ファミマ、複合型3,000店 薬局・ドラッグ店、提携20社に 農協とも組み成長狙う

 ファミリーマートは調剤薬局、農協、スーパーなどと組んで複合型のコンビニエンスストアの出店を増やす。現在は約460店にとどまる駅ナカなどを含めた異業種と展開する店を5年で3,000店に広げる。ドラッグストアや調剤薬局との提携先は年内に20社に拡大する。立地や得意分野に応じて、集客力を最大限に引き出す組み合わせを探り、複合店を今後の成長の柱にする。
ファミリーマートは複合店の出店を進めている(東京都千代田区)
 提携先となる異業種との交渉を迅速に進めるため、約20人からなる専門部署を今春に設立した。これとは別に2つの店の最適なバランスや品ぞろえを研究する専門の担当者も増やしている。
 ファミマはドラッグや調剤薬局などとの複合店が約60店あり、駅ナカや病院内といった特殊な立地では400店を運営している。今後は複合店を中心に増やし、異業種との連携店を5年で合計3,000店に広げる。
 けん引役はドラッグストアや調剤薬局になる。「薬ヒグチ」のヒグチ産業(大阪府東大阪市)など12社と結んでいるフランチャイズチェーン(FC)契約を年内に20社に広げる。新旧の提携先と協力して5年で1,000店に増やす計画だ。
 調剤薬局などとの提携は、一般用医薬品(大衆薬)を扱える薬剤師や登録販売者をすぐ確保できる利点がある。コンビニだけでは難しい消費者を取り込み、シャンプーやおむつなど日用品も低価格でそろえる集客力を店舗網の拡大に生かす。
 ヒグチとの併設店の一部はファミマの閉店候補を転換した例もある。複合店に衣替えすることで女性など新たな顧客を増やし閉店を避けられた既存店もあるという。
 異業種との連携店は2014年度は国内出店1,600店のうち最大300店を計画。5年間で出す新店のうち3割近くを振り向けるもようだ。
 地方では農業協同組合との複合店を増やす。現在は長野県のJA大北など約40店あるが、とれたて野菜や果物を扱う直売所をファミマに転換。直売の機能は残すことで固定客を抱えたまま、コンビニが得意とする商品やサービスを加える。単独での運営が難しい地方の農協から「引き合いが増えている」という。
 国内のコンビニは商品とサービスの領域や出店場所を広げ、周辺の流通業から顧客を奪ってきた。最近では外食チェーンの顧客を取り込んだ店頭のいれたてコーヒーが典型だ。ファミマは一歩踏み込み店舗網を広げるため異業種の集客力自体を取り込む。
 コンビニでは最大手のセブン―イレブン・ジャパンが弁当や総菜を中心とした標準型の店で出店攻勢をかけ、2位以下を引き離しつつある。ローソンは「ローソン」のほか、健康志向の「ナチュラルローソン」、生鮮を扱う小型スーパー「ローソンマート」など複数のタイプを立地によって使い分けている。

ローソン、健康管理支援 フィットネス大手と 無料アプリ提供

 ローソンはフィットネスクラブ大手のルネサンスと提携し、今秋から消費者の健康管理支援を始める。ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」の会員向けに、スマートフォン(スマホ)などのアプリ(応用ソフト)を通じて生活改善などを指南。健康づくりに役立つ商品情報も発信する。ローソンは消費者の健康志向に的を絞った店舗展開を打ち出しており、ネットを活用して健康への意識が高い消費者の来店を促す。
 ルネサンスのノウハウを使い、秋から無料配信を始めるアプリ(応用ソフト)に健康管理支援機能を備える。利用者が健康診断のデータや日々の食事メニュー、体重などのデータを入力するとカロリーの摂取量をグラフなどで表示するとともに、食生活などのアドバイスをする。
 利用者の健康状態に合った商品も提案する。塩分やカロリーを抑えた弁当、野菜を多く使った総菜などを紹介。これらの商品に使えるクーポンも配信する。
 ルネサンスはアプリでトレーナーのアドバイスを発信したり、同社の施設で実践できる運動プログラムを提案したりして、全国に100カ所程度ある自社施設の利用を促す。両社は互いの店や施設でポイントをためたり使ったりできるようにすることも検討する。
 ローソンは現在は主に首都圏で展開する、消費者の健康維持に役立つ商品を重点的にそろえた「ナチュラルローソン」を全国に広げる方針。食品メーカーが活用し切れていない技術を生かした独自商品を増やし、2016年度には店頭の食品の25%にあたる約600品を健康に良いことをうたった商品に切り替える計画だ。

コーヒー目当て女性にも コンビニ「来店増えた」65%、男性上回る

 コンビニエンスストアのレジ横でいれたてを販売する「コンビニコーヒー」が本格的に登場して1年以上がたった。コンビニ自体の売り上げを増やすだけでなく、国内のコーヒーの消費量を底上げする勢いを見せている。現在の利用客の中心は30~40代男性だが、女性の来店頻度を高めたり、ついで買いを促したりしていることが楽天リサーチの調査で分かった。
 まず、コンビニコーヒーを買っている人はどのような人なのか。性別・年代別でコンビニコーヒーの購入頻度を調べた。
 週1杯以上購入している割合をみると、特に30代男性と40代男性が高く、それぞれ15.7%、20.3%だった。一方で、他の属性では10%未満で、特に女性は相対的に頻度が低い。 
 30代、40代以外の男性や女性に対して、新規利用を促したり、利用頻度を高めてもらったりすることが次のポイントとなりそうだ。 
 コンビニコーヒー以外のコーヒーも含めて、1年前と比べて購入がどのように変化したのかを確認した。 
 コンビニコーヒーの飲用頻度が増えたと答えた人は全体の65.0%だった。他のコーヒー飲料をみると、特にRTD(購入後そのまま飲める缶やペットボトル入り飲料)のコーヒーは「減った」が3割弱に対して、「増えた」が1割前後と苦戦を強いられているようだ。一方、コーヒーショップやファストフード店のコーヒーは「増えた」より「減った」が多いものの、比較的拮抗している。RTDのコーヒーの方が、コンビニコーヒーの影響を大きく受けているのかもしれない。 
 さらに、コンビニコーヒーユーザーが、コンビニコーヒーを飲み始める前に何を飲んでいたのかをみると、「缶コーヒー(34.5%)」がトップ、次いで「コーヒーショップで買うコーヒー(23.2%)」「ファストフードで買うコーヒー(10.3%)」と続く。 
 特に、缶コーヒーから流入した人をみると全国の30~40代男性が多い。コーヒーショップから流入した人は都市部に住む女性が多いという特徴があった。 
 ではコンビニコーヒーユーザーはどんな点に満足しているのだろう。 
 コンビニコーヒーの要素別の満足度をみると、全般的にすべての項目で満足度が高いが、特に「香り」「手軽さ」「味」の満足度が高い。性別では、女性は全ての項目において男性よりも満足度が高く、男性は「形状」「量」に関する満足度が相対的に低い。今後の改善のヒントとなりそうだ。 
 コンビニコーヒーをなぜ買っているのか、自由記述で答えてもらった。缶コーヒーと比べて、「味が本格的でおいしい」「プチ贅沢(ぜいたく)」「自分でいれる過程で香りが楽しめる」などが挙がった。コーヒーの魅力である味・香りを安価に楽しむことができ、さらにそれが期待以上であることが、リピート率を上げる要因といえる。 
 また、「コーヒー店で、くつろぐほどの時間もない時(男性・60代)」「カフェに行くのは面倒。でもコーヒーが飲みたい。そんな時に利用してます(女性・20代)」というコメントもあった。コーヒーショップでは満たせていなかったオケージョン(機会)で利用されていることもわかる。 
 コンビニコーヒーが登場したことでコンビニへの来店頻度がどう変化したかを聞いた(図3)。男性の56.1%、女性の65.4%が来店頻度が増えたと回答しており、特に女性の頻度の増加に貢献している。 
 コンビニコーヒー購入時に、他にどのような商品を購入したかを確認した質問(図4)では、男女とも「パン」と一緒に購入するシーンが多い。増税後の一部チェーンがコーヒーマシンの近くへパンの棚を移設したのも納得できる。男性では2位に「コーヒーのみ購入」となっている。女性は2位に「お菓子」、3位に「デザート」が入っており、女性でついで買い比率が高い。女性客の客単価アップに貢献しているようだ。 コンビニコーヒーが今後、さらに普及する中で、コンビニのマーチャンダイジングにどう影響を与えるか、継続的に注目する必要がありそうだ。 
(楽天リサーチ 定性調査チーム 浜田倫崇)
 調査の概要 楽天リサーチの会員を対象に2月19~21日にインターネットで実施。対象者は全国の20~69歳の男女。有効回答数は3000。

セブン、自社農場野菜を宅配 関東6,600店で4種類

 セブン―イレブン・ジャパンは店舗から弁当や生鮮野菜などを宅配する「セブンミール」で、自社の農場で生産した野菜を販売する。まず千葉と茨城の2カ所の農場で生産した小松菜やチンゲン菜など4種類を、関東のセブン―イレブン約6,600店で扱う。農場は北海道や新潟県など10カ所にあり、取り扱う野菜の種類や販売店舗を順次増やしていく。
 自社農場の野菜はこれまでイトーヨーカ堂のみで販売していた。セブンミールは全国約1万6千店の8割近くで手掛けている。シニア層の利用が6割を占め、野菜の利用も伸びているという。
 セブンイレブンの野菜販売額は店頭と宅配サービスの合計で毎年5割程度増加。生産から販売までを自社管理している農場直送の野菜で「食の安全・安心」を訴え、販売をさらに伸ばす考えだ。

ファミマ、定食店併設 フジオフードと組み5年で200店めざす

 ファミリーマートは「定食店」の機能を持つ複合型のコンビニエンスストア=写真はイメージ=を多店舗展開する。外食大手のフジオフードシステムと組み、7月に東京都内に1号店を開く。出来たての食事や総菜で、働く女性やシニアの中食需要を取り込む考え。今後5年で200店の出店をめざす。
 フジオフードがファミマのフランチャイズチェーン(FC)加盟店となりコンビニを展開する。関西地盤の同社は「まいどおおきに食堂」などを全国で約700店運営している。
 都内に開く1号店の売り場面積は約230平方メートル。通常のコンビニ(約200平方メートル)よりも広めで、オープンキッチンと飲食スペースを設ける。持ち帰りに加え、出来たての定食や総菜が店内でも楽しめるようにする。通常のファミマで販売している弁当も売り場に並べる。品ぞろえを広げることで弁当全体の売上高を底上げする。
 ファミマはドラッグストア、カラオケ、スーパーなどとの複合店を増やしている。異業種との連携で開く複合店を5年で3,000店に広げる計画だ。

ローソン、薬販売の新型店拡大 3年で500店開設
 ローソンはドラッグストア機能を持つコンビニエンスストアを出店する。一般用医薬品(大衆薬)やシャンプー、化粧品などを扱い、フランチャイズチェーン(FC)方式で3年後に500店まで増やす。薬や日用品まで幅広く商品をそろえて消費者の多様なニーズに応える。薬も全て自社で仕入れる方針で、今後の出店の主力にする。
薬のほか、シャンプーなどの日用品もそろえる
 「ローソン湯島駅前店」(東京・文京)を昨年10月に改装し、実験を重ねてきた。風邪薬やシャンプーなど5千品目そろえ、通常のコンビニより商品数が6割多い。改装後は1日あたりの売り上げが5割増え、多店舗化できると判断した。
 まず店名はローソンのままで大衆薬や日用品も売る店舗を今後3年で約300店出す。さらに処方箋を受け付けたりより多種類の薬を扱ったりできる店を、地方の調剤薬局やドラッグストアと組んで約200店出す。
 「登録販売者」の有資格者が店にいれば副作用のリスクが高い第1類を除く大半の大衆薬を扱える。有資格者の勤務時間に合わせ薬を販売する。
 登録販売者の受験には1年間にわたって月80時間以上の医薬品販売を経験することが必要。ローソンには資格を持つ社員が約100人いる。今後は加盟店のオーナーが自分の店で医薬品販売の経験を積めるように有資格者の派遣も計画する。