個人カード無償配布

申請の添付書類不要に

マイナンバーが国民にとって便利な制度になるかどうか。そのカギを握るのが個人番号カードだ。2016年から市区町村の窓口で無償で受け取れる。
表には顔写真のほか、名前、住所などが記載され、裏面に12桁のマイナンバーが載る。ICチップが埋め込まれており、カードに表記されている情報が記録される。
17年からはこのカードを持って行政窓口に行けば、児童手当の申請などで源泉徴収票や所得証明書、住民票などの添付書類の提出が不要になる。
個人カードは本人確認用の身分証として、これまでの免許証やパスポートの代わりに様々な場面で使える。マイナンバーの利用は制限が多いが、カードは番号が書かれた裏面をコピーしなければ民間企業が本人確認に使うことも認めている。
さらに、市区町村は条例を定めることで個人カードを独自に利用できる。例えば、公立図書館の利用カードや印鑑登録証としての機能を持たせたり、コンビニで住民票を発行するサービスなどに使ったりできる。
将来は民間に利用を拡大することを検討している。社員証やクレジットカード、キャッシュカード、健康保険証としても使えるようになる予定だ。協力する企業を増やし、利便性を高められるかが普及のカギを握る。
17年に政府がネット上に開くマイナンバーの個人ページへのアクセスにもカードが必要となる。

源泉徴収票に記載

企業、厳重な管理不可欠

マイナンバーは企業活動にも大きな影響を与える。従業員とその家族の個人番号や本人確認書類を集めて照合し、書類に記載するなど複雑な作業が必要になる。個人情報漏洩など法に違反した場合の罰則も厳しくなっており、情報管理に一段と気を配る必要もある。
企業が作成する書類でマイナンバーの記載が義務付けられる代表格ともいえるのが源泉徴収票だ。年末調整時の記載は制度開始の1年後からだが、2016年1月以降の退職者には直ちに番号を記載する必要がある。契約社員やパート・アルバイトなども導入初年度から対応が必要だ。
雇用保険なども16年1月から提出書類にマイナンバーを記載することが求められる。17年1月からは健康保険と厚生年金保険も同様になる。
源泉徴収票などの書類作成に加えて、個人情報保護の観点から従業員のマイナンバーの保管や廃棄への厳格な対応も欠かせない。各企業は専門組織や専任者を置く必要がある。
厳しい罰則規定も設けられる。企業の情報担当者などが従業員らの個人情報を外部に流すと、懲役や罰金刑が科せられる場合がある。社内的に個人情報の取扱規定などを強化すると同時に、業務を外部に委託する場合などの新たなルール整備も不可欠だ。