Q:アルバイトのAが数ヶ月にわたり、レジの現金を盗んでいたことが発覚しました。後日、私はAを懲戒解雇しましたが、今後、再発を防ぐために、事件の内容を従業員控室に文書で張り出しました。このような処分は適法ですか?

A: 再犯防止・社内秩序維持の為に相当な方法なら許されます。
解説:
懲戒処分がなされた場合に、職場の秩序維持の為に、当該事実を社内・店舗内で公表することがあります。その場合まず、それを公表する必要があるかどうかが問題になります。窃盗・横領などの犯罪行為の場合、再発防止・秩序維持のためにも公表も必要と言えます・ただその公表方法が問題となります。社内に掲示する場合、場所によっては第三者の目に触れる事もありますから注意が必要です。本件では従業員控室に掲示してあるので適切です。さらに、被処分者の氏名等まで公表すべきかどうかも問題になります。個人名を公表しなくても、会社として厳重な処分をしたことさえわかれば、再犯防止・社内秩序の維持の目的は達成できるからです。氏名を公表すると事は、店長や取締役といった重要なポストにある者が重大な非違行為をした場合に、限定されるべきでしょう。

Q:当社はP/Aとの雇用契約を、六ヶ月の有期雇用契約としています。Aさんはすでに2回更新していますが、3回目の更新をせずに契約を終了させることは出来ますか?

A:労働者が継続雇用されることに合理的期待を持つときは、期間満了のみを理由に労働契約を終了できず、会社は社会通念上是認できる合理的理由がないと雇用を終了できません。
解説:期間の定めのある労働契約は、その期間が満了すれば終了するのが原則です。しかし期間の定めのある雇用契約であっても、それが何回か更新された上に、経営者から長期雇用を期待させる言動があったり、正規社員と同様の業務に従事していたり、自動的に更新され続けたりすれば、労働者としては「このさきもずっと雇用されるだろう」と期待します。(継続雇用への合理的期待)このような場合は、労働契約に期間の定めがあっても、実質的に機関の定めのない契約と同視されます。すなわち労働者が継続的に雇用を期待している場合には、期間満了のみを理由に労働契約を終了させることは出来ず、会社としては社会通念上是認できるできる、合理的理由がないと雇用を終了させることができません。(最高裁昭和49年7月22日判決)このことは平成24年9月の労働法改正においても確認されました。
ですから会社として次回更新が難しいと考えているならば、出来るだけ早い時期に「今回が最後の更新です」「○ヶ月後の更新はいたしません」と予告しておく必要があります。