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苦境のミニストップがローソンと手を組む?

2016年09月30日 又吉 龍吾 :東洋経済 記者
三菱商事”主導”による再編説がくすぶる

目下、コンビニ業界では大手3社の動きが活発化している。9月1日にはファミリーマートが、「サークルKサンクス」を傘下に持つユニーグループ・ホールディングスと経営統合した。コンビニ店舗数は単純合算で約1.8万店となり、首位のセブン-イレブンに肉薄する。他方、店舗数で2位から3位に転落したローソンは三菱商事との関係を深め、セブンとファミマに対抗しようとしている。
三菱商事は9月16日、TOB(株式公開買い付け)を通じて、ローソンへの出資比率を現在の33.47%から50%超へ引き上げる方針を明らかにした。三菱商事の子会社となることによって、商品力向上や海外展開を加速させるのがローソンとしての狙いだ。
ローソンの「Loppi」は導入済み
三菱商事出身の竹増貞信社長の下、ローソンは三菱商事との関係を深めている(撮影:尾形文繁)
こうした中でミニストップを中心とした中堅コンビニは業界での埋没感が鮮明となりつつある。では、どのように巻き返しを図るのか。業界内でささやかれるのが、ローソンとミニストップが関係を強化していくのではないかという見立てだ。というのも、ミニストップはイオン傘下であるが、そのイオンの筆頭株主はローソンと同じ三菱商事である。さらに、ローソン店舗に設置されている、チケットなどを購入できるマルチメディア端末「Loppi(ロッピー)」は、2013年からミニストップの店舗にも導入されるなど、両社の間で少なからず接点は存在する。
こうした状況からローソンとミニストップを軸に再編が進むのではないかという見方がくすぶっているのだ。ただ、三菱商事の幹部は「規模の追求をあきらめるわけではなく、あらゆる手段を考えていきたい」と話す一方、「ミニストップについて特に動きはない」と述べる。
大手3社の中で、関東圏での店舗数が比較的少ないローソンから見ると、関東地区で約1000店を展開するミニストップは魅力的かもしれない。ただ、苦戦が続くミニストップの海外事業までを抱え込むのはリスクとも言える。
ミニストップとしてはローソンのような大手との関係強化を鮮明にするか、あるいはイオン傘下での業績回復を目指していくのか。いずれにしても何らかの手を打たねば、業界におけるミニストップ存在感は薄まるばかりだ。

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中堅コンビニ、生き残りへコインランドリー

コンビニ&SPA―流通から生活革命
「コミュニティ・ストア」が店舗内に。3強へキラーコンテンツで勝負
 コンビニエンスストア業界でセブン―イレブン・ジャパン(東京都千代田区)、ファミリーマート(同豊島区)、ローソンの“3強”への集約が進んでいる。中堅コンビニは業績面や存在感で苦戦を強いられている状況だ。大手との合併や連携だけではない生き残りの策として、「規模で追いつけないなら、キラーコンテンツの『点』で勝負する」(横山敏貴国分グローサーズチェーン社長)戦略で、付加価値サービスや商品力強化による商機を探っている。 関東や東海、関西地域を中心に「コミュニティ・ストア」を展開する国分グローサーズチェーン(東京都中央区)は、コミュニティ・ストア名古屋北 清水三丁目店(名古屋市北区)で、コインランドリーを11月に設ける。洗濯や乾燥の待ち時間に、買い物やイートインコーナーで飲食をするといった需要を見込む。「大きい敷地を持つ店舗オーナーに提案したい」(横山社長)と、今後の展開も視野に入れる。
 スリーエフは一部の商品を、特定の店舗のみで販売する取り組みを進めている。全店一律の品ぞろえにこだわらないことで、地域のニーズや特徴がある商品を柔軟に扱うことができる。4月に起きた熊本地震の復興支援では、少量生産品の販売にこの仕組みを生かした。9月9日には千葉県と埼玉県で、ローソンとの協業となるダブルブランド店舗「ローソン・スリーエフ」の出店を始めた。その一方で、山口浩志社長は自社のブランドについて「書籍や青果が充実しているといった特徴を出す」としており、存在感の発揮に意欲を示す。
 強みとするコールドスイーツをテコに、高付加価値化を進めるのはミニストップ。定番のソフトクリームよりも100円高い、消費税込みの価格が320円の「プレミアム安納芋ソフト」を10月下旬に出すなど、大手3社にはない品ぞろえに磨きを掛ける。所属するイオングループ内でのサンドイッチの共同開発も、2017年春をめどに実施する。ミニストップが中心になって開発した商品を、イオン各社で販売することで規模のメリットを生かし、品質向上につながるとしている。
 “3強”の動きも激しさを増している。最大手のセブン―イレブンは8月、店舗数が単月では17年2月期で最多となる184店増となり、1万9000店を超えた。ファミリーマートは9月1日のユニーグループ・ホールディングス(HD)との経営統合で、運営するコンビニ店舗数は1万8000店超となった。ローソンについては筆頭株主の三菱商事が16日、子会社化で基盤強化を目指す方針を示した。
 こうした中、中堅コンビニは「4位以下は厳しい判断を迫られているが、マネをしても同質化するだけ」(横山国分グローサーズチェーン社長)との判断の下、小回りが利くニッチ市場で勝負を仕掛ける方針だ。
(文=江上佑美子)
日刊工業新聞2016年9月29日コンビニ&SPA―流通から生活革命
「コミュニティ・ストア」が店舗内に。3強へキラーコンテンツで勝負
 コンビニエンスストア業界でセブン―イレブン・ジャパン(東京都千代田区)、ファミリーマート(同豊島区)、ローソンの“3強”への集約が進んでいる。中堅コンビニは業績面や存在感で苦戦を強いられている状況だ。大手との合併や連携だけではない生き残りの策として、「規模で追いつけないなら、キラーコンテンツの『点』で勝負する」(横山敏貴国分グローサーズチェーン社長)戦略で、付加価値サービスや商品力強化による商機を探っている。 関東や東海、関西地域を中心に「コミュニティ・ストア」を展開する国分グローサーズチェーン(東京都中央区)は、コミュニティ・ストア名古屋北 清水三丁目店(名古屋市北区)で、コインランドリーを11月に設ける。洗濯や乾燥の待ち時間に、買い物やイートインコーナーで飲食をするといった需要を見込む。「大きい敷地を持つ店舗オーナーに提案したい」(横山社長)と、今後の展開も視野に入れる。
 スリーエフは一部の商品を、特定の店舗のみで販売する取り組みを進めている。全店一律の品ぞろえにこだわらないことで、地域のニーズや特徴がある商品を柔軟に扱うことができる。4月に起きた熊本地震の復興支援では、少量生産品の販売にこの仕組みを生かした。9月9日には千葉県と埼玉県で、ローソンとの協業となるダブルブランド店舗「ローソン・スリーエフ」の出店を始めた。その一方で、山口浩志社長は自社のブランドについて「書籍や青果が充実しているといった特徴を出す」としており、存在感の発揮に意欲を示す。
 強みとするコールドスイーツをテコに、高付加価値化を進めるのはミニストップ。定番のソフトクリームよりも100円高い、消費税込みの価格が320円の「プレミアム安納芋ソフト」を10月下旬に出すなど、大手3社にはない品ぞろえに磨きを掛ける。所属するイオングループ内でのサンドイッチの共同開発も、2017年春をめどに実施する。ミニストップが中心になって開発した商品を、イオン各社で販売することで規模のメリットを生かし、品質向上につながるとしている。
 “3強”の動きも激しさを増している。最大手のセブン―イレブンは8月、店舗数が単月では17年2月期で最多となる184店増となり、1万9000店を超えた。ファミリーマートは9月1日のユニーグループ・ホールディングス(HD)との経営統合で、運営するコンビニ店舗数は1万8000店超となった。ローソンについては筆頭株主の三菱商事が16日、子会社化で基盤強化を目指す方針を示した。
 こうした中、中堅コンビニは「4位以下は厳しい判断を迫られているが、マネをしても同質化するだけ」(横山国分グローサーズチェーン社長)との判断の下、小回りが利くニッチ市場で勝負を仕掛ける方針だ。

(文=江上佑美子)日刊工業新聞2016年9月29日

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セブン&アイ、利益半減 晴れぬ「停滞の霧」

2016/9/30

「小売りの勝ち組」とされてきたセブン&アイ・ホールディングスがつまずいた。30日には2017年2月期の連結純利益が前期比50%減の800億円となると発表。大幅な下方修正の原因は、不振の百貨店とスーパー事業で606億円の減損損失を計上すること。巨額の減損計上をきっかけに出直せるのか――。市場は確信を持てていない。
■「これで終わるか分からない」
 業績下方修正を招いた百貨店事業は、リストラの真っただ中にある。傘下のそごう・西武は今期既にそごう柏店(千葉県柏市)など4店舗の閉鎖を決定。その他の店舗でも苦戦が続いており、不振店舗に関して減損損失122億円を計上する。
 セブン&アイは2005年にミレニアムリテイリング(現そごう・西武)を買収して百貨店事業を一気に拡大しようとしたが、買収に伴って計上していたのれんのうち、334億円を減損損失する。つまり、乾坤一擲の大型M&A(合併・買収)が当初のシナリオ通りの利益を上げられなかったことを意味している。
 もう1つの元凶が、創業期から続くスーパー事業。イトーヨーカ堂は不良在庫を処分するため下期に値下げなどを予定しており、これが110億円粗利を押し下げる。さらに、イトーヨーカ堂の店舗についても150億円の減損を計上する。
 企業会計の仕組みを考えれば、不振事業で減損を計上したり、在庫処分したりすれば翌期以降の費用が圧縮され、利益が出やすくなる。それでも、セブン&アイの場合、来期以降に「V字回復」を果たせるとは限らない。株式市場では、「店舗の収益力がすぐに回復するような施策が今のところ、見当たらない。本当に減損の計上がこれで終わるのかは分からない」(小売り担当の大手証券アナリスト)という声が出ているのだ。
■注目は「10.6」
 実際、イトーヨーカ堂は昨夏にも在庫圧縮のために90億円の費用を計上したが、今期にも追加の対応を迫られた。かつて衣料品に強かったイトーヨーカ堂がファーストリテイリングが運営するユニクロなどの専門店に押されるという構図は1990年代から続いている。
 イトーヨーカ堂は今年、20店の閉店も予定しているが、抜本的なてこ入れ策は見えていない。在庫の圧縮や閉店だけでは縮小均衡だけが続くことは明らかだ。
 セブン&アイは10月6日に予定されている2016年3~8月期の決算発表で、てこ入れ策を打ち出す。鈴木敏文前会長から経営を引き継いだ井阪隆一社長が構造改革策を発表するとみられる。
 期待通りの計画を打ち出し、計画通り実行できるのか。スーパーや百貨店の現状が半年前以上に厳しくなっている中で、再成長のストーリーを見せられるか。「10.6」まで1週間を切った。

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「コンビニ三国志」統合ファミマはセブンを打倒できるか?

企業経営 2016.9.30 ジャーナリスト 鎌田正文=文 PRESIDENT Online

コンビニ競争は総合商社の代理戦争?
「ファミリーマートは、サークルKサンクスを事実上飲み込む」
コンビニのファミリーマートとスーパーの「アピタ」「ピアゴ」を展開するユニーグループ・ホールディングス(HD)は、9月1日に経営統合し、ユニー・ファミリーマートHDとしてスタート
ユニーは子会社にサークルKサンクスを抱えており、統合会社のコンビニ部門は当面、「ファミリーマート」「サークルK」「サンクス」の3ブランドで展開。将来的には、「ファミリーマート」に一本化する予定だ。
15年度末現在、3ブランド合計の国内店舗数は1万8006店舗。セブン&アイHD傘下のセブン-イレブン・ジャパンが国内で展開している「セブンイレブン」1万8572店舗に肉薄する。
この状況を受けて、ローソンの動向に注目が集まるのは必然だ。同社の国内店舗は1万2395店舗。セブンイレブンに次ぐ2位から3位に転落した。大株主の三菱商事も動向をきにしていたようだ。持株比率34%弱から50.1%に引き上げ子会社する。
ローソンはこれまで広島が地盤のコンビニのポプラに出資。16年4月には神奈川を中心にコンビニを展開するスリーエフとも資本業務提携を結び、スリーエフのコンビニ事業の一部を買収するという動きに出ている。フランチャイズ先をサークルKサンクスからローソンに移籍したのは、シー・ヴイ・エス・ベイエリアだ。同社は110店舗を超すコンビニフランチャイズ店を運営する上場会社である。
ユニー・ファミリーマートHDの大株主は伊藤忠商事。ローソンの筆頭株主は三菱商事である。ファミリーマート連合とローソンの競争は、伊藤忠商事と三菱商事の代理戦争という側面も強い。

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ユニー・ファミマHD 今期純利益219億円

2016/10/12 3[日経] 統合後初の予想

 ユニー・ファミリーマートホールディングスは11日、2017年2月期の連結純利益が219億円になりそうだと発表した。業績予想を出すのは9月1日の経営統合後で初めて。存続会社である旧ファミリーマートの前期との比較では4%の増益になる。
 ユニー・ファミマHDはファミマとユニー・グループホールディングスが統合して発足。通期の連結決算は旧ファミマの16年3~8月期(上期)と統合会社の16年9月~17年2月期(下期)を合算して作成する。
 売上高にあたる営業総収入は通期で9116億円の見通し。下期は929店のコンビニエンスストアを新規に出す。既存店では「サークルK」「サンクス」の795店舗の看板を「ファミリーマート」に切り替える。苦戦している総合スーパーは改装でテコ入れする。
 営業利益は565億円の見通し。コンビニ中心の流通大手ではセブン&アイ・ホールディングスの3530億円、ローソンの760億円に次ぐ。下期の営業利益は299億円の見込みだが、のれん代や人員の配置転換などの統合費用を除けば「360億円程度になる」(中山勇副社長)。統合前の2社が前下期に計上した利益の単純合算(324億円)より多い。総菜が好調なコンビニが伸びる。
 10月11日に発表した旧ファミマの上期決算の純利益は前年同期比19%減の106億円、旧ユニーGHDは912億円の最終赤字だった。ファミマは採算が悪化した店舗の減損、ユニーGHDは閉鎖を決めた総合スーパーやコンビニの減損が膨らんだ。

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ファミマ一転減益  3~8月営業8%減、統合費用響く

2016/10/4 日経新聞

 ファミリーマートの2016年3~8月期の連結営業利益は前年同期比8%減の260億円前後と、0.2%増を見込んでいた従来予想から一転して減益だったようだ。同期間での減益は2期ぶり。同社は9月1日付でユニーグループ・ホールディングスと経営統合した。統合作業に伴う人件費など費用が膨らんだ。販促費の積み増しも重荷になった。単体のチェーン全店売上高は4%増の1兆500億円前後だったようだ。新規出店に加え、既存店売上高の増加も寄与した。総菜や弁当の製法を見直して品質を高め顧客層を広げた。既存店売上高は3月以降、天候不順で低調だった5月を除き前年同月を上回った。ただ人件費のほか、統合キャンペーンなどで販促費が増えた。15年に買収した中堅コンビニのココストアの店舗をファミリーマートに転換する費用も利益を圧迫した。
 過去に大量出店した店舗の減損処理で数十億円規模の特別損失が発生する見込み。純利益の従来予想は3%増の135億円だが、計画を下回ったとみられる。統合でユニー・ファミリーマートホールディングスが発足。下期は「サークルK」「サンクス」をファミマの看板に統一する費用がのしかかる。フランチャイズチェーン加盟店との契約を見直し、本部が弁当などの廃棄費用を多く負担することで加盟店による発注抑制をできる限り少なくする。新契約をテコに既存店売上高を底上げできる総合商社と食品会社の複雑な資本関係
伊藤忠商事は、セブンイレブン向けが多いとはいえ伊藤忠食品、日本アクセスなどの食品卸を抱える。三菱商事の子会社で食品卸の三菱食品は、売上高の2割強がローソン向けである。コンビニやスーパーに欠かせない食材を提供している食品会社と商社の関係がよくわかる。
▼伊藤忠商事が出資している主な食品企業
伊藤忠製糖 不二製油グループ 昭和産業 雪印メグミルク プリマハム
▼三菱商事が出資している主な食品企業
大日本明治製糖 塩水港精糖 永谷園HD 日本食品化工 六甲バター 伊藤ハム米久HD
日清製粉グループ本社 日東富士製粉
上記以外にも、伊藤忠商事と三菱商事の両社は日清食品HDの株式を所有。伊藤忠商事はサークルKサンクス向けの弁当や調理パン、おにぎりなどを手がけているカネ美食品に出資していたが、ユニー・ファミリーマートHDを通して、関係が強まった形だ。カネ美食品はユニー・ファミリーマートHDの関連会社である。流通最大手イオンのコンビニ、ミニストップの国内店舗は2221店舗。セブンイレブンやファミリーマート連合、ローソンに比べて小ぶりで、収益力も見劣りするだけに、イオンも打開策を打ち出したいところだろう。考えられるのは、ローソンとの協力関係だが、ローソンを子会社化する三菱商事は、イオンの筆頭株主でもある。大きな影響力は及ばないものの、三井物産もセブン&アイHDの株式を2%弱保有している。
セブンイレブンが1歩も2歩も抜け出しているのは事実だが、ファミリーマートとローソンの2、3位の座を巡る争いと、それを取り巻く総合商社の動きからは目が離せないかが焦点になる。

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赤字転落のイオン、「次の心配」はコンビニ

2016/10/5 17:29 日経

 イオンの業績悪化が止まらない。5日発表した16年3~8月期の連結決算は最終損益が53億円の赤字(前年同期は21億円の黒字)だった。最終赤字は3~8月期としては2009年3~8月期以来7年ぶり。主力の総合スーパー(GMS)の不振やダイエーから移管した店舗の改革の遅れが重荷となり、再浮上の道筋を描けずにいる。
■営業利益は過去最高なのに……
 グループ全体でみた規模の拡大は続いている。売上高にあたる営業収益は0.9%増の4兆1118億円、営業利益はほぼ横ばいながら過去最高の723億円だった。ドラッグストアや金融事業などが伸びたためだ。営業利益で最高益を更新しながらも、最終赤字に転落したのはなぜか。
 このねじれには、イオングループの資本構造のあり方が影響している。会計上、連結対象のグループ子会社が稼いだ収益は売上高や営業利益、経常利益にはほぼ全額が反映されるが、最終損益の段階では出資比率に応じて非支配株主に帰属する利益を差し引いている。このルールがイオンの決算を分かりにくくしている。
 イオンの場合、2000年以降、デベロッパー事業を手掛けるイオンモールなどのグループ各社を相次ぎ上場させてきたため、最終損益で差し引かれる利益の額が大きい。5日に発表した3~8月期は、出資比率の低い子会社が好調だったものの、非支配株主分の利益を差し引いてしまうと、本業の実力があらわになってしまう。
 今回の決算で浮き彫りになったのは、主力のGMS事業の収益基盤が脆弱なことにほかならない。事実、GMS事業が主力の100%子会社のイオンリテールなど中核企業の不振が足を引っ張っている。
 イオンのGMS事業はダイエーから衣替えした店舗の改革も遅れ、3~8月期に183億円の赤字(前年同期は87億円の赤字)に沈んだ。テコ入れのため、店舗の大規模改装で集客力を高めて乗り切る戦略をとっているが、消費者の節約志向の強まりなどでGMSの衣料品や日用品の販売は低迷した。
■「ミニストップ」は勝ち残れるか
 さらにネット通販にも侵食されている。GMSで店舗内を回って商品を選ぶよりも、電子商取引(EC)サイトなどで豊富な品ぞろえの中から選ぶことを好む消費者も増えているのだ。経済産業省によると、国内の電子商取引の市場規模は15年に13.8兆円と前年よりも7.6%増えた。2~3年内に20兆円を突破するとの推計もある。
 今後、気掛かりなのは、コンビニエンスストアのミニストップの収益力にも陰りが出てきたことだ。ミニストップが5日に発表した3~8月期の連結業績は売上高は1004億円と前年同期比4%増だったが、営業利益は15億円と42%減、純利益は6億円と50%減だった。コンビニ各社の競争は激しさを増しており、ミニストップも当面は広告など集客強化のためのコスト増が続きそう。9月にはユニー・ファミリーマートホールディングスが発足。ローソンは三菱商事の傘下で商品の開発や流通を見直し、巻き返しを図っている。首位の「セブンイレブン」はもちろん、上位陣との競争は一段と厳しくなりそうだ。今後、抜本的な経営改革を進めて巨艦を立て直すことができるか。イオンの収益回復の道のりは平たんではない。
(富田美緒)

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井阪セブン、「鈴木路線」否定前面にリターン重視、独自色薄く

日経新聞

7月中旬の交渉入りから3カ月足らず、セブン&アイ・ホールディングスとエイチ・ツー・オーリテイリングが6日に電撃発表した資本業務提携の評価は翌7日の両社の株価に如実に表れた。
H2Oに譲渡される神戸市のそごう神戸店
 地盤の関西でそごう神戸店(神戸市)など3店をライバルのそごう・西武から譲り受けるH2Oの株価は終値で1564円と前日比3%上昇。一方、セブン&アイの終値は前日比5%下落した。低収益事業の立て直しに向けたセブン&アイの構造改革案。その目玉施策であるH2Oとの提携も「期待感に比べれば、インパクトは小さかった」(国内アナリスト)。
■ROE10%目標
 セブン&アイは6日、2016年3~8月期の連結業績とともに構造改革案を柱とする中期3カ年計画を公表した。記者会見した井阪隆一社長は「M&A(合併・買収)はリターンが取れていなかった」「投資のリターンが見込みづらい」と何度も「リターン」という言葉を口にした。
 鈴木敏文前会長の退任に伴い、セブン&アイの経営トップに立った井阪氏。自身で設定した「100日」という期限のなか、「鈴木路線の否定とうみを出し切ること」(セブン&アイ幹部)を最優先に中期計画の取りまとめを進めてきた。
 初めて公表した今回の中期計画では自己資本利益率(ROE)の数値目標を設定。16年2月期の6.9%から中期計画の最終年度にあたる20年2月期には10%に引き上げる。「資産効率を重視する。規律ある投資を実行していく」と強調した井阪氏にとって、「リターン」は鈴木路線の否定を示すキーワードだ。
■ネット戦略転換
 やり玉に挙げたのはインターネットと実店舗を融合する「オムニチャネル戦略」。鈴木氏が構想を描き、ネット通販企業や雑貨・ファッション専門店のM&Aなどに巨額の資金を投じてきた。オムニチャネルの看板こそ残すものの、グループ共通で顧客情報を管理し、一人ひとりに合わせた商品やサービスを提供するという単なるマーケティング手段に切り替える。
 百貨店の切り売り、オムニチャネル戦略の転換など「止血」では一定の手立てを講じつつ、中期計画では20年2月期の連結営業利益を17年2月期の計画から約1000億円上積みする目標も掲げた。ただ、具体的な施策は迫力を欠く。例えば、「不動産開発の視点を取り入れる」(井阪氏)という総合スーパーと百貨店。マンションや病院、託児所などと組み合わせた複合施設への転換で収益向上を目指すという戦略に目新しさはない。
 屋台骨のコンビニエンスストア事業も利益の7割を稼ぎ出してきた国内の「セブンイレブン」は従来計画より新規出店を抑制する一方、閉鎖を増やす。「出店場所はあっても人の確保が難しくなっている」(競合チェーン幹部)という状況を踏まえ、1店舗ごとの収益の底上げにかじを切る。北米ではM&Aも視野に入れた店舗網拡大を目指すものの、収益への貢献度には不透明感もある。
 グループの年間売上高が10兆円超え、世界に15万人の従業員を抱えるセブン&アイ。今回の中期計画はオムニチャネル戦略の全面転換など「鈴木路線の否定」を前面に打ち出したものの、井阪氏の独自色は薄かった。コンビニ頼みの収益構造が変わらないなか、自身が掲げた数値目標をどう達成するのか。鈴木氏の突然の退任を受け、期せずして社長に就いた井阪氏の経営手腕が試される。
(川上尚志)

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ユニー・ファミマHD 今期純利益219億円 統合後初の予想

2016/10/12 3:30 朝刊 [日経]

 ユニー・ファミリーマートホールディングスは11日、2017年2月期の連結純利益が219億円になりそうだと発表した。業績予想を出すのは9月1日の経営統合後で初めて。存続会社である旧ファミリーマートの前期との比較では4%の増益になる。
 ユニー・ファミマHDはファミマとユニー・グループホールディングスが統合して発足。通期の連結決算は旧ファミマの16年3~8月期(上期)と統合会社の16年9月~17年2月期(下期)を合算して作成する。
 売上高にあたる営業総収入は通期で9116億円の見通し。下期は929店のコンビニエンスストアを新規に出す。既存店では「サークルK」「サンクス」の795店舗の看板を「ファミリーマート」に切り替える。苦戦している総合スーパーは改装でテコ入れする。
 営業利益は565億円の見通し。コンビニ中心の流通大手ではセブン&アイ・ホールディングスの3530億円、ローソンの760億円に次ぐ。
 下期の営業利益は299億円の見込みだが、のれん代や人員の配置転換などの統合費用を除けば「360億円程度になる」(中山勇副社長)。統合前の2社が前下期に計上した利益の単純合算(324億円)より多い。総菜が好調なコンビニが伸びる。
 10月11日に発表した旧ファミマの上期決算の純利益は前年同期比19%減の106億円、旧ユニーGHDは912億円の最終赤字だった。ファミマは採算が悪化した店舗の減損、ユニーGHDは閉鎖を決めた総合スーパーやコンビニの減損が膨らんだ。

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ローソン営業益5%減 3~8月、改装など費用増

2016/10/12 業績ニュース

 ローソンが12日発表した2016年3~8月期の連結決算は、営業利益が前年同期比5%減の399億円だった。コンビニ事業を中心に売り上げは伸びたが、店舗改装などに伴う費用負担が響いた。一方、店舗に関連した減損損失の計上額が大幅に減ったことで、純利益は14%増の226億円だった。
 売上高に相当する営業総収入は6%増の3062億円だった。主力の国内コンビニエンスストア事業は5%増えた。高級スーパーの成城石井も好調で7%の増収を確保した。
 17年2月期の連結業績予想は営業総収入のみ修正した。前期比10%増の6420億円を見込み、従来予想(11%増の6480億円)から60億円下方修正した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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セブン、新卒採用でバイト優遇
1次面接免除 18年春卒から、即戦力確保

2016/10/15 3:30 朝刊 [日経]

 セブン―イレブン・ジャパンは2018年春入社の新卒採用から店舗で働くアルバイトの学生を優遇する制度を導入する。加盟店オーナーの推薦を受けた学生の1次面接を免除する。アルバイトの学生を対象にインターンシップ(就業体験)も導入し、参加者が将来就職を希望した場合は2次面接まで免除する。人手不足感が強まるなか、意欲のある学生を積極登用する。
 セブンは新卒採用の際、部長級による最終面接まで3~4回の面接を実施している。18年春卒の採用から、コンビニエンスストア「セブンイレブン」で1年程度のアルバイト経験があり店舗オーナーの推薦を受けた学生について、採用選考で1次面接を免除する。
アルバイト向けのインターンシップを導入し意欲のある学生の定着を図る(インターン「セブンアカデミー」の風景)
 セブンは先行してアルバイト向けのインターン「セブンアカデミー」も始めた。勤務経験が半年以上で店舗オーナーの推薦を受けた高校1年生から大学4年生のアルバイトが対象。店舗で働きながら延べ5日間、企業理念や商品発注の仕組みを学んでもらう。インターン参加者が将来、入社を希望した場合は選考の2次面接まで免除する。
 第1弾を8~10月に東京と大阪、福岡、名古屋の4都市で開催したところ約50人が参加した。来年1月にかけて第2弾を開く。将来的には参加者を年500~1000人規模に広げたい考えだ。
 コンビニ各社では本部とフランチャイズチェーン契約を結んだ加盟店のオーナーが、アルバイトやパートの店員を個別に採用し、店員の教育や研修もオーナーが担ってきた。ただ国内のコンビニ店舗数は5万軒を超え、店員の確保が難しくなっている。セブンは従来の方針を転換、アルバイトの教育まで踏み込んで加盟店の支援を強める。
 コンビニ首位のセブンはここ数年、新規出店数が1千店を超え、店舗運営を指導する人材の確保も課題になっている。セブンの16年度の新卒採用数は大卒403人、高卒140人の計543人で、大半が入社後に店舗で働いた後、経営相談員になる。アルバイト優遇制度の導入で、店舗運営に詳しい人材を積極採用し即戦力を確保する。

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「走るコンビニ」加速 ローソンが専用車

2016/10/21 22:48 [日経新聞]

過疎地や郊外で移動販売する「走るコンビニエンスストア」が広がる。ローソンは11月から順次専用車両を全国14カ所に設置し、加盟店が営業できるようにする。店舗の少ない地域で需要を掘り起こすとともに、企業イメージを上げて集客増につなげる狙い。移動販売はセブン―イレブン・ジャパンやファミリーマートも手掛けており、高齢者など「買い物弱者」の支援に弾みがつきそうだ。
専用車両は車がそのまま売り場になる
 ローソンは冷凍や冷蔵など4種類の温度帯に対応した専用のワゴン車両を開発した。車両のドアを開くとそのまま陳列台として利用可能。ワゴンと店舗のレジはつながっており、その場でレシートが発行できる。
 これまでも加盟店が独自に車を用意して、営業することはあったが、商品の積み下ろしや売り上げ集計など手間がかかっていた。本部主導で車両とレジをつくり上げることで、作業の改善につなげる。総投資額は数千万円とみられる。
 専用車は加盟店の要望に応じて無償で貸し出す。各店は冷凍食品や弁当、日用品など約300品目を積み込み、店頭と同じ価格で販売する。まず11月に静岡県伊豆市で導入し、2017年3月末までに川崎市、青森県十和田市などの店舗に順次配置する。利用状況やオーナーの要望に応じて、エリア拡大や台数増を検討する。
 移動販売を通じて山間部や郊外の高齢者施設、高齢化が進む大規模団地の近くなど、小売店の少ない地域を巡り、需要を掘り起こす。加えて、ローソンの商品を試す機会が増えることでファンが広がり、外出時の来店が期待できるほか、企業イメージ向上にも寄与するとみている。
 加盟店はガソリン代などの費用を負担し、追加の人材も新たに必要になる。ただ、移動販売は頻繁に来ることがないため、一般的に利用者はまとめ買いする傾向が強い。客単価は上昇するため、収支はトントンになるとみている。
 移動販売はセブンイレブンが北海道と18県で展開し、ファミリーマートも18台を長野県などで手掛けている。11年の東日本大震災後、被災地支援の一環で移動販売を本格化したが、現在は日々の買い物が困難な「買い物弱者」の増加に対応する狙いを強めている。
 スーパーや生活協同組合も利便性を高めて消費者をつなぎとめる手段として移動販売に注力している。野菜宅配のオイシックス傘下で移動スーパー事業を手掛けるとくし丸(徳島市)は全国各地のスーパーと組み移動販売を広げている。利益を確保できる事業モデルになっており、販売品も食料品だけでなく、衣料品も増やしていく方針だ。
 国内の一人暮らし高齢者は増え続けており、過疎地に限らず高齢化が進む団地でも買い物弱者は増えている。経済産業省の推計では国内の買い物弱者の数は約700万人と増加傾向で、今後も増えるとみられている。

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ファミマ・RIZAP・伊藤忠 健康関連で提携

2016/10/14 日経新聞

 ファミリーマートとフィットネスクラブ「RIZAP(ライザップ)」を運営するRIZAPグループ、伊藤忠商事の3社は健康関連分野で業務提携する。健康に配慮した商品・サービスの開発や販売で協業する。第1弾として、11月に糖質を抑えた食品を全国約1万8000店のコンビニエンスストアで売り出す。
 11月に発売する「RIZAP」ブランドの食品は糖質を抑えたパンのほか、プリンやゼリーなどのデザート、半生菓子やチルド飲料など。価格はパンで100円台前半になる。RIZAPはフィットネスクラブの会員向けに低糖質の食品を販売している。ファミマで扱う商品はRIZAPが監修し、幅広い層に食べてもらえるように規格を見直す。
 RIZAPと伊藤忠はすでに衣料品や雑貨でライセンス契約を結んでおり、2017年春をめどにスポーツ向けを中心に「RIZAP」ブランドの商品を売り出す計画。ファミマの親会社のユニー・ファミリーマートホールディングスを持ち分法適用会社としている伊藤忠は大手スポーツ用品チェーンや総合スーパーに加え、ファミマのコンビニも販路に検討する。
 ファミマは調剤薬局やドラッグストアとの一体型店舗を増やしているほか、病院や栄養士と組んだ商品の開発も進めている。マンツーマン指導のフィットネスクラブの運営を軸に食品などの販売も手掛け、RIZAPと組むことで健康関連分野の需要を深掘りする。

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ローソン、11月に準備会社=銀行参入発表、三菱UFJも出資

時事通信社

 コンビニエンスストア大手のローソンは24日、銀行業参入に向け、三菱東京UFJ銀行と共同で「ローソンバンク設立準備会社」(東京)を11月下旬に設立すると発表した。金融サービスの手数料収入により収益基盤を強化するのが狙いで、小売業では3番目の銀行業参入となる。
 準備会社の資本金は10億円で、出資比率はローソンが95%、三菱東京UFJ銀が5%。会長にはローソン顧問で財務省出身の岩下正氏(68)が就任する。社長は今後決める。金融庁に銀行業免許を申請し、2018年にも開業を目指す方向だ。
 ローソンは全国の約1万2000店の9割に現金自動預払機(ATM)を設置している。玉塚元一会長は「コンビニでの金融や(各種料金の)支払いニーズは高まっている」と話しており、新銀行では個人向けの預金や決済などを手掛ける。
(2016/10/24-20:29)

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