Q.私はコンビニを経営していますが、夜はアルバイトに任せっきりです。アルバイトがさぼらないよう、ビデオカメラの台数を倍増し、休憩室にもビデオカメラを設置しようと考えています。問題はないですか?

A.防犯や労働者の管理のために合理的な範囲ならば可能ですが、休憩室まで設置することは困難です。
解説
 ほとんどのコンビニでは防犯のためにビデオカメラを設置しています。ある裁判では、このようなビデオカメラの設置は適法であると判断されました(名古屋地裁平成16年7月16日)。
 では、防犯目的ではなく従業員の監視のためのビデオカメラ設置は許されるでしょうか。この点について、厚生労働省は「労働者の個人情報の保護に関する行動指針」を発表しています。そこでは、「モニタリングが曖昧な形で行われた場合には、労働者の側にその不安感から精神的な圧迫、苦痛を与えることが高く、個人情報の保護を図る上で問題を生じることが考えられる」とされ、モニタリングを行うならば、その理由や内容を従業員に対して事前に通知すべきであるとされています。
 ですから、労働・休憩時間の区別もなく徹底した監視を行うことは許されません。また、休憩室にまで監視カメラを設置することも困難です。

Q.新人P/AのC君から「先輩P/AのDさんのいじめがひどくて、僕はノイローゼになりました。すぐ辞めさせてください。そうじゃないと、僕は会社を訴えます!」と言われました。どう対処すればよいでしょうか?

A.まずは正確な情報収集に努めてください。その際、被害者となった従業員のメンタルヘルスへの配慮を忘れないようにしてください。
解説
いじめも個人の人格権を侵害する不法行為(民法709条)に該当します。ですから、従業員Dが他の従業員C君をいじめ、そのためにC君が精神疾患を病むようになれば、DはC君に対する損害賠償責任を負います。
 また、会社はDの使用者なので、自己の従業員の不法行為いついて使用者責任(民法715条)を負います。
 そのため、会社自身もC君に対する賠償責任を負う可能性があります。具体的には、DがC君をいじめていることを知りながら、会社がそのいじめを見て見ぬ振りをしていたならば、会社はC君に対する賠償責任を負います。
 また、会社がDのいじめを知らなかったとしても、職場でのいじめ防止措置を取らなかったような場合は、会社の賠償義務が生じる可能性があります(川崎水道局事件 東京高判平成15年3月25日、横浜地裁川崎支部平成14年6月27日)。