労使トラブルの際に経営者がやっては行けない行動

たかの友梨ビューティクリニックの労働問題を取り上げ、経営者がやってはならない行動について解説します。

はじめに

全国的に有名なエステグループである「たかの友梨ビューティクリニック」仙台店で、従業員が有給休暇を取得した際に残業代から有給休暇分の給与を減額していたことが明らかになりました。

同社は労働基準監督署の是正勧告を受けたほか、監督署へ違法状態の申告をした従業員に対して高圧的な行動を行ったこともあり、問題が深刻化しています。労使トラブルの際に、経営者がやってはいけない行動は何でしょうか。

たかの友梨氏の場合

たかの友梨氏は、是正勧告を受けたのち、仙台店に勤務する全従業員を集め「潰れるよ、うち。それで困らない︖」「あなた会社潰してもいいの︖」「職場にいながら会社に矢を向けた」などと2時間以上にわたって問い詰めました(発言内容を労働者が録音していました)。このことにより精神的なショックを受けたとして、労働者側はたかの氏の行為が不当労働行為(労働組合による交渉を拒否したり、不利益に取り扱ったりすること)に当たるとして労働委員会に救済申し立てをしました。

きっかけは「感情的な対立の種」

今回のたかの友梨事件に限らず、労使トラブルが深刻化する場合、大抵はそのトラブルの前に何らかの「感情的な対立の種」があります。

 感情的な対⽴の種の例︓
 不公平な取扱い、昇進などの処遇に対する嫉妬/行き過ぎた上司の指導(暴⾔や⼈格否定など)による
 精神的ショック/社長と従業員の収⼊格差に対する劣等感/友人知人の労働環境と⽐較したときの福利
 厚生などの格差

例えば「会社の経営が厳しいから給与を一律減額する」という号令をしながら、一方で社長が同時期に高級車を新車で購入していた場合、従業員は経営者の言動不一致に対し不満の感情を高めます。そして不満を抱いた一部の従業員が「会社に一泡吹かせるネタはないか」と考えるようになるというわけです。

この感情的な対立がひとたび合同労働組合を交えた労使トラブルに発展してしまうと、もはや会社の立場は決して強くないことを会社はよく心得ておくべきです。経営者はまず、「感情的な対立を助長するような行動を自らがしていないか」を振り返ってみてください。

労使トラブルが起きてしまったとき、経営者がやってはならない行動

いったんトラブルが起きてしまったら、とにかく冷静に対応しなければなりません。相手の言い分には真摯に耳を傾けながら、できないことにはきっぱりと拒否する強さも持っておかなければいけません。
下記の「やってはいけない行動」を参考にしてください。

やってはいけないこと リスク
労働者の交渉の申し出を拒否、無視する 労働組合法上の「不当労働行為」となり、その後の交渉が不利になる
労働者の言い分をすべて受け入れる 要求が過激化し、経営に大ダメージを与える
感情的になり、大声を出したり高圧的になったりする 不利な⾔質を取られたり、相手のネガティブキャンペーンのネタにされたりする
飲酒運転などの危険行動に対する認識が甘くないか 安全運転に関する社内教育

労使トラブルの種チェックシート ←クリックするとPDFでチェックシートが開きます。