さくら相談グループ
コンビニ経営研究所
所長 三橋一公

昨今のコンビニ加盟店の有様を見るにつけて、特に強く思うのは、現在のコンビニフランチャイズチェーンの仕組ができて、約40年がたち、小さい変更はあるものの基本的な仕組の変更はなく、現状の本部・加盟の関係において、実情にそぐわない多くの問題点を抱えるに至っているという事です。そこで3つのポイントに絞って問題を洗い出してみたいと思います。

第1ポイント

利益分配の本部・加盟店間の配分が実情とそぐわない事。

第2ポイント

本部社員の意識・活動が、加盟店へ向けられる時間が昔に比べて、明らかに本部内作業・業務が増えている様に見受けられる事。

第3ポイント

コンビニ初期の時代に比べて、現在は、コンビニオーナーは事業主としての社会的責任をより厳しく求められていること。

第1のポイント

別表の1を見ていただければ分かる通り、平成23年度の全国最低時給が737円だったのが、平成27年度では798円で時給が61円も5年間で増加しており、平均的な人件費のお店で、人数を増やさず全く同じに勤務させても、毎月概算でも7万円前後の出費増となり、人件費はオーナー全額負担が原則なので、単純に5年まえよりも、オーナーの年収を84万円下げていることになります。さらに11月半ばには阿部総理から、最低時給を毎年3%程度上げていく方針が打ち出されました。時給800円として年24円の時給アップです。2020年までには最低時給1000円という数字も出てきていました。さらに第3ポイントでも詳しく取り上げますが、年金事務所の未加入事業所への追及が最近とみに厳しく、法人事業者や複数店経営者は、ほぼ加入を免れることはできない状況です。これらの出費増はほとんど加盟店の負担増であり、同じ売上上げていても加盟店のみ収入減になっているのが実情です。別表2を見ていただければ分かるように、大手3社は15年2月期決算見ても十分な利益をあげています。そろそろ実情に合わせた利益分配をロイヤリティの分配比率や経費負担割合等を変えるこで見直す時期ではないのでしょうか?本部からの上からの補填、販促助成で一時的な扶助を繰り返すのは、本来のフランチャイズシステムの精神とはかけ離れてしまい、加盟店の事業意欲を削いでいる要因ともなっているのではないでしょうか?

第2のポイント

店舗指導員(SVとか OFC)が昔に比べて加盟店指導で店舗にいる時間がかなり少なくなってきていることが、加盟店・本部社員双方から聞こえてきます。色々な提出しなければいけない書類が増えた、サービスメニューが増えて管理業務が増えた等々ありますが、やはり40年たった業界によく見受けられる「大企業病」があるのかもしれません。「常に答えは現場にあり」が忘れ去られていく先に、衰退という二文字が浮かんでくるのも歴史上の事実です。

第3のポイント

第1のポイントでも述べましたが、現状4~5年前までは、法人でも収益が厳しい状況等あれば、社会保険加入を免れることも多かったが、今は虱潰しに外部業者を雇って、強制適用事業所で未加入事業者を探し出して強制力を持って加入をさせていっています。また労務管理においても、就業規則、36協定等の制定・提出等も厳しく見られ、従業員がユニオンに加盟して、団体交渉を求めてくる等コンビニフランチャイズシステム構築時期から、現在は大きく社会的地位と社会的責任分担が変わってきています。

まとめて言えば、このコンビニ業界の健全なる発展を願っているからこそ、加盟店が意欲と喜びをもって事業を行っていく初期の頃のような本部・加盟店間の現状に合った仕組に変えていかないと、優秀で意欲のある経営者がこの業界に入ってくることはなくなり、衰退の道を辿るであろうことは自明の理と思われます。また加盟店も事業主として、自立した経営者としての覚悟をもって店舗運営を行っていかなければならないと同時に、是非にも本部の方々には時代に沿った今の時代の利益分配について、真摯なご検討をお願いしたいと思っています。