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サークルKサンクスとタイムズ24、コンビニ店舗で″カーシェアリングサービス″

マイナビニュース

サークルKサンクスとタイムズ24は24日、コンビニエンスストア店舗におけるカーシェアリングサービス「タイムズカープラス」の提供を、2015年7月1日より開始すると発表した。2015年中に全国50店舗の展開を予定している。
第1弾として、サークルKサンクスが東京都および神奈川県で展開している8店舗にタイムズカープラスのステーションを設置。まず7月1日から「サンクス練馬富士見台店」など4店舗で、続いて7月10日から「サンクス大田上池台4丁目店」など4店舗でサービスを開始する。いずれも住宅街に位置する店舗で、近隣住民の日常の足として、また旅行時の移動手段として利用できるという。
料金は、カード発行料が1,550円。月額基本料金は、法人/学生プランが無料、個人プランが1,030円(無料利用分1,030円分含む)。利用料金は、ベーシックが15分206円、プレミアムが15分412円。
サークルKサンクスは、全国に6,330店舗(2015年5月末現在)を展開し、「いちばんの満足をあなたに」というビジョンのもと、地域の利用者の利便性向上に向け、社会インフラ機能の拡大に取り組んでいる。また、タイムズ24は、「快適なクルマ社会の実現」に向け、タイムズカープラスを展開しており、全国41都道府県で6,800カ所以上のステーションに1万2,000台以上を配備し、法人・個人会員数は48万人以上に上る。

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セブン、5分で免税手続き 15年度中に3,000店

セブン―イレブン・ジャパンは訪日外国人向けに消費税の免税手続きに対応する店を増やす。通常のレジで最短5分で手続きが済む専用システムを開発し、2015年度中に3,000店に導入する。年間2兆円規模となった訪日客の消費を取り込むため、従来の都心の百貨店や家電販売店に加えて、地方も含む多様な店舗に免税対応が広がりそうだ。
 7月末をメドにまず1,000店で免税対応を始める。東京、大阪、京都といった大都市のほか、地方の観光地の店舗にもシステムを取り入れる。国内には約2万の免税店があり、セブンが15年度中に計画する3,000店は1割超に相当する。
 新システムは既存のレジにつけた専用ボタンを押すと免税対応に切り替わる。商品データを入力するだけで対象商品を仕分け、自動的に必要な書類がプリンターで印刷される。これまでは専用カウンターで書類をつくるために、改めてパソコンにデータを入力する必要があり、15~20分ほどかかっていた。
 先行して免税対応している31店では、平均して1日に10組以上が利用し、7万円の売り上げがあるという。化粧品と菓子類が売れ筋だ。
 海外にも店舗が多いセブンイレブンは外国人客に知名度が高い。店内にあるセブン銀行のATMでは海外のクレジットカードで現金を引き出せるようにするなど訪日客の取り込みを強化している。

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コンビニの9割が人手不足、社会保険加入は1割―。

日本共産党の藤野保史議員は3日の衆院経済産業委員会で、生活に欠かせないコンビニで起きている深刻な問題を取り上げ、支援策の重要性を強調しました。
 経済産業省の「コンビニエンスストアの経済・社会的役割研究会」が3月に発表した報告書によると、コンビニの9割が人手不足状態にあるとしています。
 全国に約5万店舗。「買い物弱者」対策から行政サービスの代行まで多様な役割を担うコンビニがなぜ、こんなことになっているのか。聞き取りに基づき、藤野氏が要因の一つとしてあげたのはコンビニ大手の「大量出店戦略」です。業界では上位5社だけでも、2014年度の店舗純増数は約3,200店。過去最多の新規出店です。二つめはサービスの多様化とそれに伴う業務量の増大です。
 藤野氏は、問題の解決策として、コンビニの連合組織である全国フランチャイズ(FC)加盟店協会の緊急提言を紹介。本部社員を大量に加盟店に無償で派遣することや店舗数拡大計画の下方修正などをあげました。
 藤野氏はさらに、FC加盟コンビニから本部に払うロイヤルティー(上納金)が高すぎる実態や社会保険に加入している事業主が1割前後にすぎないと指摘される問題を提示。「これではますます人手不足の悪循環に陥る」と指摘し、経産省としてコンビニの社会保険の加入状況、実態の調査をするよう求めました。
 宮沢洋一経産相は「厚生労働省が把握すべき」と述べ、調査の必要性は認めました。

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ファミマが仙台地下鉄に駅ナカ店 来月末までに5店

ファミリーマートは仙台市地下鉄南北線の構内にコンビニエンスストアを出す。駅構内にある売店を7月末からファミリーマートに転換する。まず、8月末までに仙台駅の売店など5店舗をコンビニにする。ファミマは安定した集客が見込める駅ナカに約470店を展開しており、今後も店舗網を広げる。
 7月29日に仙台駅構内の「ファミリーマート仙台駅店」など3店舗を同時開業し、8月末までに5店舗に増やす。売り場面積は7~66平方メートル程度で、1,200~2,500品目を取り扱う。飲料やたばこ、雑誌などに加えて、弁当やおにぎり、サンドイッチなども販売する。
 コンビニ各社は駅ナカへの出店を増やしている。セブン―イレブン・ジャパンは西日本旅客鉄道(JR西日本)と提携して、JR西管内のコンビニや売店をセブンイレブンに転換。ローソンも東京メトロと組んでいる。

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コンビニ市場規模10兆円突破 14年度本社調べ
寡占化一段と

日本経済新聞社がまとめた「コンビニ調査」で2014年度にコンビニエンスストアの国内市場が初めて10兆円を超えた。セブン―イレブン・ジャパンなど上位3社が1千店を超す出店と独自の商品・サービスで市場拡大をけん引。シェアも3社で約8割を占めた。4位以下は大半が減収となるなど収益力の差が鮮明となった。
 14年度の全店売上高は10兆1,718億円で13年度比3.7%伸びた(2期比較可能な企業31社が対象)。販路別の売上高では百貨店やドラッグストアの6兆円を大きく上回り、スーパーの18兆円に次ぐ存在だ。コンビニの国内総店舗数は約5万6千店(同32社)で5.3%増。セブンイレブンが過去最高の1,602店を開設し、ローソンとファミリーマートの出店も1千店を超えた。
 売上高ではセブンが約4兆円で首位を維持した。ファミマは約2兆円で初めてローソン(約1兆9,600億円)を抜き2位となった。店舗数では1万2276店のローソンがファミマ(1万1328店)を依然上回る。
 大手3社のシェアは8割が目前だ。現在サークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスとファミマが統合交渉中で、実現すれば大手3社のシェアは9割近くになる。
 大手3社は既存店への投資やプライベートブランド(PB=自主企画)商品など独自の商品・サービスを原動力に成長を続ける。セブンは日本コカ・コーラや花王などと共同開発した専用商品で集客力を高める。ローソンもドラッグストア一体型店舗、ファミマは飲食可能な店内スペースの設置を増やしている。
 4位以下は苦戦気味。サークルKサンクスやミニストップの総店舗数は前年より減った。大手が中堅勢を囲い込む動きもある。ファミマは東海地盤のココストアとも買収交渉を続け、ローソンも昨年ポプラに出資した。
 セブン&アイ・ホールディングスは「店舗のある地域で他チェーンとの連携は考えていない」(鈴木敏文会長)とし15年度は過去最高の1,700店を出す計画だ。大手による大量出店と中堅コンビニの再編で寡占化が一段と進みそうだ。

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ローソン 荷物受取サービス拡充へ

ローソンはコンビニエンスストアの店頭で受け取れる商品を増やす。眼鏡専門店「JINS」を展開するジェイアイエヌと、カタログ通販大手のディノス・セシール(東京・中野)と連携し、2社のインターネット通販で取り扱う商品を受け取れるようにする。コンビニをネット通販の受け取り拠点として開放し、店舗への集客につなげる。
 27日からジェイアイエヌの「JINS オンラインショップ」で消費者が購入した眼鏡などの受け取りが可能となる。8月下旬からはディノス・セシールの「ディノスオンラインショップ」の衣料品なども受け取れる。
 ローソンは佐川急便を傘下に持つSGホールディングスと共同で、コンビニを拠点に消費者の自宅へ商品を届ける共同出資会社を設立している。

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惣菜などの中食やカウンターコーヒーが堅調…2015年6月度のコンビニ売上高は既存店が0.6%のプラス、3か月連続

日本フランチャイズチェーン協会は2015年7月21日に、コンビニエンスストアの同年6月度分統計調査月報を、同協会公式サイト上で公開した。その内容によると協会加盟コンビニの同月度の売上高は既存店前年同月比でプラス0.6%となり、3か月連続のプラスを示すこととなった。梅雨前線の活発化で降水量が多く客数が減退したが、カウンターコーヒーをはじめとした各種カウンター商材、惣菜などが堅調な売れ行きを示したことが幸いした(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。
今調査の概要、調査対象企業などの詳細、分析記事のバックナンバーは、過去の記事をまとめたページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。
主要項目における前年同月比は次の通りとなる。

●店舗売上高:既存店は3か月連続のプラス、全店は28か月連続のプラス
全店ベース……+4.4%
既存店ベース…+0.6%
●店舗数(前年同月比)
+4.0%

●来店客数:既存店は5か月ぶりのマイナス、全店は51か月連続のプラス
全店ベース……+3.7%
既存店ベース…−0.3%
●平均客単価:既存店は3か月連続のプラス、全店も3か月連続のプラス
全店ベース……+0.7%(598.1円)
既存店ベース…+0.9%(590.5円)

●商品構成別売上前年同月比(既存店ベース)
日配食品……+2.2%
加工食品……−1.2%
非食品………−2.3%
サービス……+17.0%
合計…………+0.6%

※既存店……1年以上営業中の店舗を指す(店舗増加による底上げでの数字上の誤差を防げる)

6月は活発な梅雨前線の影響に伴い、東太平洋側をのぞいた各地域で降水量が多く、これが来店動機をなえさせ、来店客数がマイナスに落ち込む原因となった。他方、カウンターコーヒーをはじめ各種カウンター上に設置された商品群(ドーナツや揚げ物など)、お弁当、総菜などの中食用商品が好調に推移したことから、売上に大きな貢献をもたらすこととなった。
なお昨年同月の2014年6月は消費税率引上げ後3か月目に相当するが、その時の非食品はマイナス1.6%。これと比較することになるため本来なら反動による底上げがあってもおかしくないが、その前提の上でも今回月ではマイナス2.3%と落ち込んでいる。前年が全店ベース、今回が既存店ベースのため単純比較はできないが、たばこの売上がさらに落ち込んでいるのではないかとの推測もできる(もっとも報告書には特記事項は無い。また雑誌に関する言及も無い)。
商品構成別の売上高の動向を確認すると、いれたてコーヒーの堅調ぶりで全体をけん引する日配食品はプラス2.2%、加工食品はマイナス1.2%、非食品はマイナス2.3%となった。客数がマイナス0.3%でほとんど影響が無いことを合わせ見ると、日配食品は実質面でもそれなりに売り上げを伸ばしている、加工食品と非食品は落としていることが分かる。他方、構成比は5.8%と少なめだが、サービスはプラス17.0%と2割近い伸び率を示しており、今後の成長も大いに期待できるものとして注目したい。
昨年夏まではガソリン代の高騰が来店機運の足を引っ張り、集客の観点でマイナスに働いているのではとの懸念があった。昨今では原油価格の安定化に伴いガソリン代もそこそこの値で落ち着いており、その観点における心配は薄れている。しかしここ数年来懸念されていたたばこや雑誌の売上の減退、集客力の縮小を押しとどめるまでには至らない。
セブンカフェ&ドーナツかつてコンビニの集客と客単価の主軸であった雑誌とたばこ。これらは時代の流れの中で、その勢いを確実に減じている。双方とも業界全体、商品そのものの特性や周辺環境の変化に伴う勢力の変化であり、今後復権の可能性も低い。それぞれ単独の動向を知りたいところだが、日本フランチャイズチェーン協会の月次レポートではそれを推し量ることはできない。ただし年次ベースなら、たばこは大手コンビニが発表しているアニュアルレポート、雑誌ならば「出版物販売額の実態」を通して概況を推し量ることはできる(【コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる】)。恐らく2014年分も昨年分、あるいはそれ以上に売り上げを落としているに違いない。
代替軸となる各種サービス(情報端末やカウンター経由)の提供や、カウンターで提供されるいれたてコーヒーをはじめとする新鮮味あふれる日配食品(昨今のセブン-イレブンやファミリーマート、ローソンにおけるドーナツも良い例)は順調に成長を続けているが、今なお模索が続けられていることからも分かる通り、不安定要素は大きい。
イレギュラー的要素によって生じた軟調な環境の中でも、堅調な売り上げを維持できる軸の模索も多方面で進められている。関連他業界を巻き込む形で、今後も多様な動きが見られそうだ。

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夏物商材堅調で久々にプラス転換…2013年6月度のコンビニ売上高は既存店が0.1%のプラス、13か月ぶり

2013年7月22日に日本フランチャイズチェーン協会は同協会公式サイトにて、同年6月度のコンビニエンスストアの統計調査月報を発表した。それによれば加盟コンビニの同月度の売上高は前年同月比でプラス0.1%となり、13か月ぶりにプラスを記録した。来客数は13か月連続でマイナスだが、平均客単価は5か月ぶりのプラスとなり、これが売上プラスにつながった(いずれも既存店ベース)。同協会側では天候の良さ・気温の高さから夏物商材が売れ、これが後押ししたと分析している(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

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セブンvs.Amazon戦争勃発! 安売り時代の終焉とオムニチャネル時代の到来

■百貨店から総合スーパーへ
流通業の近代史は、まさに戦国史。巨大な企業の栄枯盛衰が他の業界より極端に見られます。たとえば1970年代から90年代にかけて権勢を誇ったダイエーも、2015年1月1日付でイオンの完全子会社となり、ダイエーの名前も将来的になくなる予定です。
では、1900年代からの小売業の歴史を振り返ってみましょう。売上高トップ企業の変遷をたどると、百貨店から総合スーパー、そしてコンビニへという流れになっています。
かつて小売業界トップの地位にあった百貨店は1904年、三井呉服店が社名を三越に変更し、「デパートメントストア宣言」を発したのが始まりです。百貨店は当初、上流顧客を対象にしていましたが、関東大震災をきっかけに大衆化を図り、成長を遂げました。さらに29年に鉄道会社である阪急が梅田に百貨店を開業し、ターミナル百貨店が誕生。しかし、60年代に入るとスーパーや専門店との競合が始まり、ついに72年には三越がダイエーに年間売上高で追い抜かれました。
少し遡って、日本におけるスーパーは、53年に紀ノ国屋食料品店がセルフサービス方式を導入したのが始まりです。紀ノ国屋は銀座のホステスのために、店と銀座を結ぶ深夜バスを出して人気を集めました。60年代に入ると、商品ライン拡大やチェーンストア方式の導入によってダイエーやイトーヨーカ堂などの総合スーパーが登場します。
ダイエー成長の背景には、生活必需品を大量購入し低価格で販売する「よい品をどんどん安く」の業態が、需要が旺盛な高度成長期の生活者に必要とされたことがあります。従来の小売業は各店舗別に担当者が仕入れを行っていましたが、ダイエーはチェーンストア理論とセントラルバイイング方式を導入し、原始的な調達方法を本部の力が機能するやり方に変えたのです。百貨店や専門店より価格を安くできるようになり、紳士服や学習机など販売量で日本一になるカテゴリーも存在しました。

■総合スーパーの衰退とコンビニの台頭
ダイエーが衰退した一番の要因は、地価の上昇を前提に店舗用の土地を購入する仕組みがバブル崩壊で破たんし、不動産価格の下落で担保割れが生じたことです。加えてワンマン経営による、社員のイエスマン化。セントラルバイイングや標準化の名のもとに現場が軽視され、本部が官僚化してしまいました。
他方で、紳士服では青山商事、カジュアルウェアではユニクロ、家具ではニトリなど、ダイエーより安く品質のいい商品を提供する専門店が台頭。このとき生活者はすでに「安い」だけでは満足せず、付加価値を求めるようになっていました。「よい品をどんどん安く」の概念が、典型的な「安かろう悪かろう」に陥ったダイエーから客離れが加速したのは自明の理でした。かつて百貨店から総合スーパーが客を奪ったように、今度は総合スーパーが専門店に顧客を奪われていったのです。
現在、総合スーパーを抜いて小売業売上高トップに立ったのが、コンビニのセブン−イレブン・ジャパンです。コンビニは大店法の規制で自由に出店できなくなった総合スーパーが注目し、イトーヨーカ堂が米サウスランドと業務提携して、73年にヨークセブン(後のセブン−イレブン)を出店したのが始まり。コンビニ各社は弁当など商品開発力の強化と物流システムの構築、売れ筋商品を発見する情報システムの高度化に取り組み、経営効率を高めていきました。

■セブン−イレブンを脅かすのは誰か
また、コンビニで大事なのは毎日何かの理由で使ってもらうことです。来店頻度を上げるために彼らはサービスに着目。宅配便の取り扱いやチケット販売、公共料金などの収納代行、ATMの設置などを行い、既存店売上高の向上に取り組んだ結果、「コンビニに行けばたいていの用は足りる」と、生活者に支持されるようになっていきました。
現在、小売業で頭一つ抜けている企業は、セブン−イレブンを収益の柱とするセブン&アイ・ホールディングスです。セブンプレミアムに代表される、リーズナブルだが安売りではない商品の開発に注力し、リアルからバーチャルまで生活者とあらゆる場所で接点を持ち、買い物を可能にするオムニチャネルの取り組みでも先行しています。
今後、同社を脅かす存在が出てくるかどうか。可能性があるとすれば、アマゾンに代表されるネット系の小売業でしょう。アマゾンは書籍でつくり上げた仕組みとインフラをベースに取り扱いアイテムを総合化させ、あらゆる領域の需要を取り込もうとしています。リアル店舗もネット販売を行うようになっていますが、ネット専門店に比べると在庫管理が甘い。カード決済の顧客データを持っているのもネット系小売業の強みです。
セブン&アイが徳川幕府のように長期政権となるのか、アマゾンがそれを転覆させる黒船となるのか。流通業の戦国時代はまだまだ続きそうです。

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コンビニ大手、第1四半期(3〜5月)に最高益更新 消費増税の影響克服、他の小売業も好調

これからは商品力をどう磨くが一層問われそう
小売り各社、中でもコンビニエンスストア大手3社の収益が大幅に改善している。2016年3〜5月期連結決算はセブン&アイ・ホールディングス、ローソン、ファミリーマートの経常利益がそろって過去最高を更新した。
昨年4月の消費増税による消費者の節約志向の強まりで、一時は「コンビニ離れ」も指摘されたが、各社の新商品投入などが受け入れられており、増税の影響はほぼ克服したとみられる。
もはや「コンビニグループ各社」に様変わり
セブン&アイの決算には総合スーパーや百貨店の事業も含むが、自営店と加盟店を合わせたチェーン全店ベースではコンビニ事業が売り上げの7割近くを占めるため便宜上、グループ全体の決算を活用させていただく。ちなみに最近では、ローソンの決算に高級スーパーの成城石井や映画館チェーンのユナイテッド・シネマが加わるなど、「コンビニグループ各社」とでも言うべき状況となっている。
首位セブン&アイの経常利益は、前年同期比5.0%増の811億円。売上高にあたる営業収益は2.1%減の1兆4,407億円だったが、このマイナスは主に、米国セブン−イレブンで販売しているガソリンの価格が前年より下落したほか、米国セブン−イレブンの不採算店を閉じた影響による一時的なものだ。
国内のセブン−イレブンは3月に高知県に進出するなど、375店をオープンする積極攻勢により、5月末には44都道府県で1万7,772店舗となった。おにぎりなどの基本アイテムの品質を改善する一方、地域ごとの顧客の味の好みに合わせた商品開発を強化。新たな顧客獲得の武器である「セブンカフェドーナツ」の導入は5月末で約7,300店に達し、全店舗の4割を超えた。
こうした商品面の改善効果などもあって、既存店売上高は2012年8月から34か月連続のプラスを維持。チェーン全店ベースの売上高は前年同期比7.4%増の1兆436億円と、3〜5月期として初めて1兆円を突破した。コンビニを中心にグループ全体のプライベートブランドである「セブンプレミアム」の販売は、前年同期比22.2%増の2,370億円と快調で、商品開発力の高さを見せつけた。
日本フランチャイズチェーン協会によると、国内のコンビニ全体の既存店売上高は、消費増税された昨年4月から今年3月までの12か月連続で前年同月を割り込んだ。ただ、今年4月と5月はプラス圏に浮上し、増税の影響が一巡したことを示している。国内でのセブン−イレブンの強さは、この既存店売上高が消費増税された昨年4月以降も、ずっとプラス圏を維持していることだ。トップ独走とも言える状態で国内シェアも伸び続け、3〜5月期は41.4%と過去最高を更新した。4年前(37.2%)と比べると、シェアは4.2ポイント拡大した。

百貨店は訪日外国人の恩恵
2位ローソンも順調だ。売上高(営業総収入)は成城石井が加わったこともあり19.7%増の1,402億円で、経常利益は16.0%増の191億円だった。商品面では、ローソンの強みである原材料調達力を生かした「大きな紅鮭弁当」「厚切りロースかつ&ひれかつ弁当」などが好評だった。「マチの健康ステーション」を掲げるなか、顧客の健康志向をとらえたカット野菜やサラダなどの売れ行きも好調。5月に実施した「おにぎり100円セール」も顧客の支持を得た。
ファミリーマートは売上高(営業総収入)が11.9%増の991億円。経常利益は19.9%増の115億円だった。主力商品の幕の内弁当や冷やしそばについて、見た目や製法を全面刷新した効果が出た。挽きたてコーヒー「ファミマカフェ」で導入した「抹茶フラッペ」なども業績改善を支えた。700円の購入ごとに商品などが当たるくじが引けるイベントも来客数や客単価の向上につながった。
コンビニの増収増益が目立つが、他の小売り企業も悪くない。イオンの3〜5月期の経常利益は前年同期比42.2%増の357億円。総合スーパー事業の苦戦は続くものの、食品スーパー事業が底上げした。富裕層や訪日外国人の需要を取り込む百貨店各社も好調で、J・フロントリテイリングの3〜5月期の経常利益も19.6%増の126億円で過去最高を更新しているといった具合だ。
こうなってくると小売業において消費増税を業績不振の言い訳には使いにくく、商品力をどう磨くが一層問われそうだ。

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