Q:当店のP/Aは、シフト表で決められた自分の出勤時間前に各自が更衣を済ませ、身だしなみチェックをしています。こうした時間は労働時間に当たるのでしょうか?

A:労働時間が使用者の指揮下にあるか否かで決まります。更衣時間は使用者の指揮下に置かれた時間とは言えないので、原則として労働時間には当たりません

解説:労働基準法に言う労働時間とは、使用者が労働者に「労働させる時間」(実労働時間)を言い、使用者の指揮下に置かれる時間を言います。では、更衣の時間は労働時間と言えるのでしょうか?労働者は労働を提供できる状態を準備しなければならないので、作業着等に着替えることが義務的で入念な作業を要する場合を除いては、労働時間に含まれません。コンビニのユニフォームに着替える程度では使用者の指揮下におかれているとは言えないので、労働時間には含まれません。他方、用具の片づけは、本来、業務の一貫としてなされるべきものなので、それが日々のルーチン作業となっていれば、たとえ始業前や終業後になされていたとしても労働時間に含まれます。始業前の引き継ぎ・ミーティング・体操などもそれが義務的に行われていれば労働時間に含まれます。

Q:P/AのAさんが冷蔵庫の管理を怠った為に、商品が傷み、当店は損害を被りました。今月のAさんの給与から損害額を相殺してもいいですか?

A:従業員が会社に賠償義務を負う場合も、従業員への賃金は原則全額支払う必要があるので、従業員の給与から賠償額を控除する旨の、相殺合意書を作成するようにしてください。

解説:食材管理のミスは店舗でありがちな事故ですが、食材管理についての教育研修が不十分であったり、店長の管理が不十分であったりした場合、Aさんへの賠償請求は認められない可能性もあります。他方、Aさんに故意または重大な過失があれば、賠償請求も可能です。その場合でも従業員への賃金は全額支払わなければならないので、(労働基準法24条)会社から一方的に賠償額を控除することは出来ません。ですから経営者はAさんとよく話し合い、Aさんが給与からの控除に同意する場合は、相殺合意書を作成するようにしてください。