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コンビニ売上高2カ月ぶり減少 5月、天候不順響く

2016/6/21 3:30 日経朝刊

 日本フランチャイズチェーン協会が20日発表した2016年5月の全国コンビニエンスストアの既存店売上高は、前年同月比0.3%減の8115億円だった。2カ月ぶりのマイナスとなった。
 全国的に気温が上がらず、飲料やアイスの売り上げが落ち込んだ。来店客数もマイナスとなっており、消費環境は厳しくなっている。
 既存店の来店客数は1.3%減で3カ月連続でマイナスとなった。平均客単価は1%増で14カ月連続のプラス。

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全国初のコンビニエンスストア併設式インフォメーションセンター

船橋市がセブン―イレブンジャパンと共同で建設を進めていた全国初のコンビニエンスストア併設式インフォメーションセンターが30日、JR船橋駅前にオープンする。29日は開所式が行われ、出席者は同センターが新しい形の情報発信基地となるよう期待を寄せた。
 インフォメーションセンターとコンビニが建設されたのは同駅南口の市有地。敷地面積は約317平方メートル、建物延べ床面積は約223平方メートル(インフォメーションセンター部分は約46平方メートル)、取り扱い商品は約2900品目。コンビニに併設したことで24時間(年中無休)体制が可能になった。
 センター内のインフォメーションコーナーには、大型デジタル動画モニターをはじめ各種パンフレット配架棚、同市特産品陳列棚が設置され、市内の観光スポット、イベントの紹介や災害情報なども提供。午前11時から午後7時(土日、祝休日は午前10時から午後6時)は専属スタッフが各種の案内を行う。
 開所式では、松戸徹市長が「24時間、船橋の情報発信ができることは町づくりの大きな力になる」とあいさつ。セブン|イレブンの内竹善哉千葉・南茨城ゾーンマネジャーが「1番店を成功させ県内各市町村にも同じような店舗を作れるようにしたい」と、コンビニの新たな可能性を秘めた同店の魅力をアピールした。

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ローソンが挑む安売り戦略 コンビニの定価販売モデル崩すか

長らく「定価販売」を主軸としたビジネスモデルで成長してきたコンビニエンスストアだが、ここにきて「値下げ」の動きが広がっている。ローソンは飲料や調味料、洗剤など約90品目を「キーバリューアイテム(KVI)」に定め、6月末までに全店舗数の75%にあたる9000店で地域ごとに異なる価格設定をしていくという。つまり同じ商品でも近隣にある食品スーパーやドラッグストアとの価格差が大きい店ならば、値下げ販売も辞さず──というわけだ。すでに近年の大手コンビニチェーンでは、独自のポイントカードや電子マネーによるキャンペーン商品の実質値下げや、PB(自主企画)商品による割安な価格設定、その他、レジ前で売れ残り商品を安売りするなど、定価販売の原則は崩れつつあった。それでも多くの品で定価販売を続けているのは、コンビニが本部と各店舗オーナーによるフランチャイズ(FC)契約によって成り立ってきた業態だからである。
「コンビニ経営は、店の売り上げから商品の仕入れ原価を引いた『粗利益』を本部とFCオーナーで分け合う。大手チェーンになると粗利の40%前後をロイヤルティーとして本部に納める仕組みになっている。
 オーナーは残った“分け前”から店の人件費や光熱費、商品の廃棄ロスの負担など、あらゆる経費を差し引くので、最終的にオーナーの懐に入る利益は総売り上げの5%以下になる。そんな状況では、利幅を減らしてまで数を売らなければならない低価格戦略は取りにくかった」(経済誌記者)
 だが、本部へのロイヤリティー比率については、各チェーンとも徐々に低下させる傾向にある。また、商品の価格政策についても、これまではすべて本部主導で決められてきたものを、一部オーナーの裁量に委ねる方針になりつつあるという。なぜ、コンビニのビジネスモデルに変化が生じているのか。流通アナリストでプリモリサーチジャパン代表の鈴木孝之氏が解説する。「コンビニはその名の通り、価格帯よりも消費者にとって必要な品揃えをして24時間営業するという“利便性”を最大の売りにしてきましたが、いまや、その特徴が通用しなくなっています。店舗数が増え続けるドラッグストアでは、クスリのほかに加工食品や生鮮食品の安売りで客数を伸ばしていますし、食品スーパーも利益度外視の目玉商品や特徴ある商品をたくさん用意しています。
 ライバルは異業態だけではありません。コンビニは全国に5万5000店を超え、狭いエリア内で同じチェーンの店に客を奪われることも珍しくありません。今後、既存店の売り上げを維持させるためには、本部統制型のチェーンオペレーションではなく、いわば商圏ごとの“個店主義”で柔軟に対応していかないと生き残れない時代なのです」かつて、売れ残り弁当の値引き販売を禁止された大手コンビニ加盟店のオーナーが本部を提訴する出来事もあったが、それだけ現場のオーナーも客数・売り上げ確保に危機感を募らせているのだ。前出の鈴木氏は、「今後、コンビニはさらなる価格政策の見直しが求められていくだろう」と予測する。「ユニクロが商品の値上げをして消費者から反発を買ったように、世の中は相変わらずデフレ傾向が続いたままで、生活者の節約志向や生活防衛意識は高い。 しかも、2025年には消費人口の中で大きなウエイトを占める『団塊の世代』がすべて75歳以上の後期高齢者になります。年金暮らしで財布のヒモを締めながら暮らす人が一気に増えれば、日本の小売業は否が応にも価格問題に直面するでしょう。
 そんな中、コンビニの将来は、質を落とさずにコストダウンを図った“一歩進んだ”PB商品を増やすなど、価格競争力を伴った品揃えの多寡にかかっているといえます」(鈴木氏)
 さて、ローソンの価格戦略は、消費者が抱く「コンビニ商品は高い」というイメージを覆すことができるか。

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コンビニ大手が弁当・総菜のチルドシフトで外食産業と激突へ

コンビニ&SPA―流通から生活革命
鮮度にこだわり、食材の幅拡大で工場再編も
サークルKサンクスは焼きとりの加工工程の一部をチルド管理に変更した。
 コンビニエンスストア大手が、弁当や総菜などの生産と販売にチルド(3度―8度C)温度帯の活用を増やしている。サークルKサンクスは人気商品の焼きとりの生産で、一部冷凍工程をやめてチルド工程にシフトした。セブン―イレブン・ジャパンやファミリーマートは、チルド弁当を増やしている。鮮度保持や従来の温度帯では使えない食材も活用できるなど、質的な向上が図れる。チルド温度帯のメリットを最大限引き出す、コンビニ大手の取り組みが活発化している。
 「2015年度(16年2月期)のチルド弁当の(弁当全体に占める)比率は35%になった」。セブン―イレブン・ジャパンの石橋誠一郎取締役執行役員はこう話す。13年2月期のセブン―イレブンのチルド弁当の比率は同12%だったから、3年で3倍近い急ピッチな伸び率だ。
 店頭では一見、区別しにくいが、通常の弁当が16度―20度Cの「定温」で販売されるのに対し、チルド弁当は冷蔵ケースで販売されている。低温で配送、販売されるため劣化が遅く、定温では使え切れなかった半熟タマゴや海鮮系の食材などが使えるメリットもある。日持ちの良さから廃棄ロスになる比率が低くなり、加盟店の支持も高い。
 チルド弁当の生産は、ファミリーマートも力を入れている。現在、定温やチルドの温度帯別に工場の再編を実施している。従来の汎用的な生産体制から、定温弁当、チルド弁当などと温度帯別に再編することで専門性を高めたり、配送効率を高めたりする。ローソンも品目を拡大中だ。
 サークルKサンクスも、人気商品の生産にチルドの活用をはじめた。11年の発売以来、15年までに累計4億2000万本の販売を達成した「ジャンボ焼きとり」で、5月10日から原料、鶏肉の管理温度帯を一部チルド温度帯に変更した。
 従来、原料鶏は食肉に解体してから即座に冷凍保存する。さらに、その冷凍肉を解凍して串を刺し焼くといった加工後に、ふたたび冷凍。解凍して販売という工程だった。
 だが、新工程は解体処理後に冷凍をせず、チルド帯で串を刺し焼くなど加工をして冷凍する。輸送と冷凍工程を一つ削減し、チルド温度帯の配送を挟み込んだ。冷凍解凍工程を一つ省くことで品質が改善し「食味が良くなった」(同社)という。
 コンビニは今後「外食産業との競争」(コンビニ大手幹部)といわれる。1万店以上ある店舗網に質の高い商品を供給するには、仕組みの高度化が欠かせない。チルド温度帯の生産、販売面での活用は、コンビニ商品の質的向上に不可避といえそうだ。

(文=森谷信雄)
日刊工業新聞2016年6月3日

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セブンイレブン 新社長 沖縄出店に言及する

コンビニエンスストア国内最大手のセブン-イレブン・ジャパン(東京、古屋一樹社長)の沖縄進出が現実味を帯びてきた。これまで、セブンは沖縄進出の可能性を「検討」の表現にとどめてきたが、出店時期をより具体的に示し、地元企業との接触を認めた。県内の流通関係者は「これだけ踏み込むのは、相当準備されている。いつ出店してもおかしくない」とみる。県内のコンビニ市場は沖縄ファミリーマート、ローソン沖縄の大手で500店舗に迫り、飽和状態が近づく。セブンの進出で、県内のシェア争いが激化するのは必至だ。
セブンイレブン“唯一の空白県”沖縄進出へ
 「セブンには業界トップのプライドがある。その座を守るため、手段を選ばない。店舗数の純増につながる沖縄進出は、重要なカードのひとつ」。コンビニ業界の内情に詳しい、県内の流通関係者は語る。
 その場合、特定の地域で短期間に集中出店し、効率配送やブランド浸透を狙う「ドミナント戦略」は沖縄でも採用されるとみられる。
 全国的には、ファミリーマートと、サークルKサンクスを擁するユニーグループ・ホールディングスが9月に経営統合などを控え、店舗数でセブンに迫る勢いをみせる。
 同関係者は「(セブンは)純増効果が最も高いタイミングで沖縄に出店するのではないか」。想定より時期が早まればフランチャイズ展開を先送りし、直営での出店もあり得るとの見方を示す。
 一方、沖縄進出には課題もある。専用工場の整備、セブンの品質基準を満たす製造業者、物流・配送網の確保だ。
 セブンの広報は「まだ、具体的には決まっていない」としつつ「複数の企業の組み合わせもあり得る。総菜なら、製造から3時間以内に商品を届けるという基本は変わらない」と話す。
 県内のコンビニ業界は今年2月末現在、最大手のファミリーマートが269店舗、次いでローソン沖縄が191店舗を展開。将来的に両社合わせて、約600店舗の計画が見込まれ、セブン進出によって競争環境は激変しそうだ。
 傘下に沖縄ファミリーマートを抱えるリウボウホールディングスの糸数剛一会長は「激しい競争は避けられない。その結果、沖縄のコンビニ業界は進化し、トータルとして消費者にプラスになる」と冷静に受け止める。他社との比較では勝てないとし「自社の独自性や弱点を見極め、足元を強化していくことが最も重要な戦略だ」と述べた。

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