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ユニクロ商品受け取り ファミマ・ローソンでも セブン合わせ国内4万店超

2017/1/6 日経新聞

 ファーストリテイリング傘下のユニクロは、ネット通販で注文した商品をコンビニエンスストアのファミリーマートとローソンで受け取れるサービスを今春をメドに始める。2016年2月に最大手セブン―イレブン・ジャパンと同様のサービスを始めており、国内のコンビニの8割程度に当たる4万店強で受け取れるようになる。
 利便性を高めてネット通販を強化する。ユニクロの通販サイトで注文した商品をファミマとローソンの店舗でも受け取れるようにする。これまで受取場所は消費者の自宅や事務所、セブンイレブンの店舗などに限られてきた。送料は購入額が税別5000円以上で無料、5000円未満の場合、450円となる。ファミマとローソンの対象となる国内店舗数はそれぞれ約1万2000店。既にサービスを始めたセブンイレブンを加えると、国内4万3000店規模で商品を受け取れるようになる。3社が共通の受け取りサービスをするのは初めて。
 ユニクロの売上高に占めるネット通販比率は約5%にとどまるが、中期的に30%以上に高める考え。コンビニ受け取りの拡大で弾みを付ける。コンビニ各社はユニクロ商品の受け取りサービスを通じ、顧客の来店機会を増やす。

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コンビニでの住民票取得へ財政支援

総務省は、マイナンバーカードを使って、住民票の写しなどをコンビニエンスストアで受け取れるサービスの導入を、全国の自治体に働きかけることにしていて、平成32年春には、導入する自治体の人口が1億人を超えることを目指して、財政支援の拡充などを進める方針です。
マイナンバーカードを使って、住民票の写しや印鑑登録証明書などをコンビニエンスストアで受け取れるサービスは、現在全国306の市区町村で利用できます。
これについて、総務省は、マイナンバーカードの利便性の向上を図るため、このサービスを、全国どこでも利用できるようにしたいとして、平成29年度から3年間を「集中取組期間」として、自治体側に導入を働きかけることにしています。
具体的には、自治体が行うシステムの改修費などに対する国からの財政支援の額を引き上げるほか、自治体がコンビニ側に支払う手数料の軽減について、マイナンバーカードのシステムを運用している団体が、事業者側と調整するとしています。
総務省は、平成32年春には、導入する自治体の人口が1億人を超えることを目指して、取り組みを進める方針です。

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コンビニ、「できたて」に力
調理場併設、ローソンなど拡大 「中食」需要の開拓狙う

2017/1/7 日経新聞
 コンビニエンスストア各社が作りたての弁当や総菜を充実させる。ローソンは2018年2月期に、店内調理した弁当などを提供する店舗を現在より4割強多い5000店に増やす。ミニストップも首都圏での新店を原則キッチン併設とする。からあげなど店内で揚げた商品はこれまでも販売してきたが、弁当や総菜でも「できたて」を打ち出し単身者や共働き世帯の需要を開拓する。
〇ローソンは店内で炊いたご飯を使った弁当などを販売する店舗を増やす
ローソンは「まちかど厨房」と銘打った店内調理の実施店を増やす。店内のキッチンで炊いた白米や揚げ物を使った弁当などを、現在は国内店舗の約3割にあたる約3500店で提供している。これを18年2月期中に5000店に増やす。
 商品の種類も増やす。従来はおにぎりと弁当、パン類の3種類だったが、10日からチキン南蛮など総菜3品も加える。一部店舗で試験販売したところ40~50代女性を中心に夕方から夜間の売れ行きが良かった。夕食の需要を取り込み他の商品との合わせ買いを見込む。
 ローソンの既存店の16年3~8月期の総菜売上高は前年同期比14%増だった。生活スタイルの変化で増える夕方から夜間の需要に応え、スーパーの代替機能も担う狙い。
 〇ミニストップは量り売りの総菜を販売する「ホームデリ」の併設店舗を増やす。
現在は東京都や神奈川県を中心に首都圏の約70店で展開しているが、今後新規出店する際は原則としてキッチン付きにする。手作りの総菜を充実させ、大手3社との違いを打ち出す。
 ホームデリではからあげやサラダなどの総菜を15種類程度そろえる。同じイオングループで総菜製造を手がけるオリジン東秀(東京都調布市)との共通商品も扱う。
 北海道を地盤にコンビニエンスストア「セイコーマート」を運営するセコマ(札幌市)は8割の店舗でカツ丼などの店内調理品「ホットシェフ」を提供している。立地や売り場面積を考慮しながら、将来は全店への導入を目指す。立地や店舗ごとに異なる味付けをした商品の展開も検討する。
 単身者や共働き世帯の増加を背景に、簡単調理で栄養のあるものを食べたいという需要が高まっている。日本惣菜協会(東京・千代田)によると、弁当や総菜など「中食」の市場規模は15年見込みで9兆5881億円で、10年間で約3割増えた。コンビニのシェアは約3割で専門店や食品スーパーと肩を並べるが、各社はさらなる拡大が可能とみている。できたての弁当や総菜を提供する店舗を増やして来店を促しつつ、客単価も高める。

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コンビニの駅ナカ陣取り合戦 立ちはだかる「私鉄王国関西」の壁

(ビジネスの裏側)

JR大阪駅構内のセブン-イレブンに設置されたカフェコーナー=大阪市北区1/2枚
 コンビニエンスストア各社が、鉄道会社との提携による「駅ナカ」での店舗網拡大に力を入れている。安定した売り上げが見込める店舗をまとめて確保できるためで、大阪ではセブン-イレブン・ジャパンとローソンがそれぞれ“一等地”を確保した。しかし一層の拡大となると難しそうだ。関西は、鉄道各社が駅を基点に事業を発展させてきた「私鉄王国」。駅ナカは簡単には譲らない。(藤谷茂樹)

開拓進む駅ナカ

 JR大阪駅に昨年12月オープンしたセブン店舗。いれ立てコーヒーを売るドリップマシンを5台備えている。担当者は「駅を通るだけの利用客も多いので、コーヒーを購入する方に素早く対応できるようにした」と話す。同駅構内で15店目のセブンとなるだけに、個性も打ち出した。
 JR西日本は平成26年にセブンと提携し、管内の駅売店など約500店を順次セブンに切り替えているところだ。このうち関西では、昨年12月までに200店近くをセブンにした。
 セブンが関西で展開する店舗は昨年10月に2415店となり、ローソンの2402店を上回って首位となった。JR西との提携も大きく貢献したようだ。
 コンビニ店舗は飽和状態ともされ、街なかで出店場所を確保するのは年々難しくなっている。こうした中、セブンはJR西だけでなく、JR北海道、JR四国などの駅に出店。ファミリーマートは東武鉄道、京成電鉄、相模鉄道、近畿日本鉄道など全国15事業者の路線で店舗を展開する。
 ローソンは昨年、東京メトロと提携。今年3月からは大阪市営地下鉄の駅で47店を展開する予定だ。駅売店を運営するファミリーマート、ポプラの契約更新時期に合わせて事業者の公募に応じ、運営権を獲得した。
 同地下鉄は1日約230万人が利用する。ローソンの収益アップに大きく貢献するはずだ。

コンビニはライバル

 鉄道事業者が駅売店の運営をコンビニに任せるメリットは大きい。例えば、大阪市営地下鉄は売店の運営を随意契約で外郭団体に任せていたが、24年度から公募に切り替えたところ、市側に支払われる年間使用料は5倍の約3億5千万円に増加し、売上高は27年度に約36億円と23年度の1・5倍になった。
 ここで、注目されるのは「私鉄王国」を築いた関西各社の動向だ。実は大手5社のうち、コンビニと提携しているのは近鉄だけで、残り4社は自前で駅ナカ店舗を展開している。
阪急電鉄と阪神電気鉄道の阪急阪神ホールディングスは、コンビニ「アズナス」と、小型売店の「ラガールショップ」(阪急)、「アイビーショップ」(阪神)を営業。また、ラガールショップの一部をネスレ日本と共同運営による立ち飲み式のコーヒーショップ「ネスカフェスタンド」に切り替えるなど、事業強化にも余念がない。
 南海電鉄と京阪電気鉄道は、共通ブランド「アンスリー」を持つ。ちなみにアンスリー設立時には阪神も参加しており、各社のローマ字表記に「AN」が含まれることがブランド名の由来だ。
 現在、店舗運営は南海、京阪で別々だが、商品の共同仕入れなどを行い効率化を図っている。京阪はドラッグストアとの共同店舗を独自に手掛けるなど、事業拡大へと積極策をとる。
 ある関西の私鉄関係者は「コンビニ各社は駅周辺で営業しており、むしろ駅売店のライバル」と指摘。「駅は通勤通学客など利用客に恵まれ、コンビニの需要は高い」と話し、駅ナカのビジネスチャンスを簡単に手放しそうにない。

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ユニー・ファミマHD、実質14%減益に
3~11月最終

2017/1/11 日経新聞

 ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)が10日発表した2016年3~11月期の連結決算は、最終的なもうけを示す純利益が162億円だった。前年の同じ期間を統合前の旧2社に組み替えた実質ベースで比べると14%減益となった。採算性が低いコンビニ店舗の減損処理を実施したほか、経営統合に伴う費用負担も重かった。
 同社はファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスが昨年9月1日に統合して発足。3~11月期決算は旧ファミマの3~8月期に新会社の9~11月期を合算して開示した。存続会社である旧ファミマの前年同期との比較では、本業のもうけを示す営業利益は7%増の422億円、純利益は8%減だった。
 コンビニエンスストア事業の営業利益は前年同期比実質9%減の377億円だった。看板の切り替えなど統合費用がかさんだ。総合スーパー(GMS)を運営する総合小売事業の営業利益は25%増の60億円。食料品が伸びたほか、3~8月期までに前倒しで不採算店の閉鎖や減損処理を進め、リストラ効果も出た。

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酉年でトリ肉商品が人気?コンビニ総菜商戦が過熱

大手コンビニチェーンの人気商品の共通点はチキン=とり肉です。今年は酉年。酉年は、とり肉を使った商品の売り上げが1割から2割も伸びると言われています。12年に一度やってくる「とり肉の当たり年」、コンビニ各社のし烈な戦いが始まりました。
 ローソンが満を持して発表した新商品。会長自ら売り込む力の入れようです。でも、一見、普通の焼き鳥のようですが・・・
 「お客様に喜んでいただける商品を作ろうじゃないかと。どうしたらいいか。デカくしよう」(ローソン・玉塚元一会長)
 実は、肉の重量が従来の2割増し。しかも値段は安く抑えました。
 「思ったよりボリュームがあって、食べ応えがある」
 「プリプリしてて、おいしいです」
 今年の干支にちなんで発売したということですが、そこにはある狙いがあります。総菜の市場規模の推移。女性の社会進出などを背景に、コンビニなどでおかずを買って家で食べる人が増えています。そんな総菜の中で最も売れるのがチキン。
 実際にローソンで最も売れる総菜もからあげクンです。でも、売れ筋があるのに新商品を出す必要があるのでしょうか?
 「やっぱりトリ年はトリでしょ。(Q.トリ年はトリは売れますか?)売れます、売れます、バッチリ売れます」(ローソン・玉塚元一会長)
 なんと、酉年にはチキンが売れるといいます。「理由はわからない」ということですが、前回の酉年は、からあげクンの売り上げが15%増えました。今年は12年に一度のチキンの当たり年ということで、からあげクンに続くヒット商品を育て売り上げアップを狙います。
 ただライバルも手をこまねいているワケではありません。ファミリーマートは、主力の「ファミチキ」の味のバリエーションを増やし、新たな客層の掘り起こしを狙います。
 「チキン類のアイテムの販売強化を図っていきたい」(ファミリーマート広報室 寺崎将人さん)
 一方、セブンイレブン。業界最大手のウリが「丸から」です。衣が薄く均一になるよう、わざわざ人の手で整えます。地域限定販売したところ売れ行きが好調だったということで、今後、北海道を除く全国の店舗で売り出すことを決めました。今年はセブンイレブン単体でも店舗が2万店を超え、郵便局の数に並ぶ見通し。
 コンビニ業界全体で市場の飽和が懸念される中で勃発したチキンバトル。目が離せません。(10日16:27)

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コンビニ、重い人件費 商品戦略で明暗
3~11月決算

2017/1/12 日経新聞 業績ニュース

 コンビニエンスストアの収益格差が広がっている。首位のセブン―イレブン・ジャパンが12日発表した2016年3~11月期決算はプライベートブランド(PB)商品が好調で、営業利益は前年同期比4%増えた。人件費負担が重い加盟店への支援費が膨らみ、2番手以下は苦戦。商品戦略の巧拙が明暗を分ける。
 セブン―イレブン・ジャパンの営業利益は1871億円だった。既存店売上高は12月まで53カ月連続で前年同月を上回っている。
 共働きや高齢世帯が増え、家に持ち帰って食べる中食市場が拡大している需要を取り込んだ。おにぎりやパンなど定番商品を中心にPBが伸び、店内で調理する揚げ物も好調だった。PBの売上高は年1兆円を超え、規模のメリットも効きやすい。
 セブンのもう一つの強みは、おにぎり100円セールなどの販促に使う広告宣伝費の厚みだ。3~11月期の広告宣伝費は548億円と前年同期から11億円積み増した。ローソンの国内コンビニ事業と比べ5倍弱の規模だ。セールでお得感を高め、来店客のついで買いを誘って客単価を引き上げている。
 一方、競合チェーンは苦戦が続く。ローソンの連結営業利益は前年同期比7%減った。ミニストップは4割減、ユニー・ファミリーマートホールディングスは経営統合の影響を除く実質ベースで4%減った。中堅のポプラは営業損益が3億円の赤字(前年同期は3700万円の黒字)に転じた。
 人手不足でアルバイトの時給は上昇している。重い人件費が加盟店の経営を悪化させており、本部の支援コストも膨らんでいる。ローソンは弁当の廃棄ロスや光熱費の一部を本部が払う新契約への切り替えを進め、ユニー・ファミマHDも加盟店の経費の本部負担分を増やした。
 ローソンの販売費・一般管理費は9%、セブンは7%増えた。増えるコストを補う売上高を確保できたかどうかも明暗を分けている。既存店の客数増減率では、セブンは前年同期並みを保つ一方、ローソンやミニストップはマイナスだった。
 勝ち組のセブンも危機感は強い。「今までの加盟店の売り上げ規模では固定費をまかなえない」とセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は話す。国内店舗数は1万9000店を超え、加盟店同士で客を奪い合う例も出てきた。弁当や総菜の品質を高めて実質的に価格を引き上げ、売上高を伸ばしてきたが、「消費者のデフレ心理は根強い」(大和総研の小林俊介エコノミスト)。価格志向を強める消費者をどうひきつけるかに頭を悩ませている。

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早くも“脅威論”が広がるアマゾン・ゴーの無人店舗

アマゾン・ゴーは顧客が専用のアプリを用いて入店。購入した商品をカメラやセンサーなどの情報を通じて、AI(人工知能)で認識し決済する仕組みだ。レジ決済が必要なくなることで、スマートな買い物が可能になるというわけだ。近く米シアトルに1号店を開設する見通しとなっている。
日本ではAIを駆使したアマゾンコンビニに大騒ぎで、日本にもこのアマゾン方式が導入されるかもしれないという観測が広がっている。早くも、日本の流通は席巻されてしまいそうだという”脅威論”まである。
確かにアマゾンのレジ決済不要の店舗は種々の可能性を秘めている。まず顧客が入店して何を買おうとしているか、顧客の店内での行動が赤裸々になる。アプリで顧客の属性は明確になっているから、Aさんは何時くらいに来店して、どういったものを購入したか、売り場のどこに滞在時間が長かったか、何を買い何を買わなかったのかが、つぶさに分かる。
つまりマーケティングの手段として極めて有効なシステムなのである。ネット上で顧客がどこのページを閲覧し、どこのページで購入を決めたのか、回遊状態などEコマースで蓄積したノウハウが実店舗に生かされているといっていい。しかもアマゾン・ゴー方式は商品の補充や見切り(値下げ)などに威力を発揮する可能性を秘めている。カメラとセンサーで常に売り場を監視しているから、商品量が減ればアラームを鳴らして補充作業が進められる。また、自動発注など業務の効率化にも役立つとみられている。

日本でも始まっていたローソンとパナソニックによる実験

こうした映像情報を使い顧客の購買動向を知る実験は、すでに国内のコンビニでも行われている。ローソンはパナソニックと組んで、大阪の店舗「ローソンパナソニック前店」でアマゾン・ゴーの実験が始まる2年以上も前から実験を始めている。店内に設置した6台のカメラが、店内における顧客の動向を探り、マーケティングに役立てる実験である。
ただ未だに普及段階に入っていないところをみると、まだ実験を続けていると思われるが、ローソンの動向はさておいて、このアマゾン・ゴーの凄みは、やはりカメラやセンサーで取り込んだ画像データをAIで処理して、レジによる決済を不要にする機能を備えていることだろう。
日本ではICタグによる決済の簡素化の実証実験が進められようとしている。コンビニ大手3社でICタグを使い、物流の効率化、店内での購入後の決済の実験を行っている。ICタグはかなり低価格化が進んできたが、依然として1枚10円以上しており、高値に張り付いたまま。コンビニで販売しているような1個数十円から100円前後の商品に張り付けてペイするような局面にまで、まだ来ていない。経産省もそれを見越して、コンビニ大手3社が本格導入を図れば量産効果が出てくるのではないかと、コンビニに活用を促している格好だ。
仮にICタグ1枚数円、数十銭という単位になり、、爆発的に普及が進めば、コストがかかるアマゾンのカメラ、センサー、AIを使ったアマゾン・ゴー方式も日本では意味をなさなくなる。
日本のガラパゴス的な進化といわれるかもしれないが、ICタグが普及拡大すれば、アマゾン・ゴー的な決済方法は不要なのである。日本の消費者はいまだ現金主義で、少額決済はクレジットカードすら利用しない人が大多数である現状を考えると、国内の流通業は一気に「アマゾン・ゴー」の領域に入りそうもないのである。
それ以前に流通業というのはドメスティックな産業である。果たしてアマゾン・ゴーはレジ決済がなくて済むからといって、セブン-イレブンの隣にアマゾン・ゴーができたとしたら、わざわざそこにいくかどうかは分からない。もちろん、ナショナルブランドのような商品の質自体が分かっているものならば、アマゾンの店舗で購入するかもしれないが、弁当や総菜はそうはいかないだろう。
事実、これまで食品を扱ったり、嗜好性の強い日用品や一般用医薬品(大衆薬)を扱う流通外資が相次いで日本から撤退した背景には、日本人の嗜好などを見極めきれずに、自国のやり方を押し付けたからにほかならない。日本の消費者は商品の質や商品政策などを抜きにして、「レジでの決済が不要」という利便性だけでは選択しないとみられる。セブン-イレブン・ジャパンとローソン、ファミリーマートでは日販で10万円も差があるが、それは商品力の差である。アマゾン・ゴーが決済手段で利便性に優れているからといって、それだけでは購買動機にはなりにくいのである。ただ、アマゾン・ゴー方式の方がコストは少なくて済む。ICタグは一品一品タグを貼付しなければならず、コストが下がったとしてもタグ分については誰かが負担しなければならない。ICタグの活用でレジ人員の削減や、サプライチェーンの効率化で流通の生産性が上がることによって流通側が、そのコストを負担することになれば話は別だが。

現時点では流通を席巻するまでにはならないが…

いまのところ、アマゾン方式もICタグによる決済方法のどちらをみても一長一短がある。現時点ではアマゾン・ゴーが流通を席巻するまでにならないだろう。しかもアマゾン・ゴーではまだ、解決しなければならない課題は少なくない。例えば、購買の瞬間をどう判断するかの問題である。様々なイレギュラーなケースが考えられるからだ。子ども連がの子どもに商品をとらせて、自らのバックに収納してしまう場合、これはこの親が購入したのかをどう判断するかなど、曖昧な部分が多いとみられている。
また、現在、スマートな決済方法として米ウォルマート・ストアーズが実用化を進めている「スキャン&ゴー」という方式もある。専用アプリを入れたスマートフォンを活用して、商品のバーコードを消費者がスキャンしてスマホ上で決済する方式だ。これならレジに並ばずに済むが、これとて種々のあい路がある。レジ方式はスーパーが出現してから連綿と続く、チェーンストアのオーソドックスなスタイル。しかし、国内では人手不足の昨今、流通業の生産性を上げなければならないのは間違いない。この方式を打破する新しい決済手段に移行する日は、そう遠くはなさそうだ。

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セブンイレブン コーヒーマシン刷新
国内全店でホットラテ提供 年10億杯狙う

2017/1/20 日経新聞
 セブン―イレブン・ジャパンはいれたてコーヒーのマシンを刷新する。ホットカフェラテを提供できる新型マシンを開発、12月末までに国内のコンビニエンスストア「セブンイレブン」の全1万9千店超に設置する。メニュー追加で、2017年2月期に年9億杯と見込むいれたてコーヒーの販売数量を18年2月期は10億杯に伸ばす。コーヒーを巡って競争が一段と激しくなりそうだ。
 セブンはいれたてコーヒー「セブンカフェ」を13年1月に発売し、16年8月末までの累計販売数は24億杯を超えた。利用者がレジでカップを受け取り、カウンターのマシンで自らいれる仕組みで、1杯100円から本格的なコーヒーを購入できる手軽さが受けた。17年2月期はコーヒー豆を刷新して香りやコクを高め、前期比で約5千万杯多い9億杯の販売を見込んでいる。
新型マシンは従来のホットコーヒーとアイスコーヒーに加え、ホットカフェラテ(レギュラーサイズが150円)も購入できる。一部店舗で試験販売を実施し、好評だったことから新型マシンの導入を決めた。2月にまず九州の店舗から設置、12月末までに全店で設置を終える。従来も購入できたアイスカフェラテは、製法を切り替えてミルクの新鮮さを保ちコクを高める。
 設置スペースが十分に確保できない店舗向けに自販機型のマシンも新たに用意する。アイスコーヒーとホットコーヒーに限定し、利用者はレジを通さずマシンにコインを入れて購入できる。レジ前で並ぶ手間を省いて混雑を緩和し販売拡大につなげる。

いれたてコーヒーは競合のコンビニ大手やファストフード各社も販売に注力する。

 08年にいち早く発売した日本マクドナルドは16日、ホットコーヒーを5年ぶりに刷新した。20日まで午前7~10時に全店でSサイズを無料で提供し消費者にアピールする。ファミリーマートは16年10月にブレンドコーヒーをリニューアルして以降、いれたてコーヒーの販売数量は前年比1割増で推移。好調な売れ行きが続く。ローソンは16年10月のカフェラテに続き、今年3月にはブレンドコーヒーも刷新し販売拡大につなげる考えだ。
 コンビニでのいれたてコーヒーを普及させたセブンの新型マシン導入で、ファストフード店やコーヒー専門店をも巻き込んだ顧客獲得競争が広がりそうだ。

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セブン追撃。焦るローソンの銀行参入でATM「手数料」戦争勃発

2016年11月、コンビニ大手ローソンは、銀行業に参入するための準備会社を設立したと発表しました。すでにセブンイレブン、イオングループなどが参入している「コンビニ銀行」の戦場に、あえて今ローソンが勝負を挑んだ意図は何でしょうか? 無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』では著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、ローソンの参入で「下克上」となったコンビニATM戦争の現状を鋭く分析しています。

ローソンの今さらながらの銀行参入でATM戦争が勃発

佐藤昌司です。昨年の11月25日、ローソンは銀行業参入のための準備会社を設立しました。流通業による銀行業参入は、セブン&アイ・ホールディングス、イオンに続く3社目になる見込みです。なぜ今、ローソンは銀行業に参入するのでしょうか。ローソンはセブンイレブンと同じように全国の店舗にATMを設置しています。セブンイレブンと違うのは、ローソンは銀行としてではなく運営会社としてATMを店舗に構えていることです。ローソンのATMは、銀行42社が出資するローソン・エイティエム・ネットワークス(LANs)が運営しています。そのため、手数料収益が一部に限られ、また、ローソン独自のサービス提供が難しいというデメリットを抱えていました。
2015年度末のセブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン銀行のATM設置台数は22472台でLANsの11201台の2倍以上あります。また、2015年度の単体純利益はセブン銀行の261億円に対して、LANsは38億円にすぎません。6倍以上の開きがあります。1台あたりの純利益もLANsはセブン銀行に水をあけられています。先行するセブン銀行は自前の銀行のため、大きな収益を確保することができています。
ちなみに、セブン銀行の損益計算書を確認すると、収益のほとんどをATMの手数料で稼いでいることがわかります。消費者がATMを利用するたびに金融機関などからセブン銀行に手数料が支払われる仕組みです。2015年度のセブン銀行のATM受入手数料は全体の経常収益の93.0%を占めています。貸出を主体として収益を上げる一般的な銀行像とは一線を画しているのがわかります。
ローソンが銀行業に参入する理由は、手数料収益の拡大以外で考えられるのが、銀行口座の開設や資金決済サービスを行えるようにすることです。一般的な銀行が行なっているサービスをコンビニでも行えるようにする意図がありそうです。セブン銀行では銀行口座の開設と資金決済サービスが行えます。
一方、イオン傘下のイオン銀行は一般的な銀行に近い営業形態で展開しています。ATMの手数料収入も得ていますが、貸出といった資金運用も収益の大きな柱になっています。現状は貸出の収益の方が大きい状況で、2015年度は貸出金利息だけで経常収益の51.1%を稼ぎ出しています。また、イオン銀行の2015年度の単体純利益は123億円で、セブン銀行には劣るものの、LANsよりは優っています。イオン銀行では、キャッシュカードに電子マネー「WAON」を搭載しています。ATMで預金を下ろすことはもちろん、あらかじめ入金しておくことで、ワンタッチで買い物ができます。利便性の高いサービスを提供することができています。
他にも、年金保険や医療保険といった保険商品の販売、投資信託商品の販売、住宅ローンやカードローンといったローン商品なども販売しています。銀行業に参入したことで幅広い金融商品を販売できるようになりました。クレジットカード会社と経営統合し、クレジットカードの発行も行なっています。
現在の流通業による銀行業は、セブン銀行のように手数料収益主体のビジネスモデルと、イオン銀行のように貸出や金融商品の販売が主体のビジネスモデルの二つに大きく大別できます。
ローソンはイオン銀行ではなくセブン銀行に近いビジネスモデルを志向していると思われます。ATMの手数料収益は魅力的で、ローソンは自前の銀行を設立することで、得られる手数料収益の割合を高めたい意図があるのでしょう。イオン銀行のように貸出や金融商品の販売を行うには、サービスの提供スペースや販売ノウハウなどの観点からコンビニで行うことは現実的ではないといえます。
銀行業の参入でローソンはセブンイレブンに挑む形になりそうですが、ライバルはセブンイレブンだけではありません。コンビニの3強の一角であるファミリーマートが大きく立ちはだかりそうです。
ファミマは銀行業に参入してはいませんが、ATMは設置しています。ファミリーマートや金融機関が出資するイーネットが運営しています。2016年12月末時点で13682台のATMを設置しています。規模や形態はローソンに近いといえます。
ローソンと決定的に異なるのが、ファミマはゆうちょ銀行のATMを導入していることです。2014年11月から設置を開始し、ファミマの店舗約500店に「ゆうちょATM」を設置しています。手数料が365日いつでも無料なのが特長です。ゆうちょ銀行が保有する貯金残高177兆円(2015年度)を手数料無料で扱えるのです。
2017年1月からは、ゆうちょ銀行の小型ATM3500台を順次ファミマに設置していく方針です。また、2016年7月15日付47NEWSは「コンビニ3位のファミリーマートが、店舗内の現金自動預払機(ATM)のサービスを2018年にもゆうちょ銀行に一本化する方向で検討」と報じています。
ファミマにある1万3千台以上のATMがゆうちょ銀行のATMに代われば、ローソンは現状のATMのあり方では太刀打ちできません。そこで、ローソンは銀行業に参入することでサービスの強化を図り、ファミマにも対抗する意図がありそうです。
ローソンは銀行業に参入することで、セブンイレブンとファミマを追撃する態勢に入ったといえそうです。コンビニのATM戦争から目が離せません。

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セブン、沖縄進出で全国制覇、平成31年2月期に 全店「イートイン」導入で200店舗以上目指す

コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長が19日、産経新聞のインタビューに応じ、47都道府県で唯一未出店の沖縄県に、平成31年2月期をめどに進出する考えを明らかにした。沖縄では全店舗に店内で飲食できる「イートイン」を導入し、将来的に200店舗以上の出店を目指す。古屋社長は沖縄への進出にあたり、まずは「(弁当などの)専用の工場を造る」と説明。すでに立地などの調査に入っているという。一部で導入しているイートインを沖縄では全店舗に設置し、ハンバーガーチェーンなどのファストフード店に対抗する。一方、国内の30年2月期の出店ペースについて「1700店程度出店する29年2月期と変わらない」と説明。現在の店舗数は約1万9千店だが、30年2月期中には2万店に到達するとの見通しも明らかにした。

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コンビニ売上高、16年0.5%増 店内調理品など好調

2017/1/20 20:19日経新聞

 日本フランチャイズチェーン協会が20日発表した2016年の全国のコンビニエンスストアの既存店売上高(速報値)は、前年比0.5%増の9兆6328億円だった。プラスは2年連続だが、伸び率は15年の0.9%から減少した。大手各社はコーヒーや揚げ物などの店内調理品や弁当、総菜の販売を強化し、高齢者や単身世帯の需要を取り込んでいるが、顧客獲得競争は激しくなっている。平均客単価は0.9%増の605.6円で、3年連続のプラスだった。店内調理品が好調だったほか、天候不順による野菜の価格高騰を受け、小容量のカット野菜やサラダの販売も伸びた。来店客数は0.5%減で2年ぶりのマイナスだった。セブン―イレブン・ジャパンの既存店売上高が16年12月まで53カ月連続でプラスになるなど大手を中心に販売は堅調だが、集客では苦戦する傾向も強まっている。同日発表した16年12月の既存店売上高は0.5%増の8378億円だった。客数は0.9%減で10カ月連続のマイナスだったが、客単価が1.4%増と21カ月連続のプラスとなり補った。クリスマスなどの年末商品の売れ行きが好調だった。

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ローソン全店で中国の電子決済 きょうから

2017/1/24 日経新聞

 ローソンは24日、全国のコンビニエンスストアなど約1万3000店で中国ネット通販最大手、アリババ集団の電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を導入する。アリペイのアプリをダウンロードしたスマートフォンを使えば、日本円での買い物が自動的に人民元に換算されて決済できるようになる。アリペイは中国で4億5000万人以上が利用し、モバイル決済市場で8割以上のシェアを占めるとされている。国内では百貨店や家電量販店など約4000店がすでに導入している。23日に東京都内で開いた発表会でローソンの玉塚元一会長は「今後も中国人訪日客は増え続ける。まずは(28日に始まる中国の旧正月)春節に照準を合わせて(受け入れの)体制を整えていく」と話した。

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