私は現在の仕事柄、数多くのコンビニ経営者の方や、加盟検討中の方々と日々お会いしいますが、その中でもよく伺うお悩みやご相談事があります。
そこで今回はよく出てくる案件を幾つか取り上げて、述べてみたいと思います。

Q:今度コンビニ経営を考えていて、いくつかの本部と話している中で、あるチェーン本部から具体的な店舗を紹介されたのだが、どう判断したら 良いのだろうか?

A

基本的に認識しておかなければならない事は、本部はもちろん商圏調査をしたうえで、出店を決めていますが、ただ全部が予測以上の売り上げに行くわけではなく、何割かは予測より厳しい売り上げの店は必ずあり、当然ながらオープンしてみなければ本当の売り上げは分からないという事です。またそういう状況なので、本部は商圏調査した予測売り上げはまず教えてくれません。後で売れなかった時のトラブルに成るからです。
ではどうすれば良いのかといえば、自分なりに判断の時間をもらって、自分なりに物件の調査をしてみることです。もちろん素人ですからできることは限られています。でも自分の人生を託すかも知れない店舗であれば、人任せにせず出来ることはやった上で結論を出すべきなのです。
具体的には

  1. 物件前の早朝通勤時間(6 時から9時)、お昼時(11時半~13時半)、帰宅時間時(19時~23 時)の人と車の通行量を見る。
  2. 周辺400メートル円形状内の住宅状況を見る。一戸建てが多いのか?集合住宅が多いのか?その中でもワンルームの比率が多いいか?
  3. その商圏内で買い物アンケートをする。
    昼間の主婦の人とかは、きちっとした身なりで丁寧な言葉で、買い物動向調査中であることを伝えれば、意外とどこのスーパーやコンビニ使っているか等話してくれたりします。
  4. 近隣の競合店の入店状況を見て商圏の購買力を見る。

これらを 1 週間程度行えば、何となく売れそうかどうかイメージが出来ます。そこまでやって、契約をして万がかったとしても、結果を受け入れやすく次に進めます。過去の相談例で一番よくないのが、事業主責任を認識せず、売れないのはすべて本部のせいにして、前に進めなくなっているオーナーです。その店を契約したオーナーは事業主責任としての結果責任は必ずあるのです。つまり本部と加盟店双方に責任があるのです。ですから自分なりに契約する前にできることは、全部やっておくべきなのです。そして一号店がもし低日販だったとしても、決して終わりではないのです。オペレーションさえしっかりやっていれば、店舗変えや複数店化をすることで、事業を軌道に乗せるチャンスはいくらでも有るからです。大切なのは事業主としての自覚と結果責任をきちんと受け止めて、その上で前を向いて努力することであり、その為に加盟前に出来ることをちゃんとやっておくことが肝要なのです。

Q:本部に2号店を勧められたが、その場所は自店の商圏と競合している。どうすれば良いのだろうか?

A

この話は本当によくある質問ですので、改めてお伝えします。まず基本的知識として大手コンビニ本部のフランチャイズ加盟契約では、地域の占有権は与えられません。ですから加盟店側としては、近くに同じ看板の店舗を作られても、原則としては断れないのですが、本部の道義的責任として当然ながら加盟店の収益に配慮する義務があります。そこで既存店近くに物件が出て、他の競合他社に取られたくない為等の理由により、ある程度は自店競合するのを覚悟でその物件を確保することがあります。その場合前記理由もあり、その競合が見込まれる店舗のオーナーに複数店経営の話が持ち込まれることが多いのです。
さてそこで、引き受けるかどうかのチェックポイントは以下の通りです。

  1. その新しい店舗は、現状店舗に比べて、立地、店舗要件が優れているのか?
  2. タバコ免許の取得可能性
  3. 将来の計画道路等の要件変更状況
  4. 複数店を運営する人材が確保できているか?
  5. 明らかに既存店舗が立地店舗要件で劣っていた場合で、当然ながら売り上げのかなりの減少が見込まれた場合、将来的に閉店の可能性も本部と話せるか?

厳しい例は現実にかなりあり、2 店舗になっても 2 店合計で既存店舗の120%も行かず2店に成ったことで経費は倍になった。つまり加盟店収入の大幅減という事であり、そうなってしまった例は枚挙に暇がない。 ですから商圏や顧客導線が被っている場合には、より慎重な判断が必要になります。
たとえ距離は近くても、店舗間に競合店や、線路・幹線道路などのバリアがあったり、顧客導線がまるで違っていたりすれば、別商圏から売り上げが見込まれるので、既存の店舗の売り上げには影響しない場合もあるので、開発担当者の話もよく聞いたうえで、慎重に見極める必要があります。

Q:本部との付き合い方がうまくできず、いつもギクシャクしている。どう付き合っていけば良いのだろうか?

A

本部とのコミュニケーションはとても大切なことで、事業の成否を左右するといっても良い事項です。本部SVやOFCなどとの性格的な相性なども影響してきます。ただ、これはビジネスですから、自分の店舗の収益を上げるためには・・・という視点で臨むことが大切です。本部と加盟店とはフランチャイズ契約という言わば、業務提携契約と言い換えてもいい関係なのですが、大企業と個人もしくは零細企業という立場から、上位下達のイメージでやり取りしてしまうオーナーや本部職員がいます。でもそれでは適切な関係は作れません。店舗を通してそれぞれの役割を全うした上で、オーナーだけでは手が届かないところ等を協議して、より売上・利益が上がるように双方努力していく事が肝要なのです。具体的要件は以下の通りです。

  1. オーナーとして店舗経営におけるQSCといわれるような店舗クオリティ、顧客サービス、クリンリネス等を基準レベル以上に保ち続ける。
  2. その上でより売上、利益を上げる手法で本部に協力して貰いたいことを話し合う。例えば競合店対策費やイベント等のキャンペーン費用、導線上の路上看板設置、隣地の駐車場借り上げ、人材募集における近隣店舗との共同募集とりまとめ等も等々。
  3. 不振店の閉店や店舗増の相談

どっちにしても①の要件がきちっと出来ていることがすべての前提になります。やるべきことが出来ていない人の話を聞いてもらえないのは当然のことなのですが、意外と権利の主張ばかりして、義務を果たさないオーナーも多く、その場合やはり本部との関係はうまくはいきません。まずはやるべき事をきちんとやっていれば、本部も耳を傾けてくれて、そこでは事業主として、お互いに是々非々の話し合いが、いい形で持てるようになるはずです。ポイントはお互いがお互いの立場・状況を理解して「交渉」というテーブルに着くことこそベストな関係といえるのではないでしょうか?

Q:いつも勤務時間がすれ違いに成っており、夫婦間で話す時間もなく、家庭不和になっている。

A

個人のご家庭の話なので他人がとやかく言う話では無いのですが、結構真剣なお悩みとして出てくることも多いいですし、結構離婚されてしまい、どちらかが事業から外れてしまうことも少なからずあります。ですからここでは敢えて取り上げてみたいと思います。
原因としてコンビニを始めるときに、本当に家族で話し合って合意していたのか?ということが有ります。たまたま売り上げの良いお店にあたり、人も潤沢に雇えれば、ご家族と過ごせる時間も多くあり、金銭的にも余裕出来れば、余り家族間トラブルも少ないのですが、ところが売り上げが低いと、ご家族が目一杯シフトに入らざるを得ず、多くは奥さんが昼間勤務をして、ご主人が夜勤で朝までというパターンになります。その上収益が低いため休みもろくに取れず、全く家族との会話時間も無くなっていく、悪循環に陥ります。この状態のオーナーをテレビ、週刊誌に取り上げられ、コンビニ経営者を悲惨だというイメージを作られていったのです。
この状態だと毎日疲れ切っているうえに、先の望みが見えないので、お互い精神的状況が不安定となり、コミュニケーションがうまくいかなくなります。この状況を無くすには、売り上げあがり、収益が上がれば解決できるのですが、開店してある程度たっている状態であれば、外的要因(近隣に大規模集合マンションや集客施設画が出来たり、競合店の閉店等)でもなければ中々見込めません。ではその解決方法は、一つは解約ですが本部が閉店しない以上は、加盟店からの解約申し込みとなり、違約金の可能性も出てきます。結構な費用も必要ですし、またその後の生活費を得るための仕事も確保しなければいけませんが、就職等は年齢が高いと難しいものがあります。もう一つはもう一歩前に出て、複数店化を行い、トータルで収益を確保して、自身のシフト時間を減らす、または深夜勤務から日勤にシフトできるようにすることなのです。実はこの様な状態のとき、一歩前向きに出るチャレンジができる方は結構少ないのですが、実例として先ほどの悪循環状態から脱出したオーナーも少なからず見てきているのです。
その利点は、そのための計画を家族で話し合い、共有化できることで、きつい毎日から脱出できる希望が見えてくることで、それにより家族の団結が生まれてくることです。なかなか悪循環に陥っているオーナーが、逆に一歩前に出るにはかなりの覚悟と勇気が必要だと思いますが、ぜひご家族でよく話し合って見ていただきたいと思います。そして出す店が成功してこそ悪循環から脱出できるので、2 号店成功を目指して、前記の記事をご参考いただきチャレンジしてみてください。

Q:最近、いろんなところのオーナーさんが倒れたり、亡くなったりする話を聞きます。コンビニの仕事とやはり関係はあるのでしょうか?

A

これは私が直接どうのこうの申し上げる事柄でも無いのですが、面談時オーナーの奥さんなどから聞かれたりすることも少なからずあるので、敢えて私なりの考えを述べたいと思います。
現在、約2700名のオーナー様とお付き合いさせていただいて居りますが、残念ながら毎年一定比率で訃報を頂いており、イメージとしてはその中でも突然死の比率は、他の一般的な会社員などと比べて、多少高いような感じはしています。突然死の内容ですが、主に心臓疾患と脳疾患などです。突然オーナー様が亡くなられて、どうしたらいいのかとパニック状態で奥様、ご家族からご連絡いただく場合も少なく在りません。
私が考えるに大きく原因は二つあると思っています。一つはやはり人材不足や収入が厳しかったりすると、オーナーさんが夜勤・深夜に長時間労働しているケースが多く、特に中高年になってからの深夜勤務は疲労の蓄積が多く心臓疾患、脳疾患の病気なりやすくなると思いまます。私も若いころは外食産業勤務時代、コンビニ本部直営店勤務時代は深夜勤務や長時間労働をかなりやっていましたが、30 代半ばも過ぎてくると、昼間寝てもだんだん熟睡できず疲労の蓄積がだんだんきつくなってきた記憶があり、ましてや 40 代、50代でやっているとなると、かなりの疲労蓄積となると思います。その上休みもろくに取れず、また食事も店舗にいる時間にとることが多くなる為、ロス弁当や栄養のバランスの取れない食事が多く、その面でも極めて不健康になりがちです。勤務労働者であれば法規に則って、勤務時間数や勤務状況も変えられますが、経営者という括りに入るコンビニ経営者は、自分で自分を守るしかないのです。
その対策ですがまずは食事について気を付ける部分は、最近の報告によると、コンビニの弁当、総菜についてはカロリーについてはかなり気を使って作られるようになってきていますが、決定的に不足がちなのがミネラル分で、通常の家庭での調理食に比べて半分程度しかないそうです。理由は調理過程と食材調達過程にあるようですが、このミネラル不足続くと、大きな病気の原因になります。またビタミン等の必須栄養素も不足しがちになるので。一日一食は通常調理の食事をしたり、ミネラル豊富な食品を1品持ってきたり、その上にサプリメントをうまく活用したりすることをお勧めしたいと思います。
また次に収益に関することは、前記に記載した家族問題の事項と共通なので参照して下さい。では人材不足についてですが、これは立地などによる事の外的要因のものだけと捉えやすいですが、実は勤務環境等による内的要因が原因となっている場合が少なからずあるのです。外的要因の解決策は本部とも相談して、店頭募集ポスターや人材募集媒体を利用するという様な対策が一般的です。しかし外的要因の多くが、地域にアルバイトする年代層が少なかったり、外食業種や他小売業種の店舗が多いい地域ではどうしても、奪い合いとなり、時給単価の低いコンビニは集まりにくく、慢性的な人材不足となります。そこで最近ではコンビニにおいては大学生やフリーターに代わり、高齢者の雇用が急激に増えてきています。深夜、早朝勤務もできる方も多く、またルール・約束の順守傾向が強く、若い人の躾までしてくれると評判は悪くありません。募集の方法ですが、高齢者の方は大手の募集媒体より、新聞折り込みや折り込みに入っている地域募集媒体、または地域の店舗広告や人材募集で成り立っていて、ポストに無料投函される地域密着型フリーペーパーなどの方が見る可能性高く、しかも安価で掲載できます。また以前はどうしても必要な時には、コンビニ人材派遣会社を利用されていた店舗もあったと思いますが、最近では当日欠員に対応するコンビニ専門人材募集会社が何社かあり、1 日のみの募集から長期募集まで、1件成約毎の手数料や月額固定の費用で何回でも募集可等の内容で、勤務報酬は本人に直接支払います。これも当然費用は掛かるので、収入が厳しいと使えないかも知れませんが、来た人材を気に入れば、自前の社員として雇用も可能なので、健康を優先できる状況であれば特に夜勤等の補充手段として使ってみてはどうでしょうか?慢性的な人材不足地域は先ほど述べたように、奪い合いになっているので、大手の募集雑誌や募集サイトに募集広告出しても、時給比較されると不利なので、コンビニアルバイト募集においては、費用対効果はよくないので、前期業者を利用してみるのも良いかと思われます。