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セブン、ファミマ、ローソンの決算から コンビニ業界の「地殻変動」を分析!

ダイヤモンド・オンライン 国中信

経済や経営のプロも愛読し参考にしている刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』の連載に「株式市場における今後の勝ち組・負け組」があります。決算内容や指標など数字だけの比較ではなく、業界の動向や成長性、経営者の手腕なども含めた分析が面白いと人気です。コンビニ業界は連載の定番ですが、最近大手3社の経営体制が変わり、各社の戦略に違いが出てきました。
消費関連「勝ち組」業界を見ると
日本の消費活動の先行きが見える
 コンビニは消費関連では数少ない勝ち組ですが、この業界で成長が止まると日本の消費活動はますます低迷していることになり目が離せません。最近大手3社の経営体制が変わり各社の戦略に違いが出てきました。
 本紙が最も重視している「JFAコンビンニエンスストア統計調査月報」によると、2017年に入ってコンビニの既存店売上高はほとんど増えていないことがわかります。大手3社ともまだハイペースの出店が続いていますが、既存店売上高がいよいよ減少に転じると店舗戦略の見直しが必要になってきます。
 国内コンビニ市場が飽和状態とすると他業態からシェアを奪わなければなりませんが、最近ではドラッグストアや食品スーパーから逆に削られているのが実情です。業務の多様化や人手不足からサービスの低下も目立ち、今後の戦略次第で各社の業績格差は拡大していくと見られます。
2017年3-5月期決算から分析する
コンビニ大手各社のいまとこれから

セブン・イレブン

 セブン・イレブンは、売上に相当する営業収益が2280億円(前年同期比4.2%増)、営業利益が594億円(同2.3%増)、国内店舗が19579店舗(前期末比157店舗増)で、国内既存店売上は58か月連続で増加しています。
 海外は北米で8705店舗を展開する7-Eleven,Inc.の事業ですが、営業収益が4599億円(前年同期比25%増)、営業利益は70億円(同31%減)となっています。7-Elevenの収益にはタイ、韓国、台湾、中国、マレーシアなどで現地資本が経営する約2万店舗のライセンス収入が計上されているはずで、セブン・イレブンといえども海外コンビニ事業はそれほど高収益とは言えないようです。

ファミリーマート

 昨年9月に経営統合したユニー・ファミリーマートHDは、国内店舗が18038店舗、台湾、タイ、中国、ベトナムなど海外は6486店舗の合計数字しか発表していませんが、営業収益が1431億円(単純に合併効果で前年同期比39%増)、純利益は34億円(合併効果を入れても同1%減)となっています。サークルKサンクスとの店舗統廃合費用が収益を圧迫しているとはいえ、セブン・イレブンと比べ収益が決定的に見劣りします。
主要株主の伊藤忠商事が、タイCPグループ(タイでセブン・イレブンを9000店舗も展開している)と共同出資する中国中信集団(CITIC)を利用して中国にファミリーマートの大量出店を計画しているとも言われますが、CPグループが乗り気でないようで簡単にはいきそうにありません。

ローソン

 ローソンは、営業総収入が1083億円(前年同期比5%増)、営業利益が130億円(同9%減)となっています。国内ではスリー・エフやポプラといった中小コンビニとの共同店舗、ナチュラルローソンやローソンストア100などやや業態の違う店舗も含めて13190店(前期末比79店舗増)です。見劣りする店舗数をカバーするために、調剤薬局やドラッグストアを併設した店舗も開発するなど「それなりに」工夫はしています。
 海外は中国を中心に現地資本が経営する1249店舗ですが、これもセブン・イレブンとファミリーマートと比較すると、さらに見劣りがします。しかし、中国に大きなビジネス地盤を確立している親会社・三菱商事が協力し、これから大々的に店舗網を拡大する計画を打ち出しています。

国内は飽和状態で大手寡占が進行中 もはや急成長業界ではなくなった

 コンビニ大手3社の株価を見てみましょう(7月28日現在。ただし、セブン・イレブンとファミリーマートはグループ内に総合スーパーなどがあり、コンビニ事業単体での株価ではありません)。
セブン&アイHD(3382)
株価4490円 時価総額3兆9800億円 PER22倍、PBR1.7倍 配当利回り2.0%
ユニー・ファミリーマートHD(8028)
株価が6250円 時価総額7920億円 PER33倍、PBR1.5倍 配当利回り1.79%
ローソン(2651)
株価が7490円 時価総額7412億円 PER22倍、PBR2.8倍 配当利回り3.4%(高い!)
 セブン・イレブンの収益力はやはり強く、それに規模で追ろうというファミリーマート、規模と収益のバランスを取ろうとしているのがローソンです。もともとコンビニは大店法の規制対策で「小規模店をたくさん作れば大規模店に負けない規模になる」という発想で生まれ、小規模店をフランチャイズで取り込みながら成長してきました。
 どの業界もほぼ同じですが、市場が成長→成熟していく過程でプレイヤーは大手3社程度に集約されていきます。そういう意味ではコンビニも普通の業界(高成長業界ではなくなったという意味)になっているのかもしれません。

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セブン、店内ひろびろ 面積3割増の新型店

2017/7/28 2:30 朝刊 [有料会員限定]

 セブン―イレブン・ジャパンは28日、同社の標準的なコンビニエンスストアに比べて面積を3割強広げた新型店を開く。商品も冷凍食品や日用品を増やし、標準店より1割強多い約3300品目を並べる。立地に余裕のある郊外で出店・改装する際のモデル店舗として位置付け、今後同様の形式の店舗を増やして幅広い客層を取り込む。
商品棚を低くし見通しを良くしたほか、トイレットペーパーなどの日用品も充実させた(27日のプレオープン)
 28日に東京都町田市に新設する「セブンイレブン町田小山町店」は店舗面積が約272平方メートル。入り口を店の正面に置き、店に入ると正面奥にあるレジカウンターから店員があいさつで出迎える。商品棚の高さを1メートル35センチと従来より約1割低くして店内を見渡しやすくし、通路幅も1~2割広げ歩き回りやすくした。

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コンビニオーナーが労働法学ぶ 雇用トラブル未然防止

8月4日 17時50分 NHKニュース

24時間営業が多いコンビニで働く人たちと店との間の勤務や賃金をめぐるトラブルを未然に防ごうと、最大手のセブンーイレブン・ジャパンが店舗のオーナーに労働関係の法律への知識を深めてもらう研修会を開きました。
この研修会は、セブンーイレブン・ジャパンが今年度から全国35の都府県で始めたもので、4日、東京・世田谷区の会場で区内にある50余りの店舗のオーナーが参加しました。
労働問題への関心が高まる中、小売業や飲食業などでは従業員と店舗の経営側との間で賃金の支払いやアルバイトの勤務パターンをめぐるトラブルが起き、その内容をインターネットに書き込まれて店舗が批判にさらされるケースも相次いでいます。
こうした事態を未然に防ごうと、研修会では東京労働局の職員が講師になって、従業員を採用する際には労働条件を紙で示さなければならないことや、労働時間を適正に把握することなど労働基準法などを基礎から紹介していました。
参加したオーナーの男性は「大変勉強になった。人手不足で労働時間の管理など難しい面もあるが、従業員が働きやすい環境を作っていきたい」と話していました。

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コンビニから見た景気 プラスαで消費者拡大

ユニー・ファミリーマートホールディングス社長 高柳浩二氏
2017/8/7 2:30 朝刊 [日経]

 コンビニエンスストアは消費の拠点として進化を続けている。コンビニで消費はどうなっているのか。ユニー・ファミリーマートホールディングスの高柳浩二社長に聞いた。
値下げで上向く

――足元の販売動向はいかがですか。

 「ファミマの3~5月期の来店客数は前年同期比で微減で、客単価は微増だった。その結果、1日当たりの売上高はやや前年同期を上回った」
 「世の中は給与が増えているし、雇用情勢もいい。家電などの耐久消費財やサービス消費は比較的いいように思う。だが我々が扱っているような日用品はなかなか厳しい」

――原因は何でしょう。

 「5月半ばに日用品を中心にして25品目を5%程度値下げしたところ、販売が上向いた。これが答えだろう。この分野はディスカウントストアなどと激しく競合している」
 「給料は確かに増えているが、一方で社会保障など将来への不安が大きい。貯蓄に回すか、どこかで出費を抑える必要が出てくる。そこで我々の扱う日用品は消費者が安いものを求める対象になりやすい」
 「ここ2、3年こういう傾向が強まっている。グループのスーパーでは食品はまだよかったが、最近はそこも厳しくなっている。消費者が価格に敏感な状況はしばらく続くだろう」

PB商品は健闘

――コンビニの商品が全体に厳しいのですか。

 「どの店でも売っているナショナルブランド(NB)は差を出すのが難しく、価格競争にさらされる。これに対し、自社しか扱っていないプライベートブランド(PB)はいい商品を出せばそれなりに買ってもらうことができる」
 「独自商品のサンドイッチには値段が300円台後半とやや高いものもあり、これが伸びている。こうした商品のおかげでなんとか1日当たりの売上高が微増になった。NBとPBでうまくバランスをとってやっていくしかない」
 「インターネット通販や音楽配信向けのプリペイドカードは、売り上げが2桁のペースで増え、売り上げ全体に占める比率も高まっている。スマートフォンが普及したことで消費が変わった代表例だろう」

――イートインスペースが増えていますね。

 「コンビニはもともとモノを売る場所だった。それがATMを置いて銀行の機能の一部を代替し、公共料金の支払いができるようになり、一部の店舗では印鑑証明なども出せるようになった。コンビニの機能はどんどん増えている」
 「イートインスペースは喫茶店の機能が加わったイメージだ。もともと家や事務所に持ち帰って食べることを想定していたが、コンビニを喫茶店や食堂代わりに使いたいという需要があった。年内に半数近くの店舗にスペースができる」

――客層の変化は。

 「女性と高齢者の利用がここ4、5年の間に増えている。特に地方のイートインスペースは高齢者がお茶や食べ物を買って集まる憩いの場になっている。家から近く、エアコンも利いていて、一つのコミュニティーになっている。まさにコンビニエントだ」

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セブンとトヨタ、燃料電池車の導入で合意 コンビニ物流に活用

2017/8/9 19:04 日経

 セブン―イレブン・ジャパンとトヨタ自動車は9日、燃料電池車(FCV)の導入で合意したと発表した。トヨタが専用車両を開発し、セブンがコンビニエンスストア店舗への商品の配送に活用する。2019年をメドに共同で実証実験を始める。FCVの普及を促進し、二酸化炭素(CO2)の排出削減につなげる。
 FCVはトヨタが日野自動車のトラックをベースに、セブンとの取り組みの専用車として開発・製造する。将来は商品として販売も検討する。導入台数や積載量、出力性能などの詳細は今後詰める。
 セブンは国内で約2万店のコンビニを展開。各地の配送センターから店舗に商品を運ぶトラックは約5800台ある。このうちハイブリッド車など環境配慮型の車両が15%を占める。20年までに20%に伸ばす計画だ。
 セブンは17年内をメドに三菱ふそうトラック・バスの電動トラックを25台導入する予定だが、トヨタのFCVも採用して車種を広げる。
 トヨタは14年に世界で初めて量産型FCV「ミライ」を市販。今年2月には東京都で初めてFCバスの販売を始めた。ただFCVに燃料を補給する水素ステーションは全国で約90カ所にとどまり、電気自動車(EV)に比べ普及が遅れている。
 セブンは水素ステーション併設型コンビニを3店舗展開し、20年をメドに10~20店舗に増やす計画も持つ。セブンとトヨタは今回の合意を通じ、FCVのインフラ整備にもつなげていく。

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セブン、60カ月連続増収
7月 中食充実、高齢者の来店増 人手不足など課題

2017/8/11 2:30 朝刊 [日経]

 セブン―イレブン・ジャパンは10日、国内既存店の売上高が7月まで60カ月連続で前年同月を上回ったと発表した。丸5年にわたり増収が続くのはセブンでは記録に残る限り初めてで、業界でも異例のことだ。いれたてコーヒーや弁当など「中食」の充実が集客につながった。ただ国内のコンビニ店舗数は飽和気味で、ネット通販などとの競争も厳しくなっている。
 7月の既存店売上高は前年同月比0.7%増。セブンが増収を続けた60カ月間、ファミリーマートは合計28回、ローソンは同33回前年実績を割り込んだ。「セブンは値引きで無理に売り上げを作っていない。商品など総合力が優れる」(ドイツ証券の風早隆弘氏)
 セブンは国内で約2万店の「セブンイレブン」を展開する。国内最多の店舗網を持つ販売力を背景に、メーカーと二人三脚で商品の競争力を磨いてきた。全国の専用工場で弁当やおにぎりなどの改良を重ね、グループ共通プライベートブランド(PB=自主企画)「セブンプレミアム」の売上高も1兆円を超える。
 足元では女性や高齢者の来店増加に対応し、冷凍食品や日用品を充実させた新しい店舗レイアウトの導入も進めている。2018年2月期中に新レイアウトの店舗を1900店にし、22年2月期には1万店に増やす計画だ。
7月の既存店売上高は0.7%増えた
 ただ、コンビニ業界全体では伸び悩んでいる。客数の減少が響き、既存店の売上高は一進一退だ。日本フランチャイズチェーン協会によると6月の全国のコンビニ既存店売上高は前年同月比0.1%減で4カ月ぶりのマイナス。客単価は27カ月連続でプラスだったが、来店客数は16カ月連続マイナスで減少傾向から抜け出せない。
 国内のコンビニ店舗数は6万店に迫り、飽和に近づいているとの見方もある。食品の取り扱いを増やし出店を広げるドラッグストアやネット通販など異業種と顧客争奪戦も激しさを増す。
 セブンにとっても店のオーナーや店員などの人手不足は課題だ。新規出店の足かせとなるだけでなく、既存の店舗網の維持も難しくなりかねない。セブンが今後も成長を持続するにはこうした課題への早急な対応が欠かせなくなっている。

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ローソンがレジ刷新、精算素早く

2017/8/10 2:30 朝刊 [日経]

 ローソンはコンビニエンスストアのレジを8年ぶりに刷新する。自動釣り銭機と一体化して速やかに精算できるようにするほか、英語や中国語にも対応して外国人店員が操作しやすくする。11月から順次導入し、2018年度中に約1万3千の全店に設置を終える。店舗業務の効率化を進めつつ、店員が簡単に操作できるようにすることで人手不足にも対応する。
 新型レジはボタンを無くし、すべてタッチパネルで操作する。タッチパネルだけのレジはコンビニ業界では初めてという。幅は現行レジより約3割短い29センチメートルで、狭い店でも設置しやすくカウンターを広く使えるようにした。
 自動釣り銭機を組み込み、店員が迷わず正確にお釣りを渡せるようにする。18年半ばからは英語や中国語でも操作できるようにする。レジと自動釣り銭機は11月からまず新設店舗に設置を始め、18年半ばから既存店のレジも置き換えていく。

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セブンイレブン 店員向け保育所 まず東京・広島

2017/8/11 2:30 朝刊 [日経]

 セブン―イレブン・ジャパンは10日、コンビニエンスストアの店舗で働く店員向けに保育所の設置を始めると発表した。まず9~10月にかけて都内と広島市内に2カ所設け、順次広げる方針だ。人手不足感が強まるなか、子育て世代の人が働きやすい環境を整えて店員の確保につなげる。
 「セブンなないろ保育園」の名称で、東京都大田区に定員30人、広島市に定員19人の保育所を設ける。いずれも既存の「セブンイレブン」店舗の2階で、平日の午前8時から午後8時まで0~2歳の子供を預かる。
 保育料金は検討中だが「地域の水準より安くする」(セブン)。店舗で働く店員だけでなく地域住民が利用できる枠も設ける。

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コンビニおでん」を毎年真夏に売り出すワケ じわり縮小するおでん市場、各社の工夫とは

2017年08月20日 又吉 龍吾 :東洋経済 記者
ファミリーマートは8月22日から、今シーズンのおでんの販売を始める(記者撮影)
「おでんや中華まんは、冷夏といえる今の状況が追い風になるだろう」。ファミリーマート商品本部の島田奈奈・ファストフーズ部長はそう語る。
8月に入り、コンビニエンスストア各社が今シーズンのおでんの本格展開を始めている。8月8日に販売を開始したローソンを皮切りに、15日にはセブン-イレブン・ジャパンが、22日にはファミリーマートがおでんを発売する。例年、コンビニでは真夏の8月におでんを売り始め、翌年春まで店頭のレジ横に並ぶ。
実は、コンビニのおでんが最も売れるのは9月~11月だ。”冬の定番”といえるおでんなら、最も寒くなる年末年始から2月ごろにかけて売れると思えるが、実際には秋口に販売のピークを迎える。

急に寒くなったら、おでんが売れる

ファミマなどコンビニ各社は、飽和気味のおでん市場でもオリジナルの新商品で勝負(記者撮影)
この時期は「少し肌寒くなった」などと感じる季節の変わり目だ。急な体感温度の変化によって、消費者の手がおでんに伸びるのだという。実際、こうした消費者動向を反映する形で、コンビニ各社は毎年8月には商品を投入し、9月以降はテレビCMを放映するなどの積極的な販促に打って出るケースが多い。
だが、近年はコンビニおでんの市場そのものが伸び悩む。ファミマの調査によれば、2016年度のコンビニおでんの市場は413億円と前年比で66億円減少。「お鍋と言っても、(キムチ鍋や豆乳鍋など)鍋の味の種類が増えたり、野菜を食べたいというニーズが増えてきているため」と島田部長は分析する。
そこでファミマは2つの挽回策を講じる。一つ目は、効果的な割引販促の実施だ。例年、コンビニ各社は「70円セール」と銘打ったおでんの割引セールを実施する(通常は100円前後)。ファミマの場合、昨年は年間で合わせて約10日間、70円セールなどの割引キャンペーンを行った。
これまでのセールは売れ行きの良くない時期に集中させ、年間を通して売り上げを平準化しようとしていた。だが、今年については「お客さんがコンビニおでんを食べたくなる、9月~11月の時期に安くする」(島田部長)という方針を掲げ、販売ピーク時に集中的に需要を喚起していく。
一方で販売が落ち込む冬場でも、積極的な新商品の投入で売り上げの減少に歯止めをかけたい考えだ。ファミマは9月以降、毎月3~4アイテムずつおでんの新商品を投入する。経営統合したサークルKサンクスの人気商品だった、こんにゃくや焼きちくわなどを串刺しにした「屋台風おでん」などで、新味を出す。セールだけに頼らないおでん戦略を描いている。
おでんに力を入れるのは、競合他社も同じだ。店舗数、日販(1日当たりの1店売上高)で業界トップに君臨するセブンは、定番商品の強化にこだわった。…
コンビニおでんの売れ筋トップ3は、大根や玉子、白滝だ。セブンは今年、「具材に味をしみさせる」点に主眼を置く。大根は「隠し包丁」の切り込みを昨年よりも深くすることで、中心部まで味をしみやすくした。
白滝にも一工夫を加える。スリット製法と呼ばれる複数本の白滝を1本にまとめる製法を進化させることで、白滝の表面積を増やした。白滝をつゆと絡みやすくして、味の向上を狙う。
ローソンは串のおでんにこだわる。9月から12月にかけて毎月1品ずつの新商品を投入する予定で、9月には鶏肉のつくねをブラックペッパーで味付けした「ブラックスパイス鶏つくね串」を販売する。昨年よりも串のサイズを短く変更したうえ、おでん容器も大きくすることで、串おでんを容器に入れやすくする。
ファミマの島田部長は、「先行販売を始めた一部店舗での売れ行きは好調だ。おでんの販売で前年比1割増を目指す」と意気込む。新商品や定番品の刷新で、消費者の支持をどこまで広げられるか。

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セコマ、ウエルシアにPB供給 北関東に新工場も

2017/8/22 2:30 朝刊 [有料会員限定]

 北海道地盤のコンビニエンスストア、セコマ(札幌市)はドラッグストア最大手、ウエルシアホールディングス(HD)にプライベートブランド(PB=自主企画)商品を供給する。まず24日から弁当や総菜を関東地方の114店に卸す。コンビニがグループ外の企業に弁当などの主力商材を供給するのは珍しい。
 セコマは「セイコーマート」を北海道に約1080店、関東に約100店を展開している。茨城県土浦市にある食品製造工場から、ウエルシアに弁当など13種類の食品PBを供給する。既存工場のライン増強に加え、北関東に新しい食品工場を建設する計画だ。

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ファミリーマート、自販機コンビニ1000台設置 オフィスなどに

2017/8/23 23:18 [日経]

ファミリーマートはおにぎりやパンなどコンビニエンスストアの商品を扱う自動販売機の設置を増やす。2019年2月末までにオフィスビルや学校などに約1000台を新設する。人手不足で売店を維持できない企業などから設置の要請が増えている。職場など特定場所の需要を取り込んで販売シェアを高める。
 ファミリーマートが運営する自販機は関東地区を中心に約2000台あり、今後は中部地区や関西でも設置を加速する。軽食や菓子など約60品目を扱う。商品は毎日配送し、飲料の自販機を手掛ける企業に運営を委託する。担い手不足によるオフィス内の売店からの切り替えのほか、情報管理のために部外者の入館を制限している企業などから引き合いが増えているという。
 国内のコンビニ店舗数は6万店に迫り、新たな出店余地が少なくなっている。オフィスや工場などに出店する場合は従業員2000人以上が目安となるが、自販機は運営コストを抑えられるため数百人規模の企業や施設でも採算が合うという。企業や公共施設の小口の需要を取り込む。

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なぜセブンイレブンは、コンビニ業界内で圧倒的にスゴいのか?完成された経営システム

構成=小野貴史/経済ジャーナリスト2017.08.25

「国内5万店限界説」が指摘されてきたコンビニ業界だが、店舗数が約5万8000店となった今でも、業界は成長し続けている。「コンビニ生みの親」といわれた鈴木敏文氏のセブン&アイ・ホールディングス会長電撃退任劇、ファミリーマートとサークルKサンクスの運営母体である旧ユニーグループ・ホールディングスとの経営統合、そしてそれによるローソンの業界3位転落など、ここ数年だけをみても激しく変化するコンビニ業界は、今後どこへ向かうのか。

『コンビニの傘はなぜ大きくなったのか ―コンビニファンタジスタ 知れば話したくなる、あなたの知らないコンビニ活用術26―』(著:渡辺広明/編集:森中航/good.book)
 今回は8月に出版された『コンビニの傘はなぜ大きくなったのか ―コンビニファンタジスタ 知れば話したくなる、あなたの知らないコンビニ活用術26―』(NextPublishing)の著者で、 ローソンのバイヤーとして約600品の商品開発に携わった経験を持つ流通アナリストの渡辺広明氏に話を聞いた。

セブンイレブンの看板イートインコーナー併設店セブンイレブンの強さの秘密コンビニのこれから

――セブンイレブンがインドネシアからの撤退を発表しました。酒類販売の禁止措置や日本本社との連携の支障などが撤退の背景と報道されています。地場のコンビニエンスストアがいくら台頭しても、現時点でセブンイレブンを撤退に追い込むほどの競争力があるとは思えません。真相はなんでしょうか。

渡辺広明氏(以下、渡辺) 現時点で真相はわかりません。酒類の売上構成比が大きかったのであれば、販売禁止は大きなダメージになります。それから、たぶんエリア本部となった現地企業の力が弱かったのではないでしょうか。自国の企業を育成するために外資を規制するケースは珍しくありません。小売業の場合、たとえば出店地の規制です。良い条件の立地への出店は自国の企業を優先させ、外資は収益性を期待できる立地に出店できないわけです。現地でトップランクの企業なら政府とのパイプが太いので、外資規制に対して特別な措置を受けられるでしょうが、そうでない企業は、外資規制で一気に追い込まれてしまいます。
 また、陣取り合戦でもあるコンビニで、インドネシア国内企業のアルファマートとインドマレットが1万店以上の店舗を展開していて、すでに好立地を押さえていたこともあり、進出が遅きに失したのも撤退の大きな理由かもしれません。

――コンビニに日本国内の出店余地はまだあると思いますか。

渡辺 全国のコンビニ店舗数は約5万8000店です。今後の需給関係を予想するうえで鍵になるのは、買物弱者が増えていくことです。経済産業省は買物弱者を「流通機能や交通網の弱体化とともに、食料品等の日常の買物が困難な状況に置かれている人々」ととらえ、その数は過疎地や高齢者が多く暮らす団地などを中心に約700万人と推計しています。
買物弱者の多数を占める高齢者は日常の買い物で700メートル以上歩かないと言われています。たとえば私の母は76歳になりましたが、10分歩いたところにある総合スーパーよりも、たとえ1品につき10円や20円高くても近所のコンビニに行くようになりました。しかも東日本大震災以降、各コンビニともPB商品の品揃えを増やしたので、「コンビニは案外安い」という評判が浸透してきています。買物弱者の増加とともに、日常の買い物については、コンビニと「まいばすけっと」などの食品ミニスーパーの需要が高まっていくでしょう。したがって、店舗数の伸びが鈍化しても、1店舗当たりの売上が増える可能性はあります。

――渡辺さんはご著書でイートイン併設店の成長性を取り上げています。併設店の業績は従来型の店舗に比べると、かなり上回っているのでしょうか。

渡辺 いえ、イートインコーナーの併設効果はまだ検証されていません。複数の商品を購入した来店客が、どの商品を通常通り持ち帰って、どの商品をイートインで食べたのか。イートインコーナーで飲食する目的で来店した客は何人か。イートインコーナーで飲食される商品の単価はいくらか。今のところ、こうした分析はされていません。ただ、イートインコーナーの需要はどんどん高まっています。郊外のコンビニでは、若者だけでなく高齢者がイートインコーナーを集いの場に活用している光景もたくさん見られます。都心のコンビニでは、ビジネスパーソンが打ち合わせ場所として利用する機会が増えています。打ち合わせ費用が1人当たりコーヒー代の100円で済むので、コンビニを利用すれば安上がりなのです。
 現状で新規出店のほとんどがイートインコーナー併設型で、コンビニ全店の50%が併設可能とみられ、3年後の店舗数を6万店と仮定すれば、約3分の1の2万店前後が併設型に転換している可能性もあります。

――他にも新しい出店形態で注目している事例はありますか。

渡辺 ローソンがオフィス向けに始めた「オフィスグリコ」のような方式でセルフレジを活用して軽食などを販売する「プチローソン」は、伸びると見ています。これを店舗数にカウントすれば、店舗数は相当な勢いで増えていくのではないでしょうか。

――ローソンの発表によると、7月30日時点でITや金融など39企業の57カ所に導入が完了。また、導入が決定している拠点は65企業101カ所で、当初計画通りという状況だそうです。セブンイレブンが参入して、シェアを奪ってしまうことも想定できますか。

渡辺 あり得ると思います。コンビニ淹れたてコーヒーを最初に導入したのはサンクス・サークルKですが、その後セブンイレブンが導入して一気に展開したことで、いつのまにかセブンイレブンが最初に手がけたようなイメージが世間に広まりました。同じことがオフィス設置型のコンビニで起きることは、十分に考えられます。

――昨年のことですが、ファミリーマートを数店経営していた元オーナーに取材したら、こんな話をしていました。「ファミリーマートの店舗に入った途端、セブンイレブンとの品揃えのギャップにガッカリしてしまう」と。セブンイレブンと他社との決定的な違いはなんでしょうか。

渡辺 端的に言って、セブン&アイ・ホールディングス元会長の鈴木敏文氏が在籍していたか、在籍していなかったか。その違いです。鈴木氏は天才であって、他社の経営者がどんなに優秀でも太刀打ちできません。
 鈴木氏に限らず、小売業を立ち上げて大企業に育て上げた経営者は、ほとんどが天才です。ファーストリテイリングの柳井正氏、ダイソーの矢野博丈氏、ドン・キホーテの安田隆夫氏、ヨドバシカメラの藤沢昭和氏、アマゾンのジェフ・ベゾス氏、皆さん天才ですよ。天才ゆえに、経営の話を聞いていても、時折何を言っているのか理解できない面もあります。

――ローソン時代の渡辺さんから見て、鈴木氏の手腕はどんな局面に表れていましたか。

渡辺 徹底力です。ファミリーマートとローソンで、新商品の販売など新しい施策が全店舗に周知徹底される割合が60%程度の場合でも、セブンイレブンではあっという間に80%の店舗に周知徹底されていました。それだけの差がありました。軍隊のようにトップの命令直下で即座に動く組織風土が形成されているからですが、これは鈴木氏の手腕の賜物でしょう。

――大物創業経営者の後を誰が継いだところで、同様のリーダーシップは発揮できません。鈴木氏は正確には創業者ではありませんが、日本におけるセブンイレブンの創業者ですね。退任して1年がたちましたが、セブンイレブンの今後をどう見ていますか。

渡辺 鈴木氏の指導を直々に受けた人たちが経営幹部で在籍している間は、とくに不安材料はないのはないでしょうか。しかもセブンイレブンの場合、経営全体のシステムの完成度が相当高いので、天才が退任しても、そう簡単にはぐらつかないと思います。ただし、神通力が完全に消えるであろう5年後にはわかりません。

――メーカーやベンダーとの関係も、他社に比べて強固に固めているのでしょう。

渡辺 メーカーもベンダーも、当然のことですが、より多く販売してくれるチェーンとの取引を優先します。戦略商品の納品も、より多く販売してくれるチェーンを優先して生産や物流の体制を組んでいます。一方、メーカーやベンダーに対しては、意欲を引き出すかかわり方も極めて重要です。

――どんな方法で意欲を引き出すのですか。

渡辺 たとえばメーカーが提案してきた新商品を手に取って、バイヤーが「何これ? こんな美味しくない物が売れるわけがないだろう」とはねつけるような態度を取ったら、メーカーの担当者は意欲を失うでしょう。どのメーカーでも「こんな商品をつくりたい」という思いを持っています。その思いをどうすれば商品化して、コンビニで売れるようにするかという視点で、いっしょに取り組む姿勢が不可欠です。

――昨今は、コンビニには宅配便やネット通販の受取拠点として機能することが期待されています。しかし、荷物を保管するスペースの確保や、従業員の手間を考えると簡単ではないと思います。

渡辺 荷物の保管スペースなら、棚最上段から天井までのスペースを活用する方法が考えられます。床に置くことにとらわれる必要はありません。従業員の手間については増員すれば解決しますが、そのためには受取手数料を上げることが必要でしょう。現在の手数料は1個につき50~140円前後といわれていますが、人件費を確保するには2倍に引き上げたいところだと思います。
 日本フランチャイズチェーン協会の調査によると、コンビニの平均客単価は614円です。粗利益率は30%前後なので、これに宅配便の受取手数料をどれだけ加えられるか。その額次第では人件費を確保できて、宅配便の受取事業を安定的に運営できるようになるでしょう。要は知恵の勝負です。

――コンビニの新たな機能には、地域ケアの拠点機能もあると思います。ローソンが介護事業所との複合店舗を出して話題になりましたが、地域ケアの拠点としてコンビニを機能させる路線は有効でしょうか? 自治体を取材すると、コンビニを有力な地域資源ととらえて、訪問介護などケアの拠点として期待する意見が多いですね。

渡辺 ケアの拠点にすることが目的ならば、介護事業所が店舗を併設するなどして、コンビニ経営を手がけるほうがうまくいくでしょう。逆に、コンビニが介護事業も手がけるというパターンはうまくいかないと思います。

――どんな機能を付加するにしても、従業員の確保がハードルになるのではないでしょうか。

渡辺 今後 人手不足が深刻化するのは間違いありません。さらにコンビニ経営で勘違いしがちなことは、オーナーや店長が従業員を部下として扱い、定着率が下がり、従業員不足に拍車をかけることです。企業の管理職経験者が独立してコンビニのオーナーになると、前職の感覚で従業員を部下として扱おうとする傾向が強いのですが、従業員はアルバイトなので、嫌なことがあれば、すぐに辞めてしまいます。

――いまや中小企業では、雇用主よりも“退職”という切り札を持った従業員のほうが、立場が強くなったケースも増えています。従業員にはどんな接し方をすればよいのですか。

渡辺 コンビニの従業員にはフリーター、主婦、外国人、学生などいろいろな立場の人がいます。店の方針を上から降ろしたところで、素直に従ってくれるとは限りません。フランチャイズオーナーには、それぞれの立場の人たちの心に寄り添うことが求められます。企業の管理職出身者は従業員を一律に「部下」として見る感覚が身についているので、なかなか一人ひとりに寄り添うことができないようです。コンビニ経営には向いていないといえるでしょう。

――かりに渡辺さんがセブンイレブンか、ファミリーマートか、あるいはローソンから経営指導を依頼されたら、どんな戦略を提言しますか。

渡辺 セブンイレブンは先ほど申し上げたようにシステムの完成度が高く、石橋を叩いて新規案件を実施する企業風土のため、ドラスティックな提案で外部のコンサルタントが思い切って切り込む余地はあまりありません。ローソンは総体的に見てコンビニ業界3位というポジションに落ち着いてしまったので、おもしろいコンサルティングができないのではないかと思います。
 私が手がけてみたいのはファミリーマートです。ファミリーマートはドン・キホーテと提携して共同店舗の出店や共同で用品開発を仕掛けていくと報じられていますが、機会をいただけるなら、私は両社共同のPB商品開発をやってみたいと思っています。どのジャンルで、どんな商品を開発してみたいかはまだイメージしていませんが、両社の経営資源を活用すれば、革新性の高い商品を開発できるのではないかと思います。

――ところで、渡辺さんは消費者としてはどのコンビニが好きですか。

渡辺 ローソンに22年勤務したので、やはりローソンに愛着はあります。ただ、弁当だけは苦手で、あまり食べたいとは思いません。ローソンに限ったことではありませんが、コンビニ弁当のレンジで温めたあとの、ラップ・フィルム・容器のかすかな匂いが嫌なのです。私はローソン時代に直営店の店長を3年半務めたことがあり1人で3店舗の掛け持ちをしたりの環境で、25年前当時の直営店のコンビニ店長は今と違って、残業時間が毎月100時間をゆうに超えていて、いつ過労死しても不思議ではない労務環境に置かれていました。ラップなどの匂いからは、その時代の過酷な環境を思い出してしまうので、コンビニ弁当は好きになれないんです。

――ありがとうございました。

(構成=小野貴史/経済ジャーナリスト)

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経営の視点 コンビニ生産性向上の鉄則 人を基軸に、機械を脇に

編集委員 田中陽 2017/8/28 2:30 朝刊 [日経]

 千葉県松戸市の水戸街道沿いのコンビニで昨年9月、一風変わった看板替えがあった。中堅の「スリーエフ」が「ローソン・スリーエフ」に。スリーエフの名を残すが、運営はローソンが担う。オーナーも従業員もそのまま。店も駐車場の大きさも変わらないが、劇的に変わったことがある。女性の客数が大きく伸び、1日当たり売上高が1年前に比べ2割も増えたのだ。コンビニは24時間営業が原則、扱う商品は弁当など食品が中心。外見も似たり寄ったりだが、運営主体によって業績は差がつく。店のオーナー、佐々木一弘さん(49)も「同じコンビニ、同じ24時間なのに」と驚いた。売上高が伸びたからだけではない。仕事の進め方が別物だったからだ。
 新製品が毎週、棚に並び、3000に満たなかった品目数が独自商品を軸に4000に増え、売り場づくりに追われた。佐々木さんたちは当初、ローソン流の働き方を覚えるのに「悲鳴を上げた」という。だが、混乱が収まり、結果が数字で分かると疲労感が充実感に。スリーエフ時代、周辺の競合コンビニの充実した品ぞろえを見た時の徒労感とは大きく違う。
 足の踏み場もなかった店内倉庫は片付き、今では打ち合わせもできる。商品力、精緻な情報システムで商品回転数が上がり、無駄な在庫が消えたためだ。見切り品の選別や廃棄という後ろ向きの仕事が減れば、接客時間が増える。感じるのは、働く手応えだ。佐々木さんの妻は「笑うことが多くなった」と振り返る。
 有力コンビニは狭い店でも高収益をたたき出す。自動化、省力化の努力を惜しまないが、最大手のセブン―イレブン・ジャパンはあえて聖域を残している。商品や数量を決める発注業務だ。天候、販売傾向、地域情報などを参考に仮説を立て、端末に発注量を人が判断して入力する。実際に仮説通りだったかを検証し、次の発注に生かす。
 セブン本社1階の店で働く大学生の姉崎拓弥君(22)は今夏、スープ総菜の発注量を2倍にして売り上げを増やした日がある。天気予報で、猛暑から一転して翌日の気温が低下することを知り、強気に発注。「度胸もいった」が、データを参考にスープ総菜は体感する温度差で売れ行きが決まると読み、当たった。
 流通業界は省力化のために自動発注の導入が進むが、セブンは一線を画す。「商人」の意志を発注に込めれば、生産性向上を狙えるからだ。仮設と検証を繰り返し、発注の精度を高める。自身の成長も実感し、仕事も楽しくなる。姉崎君のバイト暦は3年になる。
 ダイエー創業者の中内功氏は「私とコンピューターとパートがいればいい」と語り、社員をグループ企業に大量出向させたことがある。人心は離れ、本体の業績は傾いた。8時間労働のパートの勤務体系を休憩(1時間)の必要ない4時間刻みにすると、長く働きたい優秀なパートは同社を去り業績は一段と悪化した。
 労働集約な小売業の生産性向上の議論は人の仕事を機械に置き換えることに進みがちだが、小売業で働く意味、醍醐味を知らないと机上の生産性向上になりかねない。

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