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直売所とコンビニ合体 全農とファミマ、愛媛に1号店

JA全農は4月29日、農産物直売所とコンビニエンスストアとの一体型店舗を愛媛県に開店した。これまでAコープとの提携は進めていたが、直売所とは初めて。
直売所とコンビニの一体型店舗「ファミリーマート・全能ふれっしゅ広場」出店するのは「ファミリーマート・全農ふれっしゅ広場」で、JA全農えひめが運営。24時間営業で、コンビニエンスストアの持つ利便性と直売所ならではの農畜産物など、地域に密着した幅広い商品をそろえている。
JA全農とファミリーマートは、双方の持つ経営資源や経営ノウハウを相互に有効活用することを目的に、Aコープとコンビニとの業務提携を進め1号店を愛媛県伊予市に開店しているが、農産物直売所との一体型店舗は初めて。
場所は同県東温市で、農産物の品揃えをふやすため、内場面積は通常のコンビニエンスストアの約3.5倍の530平方m。地元の新鮮な野菜や果物、精肉、鮮魚に加え、切り花や鉢植えの園芸品なども販売。全農ブランド商品、エーコ―プマーク商品、地元商品などもそろっている。
店内には、木目調の内壁やカウンターを採用。陳列商品がわかるように各ゴンドラにはコーナー名を標記し、28席のイートコーナーを設置することで快適に利用できるよう配慮している。

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ファミマユニー統合承認へ 株主総会、9月発足 店舗数2位へ

2016.5.26 07:24

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コンビニ大手のファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスは26日、それぞれ開く株主総会で9月1日にファミリーマートがユニーグループを吸収合併し、持ち株会社「ユニー・ファミリーマートホールディングス」を発足させる経営統合案を承認。
コンビニ事業は業界3位のファミリーマートと、ユニーグループが傘下に置く4位サークルKサンクスとの統合になり、単純合算した国内店舗数は約1万8千店と、ローソンを抜き、首位のセブン-イレブン・ジャパンに迫る規模となる。
持ち株会社の社長にはファミリーマートの上田準二会長(69)が就き、副社長にはファミリーマートの中山勇社長(58)とユニーグループの佐古則男社長(58)が就任する予定だ。

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マクドナルド不振の理由がコンビニで分かる?

第1回:「おいしいパントレンド」とハンバーガー業界への影響
高杉 康成 2016年5月2日(月)バックナンバー

普段、何気なく使っているコンビニエンスストア。そこで入ってくる様々な情報に目を凝らし、タテに深くヨコに広く分析することで、社会環境の変化とそこから生まれる新しいビジネスをイメージすることができるようになります。
「セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼最高経営責任者が退任」。4月初旬、テレビや新聞で大きく報道された記事です。このニュースが大きく報道されたのは鈴木氏の功績の大きさを物語っていますが、それと併せて、コンビニエンスストア(以下:コンビニ)の影響力の大きさにも気づかされた記事でした。
振り返ってみると、コンビニは、時代ごとに新しいサービスを提供してきました。24時間営業を始め、宅配便の取り扱い、光熱費などの振り込み、キャッシュコーナーの設置、電子マネーの利用など、新しい技術・サービスを取り込みどんどん便利になっていきました。また、商品についても、おにぎりやお弁当から始まり、肉まん、唐揚げ、おでんと幅を広げ、最近では、ドリップコーヒーやドーナツにまで領域を広げてきました。このように、全国津々浦々にまでいきわたったコンビニには、時代の先端を行くトレンドが詰まっているのです。
マックを襲ったパン革命
マクドナルドが苦戦しています。販売不振が長引き、日本マクドナルドホールディングスの業績は低迷、米本社から株式の売却話が出る始末です。14年7月に発覚した鶏肉偽装問題と15年1月に明らかになった異物混入問題などの不祥事が大きく影響しているとのことですが、本当にそれだけなのでしょうか。そこで、コンビニにヒントを求めて探してみると1つの視点が見えてきました。それは「パン」の変化です。
ここ数年でパンが急激においしくなってきているのです。コンビニも総菜パンを販売していますが、最近は、メーカーのナショナルブランド(NB)だけではなく、コンビニ独自のプライベートブランド(PB)のおいしいパンが増えてきました。米粉が入ってモチモチしたり、コーンや明太子がたっぷり入っていたり、多種多様な「おいしい総菜パン」が増えてきたのです。換言すれば、ハンバーガーという「パンを主材料とした商品」に強敵が現れたのです。そこで、「パンの変化」というキーワードをもとに、ヨコ視点を用いて他の要因を分析してみます。すると、いくつかの「パン革命」が見えてきます。
1つは、家庭用ホームベーカリーの普及です。ホームベーカリー市場は05年以降に急激に拡大しています。12年に需要が一巡し、いったん下降気味になりましたが、お米からパンを作る「ゴパン」がヒットし、再び市場が拡大し始めました。つまり、家でおいしいパンがいつでも食べられるようになったのです。特に、お米から作る、あるいは米粉をベースにしたパンは、そのモチモチとした食感が、その後の「モチモチ感トレンド」を生み出すきっかけともなりました。
次に挙げられるのが、インストアベーカリーの拡大です。インストアベーカリーとは、スーパーマーケットの中にあるパン屋さんです。最近では、スーパーの中にオーブンを置いて、そこで焼き上げるタイプのお店が急増しました。その結果、従来は特定のパン屋さんだけだった焼き立てパンが、スーパーでも買えるようになったのです。
コンビニ惣菜パンの進化、ホームベーカリーの普及、インストアベーカリーの台頭により、消費者はおいしいパンを日常的に口にするようになったのです。
ハンバーガー業界で独自路線を走っている企業にモスバーガーを展開するモスフードサービスがあります。
マクドナルドとモスバーガーの違いは、前者が価格を売りにしているのに対して、後者は素材感を売りにしていることです。価格はモスバーガーのほうが高い設定となっています。ある意味、対極的だと言えます。特にマクドナルドは、少し前に低価格路線で大成功し、デフレの成功者として、マスコミにこぞって取り上げられるほどでした。
一方のモスバーガーは独自路線を踏襲し、牛丼チェーンを巻き込んだ低価格フード戦争とは一線を画していました。つまり、マックが低価格路線でコストダウンを図っている間に、世の中で「パンの革命」が起こってしまって消費者の口が肥えてしまい、2極化をより促進してしまったのです。
社会環境の変化と事業戦略のズレ
日常的においしいパンが食べられるようになった社会において、ハンバーガーのバンズ(パン)はどのような進化をしたのでしょうか。実は、このような社会環境の変化は、顧客ニーズの変化をもたらしたのです。具体的には、
  第1段階:日常的においしいパンが食べられるようになる(社会環境の変化)
  第2段階:おいしいパンが当たり前となる(市場トレンドの変化)
  第3段階:おいしいバンズのハンバーガーが食べたいというニーズが発生(顧客ニーズの変化)
という3段階で変化していくのです。このような状況の中、前述した対照的な2社の対応は、片や低価格路線に対応したコストダウン、もう一方は高付加価値独自路線の踏襲でした。
ここまでくると、マックの業績不振の一因が少し見えてきました。つまり、周りのパンがおいしくなってきているにもかかわらず、低価格路線に対応すべくコストダウンを行ってしまった結果、市場のニーズからずれてしまったと考えられるのです。
おいしいパンのトレンドは、ゴパンのヒット、インストアベーカリーの台頭から始まっていますので、ここ5、6年の現象です。実はマクドナルドの業績は、図から見ても分かりますように、14年の鶏肉偽装問題の前から減少しているのです。一方、モスバーガーは、それに相反するように売り上げを伸ばしてきています。マクドナルドの業績は「おいしいパントレンド」と逆行し、モスバーガーの業績は同調するような動きなのです。
社会環境の変化が市場トレンドの変化を生み出し、ハンバーガーに対する顧客ニーズを変化させてしまう。それもこういった劇的な変化がわずか5、6年で起きてしまうのです。コンビニで何気なく買っている惣菜パンですが、味がおいしくなってきたと感じるだけではなく、「パン」というキーワードをベースに「タテに深くヨコにつなげて分析」し、新しい社会環境の変化(革命)を見つけ出していくことが重要なのです。

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コンビニで発見できる社会環境の変化

ますます便利になっているコンビニですが、そこには多くの市場の変化を知るヒントが転がっています。
例えば、最近コンビニでよく見かける小容量の肉じゃが、煮物、サラダなどの総菜は、単身世帯だけではなく、高齢者にも喜ばれています。厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、2013年現在、単身世帯と夫婦のみ世帯(2人世帯)の比率が50%近くになっています。特に、65歳以上の単身、夫婦のみ世帯が増加しています。つまり、少人数世帯が増えているという社会環境の変化が、コンビニという便利な店舗における小容量総菜のニーズを生み出しています。
また、一般消費者向けビジネスだけではなく、企業向けビジネス(BtoBビジネス)においても、コンビニからヒントを得ることができます。例えば、コンビニに定期配送しているトラックから、共同配送などの新しい物流のカタチを見つけ出すことができます。日配食品が増え、多品種小口配送の必要性が高まった結果、冷蔵機能を持つ大型倉庫が誕生し、そこでは単なる配送だけではなく、受注、仕分けまで行われるようになりました。こういった新しいカタチの物流ビジネスが生まれるトレンドもコンビニから垣間見ることができます。
キャッシュディスペンサーも、お金をおろすだけではなく、電子マネーのチャージなどもできるようになりました。こうなると、単に現金引き出し装置を販売して設置するだけではなく、ネットワークの設計・構築、現金等の取り扱いに関わる警備・輸送、装置の保守メンテなどを含めた様々な企業を統合するシステムインテグレート機能が求められてきます。
普段何気なく使っているコンビニですが、そこで入ってくる様々な情報に目を凝らし、タテに深くヨコに広く分析することで、社会環境の変化とそこから生まれる新しいビジネスをイメージすることができるようになるのです。

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セブン&アイ、鈴木氏は名誉顧問に  存在感残る、加盟店に配慮も

2016/5/25 3:30 朝刊 [日経]

セブン-アイ・ホールディングスは26日の株主総会で退任する予定の鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO、83)が名誉顧問に就く人事を決めた。鈴木氏については名誉職を用意する方針で、肩書を巡って調整が続いていた。鈴木氏はセブン-アイを巨大流通グループに育て、依然、取引先や加盟店に対し強い求心力を持つ。その点への配慮もうかがえる。経営の第一線からは一定の距離を置くものの、存在感が残るかたちになる。
鈴木敏文会長
鈴木氏は4月7日の取締役会で自身が主導した人事案が否決されたことを受け、電撃的に退任を表明した。セブン-アイは当初、鈴木氏に「最高顧問」の肩書で名誉職を用意する方針だった。指名報酬委員会の委員を務める社外取締役やセブン-アイの次期社長に内定している井阪隆一取締役(58)が「最高という肩書は影響力が残る」として難色を示し、調整が続いていた。 社外取締役や井阪氏の対応を受け、鈴木氏は一時、名誉職を辞退し、セブン-アイから完全に去る方向で検討していた。ただ、社内だけでなく鈴木氏と長年付き合いのある取引先企業の経営者や全国に約1万8000店あるコンビニエンスストア「セブンイレブン」の加盟店オーナーから慰留する声が出た。日本のコンビニの育ての親である鈴木氏に対し、絶大な信頼を寄せているオーナーは多い。店舗1日あたりの売上高ではほかのチェーンを大きく上回る。その原動力がセブン銀行やいれたてコーヒーを提供する「セブンカフェ」といった新サービスを編み出してきた鈴木氏の手腕だ。
オーナーに対しなお強い求心力を持つ鈴木氏。新たな肩書として「最高顧問」には難色を示した井阪氏も「会社には残ってほしい」と要請し、鈴木氏自身が最終的に会社に残ることを決断した。鈴木氏と同時にセブン-アイの社長兼最高執行責任者(COO)を退任する村田紀敏氏(72)も顧問に就く。井阪氏が中心となる新しいセブン-アイの経営陣は鈴木氏に顧問就任を要請した一方で、経営からは一定の距離を置くことを求めている。鈴木氏の執務室はセブン-アイ本社(東京・千代田)とは別の場所に置かれる見通し。井阪氏が「本社ビルからは出ていただきたい」と鈴木氏に伝えていた。

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法人需要を狙え!コンビニ各社が安定市場の開拓に動く

コンビニ&SPA―流通から生活革命 店舗は5万店超えで飽和に近づく。
法人需要を狙え―。大手コンビニエンスストアが法人向け需要の獲得に乗り出している。ファミリーマートはオフィスなどで、サンドイッチやおにぎりの自動販売機設置台数を増やし、セブン―イレブン・ジャパンは法人向け宅配弁当の本格展開を始めた。コンビニはこれまで、個人客が主体だった。今後は収益基盤の強化に向け、安定した需要が見込める法人に照準を定めた商品やサービスが増える可能性も出てきた。
「自販機コンビニ」設置増える
ファミリーマートはサンドイッチやおにぎり、飲料、菓子などの売れ筋商品を陳列した、いわゆる「自販機コンビニ」の設置台数を増やしている。すでに2015年度(16年2月期)末までに1700台に上っている。設置台数全体の多くが、オフィスや工場といった法人との契約が中心だ。商品数は売れ筋を中心にそろえており、陳列数は最大で約60品目。外食に出られない、店舗が遠い、職場を離れられないなど、職場にある自販機には潜在需要があるとみられる。
同社は今後、サークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスとの経営統合によりコンビニの店舗数が増えるが、店舗運営はオーナー側のコスト負担が軽くない。しかし、自販機コンビニはこうした投資リスクを最小限に抑えて導入できる。ファミマはこの強みを生かし、オフィスなどに積極的に提案する見通しだ。
セブン―イレブンは弁当宅配
一方、セブン―イレブンは弁当や総菜などを個人宅向けに届けるサービスを展開しているが、法人向けにも拡大した。子会社のセブンミールが一部地域で実験を始めていたが、8月までに全店での展開を目指す計画だ。
商品は法人からの受注をセブンミールがインターネットや電話などで受け、受注先の近くの店舗に商品を集め、店舗が配送する。給食サービスでは弁当以外は頼めないが、顧客はコンビニで扱っている商品も注文できる利点がある。
コンビニはすでに全国5万店を超えた。一部の大手チェーンを除いて、日販の低下に見舞われるなど競争は激化している。それだけにコンビニにとって”空白地帯“となっている法人市場は成長分野。セブン―イレブンとファミマは法人へのアプローチの仕方は違うものの、大手各社は今後、法人向けの商品やサービス需要の積極的な開拓に動く可能性が出てきた。

(文=森谷信雄)

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首都圏最新事情

2016年5月15日 12時2分 産経新聞

キヨスクが駅から次々と消えていく ホームのオアシスがコンビニに変わっていくそのワケは?
JRや地下鉄の駅構内にあった売店がコンビニエンスストアに姿を変えている。
JR東日本管内ではコンビニ型店舗に模様替えする一方、他社では大手コンビニに取って代わられつつある。ベテラン女性店員が瞬時にお釣りを計算する“スゴ技”も今は絶滅寸前だ。なぜ売店が姿を消すのか。女性ニーズの増加や非正社員化が背景にあるが、一抹の寂しさを訴える声も上がる。
旧国鉄時代から続く「キヨスク」はコンビニへの置き換えが進む。JR東日本管内の駅売店を運営するJR東日本リテールネット(東京)によると、今年3月末現在、売店336店に対し、コンビニ型店舗「ニューデイズ」は506店。ホーム上の狭いスペースに設置されるスタンド型の売店に対し、コンビニ型店舗では広めのスペースに充実した商品が揃う。
平成13年当時、計約1300カ所あった販売拠点は駅前の大手コンビニに客を奪われ、約15年間で計約800店舗に減少。同社は同年から売店のコンビニ化を本格化させ対抗してきた。
東京メトロの子会社「メトロコマース」では約30店あった売店の約半数をローソンに転換。それ以外の売店でも営業時間を午前中に限ったり、休憩時間中は店を閉めるなどして効率化を進めているという。
地方では動きが顕著だ。JR四国は26年から順次、キヨスク全36店をセブン-イレブン化しつつある。JR北海道も同様にセブン-イレブンへ転換している。
なぜ売店がコンビニに置き換わるのか。各社が理由としてあげるのはニーズの変化だ。かつては新聞、雑誌、タバコなどが売れ筋だったが、サンドウイッチやクッキーなどの菓子類、ストッキングなど女性目線の商品が売れるように。売店は商品が増やせないが、広くて柔軟性のあるコンビニならニーズに応えられる。コンビニ化で売上が約7割増えた例もあるという。
売店側の事情もある。国鉄民営化に伴う合理化で売店の必要性が薄れた。かつてキヨスクを運営していた鉄道弘済会は事故などで死傷した男性鉄道員の配偶者を正社員として雇い、一家の生活を支えてきた。店員にベテラン年配女性が多かったのはこのためだ。
しかし、民営化後は弘済会が担ってきた役割は必要とされず、正社員の非正規化が進んだ。ベテラン店員は現在では「ほぼいない」(JR東リテール)。平成17年からICカード乗車券による電子マネー決済が導入されたことも非正規化に拍車をかけた。
一方、ホームが狭い首都圏では売店の長所を生かす方向で、昨年7月から融合型の「ニューデイズキオスク」を展開。売店の立地を生かしつつ商品棚を工夫してコンビニ並みの品揃えを実現。今年3月末までに81店舗に拡大させた。
消えゆく売店を惜しむ声は多い。鉄道アナリストの川島令三氏は静岡県のキヨスクで年配女性店員から地元茶を勧められた思い出がある。「おばちゃんとの掛け合いがキヨスクの醍醐味だった。ただ、地方の私鉄では伝統的な売店がまだ残っており、旅の楽しみでもある」と話した。

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伊藤忠対三菱商事、コンビニ代理戦争の軍配はファミマの伊藤忠に?

(ZUU online編集部)

コンビニ業界は激変の時代に突入している。コンビニエンスストア3位のファミリーマートと4位のサークルKサンクスが経営統合し、2位のローソンを抜き、最大手のセブン-イレブンに国内店舗数で肉薄することになるのだ。ローソン側の“親”は三菱商事で、ファミマとサークルKサンクスの経営統合は伊藤忠商事が主導した。新ファミマの誕生を受けて、2位の座から滑り落ちるローソンの地盤沈下は深刻だ。

ローソンは三菱商事と一体になって2位奪還を目指す

「新ファミマ」の誕生で、2位の座から滑り落ちることになるローソンは、三菱商事出身の竹増貞信副社長が社長兼最高執行責任者(COO)に就任し、巻き返しを図ろうとしている。前ローソン社長の玉塚元一氏は会長兼最高経営責任者(CEO)に就く。玉塚氏は事業再生会社、リヴァンプからスカウトされた人物だ。新体制では、三菱商事と一体で海外展開を強化することになっている。玉塚氏は主力の国内コンビニエンスストア事業を、竹増氏は主に海外や新規事業の展開とM&A(合併・買収)を管掌する。ローソンの店舗数は2月末時点で、国内は1万2395店。一方の海外は758店しかない。業界トップのセブンの海外店は4万140店で、ファミマの5869店とくらべても差が大きすぎ、勝負になっていない。ローソンは10年以内に海外の店舗数を国内以上にしたいようだが、後発のローソンが順調に海外展開できる保証はどこにもない。
コンビニは東南アジア中心に展開しているが、ファミマは韓国でもタイでも苦戦が伝えられているし簡単ではない。ローソンは昨年、フィリピンのスーパー大手と合弁しPGローソンを開業していて、現在は20店だが4~5位内に500店に増やす目標だが、現実はかなり厳しいようだ。

ファミマは日本郵政グループと提携

ファミマは4月5日、日本郵政グループと幅広い分野で提携した。
店内に日本郵政の荷物を受け取ることができるロッカーを設置、ネット通販の配達拠点に活用できる。ゆうちょ銀行とATM事業で提携できることになった訳だ。
現在、セブンは3月末現在で国内1万8613店、ファミマとサークルKサンクスを合算すると、合2月末現在で1万8006店。数の上では肉薄だが、ゆうちょ銀行のATM設置は集客の大きな柱になる。
ファミマは強力な武器を手に入れたのに対し、セブンは全店舗にセブン銀行のATM設置で強みを発揮。今後も伊藤忠商事と三菱商事の代理戦争の戦いが繰り広げられるという見方もできる。

コンビニ各社が今後目指すもの

コンビニの数は自然に多くなってはいるが、その結果、競争が激化し、店当たりの売り上げは狭小化している。
成長を続けようと思えば、購買力の低い地方地域への出店を考えるしかないが、ある程度の客単価が必要だ。
ローソンとファミマは、提携や経営統合の効果がどれだけ出るか注目されるが、本部側も店数規模の拡大のため、悪い立地条件の土地に開店させるなど問題はある。
上から下まで各店をみればピンからキリであり、すべての店が平均を売り上げているわけではない。大量出店競争はもう過去の話であり、各社が今後、商品やサービスなど中身で勝負する既存店強化が戦略の重点に置くことは明らかだ。

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コンビニオーナーが一様に口にする、ある懺悔  競争の陰で増す「廃棄」の罪悪

日野 なおみ

コンビニ業界の競争が激化している。各チェーンが最も力を注ぐのが弁当や総菜などの中食だ。おいしい商品を開発し、各店舗にしっかりと並べること。改めて、この基本を徹底しているが、一方で加盟店オーナーは「廃棄」の罪悪感に苛まれている。「商売のためだと分かっていても罪悪感がぬぐえない」
今年の上半期、コンビニエンスストア業界では大きなニュースが相次いだ。コンビニ業界ではこの上半期、大きなニュースが相次いだ。 まず2月。業界3位のファミリーマートと業界4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスが、この秋に経営統合し、業界1位のセブンイレブンに匹敵する規模のコンビニチェーンが誕生する。この新生ファミリーマートの社長に、企業経営支援会社リヴァンプの澤田貴司氏が就任することが発表された(詳細は「ファミマ次期社長に3つの『いきなり』」)。
続いて3月には、業界2位のローソンが新人事体制を発表。6月からは現在の玉塚元一社長が会長兼CEO(最高経営責任者)に就き、竹増貞信副社長が社長兼COO(最高執行責任者)に昇格する(詳細は「ローソン社長公開で『三菱商事頼み』へ大転換」)。
そして最も衝撃的な出来事が4月に起こった。業界1位のセブンイレブンを傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスのお家騒動が勃発したのだ(詳細は「セブン会長、引退会見で見せたお家騒動の恥部」)。
3チェーンのトップ人事が、今後のコンビニ競争にどのように影響を与えるのか。経営層への取材と同時に、各チェーンに加盟するオーナーにも取材を重ねてきた。圧倒的トップのセブンイレブンと、経営統合によって3位や4位の座から首位に並ぶ規模を持つファミマやサークルKサンクス、そして2位から3位に転じるローソン……。
加盟店オーナーが置かれた状況はチェーンによって異なっている。一方で、各チェーンとも最近は都心部で大量出店を重ねており、どのチェーンのオーナーにとってみても、店舗間競争は年々厳しくなっている。1店舗当たりの収益性が落ちてきたことや、多店舗運営の難しさ、人件費の高騰や人手不足によるアルバイトの集まりづらさなど、抱える課題には共通している部分も大きい。
各チェーンのオーナーの悩みや不安を聞く中で、何より驚いたのは、取材に応じたオーナーの多くが共通する一つの“懺悔”をしたことだった。それが、弁当や総菜などといった中食の廃棄についてだ。
「まだ食べられる食品を、毎日毎日、廃棄している。それも商売のためだと分かっていても罪悪感がぬぐえない。せめて別の形で社会に貢献したい」。こんな主旨の話を、口々に打ち明けたのだ。
なぜ加盟店オーナーが今、こうした告白をしたのだろうか。背景には業界内で進む、ある競争が横たわるのではないかと思っている。それが中食の“物量”競争だ。

「一定の廃棄ロス」or「機会ロスによる売り上げ損失」

 セブンの強さの根底にあるものは何か。一般的に、それは2つの要素から成立していると言われている。1つは商品開発力。特にPB(プライベートブランド)「セブンプレミアム」の開発力はライバルが一朝一夕に真似できるものではない。消費者が想像しなかったような便利でおいしい商品を、セブンはこれまで提案し続けてきた。
 もう1つが、本部の方針を全国約1万8000店できっちりと実現させる徹底力にある。この徹底力とは、本部が売りたい新商品をしっかりと売り場に並べる力、とも言われている。一方で、ライバルであるローソンの和田祐一・商品本部長は、日経ビジネス本誌5月2日号の企業研究「3番手、『質』で巻き返す」の取材の中で、「実力差が決定的に開くのは夕方から夜間の売上高」と明かしている。ローソン加盟店オーナーも「夜でもびっしりと商品が並ぶセブンに比べて、ローソンは店にばらつきがある。それが弱点」と語った。同じような課題は、ファミマの取材でも聞いたことがある。多くの加盟店オーナーは、廃棄ロスが多く出ることを恐れて、どうしても夕方や夜間の発注数を手堅く絞ってしまう。商売人にとっては当然、仕入れた商品数がぴたりと売り切れ、欠品も廃棄ロスも出ないのが理想だろう。だがコンビニビジネスでは、ある程度の廃棄ロスを前提に、棚にたくさん商品を並べた方が来店客の購入意欲をそそる。夕方、商品棚にぽつん、ぽつんとサラダやおにぎり、弁当が散らばっている様子を見て、「買うものがない」と感じて、物量のより多い別の店に足を向けた経験がある人も多いのではないだろうか。最適量を売り切りたい加盟店オーナーと、一定の廃棄ロスも“必要悪”と捉えて売り逃す機会ロスを避け、売上高を伸ばそうと指導する本部。最近では、ローソンやファミリーマートでも、これまで弱かった夕夜間の物量を強化すべく、店舗指導員が加盟店オーナーにしっかりとアドバイスを重ねている。
 物量を増やせば売り上げは伸びる。今回取材した加盟店オーナーの多くは、店舗指導員のアドバイスを受けて、確かに業績が伸びたと打ち明けている。だが同時に増える廃棄ロスに、何らかのやましさを感じてしまうというのだ。

フランスでは食品廃棄が違法に?

 日本では今年、カレーチェーン「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋が廃棄した冷凍カツの不正転売問題を機に、外食チェーンや小売り各社の廃棄品の不正横流しが、社会問題として大きな注目を集めた(詳細は「コンビニ大手、廃棄食品の横流しに困惑」)。続く2月には、節分が終わった後、大量の恵方巻きが廃棄される様子がSNSなどで話題になった。一方、フランスでは今年、大手スーパーなどに対して、売れ残りや賞味期限切れの商品の廃棄が法的に禁止され、生活困窮者などへ配給する団体などへの寄付を義務づける「食料廃棄禁止法」が成立した。デンマークでは賞味期限切れの商品や、包装に傷や汚れがある食品を通常価格よりも安く扱う食品スーパーが開業した。米ニューヨークでも先日、ミシュランガイドで星を獲得したシェフが、廃棄直前の食材を使って料理を作り、無料でふるまうイベントを開催したという。日本国内でも大手小売りなどが廃棄ロスを減らすよう動き始めた。納入期限を製造日から賞味期限までの3分の1の時点までとして、販売期限は賞味期限までの3分の2の時点と限定し、それを超えた商品は店頭から撤去するという、食品業界の「3分の1ルール」を緩和する動きが少しずつ出ているのだ。だが現時点では、「3分の1ルールを緩和する方向ではあるけれど、今のところ対象商品が飲料や菓子といった比較的賞味期限の長いものばかり」とある食品メーカーはこぼす。
 コンビニ業界の競争激化に伴い、この先、中食などの廃棄ロスが一層、増える可能性は高い。競争によって切磋琢磨を重ね、サービスや商品に磨きをかけるのは、消費者にとっても歓迎すべきことだ。しかしその裏側で、仮に廃棄ロスが増えてしまうならば、各チェーンや消費者は、こうした社会的問題にも目を転じ、何らかの行動を取るべきではないだろうか。奇しくも、今年上半期の取材では、コンビニ各チェーンの加盟店オーナーが、同じように廃棄ロスに対する罪悪感を吐露した。一つの転換点を迎えたのではないだろうか。

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