Q.お客が店舗に財布を忘れて帰った場合、連絡先の分かる物が入っているかを確認するために、財布を開けてもいいですか?
A.むやみに開けることなく、お客からの連絡を待ってください。お客からの連絡がない場合、警察に届け出てください。
解説
 忘れ物については、遺失物法という法律があります。遺失物法は、店舗のような施設で忘れ物(遺失物)があった場合、施設の占有者は忘れた人(遺失者)
に返還するか、警察に提出しなければならないとしています(遺失物法13条)。そのため、お客が財布を忘れた場合、お客に返すために財布を開けて確認する必要があるようにも見えます。しかし、財布の中には、現金の他、お客の個人情報や秘密情報が入っている場合もあるので、店舗の担当者が安易に開けて確認すると、後で、現金がなくなっている、知られたくない個人情報を知られた等、お客との間で思わぬトラブルが生じる可能性があります。
 ですから、忘れたお客の連絡先を知る目的であっても、忘れ物を開けることはせず、忘れたお客から連絡が入るのを待つようにします。また、忘れ物自体を紛失しないよう、カギのかかる場所等で保管するようにします。忘れ物をしたお客から連絡があったときは、お客の連絡先を確認し、受領書と引き換えに忘れ物を引き渡し、お客の連絡先と受け取った受領書は店舗で保管します。他方、忘れ物をしたお客から連絡がない場合には、一定期間保管後に警察に提出するようにします。

Q.私は幹線道路沿いでコンビニを経営しています。当店の駐車場内で車両の盗難・車上荒らしがありました。店舗は責任を負いますか? また駐車場内で車両事故が起きた場合はどうでしょうか?
A.原則として店舗は責任を負いません。
解説
コンビニの駐車場は、店舗利用者の便宜のために提供されており、車両の保管を直接の目的としていません。ですから、駐車場内での車両盗難などは、店舗側は原則として責任を負いません。
 参考となる裁判例として、ガソリンスタンドに駐車中の車両が盗難に遭った事件で、裁判所は、ガソリンスタンド経営者に車両の保管責任がないとしました(東京地裁昭和59年7月31日判決、東京地裁平成10年10月20日判決)。ガソリンスタンドでの駐車は給油などを目的とし、保管(寄託)を目的としないからです。駐車場内の事故は、①運転者自身の過失による自損事故、②駐車場設備が原因の事故、③第三者の過失による事故、があります。①は、店舗が責任を負わないのは当然です。③は、お客同士の事故がありますが、これは事故当事者が責任を負うので、原則として店舗は責任を負いません。こうした場合を想定し、一般に、店舗の駐車場には「駐車場内の事故については、当店は一切責任を負いません」という看板が置かれています。ただし、こうした一方的な規定は無効になる場合があります(消費者契約法8条)。店舗施設や駐車場設備に欠陥(地面の陥没等)があれば、お客への賠償責任は免れません。