 セブンの親会社、セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は、今年4月の17年2月期の決算発表の席上で、こう宣言した。17年2月期のセブンの業界シェアは42.7%。今後、さらに7ポイント強高めて過半のシェアを握るという。日販(1店舗当たりの1日の売上高)の圧倒的な強さが、その自信を裏打ちした。17年2月期のセブンの日販は65.7万円で、ローソンの54.0万円、ファミマの52.2万円に、10万円以上の大差をつけている。ファミマに看板を掛け替える前のサークルK・サンクスに至っては42.5万円にとどまり、まったく勝負にならない。

 シェア50%を高らかに宣言したセブンの既存店売上高が前年割れとなり、来店客数は4カ月連続でマイナスになった。この事実がコンビニ業界に衝撃をもたらしたのだ。他のコンビニ大手の落ち込みは、もっと激しい。ローソンの10月の既存店売上高は4.0%減、客数は5.0%減った。客数の前年実績割れは7月以降4カ月連続だ。ファミマの既存店売上は1.2%減、客数は4.8%減。17年3月以降、既存店売上高は5月を除いて毎月、前年割れ。客数は4月以降、7カ月連続で減っている。憺たる成績なのがサークルK・サンクスだ。既存店売り上げと客数の減少は8カ月連続。その結果、10月のチェーン全店の売上高は前年同月比58.6%減。前年より半減どころではない。穴が空いたバケツから水がこぼれ落ちるような惨状を呈している。ファミマがサークルK・サンクスとの統合を決断したことは、結果的に大失敗だったといわざるを得ない。※注 スーパーとドラッグストアの年商は年度。コンビニと百貨店は年(暦年)

コンビニが誕生して40年余。「コンビニ5万店飽和説」が唱えられてきたが、5万店を突破しても右肩上がりの成長を遂げてきた。16年(暦年)の売上高は10.5兆円(日本フランチャイズチェーン協会調べ)。16年度のスーパーマーケットの売上高は12.9兆円(日本チェーンストア協会調べ)。スーパー業界の年商に迫り、小売業首位の座が射程距離に入っていた。ところが、客足が遠ざかるという、思わぬ壁にぶち当たった。コンビニは、初めて“冬の時代”を迎えることになったのである。

ドラッグストアがコンビニを侵食

 スーパーとコンビニが停滞を強めるなか、ドラッグストア業界は毎年、成長を続けている。16年度の売上高は前年度比5.9%増の6.4兆円(日本チェーンドラッグストア協会調べ)。08年以来、8年ぶりに伸び率が5%を超えた。調剤事業が堅調だったほか、インバウンド(訪日外国人)向けの売り上げが伸びた。すでに百貨店の16年(暦年)の売上高5.9兆円(日本百貨店協会調べ)を上回っている。ドラッグストアはスーパーやコンビニに対抗できる規模に成長してきた。

 ドラッグストアは医薬品や化粧品、健康食品など生活や健康にかかわる商品を幅広くラインアップしている。粗利の高い大衆薬(市販の医薬品)をテコに、化粧品、日用品、食料品などを低価格で販売することでスーパーやコンビニから顧客を奪い取っている。北海道からM&A(合併・買収)で規模を拡大してきたツルハホールディングスは、17年9月に静岡の杏林堂薬局を子会社にしたことで、18年にはドラックストア業界の首位に躍り出る見込みだ。ツルハの躍進の原動力は、食品事業を強化したことにある。17年5月期の食品・健康食品の売上高は全社売り上げの20.4%と2割を超えた。今後、さらに食品の比率が高まる。
 異色なのが業界5位のコスモス薬品だ。同社は九州を中心に、西日本で展開している。調剤は行わず、食料品など生活必需品の安売りで業績を伸ばしている。17年5月期には食品が全社売り上げの55.6%を占めた。従来のドラッグストアのイメージではない。コスモス薬品は自らを「ディスカウントドラッグ」と称している。

 地方のドラッグストアは、なんでも揃う。風邪薬などの医薬品や化粧品だけでなく、日用品、野菜から加工食品、菓子、飲料水、酒類まで販売する。かつて食品スーパーが果たした役割を、ドラッグストアが取って代わった。食品はスーパーとコンビニの本丸商品だったが、その領域にドラッグストアが殴り込んできた。コンビニのひとり勝ちだった小売業界にドラッグストアが挑戦者として登場してきたのだ。
(文=編集部)

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ツルハホールディングス ローソンとの融合店、拡大

2017/12/19 2:30 朝刊 [日経]

■ツルハホールディングス ドラッグストアとローソンのコンビニエンスストアの融合店舗「ローソンツルハドラッグ」を2~3年後に関東圏で100店規模にする。ローソンとフランチャイズチェーン(FC)契約を結んで仙台市と東京・杉並に出店している店舗で黒字化のメドが立ったため。

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コンビニ売上高0.3%減 11月、既存店

2017/12/21 2:30 朝刊 [有料会員限定]

日本フランチャイズチェーン協会が20日発表した11月の全国コンビニエンスストア売上高は既存店ベースで前年同月比0.3%減の7569億円だった。前年実績を下回るのは6カ月連続。ドラッグストアなど他業態との競争が激化し、来店客数が減少している。

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ローソン、スマホでセルフ会計

一部店舗に来年中にも 2017/12/25 2:30 朝刊 [日経]

ローソンは早ければ2018年中にも利用客がスマートフォン(スマホ)で商品のバーコードを読み取り決済する仕組みを一部店舗で導入する。レジの混雑を嫌う利用客の利便性を高め、店員の作業負担も減らす。スマホ用アプリの開発などで18年度のIT(情報技術)投資は17年度比で約2割増やす。
竹増貞信社長が日本経済新聞社の取材に対し、明らかにした。ローソンは18年春に都内の数店舗で深夜早朝のレジを無人にする実験を始める。実験店では深夜帯はスマホを使った利用客のセルフ会計をメインとする。
実験終了後には一部店舗で終日、通常のレジに加え、スマホを使ったセルフ会計もできるようにする考え。導入の時期や店舗数は今後詰める。
竹増社長は「レジに並ばずにすませたいというニーズにもこたえたい」と話した。人手不足や人件費の上昇が続くなか、「18年度はデジタル元年にする」としてIT投資を2割程度増やす。スマホによるセルフ会計などITを活用して店舗の運営効率を高め「24時間365日の営業を続けていく」と話した。

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コンビニ、成長の限界」の限界論

編集委員 田中陽 2017/12/15 6:30 [日経]

コンビニエンスストアは「スペース産業」と言われることがある。狭い店舗スペース。そこにある狭い陳列棚。そこを目掛けてメーカーが自社製品を並べてもらおうと陳列棚の争奪戦を繰り広げる。並べてもらうことができても売れ行きがかんばしくないと、コンビニはすぐに別の商品と入れ替えてしまう。その繰り返しだ。

駐車場や店の2階もスペースに

セブン―イレブン・ジャパンは1000店にシェア自転車サービスを広げる(さいたま市岩槻区)
最近はそのスペースが店を飛び出して駐車場や店舗の上にまで広がってきている。ファミリーマートが駐車場の一角にコインランドリーを、店舗2階部分にはフィットネスクラブを設けるという。セブン―イレブン・ジャパンはソフトバンクグループと組んで自転車のシェアリングサービスを開始した。

こうした新しい取り組みについて指摘されるのはコンビニの成長の限界だ。日本フランチャイズチェーン協会が毎月発表するコンビニの販売統計で10月まで既存店舗の来店客数が20カ月連続でマイナスを記録したことや、セブンイレブンの既存店舗の売上高の前年実績プラスの記録が10月に62カ月連続でストップしたことなどが背景にある。ファミリーマートの沢田貴司社長が日経ビジネスのインタビューで「コンビニは飽和」と発言したことから業界の内外で「成長の限界」がささやかれることとなった。そんなタイミングでファミマのコインランドリーやセブンの自転車のシェアリングサービスの新事業が発表になったため、新事業が集客のテコ入れ手段としての位置づけで報じられた。
コンビニの総店舗数は約5万5000店、売上高は年間10兆円超。巨大なスペース産業に飽和、限界が迫っているのだろうか。

1990年代前半と2004年前後にも話題に

実はコンビニ業界では「成長の限界」が話題となるのは今回が初めてではない。1990年代前半にコンビニ全体の店舗数と売上高の伸びが鈍化したときにも話題となった。そして2004年ころもやはり成長に疑問符がついた。このときはローソン社長だった新浪剛史氏が飽和論をリードした。しかし、そんな指摘を撥(は)ねのけてコンビニは成長し続けた。理由は簡単だ。既存の小売業やサービス業から市場を取り込むだけでなく、おにぎりのように家庭で作っていたものまで商品にしてしまう力だ。コンビニは何でものみ込む力がある。
酒類や医薬品の販売は規制緩和によって、コンビニの店頭に並べることができた。一方、たばこのように自販機の成人識別カード「タスポ」導入の規制強化でコンビニでたばこを買う成人が急増した。
最近ではオフィス街に積極出店。多くの会社にあった売店の市場を、100円の淹(い)れたてコーヒーはファストフードや喫茶店から顧客を奪った。急激に品ぞろえを強化している冷凍食品はスーパーの顧客をとるためだ。コンビニATMの登場は銀行に行く頻度を減らした。事ほどさようにコンビニはなんでものみ込んでしまう。

そして、「もうおなかいっぱい」なんて言わせない。行政サービスすら代行する。神奈川県小田原市役所はこのほど市内にある各種証明書の交付などを行う16カ所の住民窓口を5カ所にする方針を明らかにした。マイナンバーカードを使ってコンビニの端末で処理できるからだ。
店舗数の多さと精緻な情報システムが新たなイノベーションを繰り返し、生活者にとって身近で便利な存在となり続けている。

ネット事業の取り込みには苦労

セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートが並ぶ交差点(千葉県浦安市)
とはいうものの、さすがのコンビニもネット事業を取り込むことには苦労している。セブン&アイ・ホールディングスが掲げたネットとリアルの融合を目指したオムニチャネル戦略は修正を余儀なくされた。ファミマやローソンはネット事業について頭の体操をしてはいるが、明確な指針を打ち出してはいない。
コンビニが現在扱っている商品やサービスはすんなりと店頭でデビューして順風満帆に売り上げと利益をたたき出したものは少数だ。その多くが失敗を繰り返しながら今の人気商品へとなっている。100円コーヒーは30年以上前のコンビニ草創期に登場したが、いつのまにか消えた。淹れたてのコーヒーは何度かチャレンジしてようやく現在の形にたどり着いた。成功するまでにやり抜くから成功という称号を得るのだ。

「成長の限界」といってしまえばそこで思考が停止をしてしまい、コンビニに求められる商品やサービスとは何かという本質にはたどり着けない。コンビニに限界論はない。スペースは無限と考えるべきだ。

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ファミマATM ゆうちょ手数料、来月15日無料に

2017/12/26 2:30 朝刊 [日経]

ファミリーマートは25日、2018年1月15日から、ゆうちょ銀行の顧客がファミマのATMを利用する際の手数料を無料にすると発表した。ゆうちょ銀が自行以外のATMで手数料を無料にするのは初めて。ゆうちょ銀の顧客には高齢者や地方在住者が多く、ファミマはATMを利用しやすくすることで店舗の集客力を高める。
ファミマが1割弱を出資し、ファミマのATMなどを運営するイーネット(東京・中央)がゆうちょ銀と業務提携した。
預け入れや払い戻しが無料となるのは平日の午前8時45分~午後6時までと、土曜日の午前9時~午後2時まで。その他の時間帯や日祝日の手数料は216円。

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コンビニの支払いでバレる「人としての器量」 イヤホンしたサラリーマンは最悪

お客は「いい人、悪い人、普通の人」の3種類

先日、神奈川県厚木市のコンビニでアルバイトの男性店員が客の様子を写真に撮り「帰れ、デブ!」「死ね」などのコメントを添え、SNSに投稿して問題になった。客の免許証までアップしたとも報じられた。
「トンデモない、許しがたい!!」電話で取材した40代の男性が激しい憤りをぶちまけた。彼はコンビニを数店舗経営している。
「お前のところも大丈夫か? みたいに思われたら売り上げだって、バイト募集にだって影響が出かねない!」
話すうちに怒りが収まったのか、こんな「本音」も漏らすのだった。「バカすぎて話にならないが、犯行理由を聞かれ『接客のストレスがたまっていた』と答えたというその言葉は、ちょっとだけわからないでもない……」

オーナーではあるが、彼は各店舗を回り、バイトたちと一緒にレジ打ちも行い、時間があれば、店員の声に耳を傾けるよう努めているという。彼の話によれば、自身の体験を含め、コンビニのレジで接客する人間のストレスは想像をはるかに上回るものだった。
「あくまでも私と、うちの店で働く者の感想ですよ。3台あるレジで働く我々は、1日1人当たり200人前後のお客様とやりとりします。ファミレス、居酒屋、美容室など、数ある接客業でもこれだけ大人数を、次々お相手する商売はあまりないんじゃないか。老若男女、客層も様々。正直に言うと、お客さんには、いい人、悪い人、普通の人の3種類いるんです」
1980年代を代表する、萩本欽一さんのテレビ番組名『欽ドン!良い子悪い子普通の子』のようだ。声を出してくれるのが店員にはうれしい。
「いい人の代表は、いわゆる<ガテン系>の皆さんです。

こわもてな感じがするかもしれませんが、作業着で来店した方で、嫌な思いをしたことは一度もない。うちのバイトの子たちもほぼ例外なくうなずきます」
店の近所で作業する人たちは、お昼に、そして仕事終わりにと、工事期間中、何度かやって来る。そのこと自体もありがたいはずだが、何よりうれしいのが彼らの「フレンドリーさ」なのだそうだ。
「声を出してくれるっていうのがうれしいですね。<店のなかはポカポカしてていいねえ><このジュースうまい?><へえ、よかった><細かいお金で払っちゃっていい?><ありがとね~>。レジでのわずか数十秒間のやりとりで、こちらの緊張がすっかりほぐれる。新人なんかは特にそうですよ」「日没が近づくと作業が終わるでしょ? この時期だと4時すぎです。朝が早いみなさんの帰宅時間で、中にはビールを買ってくださる方もいる。そういう時も<こんな時間から飲んじゃって、ごめんね~>なんて笑顔で話しかけてくれる。<とんでもないです、お疲れさまでした! ありがとうございます!>とお声をかけると、<ありがとさん~>と帰っていく。時間に追われる我々にとってホッとできる瞬間ですね」
私「作業員の方の声かけは、ナンパ目的なんじゃないんですか?」経営者はきっぱり否定した。
経営者「レジ係が女性であろうと男性であろうと私であろうと関係なく、ごく自然にあったかく一言、言葉かけしてくれます」
私「現場の安全確認で、声を掛け合う習慣があるから?」 経営者「うーん、いい汗かいてるからかもしれませんが……」
原因はいまだ明らかになっていないようだが「いいお客さんナンバーワン」が「ガテン系」であることに間違いはない!と彼は力説する。

「悪い人」の代表は、ダークスーツ系の中堅サラリーマン 

私「じゃあ、悪い人は?」
経営者「決めつけるわけじゃないですが、大ざっぱに言うとですよ。おおむね、ネクタイを締めた、ダークスーツ系の中堅サラリーマン、ですねえ。例外は、いっぱいあります、ありますよ。でもね、苦手だなあと感じる人の大半が、ネクタイでダークスーツの中堅サラリーマンだとは言えます」    
私「例えば?」
経営者「声を全く出さない。イヤホン、ヘッドホンも多いですね。いらっしゃいませ、とかありがとうございますとかお声がけすると、視線を下から上にスッと動かすだけ。それだけならいいんですがね」
私「何か不都合が?」
経営者「例えば最近は電子マネーで支払う方がいるでしょう? あれ厳密に言うと、スイカなんかの交通系とワオンみたいな流通系だと決済が違うんです。<スイカですか?>とか尋ねても無視。分厚い財布を、ドカンと、レジの読み取り版に無言で押し付ける。たまにうまく作動しないこともあるんです。その時<チェッ>と、舌打ちするんです。これが続くと我々でもめげますねえ」
私「でも声を上げて、クレームつけられるわけじゃないから受忍限度じゃない?」
経営者「いきなり声を上げる方もいるんです。例えば、お釣りとともにレシートを渡す、これが原則。<お釣りとレシートです!>と言うんですが、無言で手や眉の動きで<要らない>を表現する人が多い。レジのベテランになると、そういう<ちょっとしたしぐさ>で<要る・要らない>の判断がつくようになるんですが、ごくたまにミスを犯すと、えらいことになる……」

ちょっとしたことでキレる客

事故の起きる様子はこんな感じだという。
レジ係「お釣りが~でございます、ありがとうございます!」
客「レシート?!」
レジ係「あ、失礼いたしました、申し訳ございません!!」
平謝りでお渡しすると、なんと客が目の前でそのレシートをひねり潰して放り投げ、声を荒らげたのだそうだ。
客「要る要らないは、お前が決めるんじゃない! 判断するのは俺だあ!!」
「キレる客」は珍しくないらしい。
コンビニでは切手も扱っている。82円1枚だけだって大事なお客様だから丁重に接客する。
「ここに、貼ってくんない?」と言われればスポンジで指を濡らしてお貼りする。キチンと貼ったから喜んでもらえると思ったら、激怒された!
「おい、ちょっと傾いてないか? ほら! こんなんじゃ大事な取引先に出せないんだよ。貼り直せ!!! 俺は、お前たちのそういういいかげんな態度が許せないんだよ!!!!」改めて断っておくが、「キレるみなさん」は見た目も普通。キチンとネクタイを締めた30代から40代の、中堅サラリーマン、なのだそうだ。

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