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コンビニが電気を売る時代に、300kWh超で東電より9%安いローソンの戦略 (2/2)

コンビニ各社の中で最初に小売電力市場への参入を発表したローソン。三菱商事と共同設立したMCリテールエナジーを通して、2016年4月から東京電力管内で電力販売を開始する。料金プランは1種類のみという「分かりやすさ」と、ポイント還元によるお得感で一般消費者にアピールしていく狙いだ。
電力調達は三菱商事が担当
 まちエネとして実際に電力を販売するのは、三菱商事とローソンが共同設立した小売事業者のMCリテールエナジーだ。販売する電力の調達については、電力事業に関してノウハウを持つ三菱商事が担う。関連会社のダイヤモンドパワーを中心に電力調達を行う見通しだ。
 ダイヤモンドパワーは三菱商事が2000年に日本初の新電力(特定規模電気事業者)として設立。東京電力、中部電力の両エリアで特別高圧・高圧向けに電力販売を行ってきた実績がある。2013年に中部電力が三菱商事から株式の80%を取得して子会社化したが、残りの20%は現在も三菱商事が保有している。
 このように今回のまちエネの提供については、三菱商事とMCリテールエナジーが調達・販売を担い、関東圏内に4000店舗を持ち、知名度もあるローソンが一般消費者との接点になるという事業スキームとなっている。
申し込みはWebもしくは書面のみ
 切り替えの申し込みはまちエネのWebサイト上で2016年2月1日から開始しているが、同年2月下旬より書面での受付も開始する予定だ。なお、ローソンの店頭での申し込みは行えないので注意が必要だ。
 2016年2月1日~4月30日まで先行受付キャンペーンも実施し、この間に申し込んだユーザーはPontaポイント300ポイントがもらえるとともに、税込324円の契約手数料が無料になる。ローソン店頭に設置したチラシの特典コードの入力でさらに200ポイント獲得できる。

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調剤薬局と介護相談窓口 コンビニに併設

調剤薬局と介護相談窓口 コンビニに併設
お年寄りが利用しやすいようにと、病院などの処方箋を扱う調剤薬局と介護の相談窓口を併設したコンビニエンスストアが、1日、東大阪市にオープンしました。
この店舗は、コンビニ大手の「ローソン」が地元のドラッグストアと提携してオープンしたもので、病院などの処方箋を扱う調剤薬局と、介護の相談窓口が併設されています。
相談窓口には介護事業者のケアマネージャーが常駐し、介護保険に関する相談に無料で応じるほか、要介護認定の手続きも行えるということです。
また、薬局には医薬品のほか、大人向けのおむつやベッドシートなどの介護用品も販売され、高齢者に対応した品ぞろえとなっています。
ローソンヘルスケア本部の吉田憲副本部長は、「介護相談の拠点がどこにあるか分からないという方が多い。地域の健康インフラを作っていきたい」と話していました。
コンビニ業界では、このほかにも、お年寄り向けの弁当の宅配を行うなど新たなサービスや商品開発が進んでいて、高齢化社会に対応しようというビジネスが活発になっています。

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ファミマ・ユニー、統合後の新会社 上田氏が社長に

2016/2/3 3:30 朝刊 [有料会員限定]

 経営統合するコンビニエンスストア3位のファミリーマートと4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス(GHD)は、2016年9月に発足する持ち株会社の社長に、ファミマの上田準二会長(69)が就く人事を固めた。持ち株会社の名称は「ユニー・ファミリーマートホールディングス」とする。
 ファミマの中山勇社長(58)とユニーGHDの佐古則男社長(58)は副社長に就く。コンビニ事業を中山氏、総合スーパー事業を佐古氏が指揮する。コンビニのブランドは「ファミリーマート」に一本化する。

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「ファミマ」一本化、中部のサークルK店主影響注視

2016/2/4 7:00 [日経]

地域ニュース
 サークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスと、ファミリマートは3日、今年9月に予定する経営統合後のコンビニエンスストアブランドを「ファミリーマート」に一本化すると発表した。中部地方で「サークルK」などがファミマに一本化されれば、店舗数で2600店を超え、存在感では他社を引き離す。「サークルK」の加盟店オーナーや取引先は影響を見極めようとしている。
 「コンビニ店舗を経営することにかわりないので、ファミマになってもかまわない」。愛知県内でサークルKを運営するあるオーナーはこう語った。もともと加盟時にファミマかサークルKで迷っていたといい、「本部からの販促支援などがもっとよくなれば」と期待する。
 別の愛知県内のサークルKオーナーは「一本化で問題ない。ただ(運営や商品などが)ファミマ流に全部変わるのではなく、サークルKの良さも取り入れてほしい」と語る。
 愛知・三重・岐阜の中部3県には昨年11月末時点で、「サークルK」と「サンクス」が1771店、「ファミリーマート」が846店ある。ブランド一本化が完了すれば「ファミリーマート」店は「セブンイレブン」の1246店を大きく上回る存在となる。
 今後は品ぞろえや物流網もファミマと統合が進む可能性が高い。サークルKサンクスの取引先からは「商品の見直しなどはあるかもしれないが、現在のファミマの取引先企業だけに集約されることはないだろう。むしろ新会社が成長して取引が増えることを期待したい」との声も出ている。
 サークルKサンクスは今後、加盟店オーナーや取引先への説明を本格化するとみられる。単なるブランドの一本化だけでなく、それによるメリットをどこまで示すことができるかも問われる。

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ビジネスTODAY ファミマ、ユニーと統合、コンビニ2強へ名乗り
店の稼ぐ力、セブン追う 再編、上田氏が主導 ブランド一本化

2016/2/4 3:30 朝刊 [日経]

 コンビニエンスストア3位のファミリーマートと4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス(GHD)は3日、経営統合で合意したと正式発表した。2016年9月に発足する持ち株会社の社長に、ファミマの上田準二会長(69)が就く。持ち株会社の名称は「ユニー・ファミリーマートホールディングス」とし、コンビニのブランドは「ファミリーマート」に一本化する。上田氏が仕掛けた再編の最終章が始まる。
上田氏の持論は「コンビニは2強に集約される」だ
 「『オンリーワン』とか、『きらりと光る存在』というのは負け犬のセリフだ」――。伊藤忠商事出身の上田氏はファミマに転じて以降、万年3位脱却に突き進んできた。持論は「コンビニは2強に集約される」。仕掛けてきたのがM&A(合併・買収)だ。
 ただ、「コンビニのM&Aは容易ではない」というのが常識だった。本部に支払うロイヤルティー(経営指導料)などの契約条件はチェーンごとに大きく異なるためだ。
 そんな常識を覆したのが、09年のエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)の買収。店舗オーナーの理解を得るため、老朽化した店舗設備の更新費用など手厚い優遇策を用意してまで買収にこぎ着けた。ファミマの店舗運営ノウハウも注ぎ込み、旧am/pmの日販(1店舗1日あたりの売上高)を25%も増やした。15年には中堅のココストアを買収した。
 ファミマ・ユニー統合の最終合意に至る過程では、上田氏がファミマの筆頭株主である伊藤忠との調整にも走った。ユニー側で業績不振の総合スーパーの切り離しなどを伊藤忠がちらつかせ、統合に遅れが出そうになった際、伊藤忠の岡藤正広社長に直談判した。
 積極的に再編を進めるファミマに対し、ローソンがポプラやスリーエフへの出資に動くなど、合従連衡の動きが加速。独立系の中堅チェーンの取り込みが激化している。
 今回の統合話は07年にさかのぼる。上田氏が当時のユニー(現ユニーGHD)のトップだった佐々木孝治氏に持ちかけた。この時は破談となったが、執念を実らせた。
 統合で店舗数は約1万8000店とセブンイレブンに匹敵する。ただ、日販はセブンイレブンが67万円に対し、ファミマは52万円。差は歴然としている。新体制ではコンビニの事業会社のトップとして伊藤忠出身で小売業に明るい沢田貴司氏が就く。伊藤忠の意向を受けての就任とみられる。新たな陣容で「稼ぐ力」をどう高めるか。
 「ファミマをここまで育て上げた」(競合チェーン幹部)と評される上田氏だが、低迷する総合スーパーの立て直しという新たな課題もある。真の「2強」の前にハードルが立ちはだかる。

(豊田健一郎、松田直樹)

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北海道のセブン700店、新電力に切り替え

2016/2/9 3:30 朝刊 [日経]

伊藤忠系、コスト年数%削減
 セブン―イレブン・ジャパンは、北海道内の大半の店舗の電力を伊藤忠商事系の新電力から調達する。従来は北海道電力から購入していたが、割安な新電力を活用することで年間数%のコスト削減を見込む。対象は道内の約940店のうち、700店。3月末までに実施する。
 王子・伊藤忠エネクス電力販売(東京・港)から調達する。
 昨年12月から順次、切り替えており、既に8割の約550店で対応した。3月末までに切り替えを完了する計画だ。
 セブンは昨年10月に関西のセブンイレブン1000店の電力調達先を東京電力に切り替えている。東電から一括調達することで年間で約2%のコスト削減につながるという。グループのイトーヨーカ堂も北海道で運営する総合スーパーの一部店舗の電力調達先を北海道電力から東京電力に切り替えるなど、グループで調達先の見直しを進めている。

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ユニクロ商品、セブンで受け取り 首都圏は16日開始

2016/2/4 1:31 [日経]

企業
 セブン&アイ・ホールディングスはコンビニエンスストアのセブンイレブン店頭で、ファーストリテイリングがネット通販で販売する「ユニクロ」の商品を受け取れるようにする。16日に首都圏の約5700店で始め、2016年度中に全国に広げる。両社は昨年から物流や商品開発など幅広い分野での提携協議を始めており、具体策の第1弾となる。
 ユニクロの公式通販サイトで商品を購入するとき、受取場所としてセブンイレブンを指定できるようにする。これまで受取場所は消費者の自宅や事務所などに限られていた。
 セブンイレブンがグループ外の取扱商品を店頭で受け取れるようにするのは初めて。セブン&アイが昨年11月に始めたグループ横断サイトの「オムニセブン」ではユニクロ商品は販売しない。
 ユニクロのサイトで決済し、購入額が5千円未満(税抜き)の場合で送料は450円(同)と通常のユニクロのサイトと変わらない。コンビニ受け取りの手数料は無料。
 ユニクロの通販サイトの商品はほぼ全て対象とする。ただ荷物の重さが10キログラム、大きさが3辺の合計で130センチメートルを超えるものは店頭で受け取れない。利用者には店頭受け取り用の番号を発行し、レジで本人確認する。
 セブン&アイはブランド力の高いユニクロ商品を扱うことで、来店客の増加につなげる。ファストリは通販の利便性を高め、強化を急ぐネット販売をテコ入れする。両社は返品の仕組みや他分野での提携の可能性について今後も協議を進める。

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コンビニ会社社長に沢田氏 米セブン再建に奔走

2016/2/4 3:30 朝刊 [日経]

伊藤忠出身、小売業に身投じる
 新体制でのコンビニ事業会社「ファミリーマート」の社長に就く沢田氏は、日本を代表する小売り2社を陰で支えた人物だ。まずイトーヨーカ堂グループ。1990年代前半、同社が救済買収した米コンビニ「セブンイレブン」に伊藤忠が約5%出資した際、伊藤忠側の窓口を務めた。
 パサパサだった米セブンのサンドイッチを日本のようにもちもち感のあるパン生地にしようと現地の食品会社の説得に走るなど行動力を発揮。莫大な金額が動く商社ビジネスから地道に売り上げを積み重ねる小売りビジネスに引き込まれた。
 もう1社はファーストリテイリング。セブンに関わった経験から小売業への参入を伊藤忠首脳陣に直訴するが「時期尚早」と言われ97年に退社。まだ地方の小売業だったファストリに飛び込み、成長の土台を作った。2002年に創業者の柳井正氏から社長就任を要請されるが固辞して同社を去る。その後、企業再生会社を設立した。
 ファミマの中山勇・現社長とは伊藤忠の同期入社。ファストリと企業再生会社で机を並べた玉塚元一氏はローソンの社長。今度はライバルとなる。
(編集委員 田中陽)
 沢田 貴司氏(さわだ・たかし)81年(昭56年)上智大理工卒、伊藤忠商事入社。97年ファーストリテイリング入社、98年副社長。03年キアコンを設立し、同社社長就任。05年リヴァンプを設立し、同社社長兼最高経営責任者(CEO)就任。石川県出身、58歳

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コンビニ売上高、1月1.0%増 10カ月連続プラス

企業
 日本フランチャイズチェーン協会(東京・港)が22日発表した1月のコンビニエンスストア既存店売上高(速報値)は、前年同月比1.0%増の7502億円だった。10カ月連続で前年実績を上回った。カウンターで注文するタイプのいれたてコーヒーや、調理麺などの中食などの好調が続いている。暖冬で来店客数が増加したことも寄与した。
 来店客1人当たりの平均購入金額は0.3%増の614.8円と10カ月連続のプラスだった。商品構成別にみると、菓子類やアルコール飲料など加工食品は2.8%増だった。平均気温が高かった影響で、アイスクリームの売り上げも伸びたという。一方、たばこや雑誌など非食品は2.7%減だった。
 来店客数も暖冬で外出が増えたことが寄与し0.6%増と2カ月連続で増加した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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「禁煙」が促したファミマ・ユニー統合

編集委員 中村直文 [日経]  コンビニエンスストア3位のファミリーマートと4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス(GHD)が3日、経営統合で合意した。交渉開始は10年前にさかのぼり、いったんは破談に。だが消費者の「禁煙」が増えるなどコンビニ市場の環境変化が両社を決断させた。
持ち株会社の新社長にはファミマ会長の上田氏(中央)が就任する(4日午後、東京都港区)
■「たばこ特需」で遠のいた統合機運
 統合で9月に誕生する持ち株会社「ユニー・ファミリーマートホールディングス」の新社長にはファミマ会長の上田準二氏が就任する。上田氏が前面に出てくる理由は10年前にスタートした統合交渉の言い出しっぺだからだ。2007年に上田氏がユニーGHD社長に話を持ちかけたのがきっかけだが、時期尚早として実らなかった。
筆者が注目した記事
・2月5日 日経MJ1面「昔の名前に指揮託す」
・2月4日 日経新聞朝刊13面 「コンビニ2強へ名乗り」
 理由の一つはコンビニに「たばこ需要」という強力な追い風が吹いたからだ。08年に自動販売機用の成人認証カード「タスポ」が導入されたが、思ったほど保有率は伸びない。特に女性の抵抗感が強かったという。自販機自体も減少傾向で、24時間営業しているコンビニに喫煙者が大量に流入することになった。
 コンビニはこの頃、セブン―イレブン・ジャパンを中心に停滞感が生じていた。ところがタスポを導入した08年、業界全体の既存店売上高は4.5%増に転じた。とりわけ今回統合に踏み切ったコンビニ2社への恩恵は大きかった。
中村直文(なかむら・なおふみ) 89年日本経済新聞社入社。商品部、大阪経済部、札幌支社などを経て、現在は日経MJ副編集長兼編集局編集委員。百貨店やスーパーなど流通ビジネスや食品・日用雑貨産業の取材が長い。
 ファミマの場合、07年度の総売上高に占めるたばこ販売比率は16.1%だったが、08年度は21%と大きく跳ね上がり、東日本大震災が発生し、コンビニ需要が盛り上がった11年度には26.5%に達している。今もたばこ売上高は加工食品に匹敵する規模で、年間約4550億円だ。
 サークルKサンクスはさらにたばこ依存が大きい。タスポ導入前は20%未満だったが、08年度に25%近くまで上昇した。ファミマ同様、11年度は伸び率が大きく、ついにたばこ比率は30%を超えた。たばこは利益率こそ低い商材だが、集客力は抜群。コンビニに対して強気の立場でいられる取引先はたばこ会社ぐらいともいわれる。
 関係者によると「タスポ導入前はサークルKサンクスの危機感も強かった。交渉はうまくいきそうだったが、たばこ特需ですっかり統合機運は遠のいた」という。
■セブンは食品開発に磨き
 だが値上げや健康志向に伴い、喫煙率は長期的に低下傾向にある。たばこの伸びは鈍化しており、15年12月のコンビニ全体の既存売上高を見ると、たばこを含む非食品部門だけがマイナスに陥っている。

セブンイレブンは総菜など食品開発を磨き上げた
 09年以降、もう一つの変化はセブンイレブンだ。同社もたばこの恩恵は受けたが、「あいててよかった」から「近くて便利」に経営姿勢を転換。セブンプレミアムを軸に総菜など食品部門を磨き上げた。1位と2位以下の1日当たりの売上高の格差は広がり、セブンは全国への出店攻勢を強める。
 ローソンやファミマも出店を拡大。ユニーGHDは総合スーパーの不振だけでなく、サークルKサンクスについても再び危機感を抱くようになったわけだ。ユニーGHD側の経営陣に07年当時のメンバーはいなかったが、ファミマは上田氏が会長就任後も存在感を強めていた。しかも統合は悲願で、約1万8000店のチェーン誕生に結実した。
 コンビニはこれまでこうした制度変更や規制緩和で巨大な経済圏を築いてきた。17年は消費増税時に酒類と外食を除く食品全般が8%に据え置かれる軽減税率が導入されることで、再び追い風が吹くともいわれる。セブンに対して商品開発力で見劣りするサークルKサンクスを飲み込んだ新生ファミマが新規顧客を吸い込めるのかどうか。総合スーパーの再生とともに重い課題を背負う。

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厚生年金の加入逃れ阻止 厚労省、79万社特定し強制も企業版マイナンバー活用

2016/2/24 2:00 [日経]

 従業員のための厚生年金や健康保険への加入手続きを企業が怠らないように厚生労働省が抜本的な対策を始める。4月から企業版マイナンバー(法人番号)を活用し、2017年度末までに全ての未加入企業を特定する。未加入の疑いのある企業は79万社にのぼる。悪質な企業には立ち入り検査を実施して強制加入させる方針だ。
 厚生年金や従業員向けの健康保険は、法人や従業員5人以上の個人事業主に加入する義務がある。保険料は労使で折半して負担している。ところが、保険料の負担を逃れるため、意図的に加入せずに義務を果たしていない悪質な企業があり、問題になっている。
 厚労省の推計では、本来は公的年金制度で2階建ての部分に当たる厚生年金に加入できるはずなのに、1階部分の国民年金(基礎年金)にしか加入していない会社員が約200万人にのぼる。国民年金は厚生年金よりも年金額が少ない。医療保険も国民健康保険のままだと全額自己負担なので保険料が高くなるケースが多い。
 企業向けマイナンバーを使った加入逃れの防止対策は保険料を徴収する日本年金機構が4月から始める。従業員に代わって所得税を納める義務が課されている企業の法人番号を国税庁からもらう。保険料を支払う企業の法人番号と照らし合わせ、未加入の企業をあぶり出す。法人番号を使えば、同じ名前の企業など紛らわしいケースで、職員が個別に審査する作業を大幅に省くことができる。未加入企業の特定が今より格段に早くなる。
 年金機構は未加入企業を特定したら、まず文書や電話で加入を要請する。それでも加入しない場合は企業を訪問するなどして加入を求める。何度要請しても拒否する企業は立ち入り検査に入り、強制的に加入手続きする。
 厚労省と年金機構は14年11月、国税庁から源泉徴収義務を課されている企業の社名と住所をもらい、加入漏れ企業の特定を進めてきた。
 79万社で加入漏れの疑いのあることは分かったものの、個社の特定作業を進めるなかで、社名の表記違いや転居している場合など紛らわしいケースも多く、手間と時間がかかっていた。15年4月から9月までの半年間で調査が済んだのは18万事業所にとどまる。今の調査では17年度末までに終わらない可能性が高まっていた。

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