Q.「12月24日に2,000円のクリスマスケーキを1個用意してくれ」とお客に言われたのですが、ケーキが届いたのが25日でした。お客は「24日を過ぎたからいらない」と言っています。ケーキ代金を請求できますか?
A.本件のように特定の日時を過ぎれば契約の履行が無意味になる場合は、遅れて商品を用意しても代金を請求できません。
解説
 目的物や代金などが具体的に定まっていれば、売買契約が成立します。本件では具体的な金額も個数も確定しているので、クリスマスケーキ1個の売買契約が成立しています。
 ただし、今回はクリスマスを過ぎてしまったことが問題です。民法は、契約の性質や当事者の意思によって一定の日時・期間内に商品を提供しなければ契約の目的を達成することはできない場合は、その時期が経過しただけで、相手方は直ちに契約を解除できると定めています(民法542条)。なぜなら、その日時を過ぎると契約の履行が無意味なるからです。
 通常の商品と違ってクリスマスケーキは、12月24日までに提供しなければ意味がないので、「契約の性質上…一定の日時」に商品を提供しなければ目的を達成できない契約であると言えます。ですから、たとえ25日にケーキを用意しても、お客は売買契約を解除できることになり、店としてはお客に対してケーキ代金を請求できません。

Q.お客Aさんが店で財布を拾い店長に届けました。店長が交番に届けると落とし主が判明し、その方がお礼に1,000円分の商品券をくれました。ですがお客Aさんは「商品券は拾った僕のもの」と言っています。どうすればいいですか?
A.落とし主は、拾い主と施設管理者に対して、礼金を2分の1ずつ渡すことになります。
解説
 遺失者は、拾い主に対して、遺失物の5~20%の範囲でお礼をしなければなりません(遺失物法28条1項)。コンビニのような施設の場合、拾い主は施設の管理者(店長など)に拾得物を届けることになり、施設管理者はそれを警察に届けることになります。
 警察への届け出も何かと手間がかかるので、遺失物法は、拾得者と施設管理者に半分ずつお礼をするように定めています(遺失物法28条2項)。ですから、落とし主としては、店舗と拾い主に対して遺失物の2.5~10%の範囲内でお礼をすることになります。本件では、財布の価値が不明ですが、店舗としては落とし主と相談して、財布を拾ったお客に対して同額のお礼をしてもらうか、この商品券を2等分することになるでしょう。